人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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あけましておめでとうございます!!

此度の年も、ずっと歩んで行く旅路…どうぞよろしくお願い致します!

藤丸の旅は終わりましたが、リッカらの旅はまだ半ば!

どうぞどうぞ、よろしくお願い致します!!


沢山の未来が集まる場所に

「あ!おーい!みんなー!」

 

部員時空、元旦にて。高天原の特殊空間。

 

晴れ着姿のリッカが、鳥居の前で手を振る。

 

 

「おーい!リッカー!」

「あけましておめでとうさん」

 

それに応えるのは…リッカのフレンドの『藤丸立香』達。

 

「全く。神頼みの為に人込みに放り込まれるのを有難がる文化はよく分からん」

「神様はいるよ!実際会ってきたでしょ!」

 

マシュ大好き、おじさん。作家、アイドル。

 

「出雲に行かないのに日本最高神話の神さまにお参り出来るんだよね…」

「南極も日本でよろしいかと」

 

謎丸、そしてりつか。かつてかの特異点で出会ったフレンド達が、再び一同へと介する。

 

「おー!やっぱりこうして私が集まると壮観だねー!」

 

「一緒にするな。君はもうキリシュタリアと同類のスペシャルだろう」

 

「そんな事ないよ!私はいつだって、最後の補欠マスターの気持ちを忘れてないからね!」

 

「御立派な事だねぇ。おっさんは朝のツーリングし終わって寝正月といきたかったんだが…」

 

「あ、いいなぁ…。マシュと一緒にツーリング、憧れます…!」

 

「バイク譲ってやろうか?ま、騎乗スキル持ちのマシュの後ろって情けない絵面かもだがな」

 

「それはそれでマシュに思いっきり抱きつけるからいいかなって!」

 

「ふふっ、ご馳走様です」

 

「りつかちゃん!着物似合うー!」

 

「そうでしょうそうでしょう。カルデアの皆様に着付けていただけたのですよ?」

 

「それに比べて男ときたら!藤丸君謎丸君以外なんで私服なのー!?ありえなーい!」

 

「別にいいだろ、野郎が着飾らなくってよ」

「お前たちがいなかったら詣でなど興味も無い。書斎から出てきたことをむしろ褒めろ」

 

「えっ!?男は着物着なくてよかったの!?」

 

「まぁまぁ!さぁ行こう!初詣!初詣だよ!」

 

わいわいと歓談しながら、伊奘冉大社へと肩を並べる藤丸立香たち。

 

その足取りと、笑顔を浮かべた雰囲気は柔らかく、軽い。

 

その足跡は、さながら晴れやかな空の如く。

 

 

「皆は何をお願いするのー?」

 

リッカがお賽銭、百円を放りながらフレンドの藤丸達へと問う。

 

「オレはマシュと、ずっと一緒にいられますようにって」

 

「ひゅーひゅー!ブレないねー立香くーん!」

 

「流石、8番出口で知る筋金入りのマシュ愛だ」

 

「そりゃあ勿論です!オレ、マシュとの子供最低5人は欲しいですから!」

 

「ふふふっ…。立香さんとマシュなら、幸せいっぱいの家庭を築けそうです」

 

「りつかちゃんみたいな、可愛い子がいっぱい欲しいからね!」

 

「……も、もう…。立香さんったら」

 

「照れてる照れてる!可愛いー!」

 

「律歌さんもからかわないでくださいな。皆様のお願いはどうでしょうか?」

 

「オレは…そうさな。今やってる旅を走り抜ける…かねぇ」

 

「締め切りを護りきれる。以上」

 

「石1000個欲しいッッッッッッ!!」

 

「ふふっ。素敵なお願いばかりですね」

 

「そぉ〜?物欲まみれというか、おじさんだけじゃない?」

 

「黙れ偶像。それなら君達の願いも開帳するべきだと思うが?」

 

「武道館ライブ!!」

 

「大した願いだ。Sチケットは買ってやる」

 

「わーい!」

 

「私は……そうですね。『終える事』、でしょうか」

 

「!」

 

「終える…?」

 

「はい。カルデアにおける旅路を終える事。マシュや皆様の旅路を終え、それらを見送る事。それが願いです」

 

「────……」

 

「え、終わるんじゃなくて?」

 

謎丸が、聞き返す。

 

「はい。誰かや何かの要因でなく、確かな自身の意志で終える事。それを、私は望んでいます。マシュも、ゴルドルフ副所長も、ダ・ヴィンチちゃんも、シオンもスタッフたちも。皆、旅路を最良のまま終えられること。それが、私の願いです」

 

「うわぁ…立派だなぁ、相変わらず…」

 

「すみません!オレお願い変えてもよろしいでしょうか!」

 

「残念だが不可能だぞ物欲少年」

 

「即物な俗物同士、仲良くやろうや!」

 

「いやだー!!自身の浅ましさを悔い改めていきたいー!!」

 

「リッカさんは?どのようなお願いを願うのですか?」

 

「ふふん、私?私はね〜!」

 

「「「私は…?」」」

 

「私に関わった全ての人や世界が、幸福に満ちていますように!だよ!」

 

「「「「「「人類愛だ……」」」」」」

 

「ふぁっ!?」

 

「ふふ、良いのですよリッカさん」

 

「それを心から口に出来る。それこそが、あなたの魅力に他ならないのですから」

 

そして、リッカ達は元旦の高天原…混雑も喧騒もない大社を味わう。

 

羽子板、書道、おみくじ、御雑煮に年始の特番。それらを、ただ思うままに。

 

「はー…こうやって顔見知り同士の元旦も悪くねぇなぁ…」

 

「なんだ、親戚付き合いを疎んじるタイプか」

 

おじさん立香を、原稿を書き上げながら作家立香がからかう。

 

「めんどくせぇだけだぞ、親戚付き合いなんてな。というかそもそも人付き合いがめんどくせぇ」

 

「それには同意だな。だがせめて…」

 

「りつかちゃん右!右だよ右!」

 

「こ、ここでしょうか?」

 

「あはははははは!謎丸君男前になったじゃーん!」

 

「顔面崩壊してるんですけど!?」

 

「マシュに撮って送ろう!マシュの初笑いいただきだ!」

 

「こういった、可愛げのあるガキ達に会うなら悪くねぇなぁ」

 

「…話の腰を折るな。だが、同感だ」

 

「んふふ〜、えへへ〜」

 

「……?」

 

「なんだ、そんな気持ち悪い笑顔はお前」

 

「アイドルに向かってなんてこと言うのさ!ほら、私達ってまだまだ子供でしょ?」

 

「「げっ…」」

 

「お年玉!ちょーだいっ!」

 

「おおー!!お年玉くれるんですか!?」

 

「マシュと分けたいんで二人分ください!!」

 

「いきなり食いついてくんな野郎二人!ゴルドルフから貰えばいいじゃねぇかゴルドルフから!」

 

「えっ…りつかちゃんにあげないの…?」

 

「う…」

 

「良いのですよ、リッカ。お年玉はあくまで渡す側のご厚意。浅ましく求めるものではありません」

 

「ぐわああぁっ!!」

 

「ぐはぁあぁあっ!!」

 

「物欲まみれの藤丸たちが死んだ!!」

 

「この人でなし!!」

 

「あー…!あー!!解った解ったよ!ほら、りつか!!」

 

「!…よろしいのですか?」

 

「いいに決まってんだろ!ていうかもっと欲しがれお前は!」

 

「仕方あるまい。お前達には私がくれてやる。はら1列に並べ、餓鬼ども」

 

「「「「「「わーい!!」」」」」」

 

「これが…お年玉。人の善意にて与えられる施し…」

 

「おい、なんだそりゃ。そっちのカルデアはくれなかったのかよ?」

「あの贅肉がいる以上あり得ないと思うが…」

 

「いいえ、私の方からお断りしていました。私はあくまで、マスターなのでと」

 

「お前なぁ…」

 

「でも…ふふっ、そうですね。悪い事をしてしまいました」

 

「……嬉しいものだろう?無償の施しというのは」

 

「はい。…何より、心が暖かくなります。私は…生まれてきて、良かったのだと」

 

「フッ…大袈裟だぞ、りつか」

 

「えー!?一万QPしかないのー!?」

 

「こんなのマシュに放り込んだらすぐじゃないですか!」

 

「十億QPください!!」

 

「それに比べてテメェらときたらよぉ!やるだけありがたいと思いやがれ!オラ解散だ解散!散れ散れ!」

 

「わー大人気なーい!おじさんが怒ったー!」

 

「そんなにカリカリするとブーディカさんに怒られちゃいますよ!」

 

「十億QPください!!」

 

「うるせぇうるせぇ!これだから親戚付き合いは嫌いなんだよーっ!!」

 

「いいえ。この当たり前の、尊い風景を見ていれば…決して、大袈裟ではありませんよ」

 

えぇ、とても…。

 

とても、素晴らしく得難い時間で。かけがえのない時間であると。

 

手にした、二つの小さいお年玉を懐いて笑うりつか。

 

その笑みは…

 

年相応の、輝きを放っていた。

 

 

 




リッカ「じゃあ皆!お父さんとお母さんが待ってるからここで!今年もよろしくねー!」

立香「よろしくー!ギルや皆にもー!」

おじさん「お父さんにお母さん、か」
作家「素晴らしい事だな」

謎丸「じゃあ俺も!ククルカンを待たせてるから!」

アイドル「私も配信あるから!待たねー!」

おじさん「おう、またな!」
作家「炎上はするなよ」

りつか「では、私もここで。ラーメスが心配しますから」

作家「───りつか」

りつか「はい?」

作家「また会おう。必ずだ」
おじさん「……元気な顔、見せてくれよ。またな」

りつか「──…えぇ。また」

おじさん「……どうかしたか?」
作家「……いや。なんでもない」

「少なくとも…彼女にとっては、なんでもないのだろう」


りつか「ふふ…」

───りつかの生誕は、2015年付近である。

りつか「私には勿体ない宝物が、また出来てしまいましたね」

カルデアスが破壊され、グランドオーダーが完遂された時。

……彼女もまた、消滅する。

りつか「ふふっ。困りましたね」

彼女の戦いは、いつだって…

「こんなに未練があって。あなたの下に行けるでしょうか?ねぇ、……ロマニ──?」

終わらせる為の、戦いなのだ。

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