人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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ホテル・アザトース

BB「はーい!センパイ、オルガマリーさん!こちらでーす!」

リッカ「あ!おーい!BB〜〜!」


ホテル前・広場


BB「ようこそセンパイ!ハワイ・トラペゾヘドロンが誇るスペシャルホテル!ホテル・アザトースへ!」

リッカ「おぉ〜!その肌どったの!」

BB「これには色々ありましてそれはおいおい!オルガマリーさんはカルデアスタッフ区画にご案内しまーす!」

オルガマリー「はい、仕事の上司の同行は此処まで。沢山楽しみなさい、リッカ」

リッカ「また後で!また後で絶対会おうね!」

オルガマリー「えぇ。じゃ…」

リッカ「またねー!…あ!」

アダム「リッカ、来たな」
頼光「お待ちしておりましたよ、リッカ」
あまこー「ワフ!」


リッカ「あ──!」

BB「さぁセンパイ?『御家族』が、お待ちですよ!」

リッカ「うんっ!!──お父さん!お母さーん!」

オルガマリー「………良かった」

「良かったわね、リッカ…」


至高と当たり前が集う部屋

「おー!!これがグランドホテルってやつなの!?キレイ!広い!まぶしーい!!」

 

いよいよファミリーごとハワイへ足を踏み入れたリッカ。アダムと頼光、あまこーを家族とし、受付のエントランスに足を踏み入れる。

 

そこは日差しと景観が思うがままに拝聴できる清廉なエントランスであり、最高級の調度品と遥か上方に聳えるステンドグラス、大理石の床に赤いカーペットを有する選ばれし者のみが…

 

否。選ばれし者であろうが機会なくば到達することすら叶わない至高を超えた至天のホテル。

 

「大変だったんですよ〜?ゴージャスさんの改築で肥えた皆さんの審美眼を満足させるホテルを作るのは!」

 

「BBが作ってくれたの!?」

 

「ふふん、そういう事になりますね!ですが称賛はまだまだとっておいてください!では受付へ、どうぞ!」

 

BBが声も高らかにリッカらを導く。エントランス受付に足を運ぶとそこには豪華なスタッフがお出迎えを行っていた。

 

「へいらっしゃい」

 

「はくのん!?」

 

そこにいたのは岸波白野。グランドマスターにおいても評価規格外の評価を受ける裏エース。そんな彼女がプレミアムロールケーキを片手に受付を受け持っていたのだ。

 

「夏の始まり、そしてそれは素晴らしい拠点から始まる。そんなわけで朝にはくのんスマイルをあなたにと抜擢されました」

 

「表情筋が活発な方じゃないのに受け持ってくれたんだ!」

 

「ホテルに、いや…夏の催しにかける情熱が垣間見えるというものだな」

 

「ワフ!」

 

「当然ながらペット、神様持ち込みOK。出かける時に声をかけてくれると嬉しい。これから1週間よろしくね」

 

はくのんの手を固く握るリッカ。拠点に構える最強戦力。安全は担保されたようなものだ。安心さが違う。

 

「BB。ゲストをお部屋に案内して」

 

「はーい…では皆さんこちらです!当ホテル最上階、666階のグランドルームへご案内しま~す!」

 

白野の言葉に、BBはとても素直に従う。それはやはり、彼女もまた白野にとっての大切たる自覚と誇りが存在するからであろう。

 

「ふふっ、数多のカルデアの方々に通り掛かりましたが…皆様とても胸を弾ませた顔をしていましたよ」

 

「そりゃそうだよ母上!ハワイ貸し切りってことでしょ!?テンション上がらないほうがおかしいって!」

 

「あぁ。この一面の楽園を独り占め…。年甲斐もなく胸が高まるというものだ。頼光ど…」

 

「うふふ、アダム様?ここでは『頼』とお呼びくださいな。夫婦ですものね?」

 

「そうだったな、頼。アマテラス、リッカの手足となる事を願わん」

 

『ワフ!(はい、勿論ですとも!)』

 

「〜〜〜〜〜」

 

三人は、自身の家族として在ろうとしてくれている。

 

家族では、血の繋がりでは無いのだと。

 

「────さぁ、行こっか!」

 

込み上げる熱い感情を抑え…

 

リッカらは、最上階へと進んでいった。

 

 

「ふぉーーーーーー!?」

 

リッカの絶叫が再び響き渡る。当然それは、招かれたその部屋の規格外さに圧倒されての事だ。

 

一つの家庭が有する大広間が、用意されている全ての部屋の間取りに採用されている。家族が十ペア入ってもなお余る空間に用意された、様々な設備。

 

娯楽ルーム、バスルーム、外屋エントランス、ダンスホール、バーカウンター。映画ルーム。

 

更に屋上には天空プールといった施設も取り揃えられており、最早無いものを探すほうが難しい程だ。

 

「ほう、最高級の飲食料品ばかりだ。どれもこれもが選び抜かれた拘りの品だな」

 

「アダム…いえ、貴方様?あちらには和室も用意されておりました。リッカの事を慮った故のサービスですね♪」

 

『ワフ!(ワープ装置も設置されておりました。移動も楽チンですね!)』

 

全てに行き届けられた娯楽の粋。それら全てが、リッカ達のみに与えられたもの。

 

「お気に召していただけましたか?これがホテル・アザトース最高のグランドVIPルームになりまーす!」

 

「グランドVIPルーム…」

 

「私達カルデアスタッフの意向により、最前線で戦い抜いてくださったリッカさんには最高の夏をと手掛けたものです!これら全てはリッカさんのもの!ホントはここを使えるの、ロイヤルズの皆様だけなんですけど…」

 

彼女らは全員リッカに使用権を譲渡。「私達のリゾートは私達で!」とアグレッシブ極めた発言と共に未開拓領域へと旅立っていった。

 

「なんとアグレッシブなロイヤルズであろうか。まぁ私も人の事は言えんがな」

 

『ワフ!(ふふっ、こんな所で子孫との繋がりを感じましたか?)』

 

「あぁ。子孫の皆が輝いていること、嬉しく思うよ」

 

「そういう訳でここは藤丸一家の皆様のもの!好きなように使ってくださいね!あ、皆様の部屋へはワープホール経由で一瞬ですよ!」

 

BBはとても楽しげに、リッカへとバカンス拠点の説明を行う。

 

「あ、その顔はもしかして疑ってますか?『天才ラスボス系BBちゃんが、こんな至れり尽くせりを提供するなんて何かあるな?』とか?」

 

「ワーアヤシイナー」

 

「御心配なく!今回は白野先輩と過ごす夏!無粋な横やり悪だくみはぜーんぶお休みです!皆さんに最高の一時を示すため、粉骨砕身頑張っていきますから!」

 

その発言に嘘はない。何故ならばリッカには理解できる。

 

彼女自身が、この夏の一時を一番楽しんでいるのだと。

 

「何かあったら、いいえ何かあったら困りますが!その時は遠慮なく私を頼ってくださいね、センパイ!あなたのBBちゃん、夏の素敵な思い出をあなたに!」

 

「──うん!ありがとう!BB!」

 

「はい!それではリッカさん、素敵な家族とごゆっくり!」

 

BBは一礼し、ワープにて去っていく。その後ろ姿を見届けた後、頼光がリッカに語りかける。

 

「リッカ?早速ですが、あなたは学友や仲間の皆さんと思う存分遊んでくるのがよろしいかと思います」

 

「母上!」

 

「先んじて皆、ハワイの『白金の砂浜』に集合しておられます。荷解きはこちらでしておきますから、皆に顔を見せに行きなさいな」

 

でも…と遠慮がちに目をやったアダムは、頼もしげに頷く。

 

「誰に遠慮することも無い。この夏の、このハワイの主役は君なのだ」

 

「アダムせん…お父さん…」

 

「自慢の姿を見せてやれ、リッカ。今の君にはスキル『サマー・スプリーム』がEXで付与されているとのことだからな」

 

『ワフ!(何かあったらいつでもお呼びなさい、リッカ)』

 

「あまこー…!」

 

『ワン!(ペット扱いでも、乗り物扱いでも構いません。あなたの為に、私は身を尽くし。それを私は夏の喜びと致しましょう)』

 

「皆…!」

 

リッカの人生に唯一与えられなかった、暖かい家族。

 

「我らは血と縁で繋がった家族だ。故に、当たり前にある家族よりもずっとずっと互いを想い合う故にある」

 

「あなたの帰る場所は私達が護ります。さぁ、リッカ。いってらっしゃい」

 

『ワフ!(あなたに、この夏一番の陽の加護を!)』

 

「〜〜〜〜〜〜っ」

 

リッカは今、自身に満ち溢れる幸福を噛み締め。

 

「あらあら、リッカは成長し泣き虫になってしまいましたね?」

 

「いいのだ。人は涙を流していい。それが喜びであるのなら尚の事」

 

『ワゥ…(桜餅、食べますか?)』

 

「ぐすっ…!ありがとう!お父さん、お母さん!あまこー!」

 

リッカは自身のバッグを掴み、心と身体を弾ませ…

 

リッカ「─────『行ってきます』!!」

 

「あぁ、いってらっしゃい」

 

「暗くなりすぎない内に、帰ってくるのですよ?」

 

『ワゥー!(また後で出会いましょう!)』

 

当たり前の挨拶を…

 

万感の想いを込めて。

 

大切な『家族』へと、捧げるのだった。

 




リッカ「えーと、ビーチへのバスは…!」


マモン【フッハッハッハッ!!来たかリッカ!!】

リッカ「おぉ!?」

マモン【マモンバスへようこそ!!オレの負担で!!好きな場所に乗せてやる!!】

アスモデウス【バスガイド、アスモデウス。よろしくお願いしますわね、リッカちゃん♪】

リッカ「ご、豪華だなぁ〜〜〜……!」

この夏は凄い。

バス1つすら、そう確信させるのであった。
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