人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
もう二十歳が成人ではない!?
『大酒仰いで虎退治!戴く星は天傷星!!』
『おおっ!?あんたがマスターか!天傷星、行者武松ここにあり!…さあマスター!盃を酌み交わそうじゃないか!!』
クラス:バーサーカー
真名:武松
出身地:中国
出典:水滸伝
属性:混沌・善
身長・体重:210㎝・85㎏
好きな物:酒
嫌いな物:裏切り
苦手な物:飛翔する剣
ステータス:筋力A 耐久B 敏捷A 魔力D 幸運B+
クラス別スキル
狂化:B-
全パラメーターを1ランクアップさせるが、理性の大半を奪われる。
彼の場合、普段は理性を維持しており意思疎通も可能だが後述のスキルを使用し、時間経過によって『酩酊』のデバフがかかった場合、眼前の敵を討ち倒す事に夢中になり退却などの指示を受け付けなくなる。
固有スキル
武十回;A+
水滸伝においてバーサーカーが主人公として活躍する第二十三回~第三十三回の事を『武十回』と呼んだ事から。
言うなれば光コヤンのバスター強化の一種と言える強化スキルであり、バスターアップに加え攻撃力アップ、アタックプラス、クリティカル威力アップとスター集中(バスター)を付与する。
バーサーカーは水滸伝において非常に人気の高い好漢の一人であり、彼が登場する水滸伝の第二十三回~第三十三回の話は『武十回』と呼ばれ人気を博していた。
三碗で岡を越えず:A++
水滸伝におけるバーサーカーの武勇伝として語られる『景陽岡の虎退治』においてバーサーカーが飲み干した景陽岡の地酒。
スキルを使用すると攻撃力アップと宝具威力アップに加え『酩酊』というバフを獲得する。このスキルは時間経過によってその度合いが強くなり、強くなればなるほど攻撃力アップと宝具威力アップが加算され3ターン目になるとその強化は最大になる一方で、高確率で『泥酔』というデバフに変わりカード選択が不能になる。
ただし攻撃などを受けた場合即座に宝具を使用して反撃が可能になる。水滸伝においてバーサーカーが飲んだ景陽岡の地酒は非常に酒精が強いとされ、三杯呑むと立って歩く事も出来なくなり丘を越える事が出来なくなる事からこの文字を記した看板の旗を掲げていた。
しかしバーサーカーはこの酒を碗で十八杯も飲み干すとそのまま景陽岡へ赴き、そこで虎を退治する事となる。
犠牲の左腕:B+
戦闘続行の派生種と言える特殊スキル。バーサーカーに対して即死相当の攻撃が襲い掛かろうとした場合、自身の左腕を犠牲にする事で生還を果たす事が可能。
水滸伝においてバーサーカーは梁山泊軍にとって最後の戦いと言える方臘戦に参戦した際、敵方の道士である包道乙が放った玄元混天剣によって左腕をほとんど切り落とされてしまい、結果として左腕を失うものの生還を果たした逸話がスキルとなった物。
地母神の加護:A-
バーサーカーの霊基に組み合わされているギリシャ神話の巨人にして反英雄『アンタイオス』の加護。地面に足が接しているフィールドにおいてバーサーカーは防御力アップ・毎ターンHP回復が常に付与された状態での戦闘を可能にする。
ただしこのスキルは戦闘を行っているフィールドが船の上や海上、空中などの『大地に足がついていない』場所では使用不能となる。
伝承においてアンタイオスは海神ポセイドン、あるいは地母神ガイアの息子であった事から大地に足がついている限り何度倒しても無限に復活する能力と無限に強まる力とされていたが、この弱点を見抜いたヘラクレスによって絞殺されて倒された。
アンタイオスがサーヴァントとして召喚された場合これは宝具になる可能性がある。
中国拳法(武松拳):A+
中華の合理。宇宙と一体になる事を目的とした武術をどれだけ極めたかを表す。修得の難易度は最高レベルで、他のスキルと違ってAランクでようやく「修得した」と言えるレベル。
水滸伝においてバーサーカーは拳法の使い手として知られ、また中国には武松拳と呼ばれる憲法も存在している。
宝具
『酔えば酔うほど強くなる、ってな!お前はあの虎よりも強いのかぁ!!』
『景陽岡 武松打虎』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1匹
水滸伝におけるバーサーカーを語る上で外せない逸話と言える『武松の虎退治』が宝具となった物。
自身に対して猛獣と魔物特攻を付与してからの自らの拳による連続攻撃。同じ水滸伝の好漢である燕青の宝具である『十面埋伏・無影の如く』に酷似した宝具であるが、燕青の宝具が高速歩法による連撃に対し、こちらは一撃を重視した豪拳。
前述のスキルである『三碗で岡を越えず』による酩酊のバフをかけているとさらに威力が上昇する。
景陽岡を縄張りとし、多くの旅人や狩人をその牙と爪に掛けた猛虎を文字通り素手で殴り倒してみせたバーサーカー。それは神代におけるオリオンやヘラクレスにも引けを取らない『素手で怪物を倒してみせた』偉業と言えよう。
Weapon 『戒刀』
日本などでは僧侶が布(衣)を切ったり髪を剃ったりするための小さな刃物。
水滸伝においてバーサーカーが使用しているそれは『雪花镔铁双戒刀(せっかひんてつそうかいとう)』と呼ばれる肉厚の刀身を持った実戦用の刀である。
バーサーカーはこの双刀を背中に差し、頭に金の輪っかを被った行者(ぎょうじゃ・仏門に入り、剃髪をしていない修行者)の装束を纏っていた事から『行者』の二つ名を名乗っていた。
能力:獣の属性を持つサーヴァントに対する特攻を付与してからの強力な攻撃を叩き込むバーサーカー。また地面に足がついている限り強力なヒーリングを常に得られるため、長期戦も得意。この為対処するには大地から足を離した状態にするか、海上や橋の上と言った『大地に足が接していない』条件にする必要がある。
知名度:☆4
水滸伝を愛読しているならば姿を見ただけで真名に辿り着ける。
マスターへの対応:基本的に豪快でありバーサーカーでありながら意思疎通も出来る為、マスターがよほど人でなしでない限り指示に従う事をよしとする。裏切りなどをしなければ……であるが。
解説:水滸伝に登場する百八星の魔星の一つ、天傷星を戴く序列第十四位の好漢。渾名は行者(ぎょうじゃ)で、修行者の姿をしていることに由来。
鋭い目と太い眉をもつ精悍な大男で、無類の酒好き。拳法の使い手であり、行者姿になってからは2本の戒刀も用いた。実兄は武大。嫂(あによめ)は潘金蓮。宋江、張青、孫二娘、施恩とは義兄弟。
酒のため誤って役人を殺したという理由で柴進の屋敷に身を寄せ隠れていた。そこで逃亡してきた宋江と出会い義兄弟の契りを結ぶ。その後、殺したと思っていた役人が実は失神しただけということが判明し、故郷の清河県へ帰る途中で、景陽岡の人食い虎を退治したことにより、陽穀県の都頭に取り立てられる。
その後兄の武大と再会するも、出張している間に嫂の潘金蓮と情夫であった西門慶によって毒殺され、その仇討によって二人を殺めた後に自首し、孟州に流罪となった。
道中では自身を肉饅頭にしようとした張清とその妻である孫二嬢を返り討ちにし、流刑先の孟州では典獄の息子であり盛り場の顔役であった施恩の世話となる。ところが、施恩と盛り場を巡り対立していた張団練配下の蔣門神(蔣忠)を叩きのめしたことにより恨みを買い、孟州に赴任した張団練の一族である総督の張蒙方に冤罪を着せられて再度流罪となった。
さらに護送中に刺客に襲われたことにより激怒し、刺客や護送役人を返り討ちにし、蔣門神と張団練と張蒙方一家を皆殺しにすると、今度は自首せず逃亡。その途中、張青夫婦と再会し、魯智深や楊志がいる青州二竜山へとの入山を勧められ向かうこととなる。
やがて梁山泊との戦いに敗れ再起を果たそうとしていた呼延灼率いる討伐軍との戦いの中で梁山泊軍と協力して青洲攻めに加わった後に梁山泊に入山。以後は歩兵軍の頭領の一人として活躍するも、方臘戦に参戦していた時に敵の道士である包道乙の妖術によって放たれた刀剣によって左腕をほとんど斬り落とされてしまう。
戦後、片腕を無くしながらも生還を果たした武松は凱旋途中に駐屯した杭州六和寺で、中風で倒れた林冲の看病の為に残った。林冲は半年後に死去したが、武松はその後も寺男として留まり80歳で天寿を全うした。
幻霊として組み込まれているのは『アンタイオス』。ギリシャ神話における巨人にして反英雄である。
海神ポセイドン、あるいは地母神ガイアの息子として生まれたアンタイオスは好戦的な巨人であり、リビュアに住んでいて、屈強そうな旅人に戦いを挑んでは相手を殺し、殺した相手から奪った宝物や相手の髑髏をポセイドンの神殿に飾っていた。
やがて黄金の林檎を求めて(あるいはゲリュオンの牛を求めて)旅をし、リビュアを訪れたヘラクレスに戦いを挑む。
さしものヘラクレスも何度倒しても無限に復活する能力と無限に強まる力に苦戦をするが、大地に足がついていなければその力が発揮されない事に気づき、地面から高々と持ち上げた上で絞殺して討ち倒した。
人物:黒のミドルヘアーを靡かせ、頭に金の輪っかを嵌めた太い眉に藍色の鋭い目つきをしている精悍な大男。緑色に染めた装束を纏い背中には肉厚の刀身をしている戒刀を交差して差しており、戦闘では拳法の他にこの二振りの戒刀を駆使して戦う。
霊基再臨を重ねた場合、第一霊基では上記の姿をしているが第二霊基では打って変わって上半身を鍛え抜かれた体躯を露にし、髪は紺碧色に染まった姿に変わり、最終霊基ではその状態で行者の格好に戻る。
豪快であると同時に世間を渡り歩いた事によって得た広い見識と抜け目のなさを兼ね備えており、策略に長け、行動が綿密である。大きな事をする時には、いつも前後の計画をしっかりと立てた上で行動を起こす。
兄である武大の仇討ちの時も血気に逸らず、綿密な計画を立てた上で実行に移すなど武勇と知性を兼ね備え、一筋縄ではいかない独特の魅力を持っており、これが水滸伝において庶民に人気を博し、現在でも映画やドラマで取り上げられ、京劇では『武松打虎』は演目になっているほど。
その一方で無類の酒好きでもあり、平時では荊軻達と酌み交わしているが自身が飲んでいた景陽岡の地酒を呑ませる事が多く、大抵は文字通り酔い潰れてしまう。
実は新宿のアーチャーことモリアーティ教授が幻霊の製作を行っていた時に第一候補として挙がっており、戦力的には強力な彼を早速製造しようとしたのだが、犯罪計画という慎重に慎重を重ねる様な今回の計画においてはあまりにも『場違い』なサーヴァントとなってしまう事に土壇場で気づき、泣く泣くお蔵入りとなった過去があった。
その後カルデアとの戦いで新宿が崩壊した後は様々な世界を放浪していたのだが、コロッセウム特異点にはぐれサーヴァントとして召喚された時に、自身に組み込まれそれ以降互いに心を許し合う関係となっていたアンタイオスが『もう一度ヘラクレスと戦いたい』という願いを常々口にしていた為、『これだけの特異点となれば楽園カルデアの連中も解決に乗り出してくるだろう。ともすればヘラクレスとかいう大英雄も顔を出すはず…!』と考え、参戦を決意した。
…アンタイオス自身、誰が自分の両親なのかあまり記憶にない。海神ポセイドンが父なのか、地母神ガイアが母なのか、はたまた二人との間に生まれたのか。
だが彼自身そんな事よりも大切な事があった…『自分の強さを知らしめる』という事である。屈強そうな旅人を手に掛けては宝物や相手の髑髏をポセイドンの神殿に捧げる日々を送っていたが、女子供や老人と言った相手には手を出す事をせず、寧ろ家族連れが通りかかると遠くから見守り、盗賊などが襲い掛かった時には叩き潰して彼らを護る事もしていた。
やがて彼の前に現れたのがギリシャが誇る大英雄、ヘラクレスである。彼を見た時アンタイオスは自身の死を即座に感じ取った…しかし同時に歓喜に満ちた笑みを浮かべた。これほどの男と激闘を演じる事が出来るのなら、これほど嬉しい事は無いのだと!!
そうして激闘の末にヘラクレスによって絞め殺されて最期を遂げたアンタイオスだったが…後悔などは微塵も感じなかった。寧ろ『またこいつと戦いたい』という強い願いを持つほどに彼を尊敬したのである。残念ながらアンタイオス自身がヘラクレスに倒された逸話ぐらいしか持ちえず、幻霊以上サーヴァント以下であった事から幻霊として組み合わされる事になった。
コロッセウム特異点ではヘラクレスが訪れている事を察するも残念なことにヘラクレスは参戦が出来ず、落胆するアンタイオスを宥めながら代わりに参戦したリッカと相対し、その膂力を以てリッカを苦しめるも最後にはリッカの地獄の九所封じを受けて敗北。
その後はリッカ達楽園カルデアに協力する事を快諾する事となる。
人物関係
燕青:百八星として共に戦った戦友であり、拳法の開祖と呼ばれた者同士。生前は同じ拳法の使い手として互いに拳をぶつけあって力量を高め合っていた。だが同じ幻霊として設計されたのに自分だけ計画凍結された事にはちょっと不満をあらわにしていた。
『よう燕青!久しぶりだなぁ!!久々に杯を酌み交わそうぜ!!……正直に言うとさ、お前だけ幻霊として採用された事、すげえ悔しかったんだぜ?俺の方が戦力としては強力だったってのに、まさか強力すぎて犯罪計画に向かないから凍結って何だよそれ!?』
花栄、戴宗、李逵(雷電タメエモンさん):同じ百八星の戦友。戴宗が女性の姿をしている事には流石に面喰いはしたものの豪快に笑い飛ばすと以後は軽口をたたきながら接する様に…只時々茶目っ気を出しながら口説いてくることも。
一方の花栄に対してはその弓術に全幅の信頼を置いており、自身が戦う時には援護してくれと頼み込んでくる程。そして李逵に対しても軽口を叩きながら共に前線で暴れ回る事を嬉しく思っている。
『よお戴宗の旦那!相変わらず走るのが好きな事で!しっかし…それだけ足が速いと結婚相手に不便しそうだねぇ?『自分より足が速い奴を夫にするつもりはない』とか言いそうじゃねえか?』
『花栄の旦那!あんたもここに来てたのか!!あんたの弓術には生前から大いに助かってたからなぁ…今度もしっかり援護してくれよ!それが終われば戦勝の杯を上げようじゃないか!』
『李逵ー!お前も来てたんだな!!よっしゃあ!早速杯を酌み交わそうぜ!!何!?戦だと!それじゃあ杯は後だな!!とっとと終わらせに行くぞ!!』
九紋龍エリザ:九紋龍史進…の霊基を借り受けたエリザ。当然出会った時には面食らうも、背伸びしながらも梁山泊の好漢としてあろうとする彼女を温かく見守る様に…。
呼延灼:同じ百八星の好漢であり戦友。ただ生前に比べて精神的に打たれ弱くなった彼女を見て揶揄って楽しむ事も…。
『よお呼延灼!今日も今日とて悲観的な考えしかしねえのかぁ!?そんな後ろ向きだと男にモテねえぞ?』
エミヤ、アルトリア・キャスター:面識はないのだが如何せん剣を飛ばして攻撃するその戦い方が、生前自身の片腕を切り落とした包道乙を思い起こすのか冷や汗をかいてしまっている。
『うおっ!?エミヤの旦那か…そんなにビビる事もないだろうって?嫌ぁ…俺の逸話を知ってるなら分かんだろ?俺にとっちゃ飛んでくる剣は鬼門なんだよぉ…!?』
『げっ!?アルトリアの嬢ちゃん!?な、なんぞ俺にご用でありましょうか!?…そんなにビビらなくてもって言われてもぉ。こればっかりは仕方ないと思ってくれねえですかねぇ?』
武大:兄。見かけは醜かったが心根は清らかであり罪を犯して逐電した弟の事を誰よりも案じており、彼が虎退治を成し遂げて役人に取り立てられた時には我が事のように喜んだ。それ故に彼が嫂と情夫によって毒殺された時は憤激を抱きながらも冷徹に謀を進めて仇を討った。
潘金蓮:武大の嫁。美麗であったが醜かった兄の事を心中で軽蔑しており、兄の目を盗んでは情夫であった西門慶にべったりだった。そして浮気がばれそうになると毒殺する事を提案するなど、はっきり言って殺されても文句が言えない女性。バーサーカーが裏切りを嫌う何よりの要因でもある。
西門慶:潘金蓮の情婦だった豪商。潘金蓮の提案で毒を用意し、武大の死に間接的にかかわった事でバーサーカーに殺される事に…因みに後世において彼が主人公として描かれる事になった『金瓶梅』という小説が出た事には目玉が飛び出るほど驚いていた。
陽穀県の知事:自身が役人として仕えていた人物。バーサーカーが仇討ちをした後に自首をした際、彼の義侠心に心打たれ死罪にならないように取り計らった。またこの時役人達もバーサーカーに対して差し入れをしたりするなど手厚く取り計らった。
包道乙:梁山泊軍にとって最後の激戦となった方臘戦においてバーサーカーの片腕を切り落とした道士。梁山泊の好漢達にとって、将軍であった石宝に次いで彼らを苦しめた道士であり、戦陣に立てば必ず妖術を使って相手を倒し、方臘を度々助けた事で霊応天師(れいおうてんし)と敬われていた。
また玄元混天剣という宝剣を使い、これを術で飛ばせば百歩はなれた相手を討つことができ、これによってバーサーカーは片腕を切り落とされた。
『方臘戦…あの時が一番生きた心地がしなかったな。将軍だった石宝の奴も仲間達を何人も屠る程強かったが、俺にとっては包道乙の奴が一番の強敵だったよ。何せ妖術の使い手でもあり俺の片腕を切り落とした奴だったからな…あの時ほど公孫勝の奴がいてほしかったよなぁ』
ヘラクレス:自身の内側に宿る幻霊のアンタイオスが再選を切望していたギリシャ神話の大英雄。コロッセウム特異点において遠目から見ただけでも強敵と感じ取り、楽園カルデアで共に戦う事になった際には心底安堵したほど。
ふかやんさん、ありがとうございました!