【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート 作:バブ辻オギャン
冷たいほほに 手をあてて
思い出してる 夏の風
草のにおい たかい空なRTA、はーじまーるよー!
前回はちょうど緊急柱合会議(痣のデメリット説明)の途中で終了したので、今回はその続きからプレイしていきます。
と言っても、後はただひたすらにレベリングを重ねていけばいいだけなので超楽です。
何かの手違いで刀鍛冶の里に童磨が来るとかいうクソゲーを引いてしまいましたが……。
なんで??
本当に危ない所でした。担当地区が偶然里に近い場所だったからリカバリーが効いたものの、下手すりゃリセット案件でしたからね。
もう後は『刀鍛冶の里編』が終わるのを待つだけじゃ、ガハハ! して完全に油断してました。
まぁ悪い事だけじゃありません。本来は『無限城編』で完成する予定だったであろう拾ノ型が一足早く完成したので、それを極めていく時間が確保できました。
柱の犠牲者事故が一番起こりやすい童磨もいなくなったし後はもう無惨様を追い詰めるだけで――。
……半天狗かぁ。
無限城で半天狗との追いかけっこかぁ……。
いやこれはこれできっついな? まぁ負けはしないでしょうけど、色々面倒臭すぎないか??
無限城の初期スタート地点次第では麗ちゃん最後まで半天狗とエンカウントできない可能性もあるしな……。
やっぱすげぇよ鳴女、ロックンローラーは使う術の規模が違う。
と、会議の方に戻りましょう。
・有一郎からすっごく怒られた、あとカナエさんからも。
・とりあえず『胸にある』という事だけは伝えておいた、皆変な顔してたけど。
麗ちゃんはさぁ……。
有一郎くんがツッコミ役として万能すぎますね、やはり月の呼吸の使い手は皆そうなる運命なのか……?
・『痣』の発動条件はよく知らない……というか、生まれつきだったからどう説明すればいいか分からない。
・でも他の人と比べて分かる事は説明する。とにかく血液の流れが速くて、心拍数も……。
・あ、カナエさんが詳しく補完してくれた。
蝶屋敷の経験&カナエさんとの友好度イベントの恩恵が来ましたね。
本来、痣を出している筈の無一郎くんがまだ痣者に覚醒していないのでどうなる事かと思いましたが、どうやら心配はいらないようです。
・カナエさんが言うには、体温は三十九度。そして心拍数も二百以上、それが痣の出る条件らしい。
本当これ人間じゃないですよね。
しかも縁壱族は生まれつき(赤子の時点)でこれなので……いやホントすげぇな? 人体の神秘。
「心拍数に体温……何故そうなのですか?」
「はい。私は以前、彼女の身体を詳しく診察する機会があったのですが。……その、それが彼女の『平均』でして」
「……あんた本当に人間なのか?」
・有一郎が辛辣。
有一郎くんは正論しか言ってねぇんだよなぁ……。
よく見るとあまね様も若干引いてない? 気のせい?
「チッ、そんな簡単なことでいいのかよォ」
「これを簡単と言ってしまえる簡単な頭で羨ましい」
冨岡さんさぁ。
よく見ると風と蛇だけじゃなくて有一郎くんまで苛立ってやがる。
大丈夫? あなたしのぶさん無しでやっていける?
・相変わらず口下手だ、本当は優しい人なのに。
麗ちゃんは天使ですね。
さて原作の通りならこの後、例の爆弾発言……痣のデメリット判明ですね。
「ただ一つ、痣の訓練につきましては皆様にお伝えしなければならない事があります」
「……なんでしょう?」
「もう既に痣が発現してしまった方。……花柳様は選ぶことができません」
お、来ましたわね。
「痣が発現した方はどなたも
・――――――。
いるさっ ここにひとりな!!
「そ、れは……」
「……残念ながら、残されていた手記の全てにそう書かれています。中には、二十歳を過ぎてすぐに死んでしまった方も」
「……」
「例外は、一つとしてありません」
あるんだよなぁ例外。
そら縁壱さんの記録は『歴代炎柱の書』以外にほとんどないから仕方ないけど……。
肝心の麗ちゃんはどうですかね、場合によってはメンタルの調整もしなきゃいけないけども……。
いやでも大丈夫か、鬼殺隊だし。
「……そうですか」
・納得できた。こんな力、何かの代償があって当然だ。
本当に大丈夫なんだけどなぁ……。
まだ実感がないというか、自分でもよく分からないって感じですかね。
縁壱さんはどんな思いだったんでしょうか。
呼吸を教えた者たちが自分と同じように痣を出し、死んでいきながらも、自分だけは長く生き続ける……。
この人も充分お労しいんですよね。
それに周りの方々も概ね同じ感じですね、まぁ今更死を恐れるような人間が柱になる筈もなし。
そもそも甘露寺さんですらちゃんと鬼殺ガンギマリですしね、いらない心配だったか。
「あまね殿も退室されたので俺も失礼する」
「おい待てェ失礼するんじゃねぇ」
あーはいはい、ここの冨岡&不死川による漫才もポチポチ早送りです。
その後は悲鳴嶼さんが場を仕切ってくれるので、こちらで稽古する訓練の内容を選ぶターンに入りましょう。
今回の柱稽古は基本、稽古の手順はかなり自由なんですが鍛えられるポイント自体はシンプルです。
一つが『体力訓練』ですね、これは宇髄さんがやってたような基本中の基本である体力・筋力の増強、そして悲鳴嶼さんがやる更なる筋力増強と限界突破のスキル付与。
もう一つは『剣術訓練』、これは無一郎くんが原作でやってたような打ち込み稽古に近いですね。
そして最後、これは原作ではない要素の『呼吸訓練』です、本作オリジナル要素。
……で。やるのは当然これ一択、『呼吸訓練』!
ご存じの通り、縁壱スペックならば万人に合った呼吸の適正や矯正、そして育成が可能。
加えて指導の際により多くの剣術の型を見て学び、一層こちらの剣術レベルを成長できるきっかけになります。
何よりこれは難易度の高い訓練であり、イコール悲鳴嶼さんと同じく最後辺りに行う訓練です。
なのでその分、時間たっぷりかまぼこ隊と友好度イベントを重ねる事ができるんです。
後の無惨戦に備えて事故を減らす為にも『柱稽古編』での彼らの強化は欠かせません、という訳で気を引き締めていきましょう。
それじゃあ早速準備開始ィ!
産屋敷邸を辞すため、麗は美しく作り込まれた石庭を歩いていた。
白砂がきれいに波紋を描いて敷き詰められ、洗練された庭石と青々とした苔が静寂の中に佇んでいる。一歩踏み出すたびに草履の底が微かな音を立て、庭園の青葉を揺らす風が、麗の漆黒の髪を優しく撫でていく。
その時、声がかけられた。
「少し、いいか」
振り返らなくとも、その低く静かな声色は誰者かは分かる。
それはまるで、大地そのものが言葉を発したかのような深い重厚感のある声。もっとも、麗にとっては声を聞く前から分かっていた事だった。
背後に迫る圧倒的な密度の気配。
それに加えて、麗が特別な視界を持つが故に、誰が近づいてきているかは足音が聞こえる前から
「行冥さん」
麗が名を呼びながら振り返ると、岩柱・悲鳴嶼行冥は見えない目をどこか辛そうに細めた。
「……お前と話がしたくてな」
「僕とですか?」
「あぁ、どこか腰かけられる所で話しよう」
促されるまま、二人は庭園の隅にある静かなあずまやへと向かった。
木漏れ日が差し込む屋根の下、二人は対面する形で腰掛ける。
巨躯を誇る行冥が腰を下ろすと、あずまや全体が僅かに軋んだような錯覚すら覚える程だった。
「話すのは痣の事ですか?」
「……」
麗が前置きなくそう問う。
行冥はしばらく無言だった。
見えない瞳をゆっくりと閉じ、胸の前で重々しく数珠を握りしめる。広間に流れていた沈黙よりも深く、重い時間が二人の間に流れた。
そして、絞り出すように言った。
「そうだ」
行冥の太く力強い声に、僅かな感情の揺らぎが混ざる。
「鬼殺隊である以上、皆、明日の命の保証はない」
「……」
麗は深く、静かに頷く。
鬼を狩る剣士として刀を握ったその瞬間から、死は常に隣り合わせにある。
他より強く、特別な肉体を持っているとはいえ、麗もまた命の保証はどこにもない。
今日生きて、明日死ぬこと等、隊士であれば誰もが疾くに覚悟している自明の理であった。
「私も、今更己が命を惜しむような事はない。……だが」
行冥は再び無言になった。
だが、先ほどよりも短い沈黙から切り出し、続けた。
「花柳。お前の柱としての覚悟も、思いも侮辱する訳ではない。だが、それでも……」
行冥の声と、山伏を思わせる厳めしい顔に、言いようのない悲しみが混じる。
「大丈夫なのか、お前は」
――生まれつきの痣の者。
麗にとって、自分が特別である事は数え切れないほど自覚してきた事だった。
常人を遥かに凌駕する筋肉の密度、血管を駆け巡る血の熱さ。平時であっても常人の激しい運動時に匹敵するほどの高い体温と、驚異的な心拍数。
かつて蝶屋敷で詳しく検査をした事で、麗は自分の肉体が常人とは明確に異なる構造をしている事を、医学的知見を通じて更に詳しく実感していた。
自分が『人間』という枠組みの端に限り限りで踏みとどまっているかのような、奇妙な剥離感だった。
「正直、僕も自分でよく分かってないんです」
麗はその黒曜石のように澄んだ、どこまでも深い瞳を、ふとあずまやの隙間から見える空に向けた。
そこに流れる雲は、陽の光を浴びて白く輝いている。
「生まれた時から、僕にとって最初からあったものが『
言葉を噛み締めながら、麗は己の手のひらを見つめた。
薄い皮膚の下を流れる血の温もり、それはやはり今も変わらず、凄まじい速度で巡り続けている。
「他の人と違って、僕に選ぶ余地はなかった。……だから、心配してくれたんですか?」
「……あぁ」
「やっぱり優しいんですね」
麗はくすりと小さく笑った。
その笑みには一切の陰りも自虐もなく、ただ行冥という男の温かさを素直に受け止めた純粋なもの。
それから、麗は身体を少しだけ前に傾け、行冥を下から覗き込むような姿勢で言った。
「それで言うなら、僕はあなたの方がよっぽど心配です。確か今は二十七歳……でしたっけ」
「……そうだ」
「多分、痣が出ても即死はしないと思います。……だけど、行冥さんでも一日もつかどうか怪しいかと」
『痣』を顕現させた者に付き纏うとされる残酷な宿命。最長でも二十五までの歳が寿命となる代償。
それを超えて痣を発現させた者が辿るであろう凄絶な運命について、麗は特別な視界の力で、淡々とその限界を算出していた。
しかし、麗のその容赦のない分析を行冥は疑わなかった。
麗という人間が持つ特別な視界と領域――『透き通る世界』は既に知っていたからだ。
そして。
「そうか」
むしろ行冥は、安心したように深く息を吐いた。
己の死を、限界を言い渡されたも同然であるというのに、その表情には恐怖も動揺も浮かんではいない。
「一晩の猶予があるのか」
「……強いですね」
「お前が言うのか?」
初めて、この時行冥は柔らかく微笑んだ。
山伏さながらの強面が存外に優しく、穏やかな波紋を描く。
「力比べで負けたのは生まれて初めての経験だった、あの時の空気は忘れられない」
「腕相撲、またいつかやりましょうね」
「あぁ、そうだな」
過去、柱たちが集まって水柱・冨岡義勇を笑わせようと行った力比べ。
その腕相撲大会にて、行冥という巨漢に対し、常人より高いとはいえ細身の女性である麗が一切の姿勢を崩さず、静かにその腕を伏せて見せた時の衝撃と空気は、今でも柱たちの中で語り草だ。
それから、行冥は深く重い息を吸い込み、あずまやを吹き抜ける風に耳を澄ませながら、ふと呟いた。
「本当に、変わったな」
見えない瞳が、麗の纏う気配を優しく包み込む。
「昔より、よく笑うようになった」
「……そうですか?」
こてんと首を傾げる麗。
己の変化というものに対して、彼女自身は極めて無自覚であった。
「自覚はないか?」
「……むしろ、あまり良い変化と言えないのはあります、竈門炭治郎の『柱合会議』がそうでした。僕はあの時、自分の悪感情を御し切れなかった」
「人間とはそういうものだ」
行冥の言葉は、まるで親が我が子の成長を慈しむかのように温かかった。
「むしろ大人になればなる程、己の感情と向き合うのが難しくなってくる。……お前は立派な人間だ」
「そう……ですか」
麗は静かに行冥を見つめる。
それからふと立ち上がり、行冥のすぐ傍らへと歩み寄った。
そして、その小さくも理外の力を秘めた手を、まるで自分との違いを確認するかのように、行冥の大きく硬い手の上に重ね、離した。
「僕は生まれつき痣を、この力を持って生まれた事を呪ったことは一度もありません。この身体だったからこそ、僕は刀を握り、多くの人を護ることができた。そして……行冥さんや他の人達に出会うことができた」
麗の瞳には、一切の迷いも恐怖もなかった。
そこにあるのは澄み切った覚悟と、溢れんばかりの慈愛。
「総力戦が始まれば、きっと誰もが無傷ではいられないでしょう。だけど僕は、自分の全てをかけて戦います。鬼舞辻無惨を殺し、鬼の悲劇に終止符を打つ。……それが僕に与えられた力、命の使い道だと思うから」
「……そうか」
行冥は重々しい吐息を漏らした。
庭園を渡る夕風がさわさわと木々を揺らし、木漏れ日の斑影が二人の足元でゆらゆらと揺れている。
しばらくの沈黙。それから行冥は、胸の奥に溜め込んでいた思いを慎重に言葉へと変える。
「ところで……花柳。お前は自身に残されたその寿命の事について、誰かに打ち明ける気はあるのか」
「どうしてですか?」
麗が素朴な疑問を込めてそう問い返すと、行冥は『それは……』と言葉を濁した。
躊躇いで歪むその顔を見て、麗は彼の言いたい事を察した。
「行冥さん」
麗は柔らかく、しかしどこまでも静かな笑みを浮かべた。
「僕には、大好きな人がいるんです」
「……それは」
「家族と同じくらい大切な子です」
麗の口から紡がれた言葉に、行冥は静かに耳を澄ませた。
その声音に宿る、今までになく温かく、慈しみに満ちた響きを感じ取ったからだ。
それから麗はゆっくりと視線を下ろし、己の胸――その服の下に広がる、太陽の如き紋様が刻まれた場所へと手を当てる。
「僕は、あの子に嘘をつきたくない。ちゃんと言います、全てを」
「……全て、か」
「はい。だけど、『僕はもうすぐ死ぬ』なんて残酷な言い方はしません。そんな言葉であの子の心を縛りつけたくはないから」
麗の瞳に、澄み切った決意の光が宿る。
「もし、その時が本当に迫ってきたのなら……僕はこう伝えようと思っています。『僕の命は誰よりも満ち足りていた』と。……『君に出会えて、君と一緒に笑い合えたから、僕は生まれてきて良かった』と」
麗の声は、まるで子守唄のように穏やかで、揺るぎなかった。
「寿命という限られた時間のことではなく、僕があの子からもらった温かい時間の価値を伝えたいんです。僕がこの世を去った後も、僕の死を『悲劇』として抱え続けるのではなく、僕がちゃんと『幸せに生き抜いた』んだと、そう前を向いて歩んでいけるように。僕が遺せる言葉で、ちゃんとあの子を支え続けたい」
「……」
静かに吹き抜ける風が、青葉を優しく揺らしていた。
麗の放つ言葉には、己の運命や命の終わりに対する一切の怨嗟や悲壮感が存在しない。ただひたすらに澄み渡り、残される者への深い愛情と感謝に満ち溢れている。
その純粋な魂の輝きを前に、行冥の目から再び静かに涙が溢れ落ちた。
それから、深沈たる情感を込めながら、しみじみと頷いて言葉を繋ぐ。
「お前にそこまで愛を捧げられ、その想いを背負って生きる事を許されるとは……その男は実に幸せ者だな」
「……」
しかし。
その言葉を聞いた瞬間、麗は『??』と可愛らしく首を大きくかしげた。
黒曜石のような瞳をぱちぱちと瞬かせ、行冥の厳めしくも感動に打ち震える顔を不思議そうに見上げる。
そして、何の気負いもない、実に平然とした声で言葉を返した。
「真菰は女の子ですよ?」
あずまやの空気がピキリと凍りついた。
周りの青葉を揺らしていた風すらも、一瞬止まったかのような静寂。
行冥の中で勝手に思い描いていた『一人の青年』という幻影が、音を立てて木っ端微塵に崩れ去っていった。
己の早合点と勘違いを突きつけられ、厳格なる岩柱の脳裏にかつてない勢いで気まずさと困惑が駆け巡る。
微動だにしない行冥に対し、麗は相変わらず首を傾げたまま『女の子ですけど、何かおかしかったですか?』と言わんばかりの無垢な視線を送り続けている。
「…………」
やがて、行冥は静かに、本当に静かに。ジャラ……と数珠を一度だけ打ち鳴らし。
それから全てを天へと委ねるように深く、低く呟いた。
「……南無」
妖怪ウォッチ2リメイクおめでとうございます。
それと昔、何故か初代妖怪ウォッチを発売日に買ってプレゼントしてくれたおばあちゃんありがとう。