人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
リッカ「わぁーい!」
フリーレン「パーティを強化できるね、素晴らしい」
彦斎「どう使うの?リッカ、教えて」
リッカ「勿論!けんしんくんちゃんにね、すごい特訓をね…」
デンリュウ『ふぅ〜。こういう触れ合い、楽しくていいねぇ』
(助けるための戦いだなんて…本当、生き物は立派になったなぁ…)
クトゥーラ「……すまない、少しいいだろうか?」
デンリュウ『ん?』
クトゥーラ「そなた…珍妙な姿ではあるが…あの『白き龍』とお見受ける。少し、話をしてもよろしいだろうか」
デンリュウ『いいよぉ〜』
「先程、ナイアから聞き及んだ。あなたは白き龍…数多無数の創世されし世界と生命を守護し龍そのものだと」
デンリュウとして活動しているルゥの下、クトゥルフの娘たるクトゥーラが訪れる。そこに敵意はないと判断したルゥは、ベンチに静かに共に座り話を聞き及ぶ。
『確かに、そういう活動はしてたし…今も必要ならするつもりだよぉ。森羅万象の生命を護ってきたのは…結果的にだけどねぇ』
「結果的に…?」
『うん。私にとっては護り、世界とそこに生きる者達を護るのは当たり前だったって意味。そこに動機とか、自分が世界にどうこうとかは無かったよぉ』
ただ、あるがままの世界を護り。ただ、そこにある生命を護っていた。
『あーでもでも、皆気を利かせて私に似た生き物をドラゴンとして生態系に組み込んでくれたのは嬉しかったなぁ〜。むふふ、祖なる龍の由来は此処からなんだよぉ』
ドラゴンがいる世界は、ルゥが開闢を寿いだ世界。
龍、または竜とは世界との絆なのだと彼女は語る。
「……知っている。私の父も、ナイアの父方達もあなたの事は知っているからだ」
『ニャル達はともかく、クトゥルフも知ってるんだ?』
「あぁ。あなたは最重要警戒対象でもあったからな」
ニャルラトホテプらを始めとした領域外の生命体は、星と人類の抑止力の監視を潜り抜けられる。ニャルラトホテプがセイレムにて起こした時もそうだった。
しかし、外なるものや旧神は昨今に至るまで侵略や攻勢を表立たず暗躍に留めていた。
「『アザトース』の抹殺を果たされれば、我等の領域は全て無に帰し一様に滅びる。それを、貴方は果たせるからだ」
アザトース。白痴たる宇宙の中心。
領域外の生命体は世界すべてに這い寄り忍び寄る。
しかし、それらは全て『アザトースの夢』という制約がある。
世界に根付かぬ限り、彼等旧神や外なる神は皆アザトースの見る夢に囚われている。
アザトースは決して目覚めぬが故、生命体の領域外全てを夢として掌握しているのだ。
それが起きれば、領域外の生命体は神であれ眷属であれ、皆泡沫として消滅してしまうという逃れ得ぬ法則がある。
アザトース自体が信仰も、他者も干渉も必要としない生命体故に保たれている世界への有用性。それを、ルゥは崩せるどころか消滅させられる立場にある。
雷槌の一撃は、アザトースの白痴諸共その微睡みを粉砕し、何が起きたかも分からぬままにかの神を打ち祓うであろう。
そうすれば、あらゆる外なる神と眷属達は夢より覚め、領域の外諸共消滅するのだ。
「我等領域外、遍く神と眷属の死。『目覚めの霹靂』とまで謳われる貴方を…我が父が知らないはずが無い」
『ふぁ〜。そんな風に呼ばれてたんだぁ。それならセイレムで会ったのは予想外だったのかなぁ?』
「当たり前だ!満を持して星を手にすると、支配者の座を手にできると攻め込んでみれば、よりにもよって…!あの這い寄る混沌めが…!」
下等な生物が満ちる星を、歴史を手にできると来てみれば。
そこにいたのは、自ら全ての存在を終わらせる現象。
『もしかしたら私が生まれたのって、そゆことなのかなぁ』
領域外の白痴への、決戦兵器。
意外なところでルーツの端に触れたルゥは思う。そうなんだと。
「……何故だ?」
『ふぁ?』
だからこそ、クトゥーラは彼女に問いたいことがある。
本来自らが拝することすら許されない絶対的な存在に、無礼を承知で問う。
「そこまでの力がありながら…、何故、支配も統治もしようとしない?何故、我等下等に対等に接して下さるのだ?」
白痴の夢を終わらせられる存在でありながら、彼女は守護する以外の事をしようとしない。
敵対者を滅ぼすことも、下等を支配することもなく、ただありのままに慈しみ、見守り、こうして会話すらも行ってくれる。
「貴方は…生命体を、世界を手にする資格がある筈。何故…」
なぜ、それをしない?
それは、支配者の後継として育てられたクトゥーラにとってあまりにも不可思議、不理解であった。自身の存在意義をかけて問わねばならない程に。
「あなたは、星の…生命体全ての頂点の筈だろう?」
クトゥーラの問いに、ルゥは笑う。
『むふふ、そんなの決まってるよぉ』
「?」
『支配も統治も必要ないからだよ。生命体は自分がなりたい、進みたい未来をキチンと持っているって、私はずっと前から知ってるの』
ルゥはうんうんと頷き、自身の所感を語る。
『支配し、導くというのはね。大なり小なり自身の望む世界に世界を作り変えるという事。私が資格があるかどうかは…まぁご想像にお任せだけどね。それをしたら、どうなると思う?』
「…龍の世界。今の世界は、龍が霊長だった筈だ」
単純な帰結。彼女を誰も脅かせないのだから、彼女こそが永遠の霊長であり、その種族が繁栄を謳歌するであろう。
『そしたら、この景色はあり得たと思う?』
「この、景色…」
ルゥは指差す。
「私はもっともっと!カッコかわいくなるぞー!!」
『『『『『『おーっ!!』』』』』』
「おつかれ様、けんしん。ふしぎなアメ…」
『ルォッ』
「ポリィ!次のメガシンカ鎮静には絶対参加するぞ!」
「目指せニンフィア!」
『ブイっ!』
『俺らもポケモンゲットできるかねぇ』
『とりあえずあのバカには加減を教えねばならないな…』
様々な種族、様々な存在が一同に介し、多種多様な触れ合いを見出し世界を作る。
『誰かが支配した世界というのは、結局のところ…その支配した誰かの都合のいい世界でしかないんだ』
「!!」
『私は、そうじゃなくて。迷いながらでも、弱っちくても、悩んでも、間違えてでも。それでも、ありのまま…その星と世界に生きる生命が織り成す世界が好きで、見守っていきたいなって考えたんだぁ』
圧倒的な力を持ちながら、未来に生きる生命を信じる。今を変えず、未来を思う。
それが出来た超常存在は、星の歴史において極僅かだ。
世界を開闢した後『勇退』した英雄神、マルドゥーク。
世界を慈愛を以て『博愛』する祖の龍、ミラアンセス。
あるがままに脅かす神は、自らの栄華を。
あるがままに増える人は、自らの存続を。
自身の事のみで手一杯な者達の中で、世界の未来を見つめる事が出来たのはこの一柱と一頭のみ。
その気になれば世界を手中にできる力を手にしていても。
自身より遥か劣る者達の為にそれらを自身の為に使わない。
そんな、単純ながら未熟な精神では決して至れぬ決断を、那由多や無量大数の果てまで貫き通す。
それこそが、真なる『超越者』の資格。
ほんの少しだけ、自分より大切なものが多い。
そう語る、彼女が目指すべき超越者にして支配者の資格を持つ者の思い。
『あなたはどう?この景色や、この営みを支配したい?』
「……」
誰もが笑い、誰もが幸せな世界は確かに今ある。
自身が支配し、世界を導いてやらねばならぬと燃えていた。
それが、傲りであると思い知る。
「……………いや」
なら、自身がすべきは、自身が求めるべき、自身が果たすべきものは。
「『護りたい』。…自身の力が、優れているというのなら。私は…」
この沢山の生命体が織り成す世界を、護りたい。
支配ではない。守護し、見守りたいと。
『むふふ、そっかぁ』
ルゥは喜色満面を浮かべる。
それは外なるものが見出した、新たなる観点。
かつて、全てを見た王が選んだ道と似たもの。
脅かす道ではなく、守護する道。
流石に、あんな嵐の如き在り方は歴史上一人であってほしいけど…
『期待させてね。あなたの『護る』道。きっと素敵な筈だよぉ』
「…あぁ!流石に貴方ほどにはなれないかもしれないが…」
『私になる必要はないよぉ。世界であなただけの道を見つければ、それがあなただけの正解なんだから』
ルゥは再び、デンリュウとなる。
『じゃあねぇ。家族でいっぱい、楽しんでねぇ〜』
ドスドスと歩き去る後ろ姿を、クトゥーラは見やる。
「……支配するなど、なんと思い上がっていた事か」
超越者でありながら、あくまでも自然体。
ありのままを、ありのまま愛する。
その偉大さを…
彼女は、モンモンブースで知るのであった。
ラニ『えぇい、私の王はどこに行った?次は是非とも参加してやらねばと思っていたところを…』
レナ『シアっ』
ラニ『む…?あれは』
ラスティ「はい、お待たせ。ピカピカになったよ」
サーナイト『サ〜♡』
ミミロップ『ミミ〜♡』クチート『あざっ!』ニンフィア『ふぃ〜♪』
「全員ちゃんとブラッシングするから、大丈夫だよ。順番、順番ね」
サーナイト『サ〜♪』ミミロップ『ミミ〜♡』クチート『あざ』
『サーナイトナイト』『ミミロップナイト』『クチートナイト』
ラスティ「おや、くれるのかい?ありがとうね、皆」
ニンフィア『ふぃ♪』
『おまもりこばん』
「よーし!ポフレも皆で作ろうか!」
ラニ「…………あやつら…」
レナ『シア…』
ラニ「私の王を見初めるとは…見所があるな…」
レナ『シア!?』