人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

282 / 296
レッド『…………!』

リザードン『グォアァアッ!!』

フシギバナ『バナッ!!』

カメックス『ガメエッ!!』 

カイリュー『キュウゥッ…!』

ピカチュウ『ピッカァアーッ!!』

キラナ『行くよ!テイルモン!』

テイルモン『はい!』

『テイルモン!超進化!!』

アダム「父よ、常に最適解のルートを示すぞ。アロナ、準備はいいな!」

アロナ『はい!セリカさんの保護はお任せください!』

アダム「では──作戦開始だ!」

レッド『──────!!』

そして、高々と手を掲げ。

ピカチュウを除く全てのポケモンが、メガシンカ…

絆により限界を超える!


禁断と悪夢を超え、真諦へと

【グォアァアァァァァァァァァァァァァッ!!】

 

悪夢にて、吠え猛るドギラゴン。心を有し、魂を有し、それ故に禁断に囚われてしまった彼を救う為に、皆が心の中にて最後の戦いに挑んでいく。

 

『アダム先生!今のドギラゴンさんは大きすぎるので、リテクスチャモデリングを行います!そうすれば皆が戦いやすいはずです!』

 

「可能なのか?」

 

『シッテムとアダム先生の脳を焼き切るくらいの負荷がかかっちゃいますが、アダム先生とアロナ、パパポポ様なら大丈夫です!』

 

『勿論だ。万物創造は本来私の十八番だからな』

 

それを聞き、躊躇わずにアダムは決行を指示した。宇宙そのもののドギラゴンでは、あまりにも分が悪すぎる。

 

「頼む!」『はい!』

 

アロナ、そしてシッテムの箱の奇跡の一端により、急激に世界のテクスチャーが塗り替えられていく。

 

【!!!】

 

ドギラゴンの心を蝕んでいた悪夢が、カレーパンの形を取り抜け出ていく。同時にそれらは、ドギラゴンの勢力の低下…即ち、弱体化に繋がっていく。

 

【……!!!】

 

みるみるうちに収縮し、超大型エネミークラスにまで収縮を果たしたドギラゴン。未だ巨大だが、カルデアの交戦経験に収まる範疇だ。

 

『エンジェウーモン!!』

『皆!私達がアルセウスさんとドギラゴンさんを繋げるよ!だからお願い!道を切り拓いて!』

 

キラナが叫び、エンジェウーモンがキラナを抱く。そう、ドギラゴン…即ちこの空間に、宇宙の生きる意志を満たすことが肝要なのだ。

『るなーん』

 

クレセリアの浄化がドギラゴンに届きさえすれば、一気にオセロの如く勢力をひっくり返せる。キラナは、己の戦いを果たさんとしているのだ。

 

【グゴァアァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!】

 

禁断の悪夢にとらわれたドギラゴンは、尚も吠え猛る。それでも尚、自らの無念を悔やむ慚愧の咆哮を巻き起こす。

 

「皆!来るぞ!!」

 

アダムの号令と同時、ドギラゴンは渾身の火炎を放つ。宇宙創生の劫火に等しい、灼熱の火炎。

 

「……!」

 

しかし、それらは皆を焼くことはない。

 

【グゴァアァァァァァァ!!】

『リュ〜!』

 

メガリザードンX、そしてメガカイリュー。だいもんじ、そしてはかいこうせんが拮抗し、打ち消したのだ。

 

『グォアァアァァァァァァッ!!』

 

そしてすぐさまメガリザードンはYへと変化。『にほんばれ』を使い、後続に繋げる。

 

『バァアァァァァァァァァァナッ!!』

 

高まった陽射しにて一瞬にてエネルギーを溜め込んだメガフシギバナが、ソーラービームを撃ち放つ。

 

【グゴァアァァァァァァァァァァァァ!!】

 

直撃を受け身じろぎするもすぐさま振り払い、第二射を撃ち放たんとするドギラゴンだが、異変に気付く。

 

【!?】

 

足下を、いや全身が即座に樹木が覆っていく。それらは尋常ではない速度で、ドギラゴンを拘束する呪縛となる。

 

『バァアァァァナッ!!』

 

ハードプラント。草タイプ最強の奥義が、ドギラゴンの身動きを止めていた。

 

『ガメエエェエエェエッ!!』

 

そしてすぐさま、メガカメックスがみずタイプ最強の技、『ハイドロカノン』を斉射する。それらは都市を洗い流すノアの大洪水が如く、ドギラゴンを吹き払い押し出していく。

 

【グォアァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!】

 

ハイドロカノンの水に反応し、更に更に強くハードプラントがドギラゴンを締め上げる。超成長による連鎖反応だ。

 

『ピカアッ!!ピカピカピカピカピカピカ────!!』

 

即座に、ピカチュウが宇宙を駆ける。メガシンカはせずとも、その練度は、レッドの手持ち随一だ。

 

【グォアァアァァァァァァァァァッ!!】

 

ドギラゴンが天変地異を起こし、無数の隕石を降らせ全てを押し潰さんとする。

 

『リュ〜!』

 

メガカイリューが即座にそれを『りゅうせいぐん』で迎撃。無数の隕石が破壊し、砕け落ちる。

 

『ピカピカピカピカピカピカピカピカピカァァァァァァ!!』

 

砕けた隕石を足場にし、まさにピカチュウが宇宙の稲妻の如き軌道でドギラゴンへと迫りゆき、そして──

 

『ピッッ、カァアァアッッッ!!!』

 

渾身の『ボルテッカー』が、ドギラゴンへと突き刺さった。

 

【グゴァアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!??】

 

メガシンカポケモン達、怒涛の連携に鍛え抜かれたピカチュウの一撃。それらはドギラゴンを蝕む悪夢、禁断の干渉を大幅に削り取る成果を上げる。

 

『相変わらずやるものです。流石は私が認めた最高のトレーナーのひとり』

 

『知己なのだな』

 

『ええ。無口なのが玉に瑕ですが』

 

シッテムの箱に『すごくえらいアルセウス』との名前でメッセージが届く。

 

『今の一撃で、勢力図が大いに塗り替えられました。善神の巫女よ、クレセリアと共に進むのです』

 

アルセウスの言葉に、エンジェウーモンとキラナ、クレセリアが突撃する。

 

『るなーん』

 

悪夢を、禁断の干渉を阻みながら、クレセリア達は確かにドギラゴンへと向かっていく。

 

『ドギラゴンの心を励起すれば、悪夢と禁断がシェアを占める各場所にも好転の兆しが訪れるでしょう。いえ、訪れさせます。私が責任をもって』

 

アルセウスの荘厳な声音に、キラナ達は身を引き締める。

 

『うん!必ず…あれっ!?』

 

【ゴギャァァアァアァァァァァァァァァ!!】

 

即座にドギラゴンから、黒きエネルギーが漏れ出て溢れ出る。

 

「どうやら反作用にて禁断の力を生み出す以上、ドギラゴン自体も取り返されては困るようだな」

 

そしてアダムの言葉の即座に、禁断の影は形作る。

 

『るなーん』

『これは…!!』

 

それは、七大魔王デジモン。その影にしてコピー品。

 

『そんな、デジタルワールドの最大勢力すらも再現するなんて…!』

 

エンジェウーモンは深刻なダメージを穿たれ、究極体のデータを喪失している身。キラナとクレセリアを護り戦うには、荷が重すぎる相手たち。

 

『くっ…!』

 

それでも、退くつもりはない。運命の子と、奇跡の星見達を失うわけにはいかないのだから。

 

せめて、身を引き換えにドギラゴンの下へと。そう決意したその時──

 

『エンジェウーモン!大丈夫!』

 

キラナの言葉に、エンジェウーモンは顔を上げる。

 

『私達は一人じゃないよ!』

 

その言葉とともに、七大魔王に無数の銃弾が浴びせられる。

 

【あらあら、よりによって一番ぶっ飛ばしたい面構えになってくれるなんて。サービス利いてるぅ♪】

 

エンジェウーモンの傍らに降り立つもの。

 

【ハロー♪猫の手ならぬベルの手は必要かしら?】

 

ベルスターモン。究極体たる彼女が救援に現れたのだ。

 

『…話は後にします!今はキラナとクレセリアを!』

【オーケーオーケー。アタシもあんまり身の上話はしたくないものね!】

 

即座にベルスターモンがレディーデビモンへと退化。二人の完全体が揃い、ある進化が可能となる。

 

『行くよ!!』

『エンジェウーモン!』【レディーデビモン!】

 

『ジョグレス進化!!】

 

高らかに叫び、デジヴァイスの輝きにて二人のデジモンが輝きの中で新生する。

 

『超特異点の利点ですね。悪因悪果様々集えど、必ずや突破口がある』

 

アルセウスの感慨と共に、究極体たる奇跡の存在が現れる。

 

『マスティモンッ!!】

 

異なる存在が手を合わせ重ねた時現れるとされる奇跡のデジモン、十二枚羽のマスティモンが降臨する。

 

『キラナ!ここは私が引き受けます。クレセリアとドギラゴンに!】

 

『大丈夫だよね、マスティモン!』

 

『当たり前よ。私達を信じなさい!】  

 

【【【【【【【!!】】】】】】】

 

七大魔王のコピーが、マスティモンを消去せんと迫りゆく。

 

『引率はお任せするわ!アダム先生!】

 

「引き受けた!」

 

即座にキラナに寄り添い、ドギラゴンの求めがけキラナ達を保護する。

 

「皆なら討ち果たされる事はない。我々を果たすべきを果たすのだ。キラナ」

『はい!』

 

そして一気に加速し、メガシンカポケモン達に交戦するドギラゴンに肉薄する。

 

『間もなくです。クレセリア。彼の深層心理の本質へと』

『るなーん』

 

『キラナ。ドギラゴンに触れてこう唱えなさい。『超克せよ、時空の運命を』と』

『!』

 

『彼の心を目覚めさせ、使命を思い出させるのです。そうすれば──』

 

『うわわわ、アダム先生───!!』

 

その時、なりふり構わぬドギラゴン…禁断が最後の手段に出た。

 

【グォアァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!】

 

なんと巨大な口を空け、キラナらを諸共に飲み込まんとしたのだ。

 

『アダム!!』

「無論だ──!」

 

上顎と下顎が締まり、完全に飲み込みしその瞬間。

 

「ぬぅう…っ!!」

『あ、アダム先生!?』

 

巨大な顎を、自らの手のみで抑え閉まらぬようにこじ開けるアダム。山を動かし、地震のプレートの歪を直す訓練によるEDENの賜物たる腕力であった。

 

「今だ!キラナ、アルセウス!クレセリア!」

 

【!!】

 

功を焦ったのだ。

 

今、ドギラゴンはキラナ達に触れている。

 

『その通り。さぁ、キラナ』

 

『はいっ!!』

 

キラナは頷き、ドギラゴンの口の中で祈る。

 

『超克せよ、時空の運命を───!!』

 

キラナの言葉に、クレセリアが反応する。

 

『るなーん!』

 

キラナの想いは、クレセリアにより増幅し…

 

【ゴギャァァアァアァァァァァァ!!】

 

悪夢を、満たしていった。

 




キラナ『ぁ…』

気が付くと、そこは土砂降りの大樹と草原。

『ちくしょう…ちくしょう…!ちくしょぉーーーっ!!』

アダム「あれが…」

その中で、無念に涙し吠え猛る小さな竜。

キラナ『──うん』

ドギラゴン。

絶望に叫ぶ、宇宙の竜そのものであった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。