人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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フリーレン「私が手本を見せてあげる」

リッカ「お師匠様!」

フリーレン「ポケモンを出して、指示をする。まずは…」
メガデンリュウ『ぬぅん!』

フリーレン「えっ」
メガデンリュウ『ワイドブレイカー!!』

フリーレン「わぁー!」

リッカ「お師匠様ーーッ!?」

メガデンリュウ『暴走メガシンカはトレーナーも殴るんだよぉー!』

彦斎「修羅の世界…」
リッカ「ポケモンは可愛く、強く、怖い!!」


白き意志の果て

かつて、約束を果たした竜の都に図らずとも現れた白き龍。

 

『な、何が起きてるの…?』

 

そこに広がっていたのは、空を埋め尽くし、地上を破壊し尽くす【黒き龍】。正確には、それを模した【何か】だった。

 

【【【【【【【アアアアアアアアアアアアーーーーーーーッッ!!!】】】】】】】

 

その異形もさることながら、白き龍が驚愕したのはそれらが放つ様々な現象。灼き尽くす火、落とし放つ隕石、そして…

 

『!?』

 

赤き雷。アンセスが振るう赤き雷になど及ぶべくもない稚拙なものではある。

 

しかしそれは確かに、アンセスが振るう権能…デッドコピーなれど、紛れも無く白き龍の、救世の赤雷であった。

 

『…ミラボレアスに対抗するために、こんな無茶をしちゃったのかな…』

 

配下の龍達が見れば憤死しかねない人類の蛮行。己の技を辱めた人類にすら、アンセスは慈悲を以て心を痛めた。

 

追い詰められれば正気を喪う。それに発露した状態を本性と呼ぶような浅はかさにはアンセスには無かった。

 

『だけどもう、これは…』

 

都市部のライフラインは陥落し尽くしている。栄華を極めていたであろう街並みは、焼き尽くされ、黒き龍に埋め尽くされている。

 

運命の戦争が来たらずとも、そこはもう既に終わっていた。ならば自身は、次の対処をしなくては。

 

即ち──この黒き龍を模した何者かを殲滅すること。これらが世界を破壊する前に、始末をつけることだ。

 

『────………』

 

アンセスの脳裏に、かつて交わした約束が閃く。

 

 

いつかきっと、貴方に相応しい素晴らしい子を作ってみせる。

 

その時はまた、会いに来てほしい。

 

 

『っ………』

 

恐らくあれらは、竜都の皆が生み出した生命。星を喰らう細菌や、外来の生命体とは理由が違う。

 

食事も何も必要とせず、生命を奪う必要のない生命体である彼女は、かの生命体達を滅ぼす決断を行えずにいる。

 

だってあれもまた、生命体でありこの星の生命。

 

自身が滅ぼしていい存在ではないのだ。自身はあくまで、星を脅かす者達を滅ぼす為の存在なのだから。

 

葛藤するアンセス。───その時だった。

 

〘あぁ──そこに、いらっしゃるのですか?〙

 

『!』

 

アンセスに響く、声。か細くも、清らかな声がアンセスの頭に響く。

 

『あなたは…』

〘私は、私たちは〘シア〙。この都を護るために、造られた生命です〙

 

目の前で破壊を尽くす、無数の黒き龍。耳を澄ませば、それらの中から声は感じられる。

 

『あの龍の『理性』なの?あなたは…!』

 

黒き龍に抗わんとする、白き鎧。見ればそれらは、懸命に黒き龍を押し留めんとしている。

 

〘はい。ですが、私達にはもう、救世の使命は果たす事が出来そうにありません。最早、黒き衝動を抑え込めない…〙

 

纏わりつく白き鎧を、黒き龍は振り払う。止めることは最早叶わないのだと言葉は告げる。

 

〘ごめんなさい。貴女という存在を識りながら、私達は貴女という存在を辱め、穢してしまいました〙

『そんなのいいよ…!あなた達を助けに来たの、どうすればいい!?』

 

〘あぁ…。その慈愛、慈悲深さ。嬉しく思います。細胞に刻まれた、優しき白き龍とあなたは同じ。ならば──〙

 

白き意志は告げる。

 

〘私達を、滅ぼしてください〙

『!』

 

〘これ以上、誰も傷つける事の無いように。私達は、最早破壊を繰り返す黒龍に至ろうとしています。その、現象に〙

 

このままでは、無数の黒き龍は世界に満ちる。一刻の猶予もない。

 

〘貴女の手で、どうか終わらせてください。我々の衝動を、その手で。私達は、もう…誰も、傷つけたくない〙

 

『………でも……』

 

アンセスは、それでも即断出来なかった。理性が、無垢なる意志がそこにあった事を理解したからだ。

 

産まれて見るものがこの光景で、そして滅び、死ぬことが望みであるというのは、あまりにも…。

 

〘私達は、約束を覚えています〙

 

『!』

 

〘あなたはまた、私達に会いに来てくれた…。私達には、それだけで。私達が産まれた意味は、生命は、それだけで…〙

 

それだけで。

 

私達は、確かに報われた。

 

『─────っ』

 

アンセスは、決断する。

 

彼女達の心を、これ以上引き裂くわけにはいかない。

 

【【【【【【【【【アアアアアアアアアアアアーーッッッ!!!!】】】】】】】】】

 

黒き龍たちがアンセスを見つけ、一挙に殺到する。黒き姿に空は見えず、大地すらも見れない。

 

『───立派な身体や、姿ではなかったのかもしれない』

 

しかし、アンセスは一飛で大気圏を越え、その透徹した眼で竜都の黒き龍達を睥睨する。

 

『それでも。それでも産み出された『心』だけは』

 

そして、放つ。本来ならば外来侵略者にのみしか放たない、神罰の赤雷。

 

創世神、創造主すらも直撃すれば抹殺せしめる、彼女が持つ神威にして絶技。

 

『あの日の約束に違えない…素晴らしい子だったよ、皆──』

 

…そして、『雷槌』が、竜の都へと放たれた。

 

それは、奪う命、当てる存在すらもアンセスが選別可能な紅き神罰。

 

黒き龍が稚拙に放っていた陳腐な物理現象とは比べるべくもない、圧倒的にして絶対的な権能。

 

数多の侵略者を、細胞肉片、存在そのものすら消し飛ばしてきた、遍く生命全てに特効を持つ、神の如き雷。

 

〘あぁ────〙

 

黒き龍が原子のチリ一つ残さず消える刹那、彼女の脳裏には最後の意識の断片が。

 

〘ありがとう、私達の──〙

 

『!』

 

〘おかあ、さん────〙

 

儚く、清らかな最後の思念は泡沫のように彼女に届き。

 

そして───泡が弾けるように、消え去った。

 

『…………………………………』

 

呆然と、肩を落としながら翼を羽ばたかせ、アンセスは地表に戻る。

 

まだ、生き残った生命はいる。そう信じ、助ける為に。

 

 

アンセスの予想通り、まだ竜都の民は絶滅していなかった。

 

静寂を取り戻した竜都にて、彼女の絆を信じ続けた者達は生きていた。そして僅かな研究者達も。

 

だが……その心は、壊れてしまっていた。

 

「あぁ…お許しください、お許しください。我等が白き龍よ、我等が友よ。我等はあなたを穢してしまった。我等はあなたの誓いを違えてしまった…」

 

地に伏し、赦しを請い続ける穏健派たち…。

 

「はは、ははは……あれが本当の赤き雷。あれが本当の龍の力。私達が懸命に作り上げたものすら、取るに足らないゴミのように消し飛ばせるのか…」

 

「私達の歩みも、禁忌を侵した愚行も…全て。我等が祖先と出会った頃より一歩も変わらず、その尾すらふめていなかったのだな…」

 

「我々の進歩とは、歴史とは。…生命とは、一体なんだったのだ…」

 

神なる龍の力と畏敬に、完全に心が折れた科学者達。

 

『まだ、滅びたわけじゃないよ…!』

 

アンセスは懸命に説明する。

 

ゾ・シアの細胞は既に龍灯に組み込まれており、無限に再生産される仕組みは既に整ってしまっていた。

 

周辺地域の天候や季節を周期的に回す領域にまで食い込んでいた龍灯を壊す所業は、実質その地のあらゆる文明を滅ぼすのにも等しい。

 

『あの子には確かに意志があるの。もう一度、もう一度彼女に向き合ってもう一度…!』

 

 

アンセスは「もう一度、今度は正しい形で彼女を産んであげてほしい」と願った。

 

しかし…

 

「私達罪人にはもう…あなたと語る資格を持っておりません。アンセス様…」

 

子を兵器に変えられるのを止められなかった絶望。

 

「今更、何をしようとどうしようもない」

 

「私達は、最早霊長ではない。…あなたがいる限り、我等は矮小な生き物でしかないんだ」

 

最終兵器の大群を一瞬で消滅させた神なる龍への畏敬に完全に心が折れた研究者達はその願いを受け止められず、最低限の封印処置を施した後、護竜に関するあらゆる技術を放棄した。

 

『ま、待って!皆、待って!』

 

都市を放棄し、失意のまま去っていく人々を懸命に呼び止める。

 

『皆は失敗してなんかないよ!確かに私は聞いたんだよ、感じたんだよ!あの娘は生きてる!皆は失敗なんかしてないんだよ!』

 

あの時届いた声を、封殺しないでほしい。

 

自分の可能性を、否定しないでほしい。

 

『皆、待って…!お願いだから、自分を、自分たちを…!』

 

もう一度、信じてあげて。

 

しかし、龍の願いを受け止められる気概は既に竜都には無く。

 

『うぅ、うぅ……っ』

 

…かくして、関わったもの全てに傷を残しながら竜都は滅亡。

 

二度と同じ過ちを起こすものが現れないよう、前述の歴史を伝えながら、自分たちの業を見守り続けた。

 

白き龍、アンセスは…それでも尚、生命を護り続けている。

 

『間違いを犯したのだとしても、あの日の思い出は嘘じゃない』

 

単純な意志の強さで、人への微塵も揺らがぬ愛を胸に。

 

『あの日、私を労ってくれた人々を。私はまだ愛しているから…!』

 

あの日の誓いは、まだ終わっていない。

 

いつか果たされる日を信じて…

 

ルゥは、今日も星の生命を愛し続けているのだ。

 




メガデンリュウ『ぐぇー』

リッカ「やったー!鎮静したぞ〜!!」

彦斎「やったね、けんしん」
けんしん『ルォッ』

フリーレン『負けたのに、楽しそうだね』
デンリュウ『むふふ、それはもちろん』

『こうして…皆仲良しになれることは、すごい奇跡なんだから』
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