人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
バロム【万事はままならぬものよ。宇宙の理を嘯く貴様も然りだ】
アルカディアス『楽園カルデアの使徒、そして全知の仲間たちよ。ここは私達が奴を退けよう!』
プレア〈御二方、相手は比類なき強敵です。ここは…〉
アルカディアス『勿論だとも、理解している』
バロム【故に──加勢の機は、任せよう】
マリス【!】
禁断の意志【良いだろう!それ程までにまた滅びたいというのならば、叶えてくれる!!】
バロム【来るか】
禁断の影・ドキンダムソウル【我が大いなる影にて!貴様ら諸共屠ってくれるわ────!!!】
【オオオオオオオオオオオオオオ─────!!】
認識宇宙の果て、現れし禁断の意志。それは影となりて顕現しアルカディアスとバロムと相対する。
禁断、それは宇宙の負の側面ともいえる概念。この戦いは、楽園カルデアが挑むべき大敵の戦乱の幕開けとも言えるものであった。
『行くぞ、バロム!希望は潰えぬ事、此処に示さん!!』
【良かろう。宇宙に蔓延る滅亡、我が闇にて呑み込まん】
アルカディアスが金と蒼の身体を飛翔させ、バロムが印を結び闇を溢れ出させる。
この戦いは、武力や火力の戦いではない。己の力と覇気、理にて宇宙を塗り潰す戦いだ。弱き理が塗り潰され滅される。
アルカディアス、バロムの重ね合わせる光と闇の力と、禁断の影が齎す圧倒的な宇宙の摂理。それが今、互いの肉体という形で視覚的に処理されているのだ。
『おおおおおおおッ!!くらえ、聖霊剣!!』
アルカディアスが飛翔し、全てを両断する必殺の一刀を影に叩きつける、
【ぬぅうッ!!】
ドキンダムソウルに刻まれた光輝の一刀は、厳かに影を真っ二つに切り裂く。
しかし。
【ワハハハハハハハハハ!!馬鹿め!!】
『!』
しかし、哄笑と共にドキンダムソウルは切断されし身体から凄まじい力を溢れ出させる。
【光で滅びを消しされるか!闇で滅びを呑み込めるものか!!全ては無駄!無意味!!】
溢れ出る禁断の力は、無数の眷属となってアルカディアスを取り囲む。
【死…】【無…】【虚空…】【別離…】【絶望…】
『これは…』
【我等が齎せし滅びを受け、輪廻から外れた魂を我が身力と掛け合わせた走狗共よ!貴様ら全ての生命が辿る末路、成れの果てと言えよう!】
無数に宙域に溢れ出す眷属達。アルカディアスとバロムを囲み余りある物量。
【案ずるな、いずれ全てが貴様らの後を追う!何憂う事なく身を委ねるがよい────!!】
アルカディアスとバロムに、眷属達が襲い掛かった──
その時。
【愚かなり。光ある所に闇は在り。闇を消し去る事能わじ】
バロムの結んだ印から、莫大なる力が溢れ出る。
【消えよ。世を包むは闇にして、世を照らすは光也。意志持つ禁断、生きる場所無し】
そしてそれらは、莫大にして膨大なる波動となりて禁断の魂達全てを吹き飛ばし尚宇宙を満たしていく。
『アルカディア!スパーーーーーーーーーークッッッッ!!!』
アルカディアスもまた、全身より無数の光条を放ち闇と共に禁断の齎した眷属達を消し去っていく。
〈禁断に…宇宙の意志に抗っている…〉
“君達のカルデアにいるボルシャックと同郷、デュエル・マスターズ黎明のレジェンドクリーチャーの一角たちだ。流石と言うべきだね”
神を殺す火、ボルシャック・バクテラス。それを阻むため世界は滅んだ。
『見せよう、禁断の影よ!貴様達が恐れた、虹の如き力!』
【宇宙の理を吹聴するならば、その意志もろとも飲み込むまで】
アルカディアス、そしてバロムが光に、そして闇に包まれていく。
【ぬぅうぅ!!この光、そして闇は───!!】
禁断、そして偽神の介入にて滅び去ったボルシャックらの世界。
その世界にて、文明を担っていた棟梁たる2体。それならば当然この領域に手をかけよう。
『G─NEO進化!!真聖霊王・ネオアルカディアス!!』
光り輝ける中で、かつてボルシャックと戦った際よりも進化したネオアルカディアス。
【悪魔神───ドルバロム】
かつての最終戦争の折、世界の全て…天界の門、フィオナの森、賢者の門に至るまで全てを包んだとされるバロムの全霊の姿。
【ぬぅう!?馬鹿な───!?】
そこに至るまで、驚愕がドキンダムソウルを包む。
かつてのアルカディアス、並びにバロムは偽神の介入を受けその全霊を封じられた。
それらは死した程度で覆るようなものではない。正確にはバロムの力は滅亡を励起させるため、禁断の意志が目覚めさせたものではあるがそれでも尚バロム自身を滅ぼす規模のもの。
【新たなる進化!滅び去るべき全霊!!それを何故──】
禁断は、思い至る。
【まさか!!まさか貴様らは───!!】
滅び、消した筈の魂に。
『力を貸した何者かがいる』という事。
『滅び去る魂を弄ぶのが貴様らならば、死した我等を尊んだ者達も在るという事!!』
【何時迄も世界の支配者では要られぬという事だ。王座は、須らく簒奪され陥落するが定め也】
ネオアルカディアス、ドルバロムが共に最大戦力を集結させる。
『我等の世界に生きとし生ける全ての無念、貴様らに弄ばれし全ての生命たちの痛みと苦しみ、嘆きと哀しみ!!』
【我等が指標となりて、今こそ貴様に返礼せしめん】
アルカディアスの輝ける光。
ドルバロムの深淵の闇。
それは、禁断の意志よりも眩く輝き、世界を満たす。
【そうか!そうだったか!!ならば貴様らは────】
『消え去れ!!悪しき滅びの意志よ──────!!!』
【汝、生に能わず】
そしてその輝きは、禁断を穿つ螺旋となりて───。
【ぬぅうぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!】
禁断の意志を、遥かなる混沌へと吹き飛ばした。
〈────〉
“そこで何も言わないのは正解だね”
プレア、マリス、白猫が固唾を飲んで見守る。
“末端とはいえ禁断。何を齎してくるか──”
その瞬間。
【フフ、ハハハハ、ワハハハハハハハハハ───!!!】
宇宙を揺るがす、哄笑が響き渡った。
『!!』
瞬間、アルカディアスとドルバロムを【鳥籠】が包み込む。
【これは────】
【そうか!そうであったか!貴様ら、どうやら本当に我が不倶戴天の逆賊と化したか!!】
禁断の意志が、再び投影される。
【末端と言うだけはある。この程度では手緩いか】
完全に、鳥籠に取り囲まれしドルバロムとアルカディアスの前に現れる禁断の影。
【迷い出ただけならば見逃してやろうとも考えていたが──貴様らの得た力、それが我が思惑と同じであるならば…!!慈悲などくれてやる道理は無し!!】
そこから力場が発動し、アルカディアスとドルバロムをフィールドが包み込む。
【最早安寧の滅びなどは生ぬるい…!!その得た力諸共!!生きた肉壁としてくれる!!!】
先程とは打ってかわり、怒りと敵意に満ちた気迫にて宇宙を震わす。
“アレはジェイルロック…!Dスイッチか!”
〈タップしたクリーチャーを、纏めてシールドに変えてしまうという…!〉
アルカディアスとバロムの力を以てして、その鳥籠は壊せない程に堅牢を極めた。それはまさに、禁断の牢獄。
『バロム!!』
【うむ】
アルカディアスとドルバロムは、注がれる光に包まれ──。
【ワハハハハハハ!!ワハハハハハハハハハハハハハハハ──────!!】
〈そんな…〉
光り輝く2枚のカードとなり、一纏めに重ねられ宇宙へと掻き消えてしまった。
それは、禁断の意志が齎した力の本質に近いもの。それに抗うことができる力を持つものは、今の次元には存在し得ない。
【哀れなり!!宇の異端に触れ、死に損ないが這い出ようとも無駄であったか!!ワハハハハハハ!ハハハハハハハハハハハハ──────!!】
勝ち誇った禁断の哄笑が、空間に満たされる。存在の縮小を強いられ、宇宙へと消え去ったアルカディアスとドルバロム。
……だが。
〘──ずーいぶんと焦りまくりじゃのう。禁断の影とやら〙
【!!!】
宇宙に、声が響く。
〘だがナイスじゃ、ベリーナイス!お前さんが勝負を焦ったお陰…否!!皆のガンバのお陰でバッチリ目が覚めたぞい☆〙
気の抜けた、しかし圧倒的なる威厳の声。
【貴様!!貴様よもや─────!!】
〈まさか…!〉
シールドにされ、消え去ったバロムとアルカディアス。
しかし、その輝きはその『神』を目覚めさせるに十分だった。
“漸くお目覚めかい”
〘うむうむ!後でもう一柱も頑張ってもらうとして──ジジイ、皆に報いちゃうぞい!!〙
そう。『真化』の光に導かれし…──
〘全国80億人のノーデンスファンの皆、待たせたのう!!旧神ノーデンス、復帰じゃわい!!〙
旧神ノーデンスが、遂にこの時空へと帰還したのだ。
禁断の影【やはり!やはりそうか!!あの者共らは『真化』に触れていたか!!】
ノーデンス〘そりゃそうじゃろ。死んだ魂を好き勝手やっとるのは貴様らが先なんじゃから。という訳で!〙
ノーデンスが、輝ける手を翳す。
ノーデンス〘そろそろ幕じゃぞい。トドメを刺したれぃ!!〙
そしてそこから、光と闇が満ち溢れる。
禁断の影【ぬぅうぅう─────!!】
そこから現れしは、光と闇を完全に調和させし『真化人類』の力を受けし魂。
その銘は──
悪魔神王バルカディアス【────────!!!』
悪魔神王、バルカディアス。
この宇宙における戦いの、終止符が打たれようとしていた。