人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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アロナ『あ、あれ!あれは大丈夫なんでしょうかパパポポ様!?』

パパポポ『アダムも限界まで生命力を削っている。絶対に大丈夫とは言い切れまい』

アロナ『ボルシャックさんも!このままでは…!』

パパポポ『だが、彼は躊躇わなかった。それは何故か?』

アロナ『何故か…』

パパポポ『やつが、先を生きるものだからだ。彼は、ボルシャックは迷っていた。ならばあやつは全霊で導くのだ』

そう──

先生であるが故に。


新生!ボルシャック・バクテラス!!

『ぐおぉおぉおぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあーーーーーーーーッッッッ!!!!』

 

ボルシャックの五体、精神、魂に至るまでを、ラーの翼神竜の不死鳥が焼き尽くす。それは冥界の全てを焼き照らす程の、究極の神の裁き。

 

ボルシャック程の猛者が、絶えず絶叫を抑えられぬほどの火炎、そして神威。もはやそれは冥界の天を焼くほどに高くそびえ立つ柱であった。

 

『ぐおぉおぉお─────!!』

 

焼き尽くされ、燃え尽きんとする末期で、ボルシャックはどこか穏やかだった。

 

(コイツは、オレへの罰だ。あぁ、やっとオレは裁かれるんだ。憤怒の炎で世界を焼き払った、大バカ野郎の末路…裁きの時間だ)

 

ボルシャックの悔恨。その炎、その焔で焼き尽くしてしまった者への懺悔。彼は永劫に悔やみ、裁かれぬままに生きてきた。

 

世界のためならば前を向けた。しかしそれは生傷のように、永劫に癒えぬまま刻まれ続ける。

 

(ぬるいくらいだ。ルピアや皆、生きていくはずだった世界はもっともっと熱かった筈だったからな…)

 

そして全てを受け入れ、神の炎の中で消え去らんとしたその時──。

 

『───いいや、まだだよ!こんな所で、君は燃え尽きちゃいけない!』

 

瞬間、神の業火の中にすら消え去らぬ閃光を以て、ボルシャックに語りかける魂がある。

 

『───おま、お前…!』

 

忘れもしない。忘れられる筈もない。

 

この声、この姿を忘れるはずも無い。それはかつての盟友にして、自身を止めて焼け落ちた筈の…。

 

『ルピア!!コッコ・ルピア!!』

 

『そうだよ、ボルシャック!久しぶり!』

 

予期せぬ、親友との再会。ここは冥界。死したる魂が強く望めば…。

 

 

『ボルシャック、炎の竜よ!』

 

そして、冥府の王たるファラオが望むのであれば。

 

『友との魂と邂逅し、己が無念に打ち克て!!』

 

その邂逅は、奇跡として実現する!

 

 

『ボルシャック!戦うんだ!今いる君の世界を、僕達の世界と同じにしちゃいけない!』

 

コッコ・ルピアは、ボルシャックを強く奮い立たせる。かつての友との再会を、魂を込めて。

 

『君が望んだ、虹の世界!君が護らなくてどうするんだい!?』

 

『だが、だがよ…!オレは、オレの炎は護る側じゃねえ…!滅ぼす側の炎なんだ!そんなオレだから!お前は、皆は…!』

 

ボルシャックの、癒えぬ無念が言葉になる。

 

『怖ぇよ…怖くてたまらねぇよ…!ここの世界はオレの夢だ、理想とした世界だ!だからこそ、そんな世界を、オレが焼いちまったらって思うとよ…!』

 

ボルシャックは、燃え滾る炎の中の一瞬にて吐き出す。

 

『全力で出した炎を、オレは直視できねぇ…!怖いんだ、オレは…!』

 

『ボルシャック……』

 

世界を滅ぼした憤怒と炎。ボルシャックは、それに囚われている。

 

『また、大切な奴らを炭にしちまいでもしたら…!ルピア、お前をまた殺しちまったら…!』

 

そんな慟哭が、彼の口から出た時──。

 

『『『『らしくねぇぜ!ボルシャックのカシラ!!』』』』

 

『!!?』

 

そこに響くは、かつての仲間達。

 

『お、お前ら…!!』

 

かつての、仲間達。火文明の友、その軍勢たち。

 

『気に病まねぇでくれ、カシラ!』『俺達は、あんたに酷すぎることをした!』『せっかく護ってくれた、カシラをよ!』

 

『ありゃ当然の報いなんだ!こんなこと、今更だけどよ…!本当に、本当にすまなかった…!!』

 

火文明の、かつての魂たちがボルシャックの下へ。

 

更に──。

 

『我等の滅びは、ある種必然であった。ボルシャックよ、気に病みすぎる必要はないのだ』

 

『!!』

 

『久しいな。そして君の友にした光文明の蛮行を心から謝罪しよう。ボルシャック』

 

そこにありしは、かつての聖霊王アルカディアス。

 

彼は本来、天に召される魂。しかし天の座の穢れを察し、冥界に来ていたのだ。

 

『何の言い訳にもならないが…、私はかつて、世界を脅かす大いなる意志の存在に触れた。世界を支配する、神が如きものだ』

 

『そいつは…!』

 

『あぁ。君達の世界、いや遍く全ての敵。私は、いや。光文明は。既にその支配へと下ってしまっていたのだ』

 

偽神、デミウルゴスの尖兵。それこそが、光文明の陥っていた環境。

 

【それだけではない】

 

瞬間、闇より深き深淵よりもう一人の支配者が降臨する。

 

【炎の竜よ。あの世界の終焉を貴様が齎さなければ…遍く生命は堕ちていたのだ】

 

『うぉおぉおぉおぉおぉおぉお!?ば、バロム…!?』

 

悪魔神バロム。闇属性の支配者たる彼は、冥界にいるのになんら不思議な無かろうものだ。

 

【宇宙の滅びんとする意志…その面たる【禁断】。それらは既に我等が星に伸びていた】

 

『何だと!?』

 

【我ら闇も、その意志に呑まれるは逃れ得ぬ定めであった。故に我等は、世界ごと自らを滅ぼさんとした】

 

遍く世界の敵となるよりは、愚かなる世界の滅亡として。光と闇は、最終戦争の引き金をそれぞれ引いたのだ。

 

『そして偽神と、禁断の意志が世界に目をつけた理由…それは君だ、ボルシャック!』

 

そして現れしは、大勇者『ふたつ牙』。自然文明の大勇者にして、リーダーたるもの。

 

『君の宿せし炎は、数億年に一つの『皇炎』…!君ごと世界を手にすれば、数多の世界を焼く裁きを手にする!』

 

それが狙いだったのだと、デュアルファングは力説する。

 

『禁断の意志が我等の悪意を育て、偽神の意志が独善を暴走させる…!我等の世界の滅亡は、二つの意志にて仕組まれたのだ!』

 

無念げに拳を握る中、更に不倶戴天の者すらも現れる。

 

『我らがコケにされたままで終われるものか…!遺憾ながら、今は貴様に力を貸してやるというのだ!有り難く思え!』

 

エンペラー・アクア。水文明のサイバーロードの狩猟格までもが。

 

『あの世界が滅んだのは、君が悪いんじゃない。皆が皆、悪かったんだよ。ボルシャック』

 

『ルピア…』

 

『滅びの結末を知ったなら、その絶望を知ったなら!僕たちには、それを繰り返させない義務と責任、宇宙の全ての生命を護る責務があるんだ!』

 

コッコ・ルピアは、滅びた全ての文明達はボルシャックと向かい合う。

 

『僕達は灰、君達は未だ燃える炎なんだ!僕らは次に繋がる生命の為に、未来に繋がる土壌となる!ならば君は、何になるべきか!』

 

君なら、解るだろう?ルピアはボルシャックの肩に留まる。

 

『あの日、僕が謝ったのはね。君に何でもかんでも背負わせてしまったからなんだよ』

 

『!』

 

『君は英雄であり、ヒーローであり、アニキであり、カシラだった。でも、だからこそ…君を窮屈な王様にしちゃいけなかったんだ』

 

だからこそ、今度は皆で。

 

『今度は皆で虹になって!僕達が夢見た虹の文明を護ろうよ、ボルシャック!』

 

『ルピア…!』

 

『今度は、世界中の皆が君の味方だよ!ボルメテウスも、バザガジールも、ボルバルザークも!君が一番だって信じてるはずだよ!』

 

だからこそ、今度こそ。

 

『あぁ!』

【うむ】

『おぉ!』

『おのれぇ…!』

 

『お前ら…』

 

今度こそ、共に。

 

灰が、全てを生み出す土壌となるように。

 

虹の文明を、皆で守り抜くために。

 

『……─。すまねえ、いや!ありがとう!!』

 

魂達に誓い、ボルシャックは今度こそと決意する。

 

『オレは護り抜いてみせる!!ようやく見つけたこの世界…虹の文明である、この世界をよ!生き残ってくれた、頼れるダチと…!』

 

力強く、拳を突き出す。

 

『魂になってまで励ましに来てくれた、お前らと一緒に!──ルピア!』

 

『うん!』

 

『もう一度…!オレに、オレ達に!力を貸してくれ!!』

 

『うん!また一緒に戦おう!あの日より、もっと強く!もっと高く──!』

 

そして、かつての世界の魂たちが集いし時───。

 

『うおおおおおおおおおォオォオォオォオぁあぁあぁあぁあァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!』

 

ボルシャック・ドラゴン…

 

究極の『アルテミット・ワン・バクテラス』は覚醒の咆哮を上げる!

 

 




アダム『──────来た!!』

ラーの翼神竜『!!』

『行くぞ、ラー!!来い!父よ!!』

ラーの翼神竜『キュアァァァァァァァァァァッ!!』
パパポポ『うむ、行くぞ!』

アテム『何をする気だ、アダム先生!?』

アダム『これが私の!熱血指導だ!!ラーの翼神竜、パパポポの二つの魂をリンクマーカーにセット!!』

アロナ『これは…!?』

アダム『現れろ!!リンク召喚!!!『愛銀河マーズ・シンギュラリティ』!!

マーズ・シンギュラリティ『ピュアァァァァァァァァーーッッ!!!』

ラーの翼神竜と、パパポポの魂をリンク召喚の力とし、最強のファイアバード・フェニックス…愛銀河マーズ・シンギュラリティをリンク召喚する!

アテム『リンク召喚…!!』

アダム『アロナ!!』
アロナ『!』

アダム『最後の一押しだ!君の力を貸してくれ!』

アロナ『アダム先生…!はいっ!!』

アダム『バザガジール、ボルメテウス!ボルバルザーク!準備はいいか!!』

『『『おおっ!!』』』

アテム『またさらなる召喚を!?』

アダム『アロナとシッテムの箱の属性をチューナーに変更!!オーバー・トップ・クリアマインド!!』

アロナ『うぉおおー!!!』


アロナとシッテムの演算をそのまま『速度』に変え、その領域を再現する!

『ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン、バザガジール・ドラゴン、無双竜機ボルバルザーク、愛銀河マーズ・シンギュラリティを、ボルシャック・ドラゴンにチューニング!!』

かつて滅びた火文明、世界の無念を一つにする、究極の召喚が今ここに!

アダム『消えぬ悔恨、友との絆が癒す時!独善と邪悪を焼き尽くす、皇炎宿せし神龍が来たる!!』

その究極のクリーチャーの名は──!

『燃え盛る炎で勝利の光を導け!!ブレイブ・オーバー・ビクトリー・シンクロォオォオォオォオォオーーーーーーーッッ!!!!』



竜 皇 神


 ボルシャック・バクテラス




ボルシャック・バクテラス『グォオォオォオォオォオォオァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアァアーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!』


その名、竜皇神ボルシャック・バクテラス。

偽神が求め、禁断が危惧した…

『宇宙の生きようとする意志』そのものたる、真なる神の炎を纏う竜である──!
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