人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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アテム『アダム先生。少しいいか?』

アダム「ファラオよ、いかがしたか?」

アテム『ラーの翼神竜が告げている。此度の戦い、力を貸して欲しいと』

アダム「ラーが…?」

アテム『あぁ。かつてラーは、千年ロッドの邪悪な意志に操られ、様々な人を闇へ落としてきた。その事を彼は悔やんでいる』

『そして、今このときはあなたという主の下で、真なる力を発揮したいと願っているんだ!』

アダム「…!」

アテム『どうか、ラーを導いてやってほしい。あなたという先生の、生徒として』

アダム「───大役だな」

パパポポ『マリアとアロナちゃんは保護しておく。しっかりやれ、アダム』

アダム「あぁ!」



ボルシャック『最後はオレ、か…』

(ラーの翼神竜、それにアダム先生。こんな最強タッグと戦うには全力を出さねぇとならねぇ)

『だが…だがよ…』

バザガジール『ボルシャック…』

ボルメテウス『…』

ボルバルザーク『ボルシャックよ。迷っているな?』

ボルシャック『…あぁ』

ボルバルザーク『振り払え、とはいわん。しかし抱いてアダムと神の前に立て!』

ボルシャック『!』

ボルバルザーク『何かしら答えは得るだろう。神と先生とは、そういうものだ!』

ボルシャック『…だな!』

『じゃあ、行ってくるわ!』


凄絶!太陽神の裁き!

『さぁ行くぜ、アダム先生!!これが最後、最終にして最上級の神の姿だ!!』

 

ボルシャック・ドラゴンを最後の戦闘に控えた、神の降臨戦。今回は神たるラーの翼神竜の意思により、アダム先生すらもがラーと共に戦い、ボルシャックを裁定する戦いとなる…!

 

『現れろ!!ラーの翼神竜!!!

 

アテムの号令の名の下に、偉大なる太陽の神、最高級の神たるラーの翼神竜が天空より降臨を果たす。

 

『な……なんじゃ、ありゃあ…!?』

 

ボルシャックは、その威容に驚愕と動揺を隠せず困惑する。それは、全く想像と異なっていた姿であったからだ。

 

『キンタマじゃねぇか…!!』

 

そう、ラーの翼神竜は今、真球たる姿にて天空に鎮座している。それは翼も、手足も垣間見えぬ状態のもの。

 

『ラーの翼神竜は、古代神官文字…ヒエラティックテキストを正確に唱えたものの忠実な下僕となる!そしてその能力は三体の生贄か、支配者の精神と魂を糧にした数値にて決定される!!』

 

アテムがそう告げたその時、アダムから意☆味☆不☆明な呪文が厳かに唱えられる。

 

 

 

「イウ アーク イル フェスイ ウレル ペフティー イル ヘクア

セトゥ ネプ ケティ ネウ アンク ネウ プア ヘヌア ネフェリ

トゥ エル ネウ クアトウ──────」

 

それは古代神官文字。空耳からゴリラ語とも親しまれる、ラーの翼神竜起動の呪文。

 

『アダム先生、なんでそれが唱えられるんですか!?』

 

アロナの驚愕に、パパポポが頷く。

 

『奴は人類の祖、ギルガメッシュ風に言えば人類の原典。逆に言えば、奴は人類の成し得る全てを可能とする特権を持つ』

 

『そ、それじゃあ…』

 

『あぁ、ちょっと難しい古代言語なんてお茶の子さいさいだっポ』

 

そして遂に、スフィアモードたるラーがテキストを唱えたアダムの下に起動する!

 

「我等が冠位指定の為に!起動せよ!ラーの翼神竜!!

 

瞬間、スフィアモードが解除され、有翼と手足、太陽の如き厳かなる神の姿が此処に降臨する!!

 

『キュアァァァァァァァァァァーーーーーッッッッ!!!(攻0守0)』

 

『なぁっ…!?攻守、パワーがゼロだと!?』

 

虚仮威しか、そう思案したボルシャックの浅慮は即座に打ち払われる。

 

『ラーよ!そなたに捧げる供物はない、それはカインとアベルの領分だ!』

 

『!!』

 

『故に我が魂、精神を糧として喰らえ!その身に人の可能性、全てを込めて太陽の如くに飛翔せよ!!』

 

なんとアダムは、自らの生命力と精神力を極限までラーの翼神竜へと譲渡する!

 

『おおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーッッッッッッ!!!』

 

天地を揺るがす咆哮と共に、アダムの生命力と精神を託されしラーの翼神竜が咆哮する!!

 

『キュアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッッッッッッッッ!!!』

 

その数値…

 

攻守共に、100000000!!

 

『攻撃力、守備力が共に…一億…!?』

 

アテムも、アダムという存在の規格外さに戦慄を隠せない。

 

『生贄を揃えず、自らの力でラーに規格外の力を!これが、神を制し人の始まり…アダム・カドモン!!』

 

「ラーは告げている!ボルシャックよ、君の中には闇の如き迷いと嘆きがあると!」

 

ラーの傍らに立つアダムは、ボルシャックに真っ直ぐとラーの意志を叩きつける。

 

「これより先の戦いの中で、その迷いと向き合わなくては君はまた、大切なものを失う事になる!」

 

『────ッ…!!』

 

「故に太陽神は照らすだろう!君の心に、青空と虹が満ちることを願って!!その威光、その威容を受けてみよ!!」

 

そしてラーの額にアダムは飛び乗り、その力をボルシャックにへと叩きつける。

 

「行くぞ!!ラーの翼神竜の攻撃!!」

『キュアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

攻撃力一億たるラーの翼神竜、その攻撃たる神の力が放たれる!!

 

「ゴッド・ブレイズ・キャノン!!」

 

放たれる、特大なる太陽神の火球。ボルシャックに向け、特大の神威たるその一撃が裁きとなって襲い来る!

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!』

 

ボルシャックも全身全霊を込め迎え撃つ。それは口からのブレスと、アーマード・ドラゴンたるキャノン砲からの最大火力の砲撃。本来なら神すらも拮抗するほどの火力…

 

その筈だった。

 

『ぐっ───うおおおおおおおおおおあぁあぁあぁあぁッッッッ!!!』

 

しかし、その火力はまたたく間にラーのゴッド・ブレイズ・キャノンにかき消され、その神威が直撃する事となる。その巨体が、紙切れの如くに吹き飛ぶボルシャック。

 

『ぐおぉお、っ……!!』

 

(今のボルシャック・ドラゴン、違和感があった…。まるで、全力を出すことを本能的に忌避するかのような…)

 

アテムの当惑に対し、アダムは静かにボルシャックへと告げる。

 

「ボルシャック。君は自身の力を解放することを心の奥で忌避している」

 

『!!』

 

「それは…世界を終わらせてしまった自らの『皇炎』によるものだな?」

 

ボルシャックの持つ、怒りの炎。世界を焼き尽くす程の『皇炎』。

 

『…………ッ』

 

このボルシャックは、世界を終わらせる程の力を持つボルシャックであった。

 

世界の全てを包み込み、飲み込むほどの力を持つドラゴンであった。

 

『……オレは…』

 

その力を、かつて彼は解放した。

 

戦いへの哀しみ、分かり合えないことの嘆き。遠き平和への哀しみ。

 

そして何より、何も護れず、救えない自身への果てしない怒り。

 

それが頂点に達し、爆発した時。世界の全ては焼き払われた。

 

火以外の全ての文明。

 

水は干上がり、自然は燃え尽き、光は途絶え、闇は切り裂かれた。

 

否、それは火すらも。燃え滾るような神の皇炎は、護るべき者達、そして世界そのものすらを包み込み、焼き尽くした。

 

異聞帯…世界のデッドエンドを決定づけたのが、このボルシャック・ドラゴン。

 

今までの戦いの炎は、本来の力からすれば小火にもならぬ。

 

そしてそれから目をそらしている限り、再び世界を終わらせる炎は再誕の危機を持つ。

 

「その炎、その業火…迷いで燻ぶらせていては再び君に絶望を齎す!」

 

『!!』

 

かつて、友と誓った世界。

 

戦いの果てに、未来を掴む約束。

 

彼自身が、焼き尽くしてしまった誓い。

 

「その迷い、その恐れ!私が受け止め、神が裁く!!」

 

その迷いを、昇華する為に──ラーの翼神竜は、アダムと共に戦うことを選んだのだ。

 

「ラーの翼神竜、特殊能力を発動!!太陽神よ、我が身を纏いし鎧となれ!!」

 

『!?』

 

そしてアダムは、ラーの力を限界以上にまで引き出す。ボルシャックの迷いを、後悔を焼き尽くすために。

 

「融合せよ!!ラーの翼神竜!!!」

 

『アダム先生と、神が融合だと…!?』

 

ボルシャックの驚愕、アテムの戦慄が走る。

 

(ラーの特殊能力!神との融合!自らのライフポイントを1残し、攻撃力に加算する効果!攻撃力と守備力だけに飽き足らず、更に自らの生命力を捧げるというのか!)

 

『キュアァァァァァァァァァァァァァァァァーッッッッッッ!!!』

 

瞬間、ラーの翼神竜は分解されパーツとなり、アダムの五体四肢に鎧となって装着されていく。それは紛れも無く、神を殺し乗り越えたアダムのみが到れる臨戦礼装……!

 

「顕現せよ!!神を制せし太陽の鎧(ゴッド・アテン・ラー)!!」

 

黄金の太陽神を纏えしアダムが、神々しき姿となりて天空よりボルシャックを睥睨する…!

 

『太陽神まで、アンタは捩じ伏せ支配するってのか…!!』

 

「これぐらいはするだろう。後に続く全ての道を照らす者。それが───『先生』というものだからだ!!

 

瞬間、アダム・アテン・ラーの身体が炎へと包まれていく。

 

『!!』

 

「さぁラーよ!!我が身を纏い天を舞え!!炎を統べし不死鳥となりて!!」

『キュアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーッッッッッッッッ!!!』

 

かつて、邪悪なる意志の走狗となったラーの翼神竜。その無念を、二人の主の下にて払拭せんがために。

 

『バカな!?ラーの翼神竜の特殊能力、融合と不死鳥を共に発動させるだと!?そんな事をすればいくらあなたと言えど!』

 

アテムの言う通り、これはかつてマリク・イシュタールすら行わなかった未知の領域。

 

ラーの翼神竜とアダムが規格外とはいえ、ともすればそれは共に焼き尽くし燃え尽きる結果となる…!

 

「ラーの翼神竜、最終形態!!不死鳥(ゴッド・フェニックス)─────!!!!!」

 

太陽そのものとなりし不死鳥が、冥界を照らし降臨する!

 

『アダム先生…アンタは、そこまで…!』

 

「さぁ、ボルシャック・ドラゴン!懺悔の準備は出来ているか!!

 

不死鳥が、天空より─────

 

「その後悔と無念を焼き尽くす!!これが神の、裁きの焔だ─────!!」

 

ボルシャック・ドラゴンを、天の火柱へと包み込む!!

 

『うぐおおおおおおおおおおおおおおおおおぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあーーーーーーーーーーッッッッ!!がぁっ、ぐあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあーーーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッ!!!!』

 

冥界の全てを焼き尽くさんがほどの焔が…

 

ボルシャックの魂全てを包み、燃やし尽くす…!!




アロナ『あ、アダム先生と一体化したラーの翼神竜さんが、ボルシャックさんを徹底的に焼き尽くしています!』

『まずいです!このままじゃボルシャックさんも、生命力を懸けたアダム先生も焼き尽くされてしまいます!』

『えっ!?諦めかけたその時、冥界から無数の魂がボルシャックさんの下に集まって…!?』

『次回!『太陽神の裁定!新生せよ、竜皇神バクテラス!』デュエルスタンバイです!』
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