人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
エイブ「カルデア所長、聞こえるか!」
オルガマリー『はい!あなたは確か、エイブさんだったかしら!』
エイブ「お前は固有結果とやらが使えるのだろう?ホテルに向かって放て!」
オルガマリー『──!解ったわ!』
エイブ「あらゆる意味で、派手になるからな!」
ニャル【大いなる意志…。間違いなく禄でもあるまいな…】
ハルモニア『『『─────』』』
BB【これ…ピンチじゃないですかぁ…?人間になんとかできますぅ…?】
ニャル【まぁ大分ピンチではあるが…問題無い】
BB【その心は…?】
ニャル【私は日頃の行いがいいんだ】
BB【ぶふっ…!】
ハルモニア『『『───!!』』』
『────全く!どの口が言う!!』
ニャル【!】
ハルモニア『『『!!』』』
クトゥーラ『無事か!』
ニャル【クトゥーラ…!】
クトゥーラ『……色々、思うところはあるが…』
『助けに来た!持ち堪えろよ、ナイアの父!』
BB【へぇ、本当に…行いが…いいんですね…?】
ニャル【助かる…!ありがとう!】
ハルモニア『『『……』』』
クトゥーラ『時間を稼ぐ…!来い!』
『敵の数が多い。どうしても、リッカのバカンスを台無しにしたいみたいだね』
空を舞う、モビルスーツを纏いし大和、飛鳥、そしてサラ。大和とサラはそれぞれストライクフリーダム、インフィニットジャスティスに強攻強化ユニット『ミーティア』を装着し、機動力と火力を大幅に強化している。
『そんな事させませんよ!リッカさんは私達の生きる未来と世界を護ってくれたんだ!あの人が世界全部を護り救うなら!私があの人の幸せを護ってみせる!』
『その意気だ、飛鳥!何人いようと関係ない…!ヒフミやメイの為にも、勝つぞ!』
『言われなくても!!』
瞬間、三人の中で何かが弾ける。彼女達の秘められた才覚が発揮され、研ぎ澄まされる状態へと。
『じゃあ二人とも、行こうか!』
サラと大和が加速し、空を埋め尽くす敵対者の群れへと吶喊する。
『よぉおし!!行くぞぉおーーーーーーッ!!』
飛鳥の頭上に、紅き翼のヘイローが浮かび上がる。その時、物理現象を歪めた奇跡が起きる。
『何人増えたって!構うもんかーーーーッ!!!』
何十、何百に分身した飛鳥、デスティニーガンダムが空を埋め尽くす敵へと斬り込み戦火を燃やす。一人一人の力が減衰しないまま増えるのならば、戦力の増加は足し算ではなく掛け算だ。
『─────』
大和は静かに敵対者達を見据え、それらを無感情にロックオンしていく。
淡々と、そして確実に展開されるミーティアユニットのミサイルに主砲、そしてストライクフリーダム自身の武装たち。
『外さない…!』
そして──それらが一斉に、砲火となって空を染め尽くす。夜空に花火、或いは眩き閃光の如くに火の華が打ち上がる。
『邪魔だ!道を開けろッ!!』
大和の大規模射撃とは対照的に、サラはビームソードを展開し無数の敵対者達に突撃していく。分厚い肉や繊維のような敵対者達を、巨体にてビームソードをねじ込むように回転しながら戦線に風穴を空けていく。
『邪魔をするなぁーーーーーーーッッッ!!』
普段の愛らしい飛鳥とは似つかぬ荒々しさで、無数のデスティニーガンダムのビーム砲、ブーメラン、対艦刀が夜空に爆発を彩っていく。
『流石だ、お前達!凄まじい勢いで制空権を取り返しているぞ!』
『うぉお…流石最強の三馬鹿、すげー…』
縷々とアカネの声が通信で響く。三人の参戦は、戦闘における情勢をも覆すに足るもの。一騎当千とも呼ぶべき戦果を挙げている。
『縷々、私達はXXさんと一緒に調査していたんだ。このやり口には対抗策があるって彼女は言っていたよ』
『あぁ!このハワイ・トラペゾヘドロンのどこかに天幕の薄い部分がある!そこはおそらく、このハワイの領域外に繋がる入り口となっているはずだ!』
縷々の推測と、調査における推論が一致する。
『うん。そこのポイントに…』
『私達の力で、ヤマトがディスラプターを撃ち込みますわ』
『!?』
縷々の驚愕を起こしたのは、ハロ型ストライクフリーダム制御ユニット『クライン』並びに『ヤマト』。通信に割り込む形で、活路を提案する。
『あの者達が消える際、巻き起こる光の奔流。それを利用し、時空を超える一撃を放つのです』
『うん。既に協力は申し込んでいたよ。光のエネルギーは、大和がプラウドディフェンダーに使う為に集めるつもりさ』
二つのハロの言葉に、大和も頷く。
『そういう事。だから悪影響は心配しないで、思いきり戦おう!』
『……解った!信じるぞ、お前達の結論を!』
『そうです!!ストライクフリーダムとインフィニットジャスティス、デスティニーが協力しているのなら負けるはずがありません!デスティニーはストフリに主役を奪われたりしていますが!』
『エル!それ今必要な情報!?』
『すみません!ですがデスティニーの本領さえ発揮できたなら無敵な事は明らかです!ファイトですよアスカさん!!』
『言われなくても…、!!サラ!大和さん!!』
瞬間だった。アスカが声を上げると同時に、ミーティアユニットに急接近し──
『くっ!』『ちいっ!!』
ミーティアユニットを一撃の下、破壊する英雄武器の娘達、ハルモニア。それらの攻撃は、一瞬かつ迅速だった。
『対応が早い…!』
『サラ、パージするよ!』
ミーティアユニットはその攻撃により半壊。素早く二人はドッキングを切り離し、即座にミーティアユニットの爆散から逃れ得る。
『『『『『あなた達に、安寧の眠りを……』』』』』
ヤマトとサラを取り囲む、安寧の使者たち。英雄武器を構え、2人を討ち果たさんと襲い来る。
『まずいな、火力を大幅に削がれてしまった…!』
『倒すんじゃなくて、足止めをするつもりみたいだね。押し込む為かな』
ミーティアユニットを切り離された以上、莫大な推進力を失う事となったヤマトとサラ。まだまだ戦力の削減は不十分であり、この損失は痛手となる。
『ヤマトさん!今行きます!!』
飛鳥はたまらず大和の救助に向かわんと逸るが、大和はそれを制止する。
『大丈夫だよ、アスカ。貴方は自分の戦いを続けて』
空を埋め尽くすデスティニーガンダムは、白き敵対者達と拮抗している。逆に言えば、穴を開ければそこから崩されてしまうのだ。
だから、増援を期待することはできないと。
『でも…!』
食い下がる飛鳥を、大和は笑顔で諭す。
『切り札はある。だから大丈夫。心配しないで、ね?』
『────分かりました!ご無事で!』
『私の心配がないようだが?』
サラの冗談めいた口調に、飛鳥は憎まれ口で返す。
『アンタがそんなんでピンチになるようなタマかよ!さっさとなんとかしろよ!出来るだろ!』
『コイツ…!言ってくれるな!』
『サラ、時間を稼いでくれる?プラウドディフェンダー、使うから』
プラウドディフェンダー。ストライクフリーダムを一段階強化し『戦略モビルスーツ』へと変える奥の手。
それを着用するドッキングの時間を稼いでほしい…つまり、サラに単独奮闘をしろと大和は告げたのだ。
『急げ!そう長くは持たないぞ!』
『うん!クライン、ヤマト!お願い!』
ストライクフリーダムが天高く飛び立ち、背部のウィングユニットをパージ。
『承りましたわ。キラ!』
『了解!プラウドディフェンダー、招集!』
すると異次元のホールが開かれ、白と金の翼たる『プラウドディフェンダー』が大和の背中に向けて飛来する。ドッキング時間は十秒程。
『『『『『安寧を阻む者を、排除します』』』』』
英雄武器を握る戦乙女達が、大和の目論見を阻まんと飛来する。しかしそこに割って入るはインフィニットジャスティスガンダム。
『先に行かせるか!』
そして始まる白兵戦だが、その戦況は一瞬で決まることとなる。
『はぁあぁあぁっ!!』
一人目のハルモニアは、槍を真っ直ぐに構え突撃を敢行した。
しかしそれをビームシールドにてパリィ…受け流し即座にカウンターで腹部を突き刺す。
『おぉおっ!!』
二人目、三人目、四人目がサラを取り囲み一斉に武器を振り下ろし仕留めんとした際には、両手にビームサーベルを持ち二人を受け止め牽制。
同時に背部の『ファトゥムー01』を展開。射出しすぐにビーム刃を展開したまま飛行し、縦横無尽にハルモニア達を貫き抉り抜く。
『くうっ──!!』
五人目のハルモニアは縦横無尽に動き回り、苛烈な乱舞による攻撃でサラを圧倒する。
『たぁっ!!!』
しかしその一瞬の間隙に、渾身のキックを強引にねじ込む。四人までを撃破した今、これが最後のハルモニア。
『おぉおおぉおおぉおおぉおおぉおッ!!』
『──────!』
威力の押し合い圧し合いは、サラの渾身に軍配が上がる。脇腹に蹴りを叩き込まれ、海面に失墜していくハルモニア。
『これでどうだ!!』
最後の一人に、全武装の一斉射撃を叩き込む。それらを回避できる余裕はハルモニアに無く、直撃し、爆散する。
『ドッキング完了!マイティストライクフリーダム、完成ですわ!』
そしてクラインが、ドッキングの完了を告げる。プラウドディフェンダーを装着したマイティストライクフリーダムとなった大和が、翼を展開する。
『ありがとう、サラ。飛鳥も。このまま空を取り返そう!』
『行けるな、大和!』
『待ってました!やっちゃってください傲慢サンダー!』
『飛鳥さん?その呼び方はよろしくありませんわよ?』
『大和が使うなら、傲慢とは無縁だからね』
『はいすみませんクラインさん!ヤマトさんも!!』
『ふふ…──さぁ、行くよ!』
プラウドディフェンダーが、周囲の『聖なる粒子』を吸収…エネルギーを共振させる。
そしてそれらは飛鳥が撃破していた者達の粒子達も吸収共振させ、やがて全空域を覆う程に高まったその時──。
『聖粒子断罪執行雷撃──発射!!』
大和即興センスの技名と共に、全空域にその雷撃が放たれる。
敵対者を巻き込み誘爆させ連鎖的に破壊させていくそれらの規模は、ハワイの全空を一瞬白に染め上げるほどの光量と規模にて、敵対者全てを無力化し爆発四散させる。
『敵制空戦力、7割減少!相変わらずの広範囲殲滅ぶりだ…!』
『一人だけ戦略兵器やってる…こわ〜…』
『凄いです凄いです!キヴォトスで活躍したプラウドディフェンダーなる武装が再びですね!!』
縷々、アカネ、エルの感嘆に、大和は笑顔を見せる。
『榊原先生にまたフルスクラッチしてもらったからね。クラインとヤマトも頑張ってくれているから』
『大和が強い武装を使っているのではありません。大和が強いから武装がより強い力を発揮するのです!』
『僕達の武器は、愛と絆だからね』
クラインとヤマトの言葉に頷き、周囲の状況を確認する。
『あとは陸路の戦力分、粒子を回収すれば…!』
『それは問題無いと、エイブを名乗る科学者から連絡があった!』
『エイブ…さん?』
『あぁ!なんでも──『勝利の女神』に、任せておけ、だそうだ!』
空には、自由と正義と運命が舞う。
残りの戦場は、地上へと向けられた。
飛鳥『あっちでは…ルゥちゃん様たちが!私、あっちに行ってきます!』
サラ『大型エネミーが相手だ。そそっかしい油断をするなよ!』
飛鳥『解ってるよ、全く!大和さん、ここはお願いします!』
大和『気をつけてね、飛鳥。頑張って!』
飛鳥『はい!!』
クライン『さぁ大和、ディスラプターの準備を!』
ヤマト『こっちも、無茶はしないようにね』
大和『はい!』
(リッカ。君の夏は私達が護ってみせるから)
サラ(せめて今くらいは…)
飛鳥(ゆっくり休んでくださいね!)
リッカ(すぴ〜……)
壮絶なハワイの戦いは…
半ばへと至ろうとしていた。