【RTA】鬼滅の刃RPG『長い長い人の歴史のほんの一欠片』獲得チャート 作:バブ辻オギャン
男の人は男の人同士で、女の子は女の子同士で恋愛すべきだと思うの。なRTA、はーじまーるよー!
余命が残りマックス五年(そんな事はない)と思っているせいかブレーキがぶっ壊れた麗ちゃんを眺めて前回は終了。
んほぉ~キモチィィ……とキマシタワー設置でニヤニヤも終えたので、今回から一気に本RTAの要である『無限城編』への準備を整えていきます。
麗ちゃんの今の実力はもうほとんど縁壱さんと同レベル。
剣術もかなり鍛えられ、経験値も型そのものの強さも素晴らしく、最終的な無惨様との戦いも勝利確定と見ていいでしょう。
唯一のガバの懸念は『無限城』に落とされる際のランダム配置の問題ですが……原作通りお館様ボンバーの後に無惨様に接近する事を考えれば、予定の位置からそこまで遠く離れる事もないでしょう。
なんならお館様ボンバーのあとにすぐ星の呼吸ループを始められますしね。
というか、そもそも麗ちゃんなら鳴女の転移もワンチャン避けられるし……。
これって……、あぁ。
麗ちゃんの勝ちだ。
これもう勝ち確だろ……、ってなんです? まさかここからまたガバが生じるとでも?
ウッソだろお前ww前の刀鍛冶の里が例外を超えた例外なだけであって、もうほとんどストーリーの流れが決まってる『無限城編』じゃガバはありえないんだよなぁ……。
縁壱スペックな麗ちゃんなら、仮に珠世ポイズンがなくても初撃から無惨様を嬲り殺しにできますからね。
『柱稽古』もあれからかなり進み、炭治郎もいつの間にか岩を押せるようになってますね。
伊之助もそうだし善逸は……っと、これは後のお楽しみにしておきましょう、後でムービー確認しとこ。
あと麗ちゃんによる『日の呼吸』講座のおかげか、炭治郎も『できる→使いこなす→極める』の『使いこなす』の部分まで進化してますね。いやぁ『正解の形』って凄い。
原作の最終戦炭治郎が『できる→使いこなす』の中間あたりだったのを考えると凄い進化です。回想? 人間はそんなすぐ強くなれねぇよ、地道にしっかりと鍛錬した方が強くなれるに決まってんだろという鬼滅クオリティをひしひしと感じますね。
ちなみに裏設定として、この『柱稽古編』の終了……即ち無惨様がお館様の居場所を特定するまでの時間は、炭治郎の『柱稽古』の進展具合によって決まります。
要は炭治郎が岩を押せるようになる→冨岡さんと稽古をする、この辺で無惨様はてくてくとお館様に会いに行きます、油断しスギィ!
そしてそれが無惨様の最期です。
お館様も麗ちゃんの実力は知ってますし、原作での悲鳴嶼さんポジに麗ちゃんを配置してくれるのを待つだけです。
そしてお館様ボンバーのあと、浅草ニードルと珠世ポイズン、そして麗ちゃんによるループによってこの暗黒コンボは完成する……。
あ、ちなみに珠世ポイズンを待機する理由は無惨様の完全な消失までの時間を毒で縮めるためです。
…………にしても遅いですね、連絡。
想定なら今頃、というか炭治郎が岩を押せるようになる少し前くらいからこっちに手紙が来る→お館様と会話のイベントが来る筈……。
あっれれーおかしいぞー?
まさか麗ちゃんがお館様ボンバーに反対すると思われてる? 確かあれは他の柱はお館様を囮に? イヤーッ! だけど、悲鳴嶼さんは了承してくれるって感じでしたし。
いやでも、麗ちゃんぶっちゃけお館様に対してそんな忠誠心ねぇんだよなぁ……囮作戦も理由さえあれば普通に了承すると思うし、お館様もその辺理解してると思うしで……余計に分からん。
でも妻子巻き込むのには口出すかな? それでもあの人たちも覚悟ガンギマリだからどうにもできないんだろうけど。
まぁ、こうして話してるうちにもしかしたら手紙が来るかもしれないし? 今日も残る隊士たちを育成し、隙を見て真菰ちゃんといちゃつきましょう。
最終決戦が始まる前なのでね、メンタルを整える機会はどれだけあっても良い。
・夜になって皆寝たし。周りに気配はない、よし大丈夫。
・早く真菰に会いたい、触れ合いたい。
・……僕ってここまで自制心がなかったんだ。
『透き通る世界』の無駄使いやめてね?
これがシコ至高(シコう)の領域ですか……大したものですね。
この子『柱』の権力であんな事やこんな事してますよー! いいんですかお館様ー!
・…………この気配。
ん? ムービー入った?
「…………君は」
「お久しぶりです、麗様」
・耀哉様の鴉? どうして……
アイエエエ!? アイゼン!? アイゼンナンデ!?
もしや無惨様奇襲へのイベント発生か? いやぁ良かった、それなら安心――。
・――ドゴゥッ!!!!
・っ、爆破音!? それにこの気配――!
は??
は????
稽古中、他の隊士たちの気配が遠ざかっていくのを感じながら、麗は静かな足取りで竹林の木立へと向かって歩いていた。
向かう先は、晴れて恋人となった愛おしい彼女のいる場所。
自身の透き通った特別な視界を駆使し、他の隊士たちの視線、そして気配を鋭敏に知覚し、彼らには見せないように徹底して隠す逢瀬だった。
今までの人生の中で、自身の特別な力をこのように使ったのは初めてだった。
(……僕は、ここまで抑えが利かなかったのかな)
熱が、まだ己の身体の奥底で燻っている。
木々の隙間から落ちる月光を浴びながら、麗は己の内に湧き上がった感情の奔流と衝動の強さに、そして、それを今も生み出し続けている自分自身に驚いていた。
柱として、いつ如何なる時も冷静沈着に、特別な力を振るうべきだと。
特別な自分であるべきだと、そう自分を律してきた筈だった。
だが、あの夜、真菰に想いを打ち明け、そしてその想いを受け入れてもらってからの自分はあまりにも脆く、甘く、感情の歯止めが利かなくなっている。
稽古中、指導の体を装って重ねた触れ合いの数々。
指示を出す振りをして握りしめた、真菰の小さく華奢な手の感触。
指と指を深く絡め合わせた時に感じた、あの吸い付くような肌の柔らかさと、伝わってきた彼女の体温。
背後から寄り添い、うなじに鼻先を押し当てた瞬間も、恥ずかしそうに頬を染め、くすぐったそうに身を縮めながらも決して自分を突き放そうとはしなかった、あの可憐な反応も。
鼻腔を開けば、今なお自身の衣類や皮膚に、真菰の甘く優しい香りが残っているような錯覚すら覚える。
「…………」
ふと、麗は細くしなやかな自身の指先を持ち上げ、自らの唇をそっと撫で上げた。
涙と共に重ね合わせた、あの唇の甘やかな熱。
その確かな余韻に耽るように、麗は指先で幾度も己の唇の輪郭を優しくなぞり直す。
「……ふふっ」
胸の奥がキュッと締め付けられるような、甘く、愛おしく、重い熱量。
生まれつきの痣と強さ、その代償で長くても二十五歳までしか生きられないという宿命。*1
それを『柱合会議』で知った時は、静かに訪れる自分の終わりとして、どこか諦念と共に軽く受け入れていた。
だが、今の麗の心に宿っているのは、そんな陰惨な諦めなどではない。
(僕に、こんな世界を見せてくれた君のために……)
生きたいとは思う。
死にたくないとも、もっと生きたいとも思う。
だが、今の麗に死の恐怖はない。何故ならそれ以上に、確かな充足感があったからだ。
愛おしさを知るということは、守りたいものを得るという事だ。そして守るべきものを持った人間は、弱くなるのではなく、どこまでも強く、気高くなれるのだと、先人たちが教えてくれた。
誰かの幸福を祈り、誰かの不幸を悲しめるから人は戦える。
そうして誰かの為に戦った者を、また誰もが愛するのだ。その者の名前を呼び、何年も経った後に語り継ぐ。
人間は他人の為に、愛の為に気高くもなれる、そして最後には、誇りを抱いて死んでいく。
この胸を満たす愛おしさと幸せの熱を知ったからこそ、自分はこれから始まる過酷な戦いの中で、今まで以上の力を発揮して戦うことができる。
己の寿命が尽きるその瞬間まで、愛おしい彼女が生きるこの世界を守る。
そして、他の誰かの笑顔も守り抜く為に、自分はいくらでも強くなれるのだと、麗は確信していた。
(鬼のいない世界が来たら、その時は、真菰と一緒に……)
もしも、この戦いが終わったら……。
その強い決意が麗の胸中で揺るぎない芯となって固まり、その先の未来を夢想した――まさにその時だった。
――ドゴゥッ!!!!
地響きを伴う、天地を揺るがすほどの凄まじい爆発音が轟く。
凄まじい風圧が竹林を揺らし、鳥たちが一斉に空へと羽ばたく。空気の振動が鼓膜を強く叩き、遅れて強烈な焦煙の匂いが風に乗って漂ってきた。
「……ッ!?」
麗の透き通った視界と鋭敏な五感が、遠方で巻き起こった巨大な熱量と破壊の奔流を瞬時に捉える。
――その方角は、産屋敷邸。
『お館様』、産屋敷耀哉のいる本邸が突如として跡形もなく吹き飛んだのだと、すぐに分かった。
そして。
「麗様」
爆風の余波が残る中、一羽の鎹鴉が爆破音に似合わぬ穏やかな声と共に空から舞い降り、麗の肩へと力強く止まった。
他の鎹鴉とは違う、その流暢な喋りと独特な気配。
産屋敷耀哉を含め、何代もの『お館様』に仕えてきた、あの専属の鎹鴉。
「君は……」
「決戦の時です。産屋敷邸に鬼舞辻無惨が襲撃して来ました」
「……」
その鴉の報告を聞きながら、麗の表情から甘さが一瞬で消え去り、冷徹な柱の顔へと切り替わる。
「それで」
「……産屋敷耀哉は自身を囮にしました。協力者による弱体化も成功しましたが、何より――」
「そっか」
肩に乗る鴉の小さな足の震えを感じ取りながら、麗は低く、落ち着いた声で返した。
「分かった。僕もすぐに向かう」
「……はい」
麗がお館様の鴉へ静かに頷き、爆破現場――そこにいるであろう鬼舞辻無惨の頸を落とす為、両足に力を込めた、次の瞬間だった。
「……っ!?」
突如として襲いかかる奇妙な浮遊感。
足元を支えていた確かな大地の感覚が消え去り、麗の眼下の空間に、突如として空間を切り裂くように一枚の巨大な『襖』が現れた。
ベンッ! という琵琶の音と共に開く木枠の襖。
「血鬼術……!」
すっ、と麗の身体から重力が消失する。
いくら規格外の身体能力を持った麗といえど、重力という絶対的な理には逆らえない。
踏みとどまる術もなく、麗の身体は吸い込まれるように、その開放された襖の奥へと落ちていった。
「――ッ、ここは」
視界が一変する。
そこに広げられていたのは、まさに『無限』の言葉に相応しい、常識を遥かに超越した巨大な異空間だった。
上下左右の概念が完全に崩壊した世界。頭上にも、足元にも、そして左右の遥か彼方にも、そこには無数の部屋と廊下が格子状にどこまでも連なっている。
無数の行灯から漏れ出る琥珀色と赤銅色の光が、複雑に交差する無数の柱や階段を怪しく照らし出し、果てしない奥行きと途方もない高低差を空間に刻み込んでいる。
逆さまに配置された屋敷の瓦屋根、直立するように聳え立つ畳敷きの回廊、その広大すぎる城郭の規模は、人間の理や建築の常識を嘲笑っており、どこを見渡しても終わりが見えない。
まさに『無限』という言葉が相応しい敵のアジト。
無数に折り重なる回廊と空間の狭間を、麗の身体は宙を舞うように落下していく。
だが、自然落下を続ける絶望的な状況にあっても、麗の心は一切の動揺を見せなかった。
風を切る鋭い音が耳元を掠める中、麗は静かに右手へ意識を向け、腰に差した日輪刀の柄へと指をかけた。
カシャン、と澄んだ金属音が異空間に響く。
麗は焦ることなく、流れるような美しい所作で鞘から刀を抜き放った。
空中で引き抜かれたその白刃は、金剛石のように清らかで純白な光を放ち、周囲の怪しい琥珀色の光を照り返している。
そしてそこに、麗の万力の握力が加わり、刀身に熱と衝撃が伝導していく。
ジジジ……と肉眼で見えるほどの圧力が刃を包み込み、金剛石のごとく輝いていた純白の刃先が、中心から染め上げられるようにして暗く、そして燃え盛るような赫へと変色を遂げ、『赫刀』に至った。
「……江檀」
「オウ!!」
落下する風の中で、麗は小さく、この数年間ずっと共に戦場を駆け抜けてきた己の相棒の名を呟いた。
すぐさま麗のすぐ隣に、真っ黒な影が風を裂いて飛び込んできた。
漆黒の羽を羽ばたかせ、猛スピードの自然落下に追いついて麗の肩のすぐ脇を並走するように飛ぶのは、麗の鎹鴉・江檀。
「僕から離れないで」
「アァ、一緒ダ」
長年の戦いを共にくぐり抜けてきた相棒の鴉は、この異常事態の中でも恐れることなく、凛とした瞳で麗を見つめていた。
麗は江檀に一瞬だけ視線を合わせると、その双眸に絶対の決意を宿らせた。
透き通った視界で見通す、無限の深遠。
全ての不幸の元凶・鬼舞辻無惨とその配下である、残りの上弦の鬼たちの気配。
そして、この空間のどこかで戦う仲間たちの気配を把握する。
もう、迷いも、躊躇いも、己への疑念も一切ない。
愛する者を得た一人の人間として、そして鬼殺隊の最高戦力の『柱』として、この命の全てを懸けて元凶を討つ。
自身の天命、生まれつきの絶対的な『力』を、ここで使う。
「みんな」
小さく発せられたその言葉には、世界を揺るがすほどの意思が込められていた。
無限の闇と幾何学の建築群が蠢く異空間を突き抜けながら、花柳麗は――。
「――いくよ」
【実況】鬼滅の刃RPG【祝100周目】を私はまだ忘れられない……