人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
オルガマリー「えぇ。あれはまさか…」
プレア『はい。どうやったのかは不明ですが…。あれはカルデアスの権能を使った構造体です』
オルガマリー「まさか…神霊の空洞構造体まで再現したというの…!?」
プレア『完全に、というわけではないでしょう。恐らく外見は、本物の…』
オルガマリー「……!」
プレア『真相解明は後にしましょう。まずは、私の力を使ってこのハワイとバカンスを再び巻き返します。力を貸してください、オルガマリー』
オルガマリー「私にも、出来ることがあるの?」
プレア『勿論です。人の為に頑張る偉大な存在──』
『それを、世界は敬いと畏れを以て『神』と言うのですから』
『ハワイ・トラペゾヘドロンに滞在する、全ての神霊系サーヴァントへ御報告致します』
その時、混迷のハワイにて放送が響き渡る。
『弊ハワイは今、支柱を崩された事により崩壊を始めています。それに、私の大切な人達の精神が疲弊し、混乱がもたらされています』
その声は、オルガマリーと同じ。だが、やや抑揚が少ないもの。
『この状態を解決するため、只今から『霊基の限界』を取り払い、神霊の権能を行使できる状態とします』
そしてその放送は、衝撃的なものだった。
『ニャルラトホテプという柱を崩された今、リッカやマシュ、オルガマリー達のバカンスを続けるには沢山の神の力を必要とします。どうか皆様の力をお貸しください。これは命令でも、指令でもありません』
そしてその要望は、切実的なものだった。
『私のワールドメイキングには…皆様の助けが必要です。どうか、心より。お願い申し上げます』
その、心の籠った放送の数秒後、神霊サーヴァント達のサーヴァントとしての枠組みがカットされる。
即ちそれは、世界を己の法則で塗り潰していた神の時代の到来。本来ならば、荒ぶる神々の手により世界は、人間のテクスチャは吹き飛ばされる筈であったが──。
カルデアの皆が見た世界は、全く違うものであった。
〜
「使命が来たようだよ、ゼウス!ここで男を見せなくちゃね!」
『あぁ。私が合法的に水着の美女を見ることの出来る時間を奪わせはしないさ』
まず動いた神は、天空神ゼウスであった。ゼウスは己の力を解放し…
『さぁ!君たちの未来と柔肌を存分に解き放つといいよ!』
けして揺らがぬ、大いなる天空を創り上げた。崩壊は、ゼウスの手により押し留められる。
『ポ。流石は天空神にしてオリュンポス最高の神。素晴らしい成果だっポ』
そこに飛来するは、本来の唯一神にして慈愛の父、パパポポ。
『おぉパパポポ君。天使に自慢してくれるかい?このゼウスの偉大さを』
『するする。珍しく偉大な君の後に続かせていただくとしよう』
そうだろう?そう告げ、後に続く者たち。
『さぁ頼んだよ、君達!人に愛と慈悲たる光を!』
『はい!お父様!』
『おーっ!見てて、皆!』
アイン・ソフ・オウル、そしてキラナ。
『こんなところで皆の休みを消されちゃたまらない。アスモデウスとシンデレラの為にも──本気を見せちゃうよ!』
そして、輝ける明けの明星ルシファー。光、善、そして星の三人がゼウスの天空を彩る。
『さぁ!遍く全てに!光あれ───!!』
アイン・ソフ・オウルが、人々の心を照らす光を満たし。
『セーヴァー、アフラ・マズダ様、エンジェウーモン!皆の心を優しく癒して──!』
キラナが光輪の力を全開し、アフラ・マズダの力により皆の削られた心身を瞬く間に修復、快癒させる。
『僕が愛する美しい人々よ!さぁ、僕達の輝きで元気を出してね!』
そしてルシファーが力を解放した時、天空には満天の星が現れ、より美しく、より輝かしい天空に新生する。
『一柱の神が破綻を招いてしまったなら、我々が力を合わせてメイキングする。素晴らしいアイデアだっポ!』
『うんうん。カルデアだけのオリュンポス…いや、ヤオヨロズだっけかな?これもまたサバフェスとしての催しとして楽しんでおくれ!』
輝ける天空が是正され、星々の輝きが取り戻される。そして天空と星が輝きを取り戻したのならば、次なる天体は既に相場が決まっている。
『アマや、玉藻や!出番がやって参りましたよ!乗るしかありません、このびっぐうぇぇぶに!』
『ナミママさん、この期に及んで通常運転です!?真面目になるに相応しくないですかぁ!?』
『ワゥ(仕方ありません。本気を出したら即座にリッカに伝わってしまいますから。リッカを思えばこそ、です)』
『手を抜くわけではありません!妾は皆を踏みしめる大地を創り上げたもうや!あのナイアーラトテップ某を混ぜ混ぜして!』
太陽を作る玉藻の前、そしてアマテラスが太陽のテクスチャを。
伊邪那美大神が清らかなる大地を、混沌をかき混ぜ豊かなる神風を。
『あ、い、いた…!』
『貴様は…』
『わ、わた、私…ツクヨミ…。あの、ラニさんと、ラスティ、さん…ですか…?』
「うん、そうだよ!ツクヨミ…あぁ、そうか!」
『成る程。このハワイに必要なものを添える…その為に来たのだな』
『は、はい…。よろしければ、御一緒に…!』
『いいだろう。日本は私と私の王のお気に入りだ。その月の神と力を合わせる──得難い経験となろう』
『あー!!私も月の女神よー!リッカの為にも仲間に入れてー!!』
「アンタがラスティか!まぁオレには負けるがイケメンじゃねぇの、ここは──」
『(ピキッ)』
『(氷像)』
『きゃー!?ダーリーン!?』
ラニ、ツクヨミ、そしてアルテミスが夜と、その安寧を再びハワイへと齎すために力を合わせる。
【うーむ、ダゴネット…遅いのぅ。迷ってなければ良いのじゃが】
そして、ハワイに吹き抜ける涼やかな風を司りしは黄衣の王、ハスター。
【まぁナイアちゃんにXXもおる。万が一にも起こることはないじゃろう。どれ、こちらもやるべきことをするとしようかのぅ】
彼は風を、涼やかな安らぎの颶風を齎す。
【グーア、お前さんも力を貸せぃ。ニャルラトホテプにマウントを取れるいいチャンスじゃろ?】
そして傍らに現れしは、ニャルラトホテプの家族の篝火としてあるグーア。
【ノーデンスやクトゥルフにダゴネット…そしてクトゥーラも関わった以上、最早傍観者としてはいられんでな】
【!!】
【それにのぅ、儂らも楽しんでいるバカンス…台無しにされるのは業腹じゃからの。かかかかっ】
そして、陽気と涼やかさはハワイにて二柱に齎される。暖かき火、安らかな風と共に。
『素晴らしい事です。これだけの神が集まりながらも、一つの目的に協力を果たすとは』
『そだよぉ!これも立派な、調和ってやつだよねぇ〜』
ヴィシュヌ、そしてルゥ・アンセス。フリーレンが彦斎達を休ませつつ、共に肩を並べハワイを見つめる。
『私も勿論協力を惜しみませんが…もっと別の形で力も貸せそうです』
『ふぁ?というと?』
『素敵な依代を見つけ、妻もこのハワイに呼び寄せられそうなのです。愛の調和…見せて差し上げられますよ。むふふ』
『ふぁ〜!すごそう!』
『あ!おーい!いましたいました!トウモロコシ屋さーん!』
瞬間、猛烈な速度で飛来せし、翡翠の髪を翻すもの。
『ふぁ!くくるんさんだ!』
『覚えてもらえて嬉しいデース!まだまだハワイでやりたいことがあったのに、謎の横槍なんて認められません。ここは力を合わせましょう!』
くくるん…トウモロコシ屋の常連ククルカンもまた、この神々のメイキングに名を連ねる。
『とても素晴らしい事です。どうやらこのハワイでのバカンスはもう一悶着あるようですし、合わせる力は多い方が良いでしょうね』
『うん!力は合わせて、大きくしていくものだよぉ!』
『ハイ!無粋な横槍に負けることない、とびきり素敵なハワイを皆のために作りまショウ!』
『その通り。それでは──皆の力を、調和すると致しましょうか』
様々な神々の荒ぶる力。多種多様の力が満ち溢れる中、それらがハワイの皆の為に調和していく。
『さぁレヴィアタン!バアル!あなたたちも魔王ではなく、神や強き命として力を発揮するのです!』
『なんであなたがそんな元気なの…うん、でも…やる』
『そうだな。──ハワイにおけるカナンの民の為にも、一肌脱ぐとしよう』
『『???』』
そして、ハワイは修復されていく。
次々と集いゆく、神の力。
神に捧げられし願い。
ハワイに生きる、全ての為に。
そして何より…
絢爛なる、星の願いの下に。
ペレ『……………………………』
『………………………ん〜〜〜〜〜〜〜〜!』
『ごーかーっっっっく!!!』