人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
ナイトメアアーイー【【【【【…………………】】】】】
ルゥ『出てきたよ、皆!』
〜
オーマジオウ【フッ。手掛かりを齎すとは不突破ではないか】
〜
熊手『仕方ねぇ。サバフェス運営として…』
『この神!ゴッドネス熊手が手を貸してやるぜ!!』
べアックマ『やるクマ〜〜!!』
『ナイトメア・ノーワンだと…!どっから湧いてきやがった!』
リッカと吠、指輪争奪戦の決勝戦の最中二人の前に現れた、ナイトメア・ノーワンを名乗る存在。
その矮小はタコと人間を掛け合わせた様な存在で、おおよそまともな生命体には見えないもの。サーモンNo.1とかつて戦った二人の前に現れたふたり目ノーワンとも言えよう。
【私はこのハワイを犯し、侵食するナンバーワンの悪夢たる存在。そう、ハワイにおける邪神の観る悪夢の顕現!】
《邪神…クトゥーラのお父さんの事!?》
【行け!ナイトメア・アーイー!】
そして二人を取り囲むように現れる、手が触手のように撓る形態の雑兵達。それらが一斉に襲い掛かってくる乱入戦。
《吠!》
『あぁ、しゃあねぇか!』
即座に二人は戦闘を中断、現れたアーイー達の迎撃に向かう。
【フフフ…】
アーイー達は数こそ多いが、テガソードゴジュウウルフとゴジュウドラゴンを害する程の力を発揮していない。瞬く間に殲滅され、爆散していく。
しかし…
『!?』
《やっぱり湧いてくるよね…!》
即座に爆散した数と同等、いやソレ以上の数のアーイーが吠達をとりかこむ。雑兵とはいえ、その展開力は怪人が展開するものであれ常軌を逸していた。
【無駄だ。ナイトメアとは即ち悪夢。この宇宙に組み込まれた邪神の夢がある限り、私は無限に力を増しこのハワイを深淵に引き摺り込む!】
《クトゥルフの夢…!?》
『ぐだぐだと訳の分からねぇことばかり言いやがって!』
ゴジュウウルフは跳躍、一足早く首を取ろうとリョウテガソードをナイトメアノーワンへと振りかぶる。
『俺達の戦いを邪魔するんじゃねぇ───!!』
だが。
【愚かな。弱き人の身よ!】
その攻撃は、まるで影を切り抜けたかのように頼りなく、虚しく空を切る。
『何!?』
【身の程を知るがいい!!】
瞬間、ナイトメアノーワンから無数の触手が巻き起こり、無数の乱打でゴジュウウルフを打ちのめし、叩きのめす。それらは決して侮れないダメージを彼に叩き込んだ。
『ぐああああああっ!!』
《吠!!》
リッカが吠に駆け寄り助け起こす。勝利を確信したかのように、ナイトメアノーワンは朗々と語る。
【邪神の悪夢こそがこの私。この私すら、この宇宙と一つとなったクトゥルフの夢が齎す悪夢の現象でしかない。打ち倒すことなど不可能なのだ…!】
《クトゥルフの悪夢…じゃあクトゥルフの見る夢っていうのは何のことなの!?》
リッカの問いかけに、ナイトメアノーワンは揺るがぬ有利から語り始める。
【教えてやろう。悪夢とは夢を苗床に育つもの。宇宙と一つになったクトゥルフが見る夢…それは、このハワイそのものだ!!】
《!?》
『このハワイが、そいつの夢だと…!?』
そうだ、とナイトメアノーワンは語りを続ける。
【邪神とは宇宙の外にある生命体。当然、この世界を侵し冒涜する不倶戴天の存在だ。だが今のクトゥルフは願い、夢を見ていたのだ。クトゥーラとやらの娘、妻を持ったことにより】
《!》
【密かに抱いた夢…それは最愛の妻が遺した宝を光溢れる世界で生きてゆかせる事。永遠に闇の及ばぬ世界で生きていく事!ソレが邪神の…クトゥルフという邪神が見た夢だ!】
光射す世界にて、妻の忘れ形見が生きていける事を祈る。
即ちそれは、この夏のハワイにおける一時そのもの。
《じゃあその悪夢っていうのは、まさか…!》
【そうだとも。クトゥーラが生きていく世界!クトゥルフが夢見たこのハワイ!それら全てが闇に、虚空に沈み消え去ること!それこそが私というノーワン、ナイトメアノーワンを生んだのだ!そしてそれは夢が強ければ強いほど力を増し、強大となる!】
ハワイにて、カルデアにて、世界にて娘が生きていてほしい。誰にも話さなかったクトゥルフの夢。
故にその悪夢とは、それら全てが崩壊すること。故にハワイにおいてノーワンは現れたのだと。
【このハワイは一から鋳造された不安定なもの。様々な力を密接に絡み合わせ生み出した繊細なもの。テガソード、その指輪、並びに祖龍程の力が失われた反作用は、必ずやハワイに伝播する!】
故に現れたのだと、ナイトメアは語る。最悪の悪夢を叶える為に。
【禁断に蝕まれたドギラゴンの悪夢の侵攻、侵略も進んでいる。悪夢は夢を喰らい、現実を侵す!貴様らはただ、闇と深淵に震える下等に過ぎん!】
クトゥルフは宇宙へと取り込まれた。それ故に、助け出す事は困難を極めている。
始めから負けるはずも無い勝負だ。宇宙が、世界が見る夢。それが無くならない限り、ナイトメアは消えず不滅。
【しかしまぁ──外なる世界、仮にも神が下らん夢を見たものだ】
《!!》
そしてナイトメアは、クトゥルフの夢すらも嘲笑う。
【真っ当な世界で生きてほしい。輝く光の中で健やかに在ってほしい。邪神ともあろうものが、下等な人間とも言える思考に染まりきりあまつさえ子さえ残そうとはな!】
『てめぇ……!!』
【滑稽な話だとも!そうは思わんか?望みが支配でなく、君臨でなく!ただ平穏でしか無いとは!笑わせる、痛快だ!神の座に在るものには矮小にすぎる!】
勝利を確信した者の口は軽い。高らかに勝ち鬨をあげるかのように笑う。
【ならばナイトメアノーワンとしてその夢を踏み躙り、破壊し、砕いてやろう!ちっぽけな夢!愚かな幻想の末路として!!ふは、ふははははははははあぐぉあっ!!?】
だが、往々にして勝ち誇ったものは墓穴を掘り、尾を踏み、鱗を逆撫でする。このナイトメアも例に漏れる事はなかった。
【な、に…なんだと…!?】
(何故、何故私に攻撃が…!?)
《貴方には解らないんだね。本来外に、闇に蠢くものが光を授かり照らされ、光を護ろうと願った事がどれほどの奇跡なのか》
ゴジュウドラゴン…祖龍の力。それは、地球に侵略し侵攻する全ての存在の全てに特効を発揮する。
《愛が紡がれ、愛を授かって。その愛を大切に慈しみ、愛おしく抱いて夢へと託すその尊さが…!》
ゴジュウドラゴンの体に真紅のラインが刻まれていく。4つ角の意匠もまた、真っ赤に染まり紅き雷が迸っていく。
《その奇跡を、夢を!嘲笑っていい道理なんて何処にも無いッ!!!》
【ミラアンセス……まさか人間如きがその力の真諦を掴むだと…!?】
《覚悟しろ、ナイトメアノーワン!!私は、誰かが懐いた大切なものを踏み躙る全てを決して許さないッ!!》
そしてリッカは、指で丸を作りナイトメアノーワンに定める。
《お前は私の…!獲物だあッ!!》
【ぬうっ…!!】
『へっ。どさくさ紛れに人の決め台詞までパクりやがって』
そしてそれに並び立つようにゴジュウウルフ…遠野吠も立ち上がる。
『よく分からねぇが、宇宙と一つになった神様の悪夢がテメェなら…テメェを通じてその神様をぶん殴って起こせるんじゃねぇか?』
【!!】
『負けねぇと思ってしたり顔で出てきたのかどうか知らねぇけどよ、テメェみたいのをカモがネギ背負ってくるってんだよ!』
吠もまた、闘志を新たに構える。
『オレ達は戦隊…その使命から逃げるつもりはねぇ。平和を乱し夢を砕くのがテメェらだってんなら、いつだってぶっ飛ばすだけだ!』
《吠…》
『俺は俺であることから逃げねぇって奴だ。お前の決め台詞…パクらせて貰ったぜ』
《うん!シェアし合っておあいこだね!》
そして再び、ゴジュウウルフとドラゴンが構え合う。
【無駄だ、全ては虚構!貴様らという夢、現実!諸共に飲み込んでくれる!!】
そして無数に齎される、ナイトメアアーイー。
『決着は後回しだ。今はアイツをブッ潰してハワイを護る!』
《うん!クトゥルフの夢も!》
【滅びるがいい、愚昧なる呼び声によって!!】
『行くぜ!!』
《おうっ!!》
No.1バトル。
外伝ながら、もう一つの中核を掴み取らんとするバトルが始まらんとしていた。
ナイトメアアーイー【【【【【【!!!】】】】】】
ナイトメアノーワン【何ッ!?】
ユニバースデカレッド『すまん。ハワイに出てきたアーイー共を鎮圧していた』
ゴジュウウルフ『無慙さん!』
オーマジオウ【戦隊とも、知らぬ縁ではないのでな】
ゴジュウポーラー『お前たちの手の届かない場所は、このゴッドネスと魔王、そして…!』
ルゥ〚私達、サバフェス運営に任せてぇ!〛
ルゥ《ルゥちゃん様…!》
テガソード〚遠野吠。お前の言った通り、ゼロに溶けたクトゥルフの意識は恐らく奴から引きずり出せる。そうすれば…!〛
『成る程。カルデアへの恩返しにも繋がる訳か。おもしれぇ!』
ナイトメアノーワン【貴様ら…!】
ユニバースデカレッド『雑魚は任せろ。お前達はヤツを殺れ』
リッカ《はい!!行くよ吠ゥ!!》
吠『アォオォオォオォオォオォオーンッ!!』
クトゥルフの夢を護る…
No.1バトルが幕を開ける。