人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
アルフォースブイドラモン『いやシンプルに強いのは変わってないねこいつ!!』
オメガモン『せめてもう少し手数が増えれば…!』
デュークモン『っ!?』
ドギラゴン逆【グォアァアァァァァァァァァァァァァッ!!?】
マグナモン『支援攻撃…!?』
ドゥフトモン『無事か、お前たち』
オメガモン『ドゥフトモン!』
アルフォースブイドラモン『来てくれたんだ!?』
ドゥフトモン『他の輩は未だ懐疑的だったからな。だが…』
ドギラゴン逆【ゴギャァァアァアッ!!】
ドゥフトモン『まとめ役として、貴様達を見捨てるわけにもいかないのでな!』
オメガモン『すまない、助かる…!』
ドゥフトモン『押し返すぞ、お前たち!』
デュークモン『おうっ!!』
【グオォァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!】
荒れ狂うドギラゴン。それは夢の中において、彼が抱いた無念と後悔、そして懺悔の咆哮。
彼は宇宙の生命を愛した。宇宙の全てを護りたいと、ノーデンスとの触れ合いにて目覚めた。
それは、護りきれなかった生命たちへの鎮魂と慚愧。
宇宙は、生命が支えている。生命は宇宙を支えている力。それを護り、全ての生命体が真化に至るように導くのがドギラゴンらを含めた神々、宇宙に備わる者らの役目。
ルゥ=アンセス。アルセウス、パパポポやアフラ・マズダ、ノーデンスやマルドゥークといった宇宙における『生きようとする意志』を果たさんとする真の神格は皆それを使命とし、またこのドギラゴンはその使命を果たす為の眷属。
それが心を持つ事は喜ばしかった。彼自身もまた、この宇宙を支える存在になったからだ。
それが心を持つ事は悲劇であった。彼が受けた、感じた悲しみは全て彼自身を禁断、滅びを迎えようとする意志に近づけ侵食させる感情を生み出させたからだ。
彼は失った、喪われた生命を悼み叫んでいる。
彼は喪われた相棒、人生の師匠だったノーデンスを失い嘆いている。
それらは心が齎す、システムが起こすはずもなかったエラー。
大切なものを有したものは、それを失う恐怖と性を得る。
目の前でノーデンス、そして銀河を失った…
あらゆる可能性を消し去られたドギラゴンは、怒り狂っていた。
偽神は勿論の事…。
それは、まさに自身の不甲斐なさにへと向けられる怒りであった。
『きゃああっ!?』
「……………………」
その余波は、宇宙全てに巣食う禁断の力を全て打ち払うが如く無作為に、無差別に向けられる。
『キラナ!!』
テイルモンが即座に完全体・エンジェウーモンへと進化。ドギラゴンが齎した破壊と禁断の嵐からキラナを庇う。
「……………………」
レッドは帽子を抑えながら、自らの大切な仲間、ポケモンを繰り出す。
『グオォォオンッ!!』『ガメエッ!!』『バナバーナ!!』
リザードン、カメックス、フシギバナ。レッドの信じる最強のしもべの3匹が、キラナとエンジェウーモンを護る。
『あ、ありがと!レッドさん!』
「……………………」
そしてレッドは、キラナに向けて一つのモンスターボールを渡す。黒き無地に、月の紋章が刻まれたボール。
『えっ、これ…?』
「……………………」
使え。そう告げるように頷き、立ち上がる。
『ポケモンを、貸してくれるということでしょうか?』
エンジェウーモンの言葉に、キラナは自らの使命を果たすために奮い立つ。
『私はトレーナーじゃないから上手くできるか解らないけど…!全力で、やってみる!』
意を決したキラナが、ボールを持ちそして投げる。
『君に、決めたっ!』
そしてそこから現れたのは──。
『ルナァァァーン!』
みかづきポケモン、クレセリア。悪夢を防ぎ、吉夢を見せるとされる幻のポケモン。
『わぁ!キレイ…!』
キラナを見たクレセリアは、静かに彼女に恭順の意志を示す。レッドに、そうするんだと教わったかのような仕草で。
『もしかして…悪夢を、祓ってあげる力がある…の?』
『るなーん』
『そうなんだ!よーし、エンジェウーモン!クレセリアと力を合わせよう!』
『言葉が、解るのですか?』
『わかるよ!なんとなくだけど!』
そしてキラナをクレセリアは乗せ、飛ぶ。
『ドギラゴンに伝えなきゃ!ノーデンスおじいさんは大丈夫だよって!そうすれば、落ち着いてくれるかも!』
『分かりました、キラナ。なら私もその想いに応えましょう』
エンジェウーモンもクレセリアと共に飛び、ドギラゴンへと向かう。
その存在は、宇宙が存続するために産み出した機構にしてシステム。
ドギラゴンの力は、想像を絶するものであった。
【グオォォオォオァァァァァァァァァァァァァァァッ!!】
まず、その巨体が更に更に大きく、巨大と化す。それらは宇宙に浮かぶ星々のように、いやそれよりも尚巨大に、宇宙に浮かぶ巨大な銀河の如くに。
「これは…!」
アダムも、ドギラゴンの巨大さには感嘆の声を漏らささざるを得ない。それは夢の中でしか行えない無法。
【ガアァアァアァァァァァァァァァァァァッ!!】
宇宙そのものにまで迫らんとするドギラゴン。それは、宇宙が存続する為に創造したとされるに相応しい姿と威容であった。
「これ程までに巨大になれるとは…」
アダムやレッドたちが、芥子粒のように小さく見える程の威容となったドギラゴン。
【グオォォオァァァァァァァァァァァァッッッ!!!】
大きく振り被り、ドギラゴンがその異様なる巨体を振るう。
その巨体は凄まじく、宇宙に浮かんだ星々を砕きながら、アダム達にその事象が迫りくる。
そのあまりにも巨大で、そのあまりにも凄まじい宇宙の力そのものが、アダム達に迫りくる。
「………………………」
レッド達にに迫りくる、その巨大な腕部と刀剣。ポケモンや生物では対処する事など出来ないほどの質量差に成す術なく──。
「はあっ!!」
否。それを、アダムは確りと『受け止めた』。ドギラゴンの…正確にはこの空間のあり方を見抜いていたのだ。
「ここは夢。物理法則など介在しない空間だ。故にドギラゴンは我等を敵と認識し排除しようとしているが…」
まるで空間そのものが迫り来ているような状態にも、アダムは怯むことなく受け止める。
「目的はドギラゴンの排除ではない。彼を禁断の意志から取り戻す事。その為に出来ることは、キラナと…」
アダムは、レッドに向けて頷いた。
「君だ、レッド。異なるものが分かり合う。その真理を示し、キラナと共にドギラゴンの心を励起させるんだ」
アダムは、吠え猛るドギラゴンに向き直る。
「それは、未来ある若者である君にしか出来ないことだ。選ばれし子供たちが、宇宙に真理を示す」
背中越しに、レッドに問う。
「───出来るな?」
レッドはその問いに…
「……………………」
深く、帽子を被り直した。
アロナ『アダム先生ーーー!!』
アダム「アロナ!?」
パパポポ『すまん、増援を頼んでいて席を外していた』
アダム「父もか。増援…?誰にだ?」
『これだ』
『妙なデザインのスマートフォン』
「……?」
『こんにちは。はじめまして、アダム先生』
「…あなたは?」
『私は、パパポポ…そして、ルゥ・アンセスの個人的な友人。そしてそちら、レッドに分身を託しているポケモンです』
『名を────』
『アルセウスと申します』