人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
ボルメテウス(カード)『エルですら嗜んでいた日本カードゲームの金字塔、その主役らしい。当然の覇気だな』
ボルバルザーク『モンスターやクリーチャーと戦う決闘者!ううむ、本領を知るには我らは使役される側なのが惜しいなァ!』
ボルシャック『にしても…冥界か…』
パパポポ『?』
ボルシャック『いや…』
『…あいつらは、ちゃんと眠れてるのかなってさ…』
パパポポ『ボルシャック…』
『改めて、OK召喚ではない正式加入…魂の対話、上手くいくか…』
「遊戯王アテム。私はアダム・カドモン。異聞帯からやってきた者だ。敬語は略すが、あなたには最上の敬意を払う事を前提として言葉を紡ごう」
アダムは冥界の古代ピラミッドにありし、アテムたるファラオの魂と相対する。彼という存在は、カルデアの記録にして『週刊少年ジャンプ』にて連載された物語にて、主役たる存在である。
アテム。本来の名であり、彼の名は永らく失われ『名も無きファラオ』としてあり、千年パズルを完成させた『武藤遊戯』のもう一人の人格として、その運命力とデュエルタクティクスであらゆる決闘者に打ち勝ってきた。
やがて最後は『戦いの儀』による遊戯との戦いの果て敗北。遂に冥界へとその魂を還らせた古今無双の遊戯王。それが、アダムの前にいるファラオ、アテムであるのだ。
「大抵の事情は把握しているぜ。冥界、それどころか現世や全てを巻き込んだ、大いなる災いとの戦いに貴方たちは挑んでいると」
アテムは静かに玉座より、アダムに言葉を交わす。それもまた、アダムという存在に敬意を払いながらのもの。
「既に滅びた身でありながら、オレは因果により現代にて戦った経験がある。数多の激闘、友との出会い、勝利と敗北、数多の苦難…」
故に、現世で起きている事態は決して他人事ではない。彼は毅然とそう告げた。
「貴方はオレに何を望む?ここに来た以上、質問の答えは分かりきっている。それでもあえてオレはあなたに尋ねるぜ、アダム・カドモン」
「!」
「その決意が、オレの決闘者の誇りを託すに値すると確信を得たならば!冥界のファラオ、そして人理の影法師として!改めてカルデアに協力を誓うぜ!」
高らかに、アテムはアダムに宣言する。
「さぁ教えてくれ!あなたはオレに、何を望む!」
その覇気は、決闘者の頂点にしてファラオたるに相応しきもの。
本来ファラオとは神であり、世界万物の支配者であった。であるならばこの覇気も必然と言えるであろう。
「───目指すもの、願うものは決まっている」
その覇気に、真正面から王たるアダムは返礼する。
「生きとし生ける全ての為に、そして人が持つ全ての可能性と未来の為に!私達はその力を振るい、未来を拓く責務がある!」
高らかに、王と王は語り合う。
「ファラオよ、遊戯王よ!その比類なき運命力にて、我が愛しき後輩達を──遍く全ての後に続く者達に栄光のロードを切り拓きたまえ!」
「!」
「ファラオ、アテム!正義と共にあるその名において、偽りの座に有る神を騙る獣に、禁断の意志に真なる光を!」
その問答に、冥界は激震する。
冥界と現世、死者と生者、アテムとアダム。
その交わらぬ2つの道は、今ここに光の中で一つとなる。
「───いいだろう、アダム・カドモン!その意志、確かに受け取った!」
アテムは玉座より高々に、手を掲げる。
「オレはあなたを信じる!遍く生きとし生ける全ての為にあなた方が戦うのなら!オレは冥界の魂全てと、モンスター達と人間の絆を守るために戦う!」
瞬間、アテムの周囲に凄まじいまでの覇気と気迫が満ち溢れ、巻き起こる。アダムが思わず身動ぎする程の。
「ぐっ…!?」
『これは…!』
「その同盟、盟約の証として!我が名の下に来たれ!!『三幻神』!!オシリス!オベリスク!!ラーよ!!」
赤き稲妻、青き激震、黄なる灼熱が冥界を震わせ、それがやがてアテムの掲げられた右手に収まっていく。
『おぉ…!あれは遊戯王たるファラオが使役できるとされる『神』!』
「オシリスの天空竜、オベリスクの巨神兵…ラーの翼神竜…!!」
やがてその力の波動は収まり、それらは三枚のカードとなり形を成す。
「アダム・カドモン。これは異聞帯という異なる世界から来た者でありながら、オレ達汎人類史を護ろうとしてくれる貴方への…オレからの感謝の証だ」
そしてアテムは、アダムに歩み寄りその手に三枚の『神』を託す。
「三幻神達も、偽りの神を決して許さないとする誓いの下、貴方を認め力を貸してくれるようだ。この力を私利私欲に使わぬ限り、忠実なしもべとして貴方を助け導いてくれるはずだぜ!」
「──心からの感謝を、ファラオよ。この三つの尊き神の魂、必ずや正しき戦いにのみ借り受けるとお誓いしよう」
力強い握手を交わし、アダムとアテムは盟約を交わす。
アテムのもたらす、最大限の友誼の証。三体の神、オシリスの天空竜、オベリスクの巨神兵、ラーの翼神竜。
彼等はアダムのしもべとして…正確には、対等なる仲間として、偽りの神、ビーストΩを討ち果たすためにカードとなって彼に託されたのだ。
「そして貴方には、これも託しておくぜ」
そして神のカードの他に、もう一つアダムに託されしもの。
「これは…ペンダント、か?」
託されたのは、4つの象形文字が刻まれたペンダント。現代風の首掛け式のもの。
「あぁ。そこにはオレの…アテムの名が刻まれている」
「!」
「深い闇、昏き絶望に直面した時…その名を思い出してくれ。正義と共に我が名はある。ファラオの名は、正義と共にあるのだと」
三幻神、そして彼自身の誇り高き名前。
「…身に余る光栄だ、ファラオ・アテム。これほどの歓待と誓いを受け取った以上、必ずや成し遂げなくてはならない」
それらを、恭しく拝領しアダムは改めて誓う。
「共に戦おう、アテム!共に、生きとし生ける未来を護るそのために!」
「あぁ!相棒達が生きていくであろう世界…、死したこの魂が礎となれるのならば本望だぜ!」
今一度、二人は力強く握手し向かい合う。
「カルデアでもその力を振るってほしい、アテムよ。あなたとデュエルできるとすれば、きっと長蛇の列ができるはずだ」
「アダム先生にそう言われちゃ仕方ないな。カルデアで──デュエル大会を主催するぜ!!」
誓いは果たされ、冥界のファラオたるアテムとの協力を取り付ける。
全てはそれら盤石に収まり、後は決戦を待つのみかと思われたが…
「!?」
瞬間、アダムが託されし神のカード達が輝き出す。
「どうした!?オシリス、ラー、オベリスク!?」
神のカード達は輝き、指し示す。
『うぉ、眩しっ!?』
『照らされているなァ!神のカードとやらに!!』
三幻神は、アダムの懐のカード達を示している。
「これは…」
「フッ──アダム先生、どうやら三幻神はあなたの持つ異世界のモンスター相手に、あなたに力を示したいようだぜ!」
アテムは告げる。
「丁度いい!これからあなたが使役する神がどのような存在か、ここでしかと見るがいいぜ!」
「!」
「異なる世界の、異なるモンスターが出会い生まれる絆…!それを掴み取る決闘の始まりだぜ、アダム先生!!」
「────!」
神と、ボルシャック達の冥界における決闘。
冥府でありながら、何よりも鮮烈な戦いが今、始まろうとしていた──
アロナ『ダメです!カードゲーム初心者のアダム先生がアテムさんと決闘なんてしたら、あっと言う間に負けてしまいます!』
『もう既に協力関係は結ばれています、ここを乗り切ればハワイに帰れるんですから!』
『次回『アダム・カドモン死す』!デュエル・スタンバイです!』