人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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アルセウス『皆さん。ドギラゴンは倒す存在ではありません。あれは私達、真化を齎す為の大切な一因』

レッド『………』

『今のドギラゴンは絶望し、禁断に意志を囚われている。故に、真化の真理を示してほしいのです』

アダム「百も承知だ。アルセウス、あなたの力を借りるのはどうすればいい?」

アルセウス『夢において、皆様の絆にて真化の因子を満たし尽くしてください。そうすれば私は時空の運命を超克し、ドギラゴンを説き伏せる事が出来るでしょう』

パパポポ『具体的に言うと…』

アルセウス『メガシンカ、ジョグレス進化。そういったもので戦うのです。私の力を、皆様に託しましょう』

テイルモン『絆…!』

アルセウス『おや。あなたも人と絆を結んだのですね三大天使。喜ばしい事です。ではこちらをプレゼントしましょう』

キラナ『わっ!?デジヴァイスが…変なカタチに!』

アルセウス『ジョグレス進化をいつでも出来るようにしておきました。異なる種族と手を結ぶ姿もまた、禁断を祓う力です』

テイルモン『あ、ありがとうございます!』

アルセウス『いえいえ。一丸となって力を合わせましょう。私も皆様と同じ階位に立ち、協力は惜しみません』

『真化とは、神とはそうあるべきなのですから。皆様、準備はよろしいですね?』

キラナ『よーし!!行くよテイルモン!!』
テイルモン『はい、キラナ!』

レッド(手持ち全員のメガストーンとリンクする)

アロナ『アロナたちもやりましょう!アダム先生!パパポポ様!』

アダム「ああ!」
パパポポ『うむ!』

アルセウス『ふふ…』

『…やはり良いですね、アンセス。───誰かと力を合わせるというのは』


絆と共に。絆は共に

『行くぞ、お前達!イグドラシルの加護を、人間界へと!!』

 

人と獣、戦士と策士。善と悪の狭間の中庸たるドゥフトモン。此度は善として皆に、カルデアに力を貸すことを選んだ。

 

彼自身、カルデアは信ずれど魔術師は信用ならないという難しい裁定において初動を遅らせる長考へと至った。しかしその中でも、彼は思い悩んだのだ。

 

『生きとし生けるものを護る。騎士にとって、守護者にとってそれに勝る道理や理屈などあろうか』

 

そう考えた彼は、人間ではなくカルデアに力を貸すことにした。そう、人理を…世界を救うカルデアを支援し、手助けする事を選んだのだ。

 

オメガモン達の事も理解できる。

 

ガンクゥモンの意見も理解できる。

 

ロードナイトモンの信念も理解できる。

 

ならば自分は、今を生きる生命の為に剣を振るう。

 

騎士たちの正しさではない。

 

そこに生きる全ての明日を護る事への正義を見出したのだ。

 

『オッケー!でも彼女の加護はちょっと重たいんじゃないのかなぁ!』

 

アルフォースブイドラモンが、ドギラゴン逆へと力を振り絞り飛翔する。

 

ドギラゴンの力は、オシリスとユメの力により生産能力を制されている。本来の力を発揮するには障害があまりにも多い。

 

『皆さん!どうか頑張って!私達も頑張りますから!』

『ギシャアァアァァァ!!』

 

ドギラゴン逆を抑え込み、封殺するタイミングは此処より他ない。全員は、アダムやキラナの成功を信じ力を振るう。

 

『我に続け!!ロイヤルナイツ!!』

 

ドゥフトモンが、人型から人獣形態レオパルドモードへと変化する。

 

それこそは、一気呵成に攻め立てるための合図。

 

『デュークモン。ユメさんのサポートがあるわけですし、こちらも限界までやってみません?』

 

『マグナモン…』

 

『此処が攻め時ですよ。我々も、限界以上に頑張ってみましょう。ハワイのバカンスの為にね』

 

まだ数日ですよ?と笑うマグナモンに、デュークモンは言葉無く応える。

 

『ならば、このデュークモンの全霊を見せる!!』

 

飛来し、盾を前に構えたデュークモンの上空にマグナモンが陣取る。

 

『そうこなくちゃ』

 

そしてデュークモンの盾が光り輝き、マグナモンの黄金のデジアーマーが限界を超えた煌めきを放つ。

 

『傷が開くのと塞ぐのを繰り返すようなダメージを負う技ですが、これなら少しは大人しくなるでしょう…!』

 

デジメンタルの力を極限にまで引き出し、全身から放つ最強の大技。ユメとオシリスの力にて、即座に幼年期に戻るダメージから絶えず破壊と再生を繰り返すダメージに軽減される中、放つ一撃。

 

マグナモンは人の作るものが、スイーツを始め様々なものが好きだった。

 

故に、マグナモンの心は決まっている。

 

素晴らしきものを作る人々と、世界を護る。

 

動乱では意味がない。平和の中でしか、素晴らしき文化は生まれないのだ。

 

なら自分が迷うことなどない。

 

人と、その世界の為に全てを捧げよう。

 

『私は、人間が大好きですからね!』

 

女性的なマグナモンは、その精神性も献身的で慈愛に満ちていた。

 

『このデュークモン!世界と平和を護るに躊躇いはない!』

 

デュークモンはウィルス種である。ロイヤルナイツの中でも異端の種族だ。

 

異なるもの、はみ出しものが現れるは道理、摂理だ。自身を卑下する気は無いが、その宿痾は否定できはしない。

 

しかし、そんな自分と似たような立場で戦うものを見出した。

 

カルデアである。

 

その戦いは報われないかもしれない。

 

全てが終わった後、戦いを、成果を讃えるものはいないかもしれない。

 

それでも、カルデアの皆は躊躇わなかった。

 

自身たちがやりたいように、世界を救い護る。

 

信念や使命ではない。

 

ただ、そうしたいのだと。

 

それは、出自と宿痾に阿るデュークモンに新たな風を吹き込んだ。

 

道理や無理の是非はいらない。

 

まずは自身の成すべき事を成すのだ。

 

その果てに、笑顔と安寧があると信じて。

 

それをただ、自らの戦いの報酬にすればよいのだから。

 

『おぉおぉおぉおっ!!』

 

故に、デュークモンは躊躇わない。

 

自身に守り抜けるものが、ある限り。

 

『じゃあボクも、本気出しちゃおっかなぁ!!』

 

アルフォースブイドラモンの思想はシンプルだ。

 

日々が楽しく、明るく、皆笑顔で過ごせればいい。

 

それを護る力があるのだから、それを阻むものを倒そう。

 

出来ることをやる。

 

ただ、アルフォースブイドラモンにはそれのみだった。

 

『我々の全霊で、道を拓く!!』

 

オメガモンは人間の可能性を間近で見てきた。

 

人間こそは、奇跡を起こす存在。

 

デジモンは、何度も人間に救われてきた。

 

故にこそ、オメガモンは人間を護り抜く。

 

その為にこそ、剣を振るい銃を放つ。

 

数多無数の奇跡を見せてもらった。

 

数多無数の力を貸してもらった。

 

故にこそ、人を護り救うに躊躇いなどあろう筈もない。

 

だからこそ、かつて救い、助けを賜った恩を返す。

 

生きとし生ける全てを護る。

 

それこそが、オメガモンがオメガモンたる所以であった。

 

【グォアァアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!】

 

吠え猛るドギラゴン逆。身の危機を感じ取ったのだろう。身をよじり反撃を行わんとする。

 

しかし───

 

『やらせませんよ!』

 

ユメのシールドユニットが、ドギラゴンの反撃を阻む。

 

『ゴギャァァアァアッ!!!』

 

オシリスの召雷弾が、無数にドギラゴンを撃ち放つ。

 

【グォアァアッ!!】

 

ぐらり、と体勢を崩すドギラゴン。

 

『今だ!!『アウススターベン』!!』

 

ドゥフトモン渾身の一刀を皮切りに、ドギラゴン逆に向けて強大な一撃が一斉に叩き込まれる。

 

『エクストリーム・ジハード!!』

 

自身の崩壊すら厭わぬ最高威力のフルパワー雷撃が、空間を震わす勢いで撃ち放たれる。

 

『ファイナル・エリシオンッ!!』

 

その雷撃に重ね合わせるように、一撃必殺のエネルギーの奔流が放たれる。

 

『シャイニング!Vフォォオォォスッ!!!』

 

アルフォースブイドラモンが、自身の全てを懸けて放つ唯一の光線攻撃。

 

『グレイソォオオォオオォオオォオードッ!!!』

 

そして、その間隙を縫って叩き込まれるオメガモンの至高の一撃。

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!』

 

そして絶え間なく放たれる、必殺のガルルキャノン。

 

【ゴギャァァアァアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!】

 

ロイヤルナイツ渾身の一撃が、バックアップも受けながらドギラゴンに叩き込まれた。

 

その咆哮は、断末魔。ロイヤルナイツ達の奮闘が、今まさに実を結ばんとした瞬間だった。

 

『やったぁ!!皆さん、凄いです〜っ!!』

 

『よし…!』

 

誰もが、勝利を確信した。

 

ドギラゴンの悪夢が祓われるを、待つのみであると。

 

【ゴォォォッ……!】

 

─────だが。

 

【ゴギャァァアァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!】

 

驚愕的な事に。

 

【ドギラゴンもまた、絆を力とする龍であった】。

 

『!!』

 

ドギラゴン逆が、猛烈なスピードで吸い上げるはカレーパン。

 

否。【カレーパンとなった宇宙の力】。

 

それらを瞬時に、臨界寸前まで吸い上げた。

 

『ッ─────!!』

 

ドゥフトモンは息を呑む。

 

極限ファイナル革命。

 

自身がファイナル革命を使っていなければ、自身は敗北せず場から離れない。

 

それを、無理矢理プレシャスパワーにて引き起こしたのだ。

 

そしてそれは───

 

臨界寸前のパワーによって、空間全てに放たれる。

 

禁断と尊重の反作用。

 

それらは全てを打ち砕き、破壊するに相応しい力を齎す。

 

 

それはつまり───

 

『ぁ───』

 

防御空間を破壊することに特化した、即ち。

 

───ユメを狙い撃ちにした、戦略破壊行動であり。

 

 

『『『『『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!』』』』』

 

【ゴギャァァアァアァァァァァァァァァァァァ!!!】

 

夢の全てを吹き飛ばす…

 

禁断の革命が、吹き荒れた。

 




ユメ「っ…あ…」

「はっ!?」

ユメは目を開け、辺りを見渡す。

そこには。

アルフォースブイドラモン『っ……う…』

デュークモン『…………………』

ドゥフトモン『ぐ、お…』

戦闘不能になった、ロイヤルナイツ。

そして…

マグナモン『良かった…無事でしたか、ユメちゃん…』
オメガモン『なんとか、間に合ったか…』

「!!」

ユメと、オシリスを庇い立てたマグナモン、オメガモン。

マグナモン『伊達に…禁断ではない、ということでしたか…』

オメガモン『っ…』

両腕が落ちるオメガモン。

デジメンタルのアーマーがひび割れるマグナモン。

ユメ「み──皆さんっ!!」

オシリスとユメは無傷であった。

【ゴギャァァアァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!】

…ロイヤルナイツの戦力全てと引き換えに。

禁断の烈しき切り札は…

絶望的な、声を上げた。
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