人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
キリシュタリア「あぁ。こうも楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう…」
デイビット「やはり1日の記憶野が足りないな」
ぺぺ「水平線に沈んでいく太陽…ロマンチックよねェ…」
レヴィ【夕方はまだ終わりじゃないよ】
「!?」
レヴィアタン【むしろここから。けへひひひ…!】
カドック「あ、おい!」
ベリル「ガキが海に勢いよく飛び込んだぜ!?」
バアル『心配ない。あれもまた』
サタン【ぼくらのパフォーマンスだよー】
神獣レヴィアタン【カアアァァアーーーーーーッッッッ!!!】
「うわあああああああ!?」
「レヴィアタン、魔王か」
「ば、バケモンが太陽を隠して…」
サタン【はい!じゃあこれから!夜たいむだよー!】
其処に広がるは…
リッカ「わぁ……!」
幻想的な、流星群が降り注ぐ夜──。
【はい、というわけでレヴィアタンこと私が黎明の星空を再現しました〜。降り止まない流星群、お楽しんでいってね〜】
666階のホテルを上回る首を持ち、海溝の底に尾を付ける巨大極まるレヴィアタンが、テクスチャをハワイから黎明の星空へと変える。彼女のバイトの一つにテクスチャデザイナーが任命されていた。
偽神が恐れ、番を殺した理由。それは彼女らが自由に世界を塗り替えられることだ。本人の願いは細やかで、そんなつもりは微塵もなかったが。
「アカネさん、凄かったですね!あのレヴィアタンさん、まさに大怪獣でしたよ!」
「ちょっと死を覚悟した…ぶるぶる…」
リアル超絶巨大神獣を目の当たりにし、エルに引っ付くアカネ。よしよしと頭を撫でられるを許すあたりとても怖かったのだ。
【ありゃ…案外ウケ悪かったかな…】
『そうではない。真に迫りすぎていただけだ』
【それはごめんね…次はゆっくり出てくるね…】
キャンプファイヤーを囲みながら、一同はサタンが作ったロコモコ丼を食べる。この日のため、アスモデウスとバアルに付きっきりで監修してもらった手作り品だ。
「ロコモコ丼おいしーー!!」
【ホントに?良かったぁ〜。毎日作ってるからどんどん来てね!かき氷も焼きそばもオムライスもあるよ!】
「大魔王に作らせる料理が家庭的すぎて笑っちまうぜ。なぁカドック?」
「いいさ別に。最終的に倒すべき相手は同じなんだ。絆を深めて悪いことはない」
「AIから見ても、食べても…とても素敵な味がします」
(演奏といい、心込めたら最強じゃない?)
「マシュ、私のも食べていいわよ」
「ありがとうございます!オフェリアさん!」
一同が至極の景色かつ、最高の料理に舌鼓を打つ中、縷々が一人立ち上がる。
「さて……そろそろいいだろう」
「ふぁ?縷々、どったの?」
リッカの問いに、縷々は声を張り上げる。
「夏草在住者!並びに人理焼却被害者はカルデア職員前に整列ッ!!」
その号令に応え、朱雀や天空海、アカネやエルらは一斉にリッカらの前に並び立つ。
「え?えっ?えっ?」
「ど、どうしたのですかみなさん?」
「まぁまぁ、聞いてあげて」
リッカとマシュを宥めるオルガマリーに、縷々は大きく声を発する。
「俺達はかつて、人理焼却にて未来を奪われていた!何も知らぬうちに殺され、未来を潰えさせられていた!」
「!」
「それが今、こうして生活が出来、皆と素敵な時間を過ごせているのは!カルデアスタッフの尽力並びに、マスターたる皆が命を賭して俺達の未来の為に戦ってくれたからに他ならない!」
「み、皆…」
「その奮闘は世界において無かったことになっているかもしれない!たちの悪い夢だったと思われているかもしれない!しかし!俺達は知っている!俺達は解っている!その奮闘が、けして夢や幻想などではないのだということを!」
「お前たち…」
「その意志を、我々『救われた』者達を僭越ながら代表し心から御礼を申し上げたい!」
それは、救われた者たちの声なき感謝。
それは、栄誉報われぬ戦いの果ての報酬。
「一同!グランドマスターズ並びにカルデアスタッフ、人理を救うために関わった全てに心からの感謝を!!礼ッ!!」
「「「「「「「ありがとうございましたっ!!!」」」」」」」」
縷々も、朱雀も、ゆかなも。エルもアカネも、天空海もうたうちゃんも、早苗も。
皆が心から、カルデアへと感謝を告げる。
あの戦いで取り戻したかった人達の未来。
あの戦いで戦い抜いた果てに取り戻した宝物。
「皆さん…皆さん…!」
それらが、リッカ達に向けて輝いたのだ。
空の流星群が告げている。
これが、あなたたちが取り戻したものなんだよと。
「そして俺は内海市長から感謝状を預かっている!夏草を代表し、藤丸龍華へ授与する!グドーシ!」
「えぇ、任されました」
夏草からの感謝状。世界を僭越ながら代表すると断り書きを込めた賞状を、グドーシがリッカに託す。
「ほぉー、納得の人選じゃね?」
「リッカがいなかったら詰みだったものねェ。よく頑張ったわー!」
「Aチームとしても、グランドマスターズとしても異論無しよ。頑張ったものね」
「後輩のくせに生意気だけど…ま、孤軍奮闘のがんばりは認めてあげるわ」
「胸を張って受け取れ。これからの苦難を越える標として」
「あぁ!さぁリッカ君、これは君の栄誉だ!」
一同に促され、リッカはおずおずと立ち上がる。
「あ、あのあの。でもこれは私だけの頑張りじゃ全然なくて…、皆が支えてくれたからで…」
「えぇ」
「私だけじゃ、どちらかといえば滅ぼす側だったから…これは皆のもので、私はあくまで受け取り代表みたいな感じで…」
「ソレでもです。宿命と悪を越え、この星々の何よりも輝いたあなたへ」
「………〜〜………」
「受け取ってください、リッカ殿。僕からも、万感の想いを込めて贈ります」
「〜〜〜〜………はい………!」
感謝状を手にし、リッカが高々と掲げる。
「────皆〜〜!!世界、救ったぞ〜!!」
「「「「おーっ!!」」」」
「これからも一丸になって、もっともっと頑張るぞー!!」
「「「「「「おーっ!!!」」」」」」
「皆!本当に本当に…………!ありがどぉ〜〜〜〜!!」
「「「「「「「おーーーーーっ!!!」」」」」」」
感極まって泣き出すリッカ、宥める沢山の隣人や友人たち。
『ルシファー様、やったかいがありましたね』
【ん〜?】
【そうですわ、ルシファー様。あの星々、貴方様の力で全て生成したもの。さぞやあの子達の思い出になりましょう!】
【ロマンチック・ルシファー様…】
【あはは、それはそうさ。本気で星を作らなきゃ敵わないと思ったからね】
魔王達は、もみくちゃになるリッカ達を見やる。
【今を懸命に生きる、あの美しい星達はさ】
そうしてその後はキャンプファイヤーにカドックの隠し芸のギターやキリシュタリアの草笛といった催しで存分に盛り上がり…
「はぁ…なんだか夢みたい。こんなに素敵な日があと6日もあるだなんて…」
「夢じゃないわ。これは私たち…ううん、あなたに赦された夏なのだもの」
「じゃんぬ…」
「楽しみましょう、最後まで。明日はショッピングにでも行きましょうか!」
「うんっ!」
そして、綺麗にゴミを持ち帰りながら一同は撤収。
「じゃあまた、別のエリアで会おうな、リッカ」
「うん!お休み、カドック!」
一同は、自身のホテルへと帰っていく。
「素敵な友情、仲間たちでした…!」
【お前もあの中にいるんだ、胸を張りなさい】
「はい!では…!」
【あぁ。【夜の警備】を始めるか】
「お任せください!」
家族に渡す大量のロコモコ丼を持って。
ナイアとニャルの親子は…夜のハワイへと消えていった。
……そして、ホテル・アザトース。
「あなた、アマテラス様。こちらへ」
「む?………あぁ」
頼に招かれたアダムは、共に頬を緩める。
「すぅ〜………すぅ〜……」
そこには、何の憂いも不安もなく赤子のようにねむり続ける…
「よほど楽しく、また疲れたのだろうな」
「素晴らしいですね、皆とのお出かけは♪」
「あぁ。───また明日の為に、眠らせてあげよう」
『ワフッ』
戦いを忘れた、一人の女の子の姿があり。
「お休み、リッカ」
「おやすみなさい、我が最愛の子…」
『ワフンッ』
そっと、家族は部屋の扉を閉めるのだった。
一方、森エリアにて
ニャル【邪神を核にしているんだ、当然良くないものも夜には招く】
死霊【ォオォオォオォオォオ】
低級悪魔【ギギィイ……】
ニャル【行くぞ、ナイア。上手く行けば夜のアトラクションとしても売り出せそうだ】
ナイア「お任せを」
「全て───夜の夢と消し去ります」
こうして、最初の1日は更けていった───