人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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伊邪那美大社。

イザナミおばあちゃんを祀る高天原の神社には、沢山の人々が集まる。

人智とか時空とか色々越えて、色んな人達が集まる。

日本の偉大なる大母、御利益は言うまでもなく。

そして…異教や異端も、分け隔てなく。

招かれし皆に、万福ありますように!


色んな誰かの、初詣

エル「アカネさんアカネさん!2026年だそうですよ!めでたいですね!」

 

アカネ「ハワイに行ったり、大社に来たり…忙しいなぁ私達…」

 

エル「時間の推移、そして時空のトラベルはよくある事ですよ!それより何より、御祝の日にちはいくらあってもいいものです!」

 

アカネ「!」

 

エル「感謝を伝えましょう!僕達の未来を護ってくださった全ての人達に!」

 

アカネ「…うん、そだね!そう言う事ならお賽銭も奮発しちゃおっか!」

 

エル「はい!その後は一緒に、餅つきとか羽子板とかやりましょうね!」

 

アカネ「正月エンジョイ勢かぁ〜?全くもう…君はホント、私がいないとしょーがないなー!」

 

エル「はい!ずっとずっと、僕の傍にいてくださいね──!」

 

 

ホシノ「うへ〜。まさか皆を差し置いておじさんがアダム先生と二人きりで初詣だなんて〜。これはノノミちゃんとシロコちゃんに詰められちゃうな〜」

 

アダム「初詣とは極論、節分までの全ての期間に行けば問題無いのだ。勿論彼女達ともこれから行くが…今日だけは、特別だ」

 

ホシノ「?何か特別なこと、あったっけ?」

 

アダム「あぁ、とびっきりの記念日だ」

 

「──誕生日、おめでとう。ホシノ」

 

ホシノ「!……ひょっとして、その為に?」

 

アダム「あぁ。生徒達の誕生日にはどんな形であれ、触れ合う事を決めているからな。折角なので、伊邪那美様にも御祝を奉る事にしたのだ」

 

ホシノ「…そっか。うん、そっか…」

 

「…生きていて、嬉しい事よりさ。ちょっぴりだけ辛いことが多かったんだ」

 

アダム「ああ」

 

ホシノ「でも…皆やアダム先生に会えてからはね。楽しい事が増えてね」

 

アダム「あぁ」

 

ホシノ「でも…、でも。この楽しい事は、嬉しい事は…もう一人、体験して欲しい人がいて…」

 

アダム「…あぁ」

 

ホシノ「どうしても、忘れられなくて…。辛いことが、追いかけてくるんだ。今も、ずっと…」

 

アダム「忘れなくていい」

 

ホシノ「!」

 

アダム「一緒に背負おう。一緒に癒そう。一緒に分かち合おう」

 

ホシノ「アダム先生…」

 

アダム「子供の身空には、重すぎる荷物」

 

「──それを少しでも肩代わりする為に。我々大人はいるのだから」

 

ホシノ「……うん」

 

「うん。ありがとう。アダム先生」

 

アダム「フッ──いい笑顔だ」

 

「今年は…皆にとっても、良い年になるだろうな」

 

 

 

ラニ『日本の…社、とやらか。日本人は信仰に篤い者達と聞いてはいたが、これ程とはな』

 

ラスティ「日本とその民は神秘と信仰に生きる者達だと常日頃見ているからな。今日はその文化に触れて、新年に生きる人々の大安を祈ろうか」

 

ラニ『お前がそうしたいのなら、私に異論はないよ。あの大母…喧しいが、マリカすら上回る神のようだからな』

 

ラスティ「金仮面卿の思想に賛同出来なくなっちゃったよ。日本の素敵な神々を知ってしまったらね」

 

ラニ『おい、私の王。私の前で他の神を褒めるなど…』

 

ラスティ「心配ないよ。オレにとっての一番の神はラニ。その事実は絶対に揺らがないからね」

 

ラニ『……うん』

 

ラスティ「さ。参拝しようか。礼儀作法は…」

 

ラニ『私の王』

 

ラスティ「ん?」

 

ラニ『……すまぬな』

 

『そして、嬉しいよ。ありがとう、私の王』

 

ラスティ「ふふっ…ううん。どういたしまして」

 

 

フリーレン「新年…たった一年でも、人間の皆にとっては大切な行事なんだね」

 

(いつの間にか人は歳を取る。あっという間に生命はおわる)

 

フリーレン「かつて私は、その事に思い至らず無念と後悔を浮かべた。ううん、今もそれは消えていない」

 

(同じ時を生き続ける事は絶対にできない。私はどうしても見送り、置いていかれる側だ)

 

「なら…せめて、過ぎ去る微かな瞬間瞬間を祝おう。皆が懸命に生きる、短い人生が輝きを放てるように」

 

(そしてその輝きを、ずっとずっと未来まで連れて行こう。未来に繋がる今を、懸命に生きた人達がいるのだと)

 

「うん。だからこそ、私達より何千何万、何億生きているハイパーおばあちゃんに覚えていてもらおう」

 

「──どうか皆が、幸せな一日一日を歩めますように」

 

 

追跡者(二度と夜が誰かを呑み込まぬように…)

 

レディ(美味しいパンを彼が焼いていける世界でありますように…)

 

鉄の目(カルデアの全てと戦えるように…)

 

無頼漢(酒と飯が美味くあれ!)

 

隠者(みんな、仲良くできますように)

 

復讐者(我が主よ、どうか安らかに…)

 

執行者(黄金樹よ、永遠に…)

 

学者(差別無き世界を…)

 

葬儀屋(ここの神様はどなたでしたっけ…)

 

 

シンデレラ「ここが、神社…?神さまを祀っているところなのね?」

 

ルイ「そうだよ、シンデレラ。僕の知る限り、一番御利益を下さる素晴らしい神様がいる場所さ」

 

エイブ「神頼みなど、常日頃人類がやってきた事だ。今更改まって頭を下げる事も無いとは思うが…」

 

シンデレラ「ダメよ、エイブ。こうして皆でお願いする美しい行事に、無粋な野暮は美しくないわ」

 

セイレーン『うん。私、みんなと一緒に『お正月』がしたい!平和な世界の、素敵な文化だもん!』

 

グレーテル『………』

ヘンゼル「グレーテルは知らない催しにワクワクしているわ。ヘンゼルは知らない催しにドキドキしているわ」

 

ルイ「じゃあものは試し!お願いしてみよっか、皆!」

 

セイレーン『王子様や皆は、何をお願いするの?』

 

グレーテル『……』

ヘンゼル「グレーテルは皆と一緒にいることを願うわ。ヘンゼルは皆と一緒にいられることを願うわ」

 

エイブ「細やかだな。だが、叶えられる願いとはそういったものなのかもな」

 

シンデレラ「エイブは?エイブは何をお願いするの?」

 

エイブ「……お前達が取り戻した勝利と平和が、ずっとずっと続いていく事だ」

 

シンデレラ「あぁ……。素敵よ。とても美しい願いだわ、エイブ」

 

セイレーン『私はね。シンデレラと同じくらい、王子様と仲良くなりたいなってお願いするの』

 

シンデレラ「!」

 

セイレーン『私も、王子様に…シンデレラと同じくらい好きになってもらいたいの。えへへ…どうかなぁ?』

 

シンデレラ「……ふふっ。とても素敵なお願いだけど…お願いする相手が違うわよ、セイレーン」

 

セイレーン『?』

 

シンデレラ「ね、王子様?王子様なら、セイレーンのお願いを叶えてくれるでしょう?」

 

ルイ「───うん、勿論!セイレーンの願いも、エイブの願いも、ヘンゼルとグレーテルの願いも!僕が全部全部叶えてみせるよ!」

 

セイレーン『わぁ…!』

 

エイブ「フッ。神の社で自分が願いを叶えるだなどと…傲慢な宣言があったものだな」

 

ルイ「伊邪那美おばあちゃんは絶対許してくれるよ!器の小さいアレと違ってさ!」

 

シンデレラ「ふふっ…良かったわね、セイレーン」

 

セイレーン『うん!えへへ…!』

 

シンデレラ「ところで王子様?私のお願いもキチンと叶えてくれるのよね?」

 

ルイ「勿論だよ、シンデレラ。さぁ、聞かせて?君は僕に何を──」

シンデレラ「────」

 

セイレーン『ぁ…!』

 

エイブ「……全く」

 

グレーテル「ぁ…」

ヘンゼル「キスしたわ…シンデレラが王子様にキスしたわ…」

 

シンデレラ「──大好きよ。愛しているわ、王子様」

 

「どうかこの気持ちを、ずっとずっと曇らせないで。それが私のお願いよ」

 

ルイ「──勿論だよ、シンデレラ」

 

「二度と僕は、君を離さない。僕に人の心を教えてくれた君を。ずっとずっと。約束だ」

 

シンデレラ「えぇ。心から…信じているわ、王子様」

 

セイレーン『えへへ…。やっぱり二人は、とっても仲良しだねっ』

 

エイブ「それは良いがな、お前たち」

 

シンデレラ「?」

ルイ「?」

 

エイブ「──神聖な神社だぞ!弁えんか馬鹿者!」

 

ルイ「あいた──!?」

 

エイブ「貴様シンデレラをかばうな!」

 

シンデレラ「ふふ…。次は姫初めよ、王子様?」

 

「『姫初め…?』」

 

シンデレラ「待っているから──……♡♡♡」

 

 

イザナミ『………………』

 

『──全てヨシっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 




リッカ「あ!きたきたー!おーい!!」

マシュ「せんぱーい!!」

オルガマリー「わざわざ付いてきてもらって悪いわね、リッカ」

リッカ「いいのいいの!何回やっても良いものはいいんだから!」

マシュ「今日は特別だとオルガマリーさんが言っていましたから!是非やり遂げましょう!」

オルガマリー「えぇ。沢山お参りしましょうか。何せ──」

「──沢山の星見の旅人への、祝辞を届ける参拝なのだから」
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