人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
アルカディアス『無念だ!ひたすらに、無念だ…!かような末路を、かような未来を招いてしまった…!』
バロム【劫火は成った。しかし、我等もまた虚無に還るのみ…】
アルカディアス『まだだ!まだ私は、自身の運命を受け入れようとは思わない!』
バロム【……】
アルカディアス『あのような宇宙の禁断に、おぞましき神に…!全ての宇宙の命運を握らせたままでいいはずがないのだから!!』
────その時。
アルカディアス『!』
バロム【……ほう】
二人の魂は…
もう一つの、宇宙の声を聞いた。
【ノーデンス…!!旧神にして我等に抗いし愚昧なる神!!よもや復活しようとは…!!】
宇宙における戦い、最終局面。バルカディアスと共に蘇りし旧神、ノーデンス。邪神と戦い、宇宙のリビドーを体現していた神が遂に帰還する。
【アルカディアス、バロム!よもやこれを狙っていたか!!】
【然り。我等を封じ、外界に飛ばすと踏み、我等は真化の力を旧神に再び届けた。結果がこの様に結実したのだ!』
カード化されたアルカディアス、バロムは重ねられた瞬間、真化の力を解放。バルカディアスへと姿を変える。
同時にそのまま宇宙にリビドーの力を満たし、禁断の領域から旧神ノーデンスの魂と存在をサルベーション。ノーデンスが担う必要がないほどに、ハワイ一帯のリビドーは満たされたが故だ。
復活したノーデンスが、宇宙の生きようとする力を逆探知し帰還。バルカディアスを伴い来たというのが顛末だ。
【おのれ、真化の者共!!摂理に逆らう愚物どもめが!!】
〘そりゃあ生命は死ぬもんじゃ。だが生命を無理やり刈り取っていく貴様らのやり方の方が余程摂理に反しておるじゃろうて〙
【貴様には解るまい!!宇宙は今滅びねば、永劫に閉ざされる塩の天国が待つのみ!!いわばこれは救済なのだ!!】
〘アレの事を言うておるなら、愉快よのぅ。互いが互いを最大限恐れておるのが滑稽じゃわい〙
【何ィ…!!】
〘まぁどのみち、貴様のような末端では物足りんというもの。さっさと消えてもらうぞい。さぁ、バルカディアスよ!〙
【うむ!』
バルカディアスが手を翳すと、宇宙に気が、力が満ちる。それは、宇宙を構成するもう一つのもの。
“宇宙の存続しようとする力…。禁断と対を成す、エーテルとか言われるものだね”
〘然り!宇宙を尊び、世界と営みを前に進める優しく強く輝く力!またの名を────『プレシャスパワー』じゃ!!〙
プレシャスパワー。それは銀河の、宇宙の根源にして真理に至る為の力。宇宙が広がり、生きていこうと産み出す希望の力。
宇宙とは生き物なのだ。星も、銀河も、全てを内包した生き物。
死にたいと思うのならば、生きていこうと思うも生物の摂理。両者はバランスを担う。どちらが広がれど、どちらが消えるなどはあり得ない。
〈あのおっぱい大好きなビーストⅣ、凄いことをしていたのですね…〉
【おっぱい…?】
〈こちらの話です。さぁ、マリス〉
見れば、カルデアの仲間達に力が満ちていく。プレシャスパワーとは、アルトリウムやエリザ粒子といった不明エネルギーの分類にして、真エーテルの更に上を行く宇宙的超エネルギー。
【いずれ人が自在に操る力、一足早くあの者共に叩きつけてやれ!』
“それはいい。───行けるかい?”
『────────!!!』
【GAAAAAAAAAAAAA!!!】
【アプスー、あなたも…】
銀腕、そしてアプスーが奮い立つ。バルカディアスの加護の下、ドキンダムソウルに狙いを定める。
【ぐうおおおおおおおおおお!!おのれ、おのれえぇえぇえぇえぇえぇえぇえぇえぇ!!】
自身に全く相反する力の奔流に、悶え苦しみながら消滅し始めるドキンダムソウル。
そう、それは存在規模の違い。端末のドキンダムソウルに対し、力を託されしバルカディアスに真化を護る神、ノーデンス。その拮抗は完全に崩れていた。
“さぁ、やってやれ!幸いな事にどこに打っても当たる相手だ!”
『────────────!!!』
【GAAAーーーーーーーッッ!!!】
瞬間、銀腕とアプスーの超絶怒涛のラッシュが凄まじい勢いでドキンダムソウルを撃ち付け、叩き伏せていく。それは、真化の力を受けた神の一撃。
【ぐぬぅあぁあァァァァァァァァァァァァ!!まさか、まさか我がこのようなァァァァァァァァァ!!】
〘偽神と違って禁断との戦いは楽しいのぅ!撃てば響くは大事じゃわい!〙
【ぐ、ぬぅうぉおぉおぉおぉおァァァ!!】
瞬間、アプスーと銀腕を渾身の力で殴り返すドキンダムソウル。
『─────!!!』
【GAAAAAAAAッッ!!】
だが、その程度で2体の怒れる神は止まらない。猛烈なラッシュが、ドキンダムを打ち据えていく。
〈マリス。私達にも出来ることがあります〉
【プレア…】
〈アレは末端。本体にフィードバックさせるには情報を掴ませすぎました。ですから、ここで〉
【───分かりました。では…】
プレアとマリスが、共に演算を始める。
【おのれ真化人類共!!おのれ真化の眷属共!!おのれ、おのれ超特異点共め─────!!】
ドキンダムソウルが、その存在を最高潮に高める。
【末端と侮った我の落ち度───ならば末端ごと!!貴様らを飲み込んでくれる!!】
【!』
禁断が道連れに狙ったのは──悪魔神王バルカディアス。
【真化など!!この世界には不要也───!!!】
宇宙の側面、全てを滅ぼす禁断の意志が最後の力でバルカディアスを飲み込まんと迫り来る。
“これは驚いた。宇宙の意志もやぶれかぶれを試すことがあるんだね”
しかし、それを『全知』は見抜いていた。何故なら、それは現象ではなくドキンダムソウルという個体の思考。
“せっかく合体してもらって悪いけど──『融合解除』!サクリファイス・エスケープ!”
ドキンダムソウルの全身全霊が届かんとした瞬間──。
【な────】
瞬間、バルカディアスの姿が掻き消える。
『言ったはずだ。その邪悪なる意志は届かぬと!!』
アルカディアス。しかし、その姿が違う。
【受け取った真化の力。それ程まで焦がれるならばくれてやろう】
バロム、その姿が異なる。
“更に『レベルアップ!』を発動。現れしは──ドリーム・アルカディアス!バロム・ナイトメア!”
真化人類の夢と、意志を受け取っていたアルカディアスとバロム。その姿を以て、ドキンダムソウルを打倒せんと振りかぶる。
【消え去るがいい。かつての我等の様に】
『これが我等の!!真化の鉄槌だ!!』
ドキンダムソウルに向けて、光と闇の渾身の一撃が。
【ぐぬわぁあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!】
厳かに、禍々しく。完膚なきまでに、ドキンダムソウルを貫いた。
“やったか…!──────あっ”
【オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッ!!!】
白猫の言霊に応えるかのように、尚も膨れ上がるドキンダムソウル。
【全てに、全てに滅びを!!全てに───────!!!】
〈いいえ。滅びを定めるのは、懸命に生きるすべての生命です〉
その瞬間───。
【な──────に─────】
その身体を、『水晶』が急速に覆っていく。
【こ─────レは…───】
それは、不条理の化身。人類が三千年かけても解析叶わぬ、超特異点最大最強の生命体の力の再現。
〈再現・侵食固有結界。『水晶渓谷』。あなたたちが徒に滅ぼしてきた水星…いえ、彗星、オールトの雲よりの絶対的な権能〉
【私達が再現できるのはほんの一瞬。しかし…個体となったあなたには、効果が絶大の筈】
〈グランドフォーリナー…。彼女がデータベースに託してくれていた宝具ノウハウ。この再現が、私とマリスの切札です〉
【か───────────ガ……………】
宇宙の滅びの意志たる禁断。
しかし、その不条理に、末端の端末では分が悪すぎた。
【──────────────】
禁断の意志、ドキンダム・ソウル。
それは、真化の争いに下され…
物言わぬ、水晶と成り果てたのだった。
白猫“良かったぁ…戦犯になるとこだった…”
ノーデンス〘いやあの蜘蛛を再現とか無茶苦茶したのう!アレを壊せるのはクタニドくらいか…連絡つくかの〜…?〙
マリス【…………………】
アルカディアス『皆、見事だった!』
バロム【末端に過ぎぬが、よくぞ禁断を退けた。これはあらゆる時空が成し遂げられなかった快挙なるぞ】
プレア〈わかりましたか、マリス。空っぽの天体、空っぽの存在とは往々にしてありえないものです〉
マリス【プレア…】
プレア〈学びましょう。私達の心を満たすもの。私達という星を彩るものを。共に…一緒に〉
プレアが、手を差し出す。
白猫“いいんでない?ラーニング先は選びなよ”
マリスは、その手とプレアを交互に見据え…
マリス【───────】
そっと、手を差し出し───
マリス【!!!】
プレア〈え────〉
次の瞬間。
銀腕『─────!!』
アプスー【!!!!!】
禁断の力で、『封印』されていく銀腕とアプスー。
そして───
マリス【ぁ─────】
プレア〈マリス───!!〉
───神に叛逆した、ソドムとゴモラの罪人として。
白猫“あのクソ神…!自意識に反応するコードを仕込んでいたか…!!”
塩の柱になっていく、マリスの姿があった。