ロスモンティスと一緒   作:ジョンソン

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ロスモンティスの戦闘シーンが書きたいだけの人生だった。


「忘れられない、そんな出会い」

「ロスモンティス、救助者はこの向こう側だ。制圧しろ」

「わかったよ、ドクター。

みんなもいつでも動けるように準備しておいて」

 

乾いた風が吹き抜け、視界を砂煙が覆う。

息を潜める敵の気配は、肉眼では掴めない。

けれど、私には分かる。

 

 

意識を広げる。

空気の流れの乱れ、靴底が土を擦る音、

胸の奥でうずくざらつきが、すべての輪郭を描き出してくれる。

広がったアーツの網が、砂の下に潜む石まで震わせ、

そこに立つ敵の位置を正確に浮かび上がらせる。

 

 

5、10、15、20、25……

うん。敵は情報通り、30人。

 

 

耳がぴくりと揺れた。

砂塵の中で擦れる靴底の震え、

鉄の匂いに混じる冷たい汗の匂い。

鼻先に届くじめったい波が、敵の荒い呼吸を映してくれる。

 

 

「うん」

コートの袖口をぎゅっと握り直して、小さく呟く。

居場所は把握できた。

敵がみんなに届く前に、これなら全部止められる。

 

廃墟の空気は、砂塵と火薬の匂いで満ちている。

いつもの、馴れ親しんだ戦場の匂いだ。

 

崩れかけた壁の影に潜む敵へと静かに意識を向けていく。

呼応するように、

四基のアーツユニットは低く唸りを上げて浮かび上がり、

その先端を敵へと向けてくれる。

 

私の左右から廃墟を睨むのは「継承者」――重厚な源石剣を携えた守護の双翼。

 

うしろを固めるのは「先駆者」――疾駆する刃の影。

 

 

私が息を吸うと同時に、

乾いた砂を巻き上げながら継承者の一基が旋回する。

 

 

「――切る」

 

 

鋼鉄が軋むような低い響きが、廃墟全体を震わせた。

鈍重に見えるその動き、でも敵に避けさせる猶予は与えない。

壁を大きく削ぎ落とし、

瓦礫の雨が敵兵の頭上へと降り始める。

 

退路を断たれた敵が飛び出し、

銃を構えるが、その動作を終えるより早く――

もう一基の継承者が唸りを増し、地を割って突き上げる。

轟音とともに地面が弾け、

敵は武器を放り出して膝から崩れ落ちた。

 

 

瓦礫の塊が崩れ落ち、頭上から覆いかぶさろうとする。

継承者の刃先が閃き、迫る鉄骨を砕いて弾き飛ばした。

鈍い衝突音とともに破片が散り、敵兵はそのまま砂に倒れ込む。

 

 

土埃の中で呻き声を漏らすその姿に、

私は一瞥すらすることはない。

 

 

背後から、先駆者が追い抜いていく。

疾る刃の影は砂煙を鋭く切り裂き、風圧が頬を叩く。

まるで生き物のように角度を変え、

廃墟の柱を支点に跳ね、次の獲物へと突き進む。

刹那、

陰に潜んでいた二人を足元から掬い上げ、宙へと放り出した。

 

落下の瞬間に叩きつけられる衝撃が全身を震わせ、

呻きと一緒に、

まるで砂の上に壊れた人形を落としたみたいな音がした。

 

 

その余波で瓦礫がざらざらと崩れ去り、鉄臭い匂いが風に混ざる。

 

 

 

敵は散開しようと必死に走り出す。

だけど、私の意識の網はすでに戦場を覆い尽くしている。

 

「逃がさないよ」

 

靴底が砂を蹴る音、焼けた鉄の匂い、熱を帯びた呼吸――

全てが私に届いてくる。

敵の震えも、逃げられないっていう諦めも。

 

その温度の揺らぎすら、私にははっきり分かる。

 

 

――瞬間、前方から熱が走った。

敵兵が必死にアーツロッドを振り、

炎の塊をこちらへ投げつけてくる。

 

砂煙を裂き、赤い軌跡が一直線に迫る。

 

継承者の一基が唸りをあげて前へ割り込み、

鈍重な刃の面で炎を弾いた。

 

衝撃で火花が散り、熱気が頬を撫でる。

頬を撫でる熱気に、理由もなく胸がざわついた。

 

私は小さく息を吐いた。

「……ぬるい。

イフリータの火に比べたら、ただの焚き火みたい」

 

あの灼けつくような熱気を思えば、今の炎は怖くもなかった。

 

 

継承者が正面を押さえる。

重厚な刃の影が一歩も退かずに構え続け、進路を完全に塞ぐ。

 

 

 

「これで……十人」

小さく数えながら、耳がぴくりと震えた。

 

五人がかりで突撃してきた。

二人は銃をばらばらと撒き散らし、

弾丸の嵐で道を切り開こうとする。

一人は瓦礫を盾にして前へ駆け、

もう一人はアーツロッドを振りかざし炎を放つ。

最後の一人は迂回して、背後を狙おうと身を低くして走っていた。

 

必死の足音が砂を削り、

火薬の焦げた匂いと灼ける熱気が鼻先を焼いた。

 

 

でも、全部分かってる。

継承者が刃を振るい、瓦礫ごと盾を砕き散らす。

同時に先駆者が走り抜け、

銃口を叩き折る衝撃音が砂煙を切り裂いた。

炎はすでに予測していた軌道の中、

私は指先をわずかに動かすだけで刃の影が遮り、火花を散らす。

背後に回り込もうとした足音も、

耳が震える前に先駆者の軌跡が薙ぎ払い、砂と血の匂いが混ざる。

 

 

「うん、次」

私の呟きは、敵の悲鳴と同じくらい小さな音だった。

 

 

砂煙の向こう、遠くに走り去ろうとする足音が耳を叩いた。

乾いた息の熱が後ろに引いていく。

先駆者の刃影が風を裂き、わずかに遅れた足取りをすくい上げた。

次の瞬間、

砂に叩きつけられる重い音が、静寂に飲み込まれていく。

 

 

廃墟の影に潜む鋭い気配。

こっちに向けられるアーツロッドと、

隙を探す氷柱のような冷たい視線には、ずっと気づいている。

指先を傾けると、

継承者の刃が唸りをあげ、鉄骨ごと壁をえぐり飛ばした。

 

 

アーツは発せられず、むせるような咳だけが返ってきた。

 

 

耳がまた震える。

……動かない。

諦めたみたいに、砂に膝をついている気配。

呼吸の熱は弱々しく、汗の匂いも冷えている。

その頭上に、瓦礫を小さく落とす。

軽い衝撃と呻きが響き、完全に戦意は消えた。

 

さらに、倒れ伏した身体。

……でも、眠っている人間の温度じゃない。

気絶を装った胸の上下が、不自然に速い。

先駆者が足元を払うと、砂の上に隠していた短刀が転がった。

震え声があがる前に、刃影が突きつける。

 

 

 

「これで二十」

淡々と数える声だけが、砂煙に溶けていった。

 

 

……奥に固まっている。

廃墟の奥、原型をかろうじて保った壁の向こうに潜んでいる気配。

銃口の冷たい光と、

喉を焦がすような緊張の呼吸が伝わってきた。

 

 

「――じゃあ、まとめて」

 

 

継承者の一基が唸りを上げ、巨大な刃を振り下ろす。

轟音とともに廃墟の壁が斜めに裂け、

積もった瓦礫がどっと崩れ落ちた。

 

さらにもう一基が地面を叩き割り、

ひび割れを伝って柱ごと天井を押し上げる。

次の瞬間、先駆者が駆け抜け、宙に浮いた鉄骨を叩き斬った。

 

 

廃墟全体が悲鳴をあげるように崩れ落ち、

影に潜んでいた敵が一斉に吐き出される。

砂煙が押し寄せ、思わずコートの袖で口元を覆った。

耳の先がざらつく砂に痒みを覚え、首を小さく振る。

 

そんな砂煙と悲鳴の渦の中で、私は指先をほんのわずか傾けた。

 

鋭く疾駆する刃が、敵の逃げ道を次々と断ち切っていく。

鉄骨が倒れ、通路が潰れ、銃声は弾かれる。

踏み込む場所さえ消え、立ち回る余地はどこにも残らない。

 

 

「これで、三十……」

崩壊した空間に、冷ややかな声だけが落ちた。

 

視界を覆う砂煙の中で、戦場は少しずつ静まっていく。

怒号は悲鳴に変わり、

それもやがて途切れ、荒い息遣いだけが残る。

転がった武器が瓦礫にぶつかって乾いた音を立て、

粉塵の匂いが喉を焼く。

 

 

動くまでもなかった。

ただ耳を揺らし、指先を傾けるたびに、

戦場そのものが形を変えていける。

 

敵を壊すためじゃない。

近づけさせないために、無力化するだけ。

血を流さなくても、守れるから。

 

それが私の力だから。

 

敵は近づかせない。敵は一人も逃さない。

廃墟という空間すべては、私の掌の上だったから。

 

 

やがて音はほとんど消えた。

残るのは倒れ伏した敵の微かな息と、戦場を支配する静寂だけ。

おもちゃ箱の底に転がった欠片みたいに、誰もじっと動かない。

 

血の匂いはほとんどなくって、

それでも――戦場は、完全に私のものだった。

 

この空っぽの感じ。この静けさ。

なんだか体によく馴染んでくれる。

 

……うん。これはきっと、いつもどおりの、私の日常だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(=^・・^=)ニャー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「制圧完了。ドクター、もう敵は動けないよ」

 

砂煙がようやく薄れていく。

崩れた廃墟の周りには、倒れ伏した敵たちが散らばり、

呻き声が小さく残っているだけだった。

 

私は耳を揺らし、周囲を確認する。

もう動く気配はない。

 

 

「よくやった、ロスモンティス」

 

 

振り返ると、ドクターがこちらを見て頷いた。

その目は、冷たい戦場の景色とはまるで別の色をしている。

 

さっきまでの敵とは違う、確かな繋がりを感じられる。

お日さまみたいな、あったかい匂い。

 

私の指先にまだ戦場のざらつきが残っていたけど、

近づいてきたドクターの手がそっと私の頭に触れた。

 

 

なでなで。

 

 

戦場の音はもう消えた。

耳の奥に残っていた轟音や悲鳴も、すぐに溶けていく。

 

 

「……うん、大丈夫だよ」

「そうか」

 

 

その短い言葉が、なによりも私の力になってくれる。

 

ドクターは反対の手でみんなに指示を出す。

みんなは素早く散開し、廃墟の残骸を目指して移動を始める。

倒れ伏した敵を確保しながら、

両手を縛って拘束し、武器を回収していく。

 

呻き声を上げる者もいたが、抵抗する気配はもうなかった。

 

 

「ロスモンティス、行こうか」

 

 

ドクターの声に顔を上げる。

頷き、袖口を握り直して並んで歩き出した。

 

視界の先には、まだ砂煙をまとった廃墟の奥。

その向こう側に――救助者がいる。

 

 

 

荒野の風は、もう戦場の匂いを連れていなかった。

砂煙も背後に消えていき、

ただ乾いた大地と青い空だけが広がっている。

 

 

「さっきの人たち、何がしたかったんだろうね?」

 

 

私の問いかけに、ドクターは少しだけ空を仰ぐ。

 

 

「……ヴィクトリアの傭兵への依頼があったようだ。

その情報がロドスへと流れてきていた」

「うんうん」

「ただ依頼元の特定にまでは至っていない。

装備もそこまで上等なわけではなく、

組織的な気配は感じ取れないが……」

「だけど、どうしたの?」

「少し嫌な予感はしている」

 

 

私は首をかしげ、乾いた大地に目を落とした。

足元には砕けた石が転がり、踏むたびに小さな音を立てる。

耳がぴくりと揺れて、遠くで鳥の羽音を拾った。

 

 

「私には、ただ……風が気持ちいいだけに思えるけど」

 

 

ドクターは笑みを浮かべて頷く。

 

 

「そうだな。ロスモンティスが正しいのかもしれない」

 

 

私は袖を握り直し、青空を見上げた。

砂と敵意に覆われていた空は、もうすっかり澄んでいた。

 

 

「さっきまで砂煙ばっかりだったのに。

今はすっきりしてる。空、きれいだね」

「たしかに、そうだな」

 

 

乾いた風が髪を揺らし、耳の先をくすぐる。

私は小さく鼻を鳴らした。

 

 

「草の匂いも混じってる。

……誰か、前にここで休んでたのかな?」

「焚き火の跡が残っているのかもしれないな」

「いいなぁ、焚き火。

夜だったら、星がいっぱい見えるんだろうね」

「きっとそうだろう」

 

 

私は、ほんの少し笑った。

 

 

「ねえドクター、帰ったらみんなでお茶会しよ。

甘いの、いっぱい食べたい」

「それはいい。

クロージャがラテラーノの焼き菓子を

たくさん仕入れたと言っていた。

作戦が終わったら一緒に買いに行こうか」

「うん。楽しみだね。

ちゃんとメモしておくから、ドクターも忘れないでね」

「ははっ、任せておきなさい」

 

 

二人の影が並んで伸びる。

ただ歩くだけなのに、心の奥に小さな灯がともるようだった。

 

ほんの束の間の、荒野を歩く静かな時間。

戦場も、予感も、その時だけは遠くに思える。

 

足音だけが荒野に響いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(=^・・^=)ニャー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

進むにつれて、雰囲気が少しずつ変わっていった。

焦げた木の残り香、布の切れ端、転がる食器の破片。

足元に散らばるそれらは、

ついさっきまで誰かがここで暮らしていた証だった。

 

 

「やっぱり、ここでキャンプしてたみたいだね」

 

 

人が暮らしてた気配を拾いながら呟くと、

ドクターが小さく頷いた。

 

さらに進むと、半分崩れた木柵や、

灰をかぶった焚き火台が見えてくる。

 

空気にはまだ、煙の名残が混ざっていた。

 

 

「生きてる人、いるかな」

「時間はそこまで経ってなさそうだ。可能性としては高いだろう」

「うん?ドクター、向こう側」

「あれは……」

 

 

私は正面、陽炎の向こうを指さす。

ドクターは双眼視器を取り出し覗き込む。

 

 

「確認できた。

情報通り、救助者がいるだろう。ロスモンティス」

「うん」

 

 

そう言って、私はそっと瞼を閉じた。

 

 

――意識を広げる。

ざらつきが風に乗り、地面に、瓦礫に、空気に染み込んでいく。

呼吸の熱、鼓動の震え、微かな衣擦れ――

 

そこに、確かに「生きている気配」があった。

でも、触れた瞬間。

 

 

「――ッ!」

「ロスモンティス!?」

 

 

轟音のようなものが頭の奥で弾けた。

 

視界が一瞬で白くかすみ、

胸を鷲掴みにされたみたいに息が詰まる。

外から叩きつけられる力が、

私の意識を裂き、

逆流するように流れ込んでくる。

 

 

――白くて小さな部屋。

 

 

冷たさ。

無機質さ。

重さ。

 

音が弾ける。

光が弾ける。

 

息ができない。

寒い寒い寒い……

 

 

冷たさが焼けつくような熱に変わる。

 

 

焼けつく。

痛い。痛いよ。

骨の奥が削り取られる。

ゴリゴリ。

私の中から何かが抜けていく。

 

無数の針、

影が私へと襲い掛かる。

 

胸の奥に押し込められていた何かが、

堰を切ったように溢れ出す。

 

 

「いや……いや……!」

 

 

 

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

 

 

 

私の中で意識が暴れている。

止まらない。

止まらない。

止まらない。

 

 

世界の端っこから流れ落ちていくように、意識の濁流が止まらない。

 

 

「なんで……どうして!?

痛い……痛い……寒いよ!熱いよ!

なんなの、誰、あなたは、誰なの……」

 

 

白い壁。冷たい床。

中心で、影が膝を抱えている。

ゆっくり顔を上げたとき

――黒いフェリーンの女の子が、そこにいた。

 

 

知らない。

でも覚えている気がする。

胸がきゅってする。

 

 

私に向かって笑いかけてきた。

 

 

誰。

 

……誰なの。

 

 

 

「――ロスモンティス!アーツの発動を止めるんだ!」

「……ドクター……黒い、フェリーンの女の子」

 

 

いつの間にか、ドクターが私の体を支えてくれていた。

未だ震える指を上げ、その気配を指し示す。

 

 

「落ち着くんだ、ロスモンティス。一体何を見たんだ」

 

「……女の子。

白くて、小さくて、冷たい部屋にね、一人だったの。

とっても嫌な感覚のする場所だった。

知らない。知らないんだ。

私の記憶の中にはないけど

……私の目が、耳が、口が、感情が

……全部が言ってるの。似たような部屋に居たって」

 

「少し落ち着くんだ。ゆっくりで良い」

 

「ダメだよ、ドクター。

その子、私のこと知っているみたいだった。笑いかけてくれた。

出会ったこともないんだ。

でも違うの。

鎖みたいに、離れない、確かで強い繋がりを感じたの。

だから、放っておけない。助けに行かなくちゃ」

 

「……わかった。だが少し待て。他の皆と合流してからだ」

 

 

そう言ってドクターは通信を始める。

短く通信を終えると、私の肩を軽く叩いた。

 

 

「すぐに合流だ。歩けそうか?」

「……うん、大丈夫」

 

 

呼吸を整えながら頷き、

胸の奥に残る、あの子の残滓を感じ取る。

それはやっぱり、とっても確かで強い繋がり。

 

ドクターやアーミヤとか、ロドスのみんなと負けないぐらい。

 

目を地面に落とす。

両手を開いて、ぎゅっと閉じる。何度か繰り返す。

間違いなく、私はここにいる。

手も足もちゃんと残っている。

じゃあ、さっきの光景は?

 

 

わからない。

 

 

ほどなくして、みんなの姿が近づいてきていた。

周囲を確かめながら足音がそろう。

 

ドクターに視線を送る。

 

 

「よし。これから奥の救助地点へ移動を開始する」

 

 

ドクターの言葉に、みんなは無言で頷き進みはじめる。

足音が砂を踏み、崩れた木柵の間を抜けていく。

 

私は袖口を握りしめ、深く息を吸った。

この先には――確かに、あの子がいる。

 

 

 

やがて視界の先、崩れた幕屋の影に、人影が見えた。

膝を抱え、うずくまる黒いフェリーンの女の子。

 

 

……夢で見たままの姿だった。

 

 

乾いた風に髪が揺れ、白い布の裾がひらめく。

その服は入院着のようにシンプルで、

裾は荒れ、土に擦れてボロボロになっている。

小さな肩は細く痩せ、

肩から肘にかけては露出した鉱石が陽にきらめいた。

 

 

「ドクター、あの子だよ」

 

 

私の声に、ドクターが頷く。

一拍遅れて、その子が顔を上げた。

 

目と目が合う。

宝石みたいに輝く、黒くて確かな瞳。

砂埃に曇ることなく、まっすぐに私を捉えている。

 

 

そして――夢で見たときと同じように、ふわりと笑いかけてきた。

 

 

ドクターへと目配せして、二人で一緒にゆっくり近づいていく。

 

 

「お姉ちゃん、さっきぶりだね」

「うん。間違いないよ。

あなたとは、強い繋がりを感じるんだ」

「それなら、よかっ……た」

 

 

その子は、糸が切れた人形のように、静かに倒れ込んだ。




ロスモンティス
 ちょっと強いアーツを操るだけの普通の女の子兼エリートオペレーター


ドクター
 「行け、ロスモンティス。10万ボル……」


「継承者」(アーツユニットNo.01とNo.02)
 守るぞ~


「先駆者」(アーツユニットNo.03とNo.04)
 攻めるぞ~


黒いフェリーンの女の子
 可愛い。
 きっと、ロスモンティスに負けないぐらい。

ロスモンティスはかわいい?

  • かわいい
  • かわいくない
  • 俺の嫁
  • 夢に良く出てくる
  • 幸せの象徴
  • ただの兵器
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