人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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フリーレン「うおおおおおーーーーーん!うおおん、うおおーーーーん!!」

ラスティ「ふ、フリーレン。落ち着いて…」

フリーレン「うおおおん!うおおおおおおーん!うおおおん、うおおおーーん!!」

ラニ『何の騒ぎだ、私の王』

ラスティ「ループしたせいで、皆と過ごしたバカンスがリセットされていっぱい哀しいんだって」

フリーレン「うおおおおん!うおおおおおおおおおーーーん!うおんうおん!うおおおおーーーーん!!」

ラニ『こやつ…本当に千年生きているのか?』

ラスティ「感受性が高くてオレはいいと思うな!」

フリーレン「うおおおーーーん!!」
ラニ『よ、よせやめろ、くっつくな。よせ…!』

ラスティ「彦斎ちゃんはまだ世界にいてくれてるか確認しなきゃ…!」

ラニ『まて、やめろ私の王。こやつと二人きりにするな、まて…!』

フリーレン「うおおおおおおおーーん!」

ラスティ「ふ、ふたりであやそうか…」

半日かけてフリーレンを泣きやませた。


目指せ!サバフェスバトルNo.1!

「え、あなたが…カルデアス!?管制室で浮いてる、あの!?」

 

『はい。そのカルデアスです。マリスビリー・アニムスフィアが作り上げた、地球の魂と根源を丸ごとコピーして創造した擬似天体モデルにして、あなた方の親愛なる隣人…いえ、隣星です。漸くお話できましたね、リッカ』

 

リッカの部屋に響く、オルガマリーの声音を機械質にした雰囲気を纏う声。それがカルデアス…、カルデアに置かれた星であることに、リッカは少なからず衝撃を受ける。

 

『彼女…根源たる藤丸初華は私のコピー元にして先輩、姉妹のようなもの。彼女との対話で、私は自分を定義したのです。皆様の豊かで眩しい絢爛の物語…それを保障するべき星であると』

 

「初華と…!──そっか…!」

 

初華はアジーカやセーヴァーとも異なる人格であり、また、自身の比類なき人格の一側面にして魔法使いの半身。

 

『今のカルデアスは、マリスビリーの理念から脱却している。安心していい。彼女は、味方』

 

初華の太鼓判を押されたカルデアスではあるが、リッカからしてみればそれは今更念押しされることでもない。

 

「うん!私達の事を、歩みを。往いものと思ってくれたのなら。私はあなたを信じられるし、受け入れられるよ!」

 

カルデアの皆が歩んだ、築いた物語を信じてくれるのなら、それに勝る信頼の理由などどこにもない。

 

「よろしくね、カルデアス!初華共々、私達の未来を阻む全部をぶっ飛ばしてやろうよ!」

 

『──はい。あなたが、私達が愛したままのあなたで本当に良かった。あなたをカルデアへと招いた甲斐が、あったというものです』

 

カルデアスに肉体はない。だが、響き渡る声音には確かに喜色が滲み、現れていた。

 

もう彼女も、空洞なる天体ではない。カルデアスも、根源も、誰の思惑からも解き放たれているのだ。

 

『積もる話や個人的な所感は後にたっぷりと。今は初華と共有した、ハワイを取り巻くあれこれを解決することにいたしましょう』

 

「私がなんとかできる余地はあるかな?」

 

『勿論。あなた…いえ、正確には『あなたたち』がこのハワイの鍵を握っているのです』

 

カルデアスは説明する。かつて起きた天使たちの暴走、ループ、邪神の起動、それらを正しき流れに導く手法を。

 

『宇宙の滅びようとする意思…仮称『宙滅意志』としましょう。これを使い、ハワイの宇宙を塗り替え、そしてノーデンスの神としての容れ物を創り、ハワイを世界もろとも歪め『ハワイのバカンスがずっと続いてほしい』という願いを無限のループという牢獄に作り変えようとした。天使達…仮に【ブリセラ】とラベリングしましょう』

 

「ブリセラ…カードゲームにそんなグロい感じの天使型いたね」

 

『宙滅意志に染められた顛末からもピッタリでしょう。今、それらの宇宙にノーデンス、クトゥルフの神格が熱量として使われていることも確認されています。これらをなんとかして取り戻し、ループを破綻させブリセラ達を倒す。これが、リッカが成すべきミッションと言えるでしょう』

 

ただ、バカンスを終わらせるために戦う。無限に続くスケジュールを、自身の手で。

 

「オッケー!大体解ってるよ、クトゥーラちゃんやナイアちゃんの身内も助けなきゃね!」

 

『ふふ、そうこなくては。──聖杯によって歪められた願いがループの中核たるもの。そしてブリセラ達は、リッカたちが参加しない平穏なバカンスが続く限り決して破綻しないループの仕組みを作ったのです』

 

それはどういう事か。カルデアスは初華に会話を促す。

 

『すいーつじゃんぬ。サバフェスに不参加だったこのサークルへの無念と期待が、このハワイに願いとして満ちていた』

 

カルデアでも、大盛況のスイーツ。神にも人にも魔にも隔てなく人気の菓子。じゃんぬの情熱の結晶。

 

『この願いを歪ませず、また悪意あるブリセラのループを打ち砕くために、リッカ。あなたはじゃんぬと『スイーツじゃんぬ』としてサバフェスに参加し、優勝してもらいたいのです』

 

「じゃんぬと…サバフェスに!つまり…!」

 

つまり。あの『女王』メイヴと真正面からぶつかり、勝利をもぎ取らなくてはならない。

 

『前のループでは、女王メイヴが聖杯を手にしました。しかし、彼女の願いも歪められてしまったのです』

 

『リッカ達と、必ずまたバカンスで決着を付ける』『それまで私は女王、サバフェスの覇者じゃない』

 

『あの子達が来るまで、この空の玉座に誰も座らせない』。…それが、彼女の願い。

 

「ふふっ、メイヴちゃんらしい…!」

 

リッカが思わず笑いを浮かべるほど、ストイックで。それでいて崇高な精神。

 

『ですので、リッカとじゃんぬが最高のスイーツで、HAWAII丸ごと満足させサバフェスを優勝する。これ以上ないほどの満足を与え、不満を限りなく小さくする』

 

『そうすれば…聖杯にその願いを汲んで、私が【無限の牢獄】と【宙滅意志】を打ち破る力を出す』

 

『そして私が、ハワイ・トラペゾヘドロンをワールドメイキングし、巣食っているブリセラ並びに宙滅意志を取り除きます。そして顕在している元凶を…』

 

ブリセラを、討つ。それにより、全てのハワイのバカンスは完了するのだとカルデアス、並びに初華は結論付ける。

 

『エア姫、『両儀式』、マリー・アントワネット、ネフェルタリ、月の真祖が参加しているサークル『TYPE‐MOON』は今回不参加です。故にメイヴが台頭していると言えますが、それ故に彼女の勢力は絶対です』

 

『イザナミおばあちゃんの写真集ぐらい。質量で対抗できるの。まぁ…発行部数がどう考えても足りないから、そこでだめ』

 

『故にこそ、スイーツじゃんぬが対抗馬にして突破口と言えるでしょう。じゃんぬと力を合わせ、どうか優勝の座へと辿り着いてください』

 

今、邪神を暴走させるための戦力は対処され、枯渇している。夜の襲撃は起きない、いや起こせないのだ。

 

『どこかに宙滅意志を生み出す【何か】があるかもしれませんが…今は、ただすいーつじゃんぬの優勝を目指していただければと』

 

道は定まった。そしてそれは、リッカとしても望むところ。

 

「──じゃんぬと、今度はもっともっと楽しくバカンスを…!」

 

じゃんぬは、このバカンスで自分を楽しませてくれるよう粉骨砕身し、気を遣ってくれていた。

 

それは勿論、とても嬉しく楽しかったけれど。でも、それでもほんの少しだけ気にかかっていた。

 

『自分の為に、じゃんぬの楽しいを捧げなくてもいいんだよ』

 

そう、彼女に言ってあげたかった。けれどじゃんぬが、ハワイにいる皆が自分を大切にしてくれていたから。それを言うのは無粋な気がして。

 

誰も彼もが、思いっきり楽しんでいい。

 

誰も彼もが、思いっきり遊んだっていい。

 

そこに遠慮や気遣いなんて必要ない。

 

「じゃんぬも、夏草のみんなも…!今度は私が、思いっきり皆を楽しませる番だよ!」

 

そう。すいーつじゃんぬのスイーツを通してハワイの全てを幸せにしてみせる。

 

優勝して、皆にじゃんぬのすいーつを食べてもらう。

 

そうすれば、聖杯なんてなくたって皆を幸せにできる。

 

確信がある。彼女の頑張りは、それだけの気迫と想いが詰まっている。

 

自分は、それをちゃんと知っている。ずっとずっと見てきたから。

 

「私が!ううん!私達が!サバフェスバトルNo.1になってみせる!!」

 

マスターとして、親友として。じゃんぬをNo.1へと導く。

 

それが、サバフェスと宇宙の意志を制するたった一つのやり方であるのだと。

 

『私達もサポートします。勿論、あなたの仲間達も』

 

『頑張ろうね、リッカ』

 

今、最初で最後のループを。

 

リッカの、もう一度のバカンスが幕を明けた。




リッカ「ふぁ?──あいた!?」

初華『?』

カルデアス『それは…指輪?ですか?』

『ゴジュウドラゴンリング』

リッカ「あれ?指輪争奪戦で、吠に託したのに…?」

カルデアス『願いを叶える指輪…初華』

初華『うん。触媒になるかもだから…持っていて』

リッカ「う、うん!」

(どしたんだろ?…ま、いっか!)
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