人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜 作:札切 龍哦
「おは………」
「………ん、うん!」
リッカ「皆!おはよう!」
〜
リッカ「グドーシ、おは……」
「………………」
「………………誰も、いないんだった……」
〜
アダム「おはよう、リッカ」
グドーシ「さぁさぁ、サバフェスが始まりますぞ」
リッカ「〜〜〜〜〜」
「うんっ!!…ん?」
『赤い矢』
グドーシ「おや、それは?」
リッカ「ん、あぁ、ちょっとね!」
(……いつの間に…?)
「おぉおぉぉ〜〜〜!あの特徴的な有明建造物はまさしくだ〜〜!!」
リッカ達が起き抜けに、特注サバフェスゾーンにて垣間見たもの。青空、白い雲。其処に現れし建造物。
「まさにコミックマーケットの開催場にて聖地。性なる場所にてござるな、リッカ殿」
何度も参加し、賑わった灼熱の祭典。コミックマーケット開催地幕張メッセにそっくりな建物から、開催の風船が湧き立つ。
『みなさーん!ハワイの祭典、サバフェスへようこそー!会場アナウンスはこの私!人類の友にしてハワイの管理者BBちゃんがお送りいたしまーす!ヒューウ、パチパチー!』
賑やかな放送と共に心浮き立つ活気が満ちる会場。朝のハワイの本番をBBが告げる。
『サバフェス、サーヴァント・フェスティバルとは、一年に一度開催されるサーヴァントの皆さんが巻き起こす夏の祭典!コミックマーケットといえば伝わる戦士の皆さんもピンとこない方も、BBちゃんが手取り足取り教えちゃいます♪』
「懐かしいですなぁ。クソ暑い中並ぶ列待機の日々…」
「ガチで戦場だったもんね!でもこの会場、凄く人が多いのに歩けるスペースがありありだね?」
『それはもちろん!ハワイは貸し切り、会場はオールフリー!多く見繕って参加者五百人に対し会場は数万定員!大は小を兼ねるがコンセプトなので、混雑やコミケ雲とは無縁です♪』
成る程ぉ、とグドーシとリッカは顔を見合わせる。思い出すはコミックマーケット参加の日々。
殺人的な紫外線。
右を見ても左を見ても人の波。
数時間待たされ、入った先でまた長蛇の列。
前に行こうにも人に流され行くべきでない場所に。
薄い本を、限定グッズを手にする為の戦いの日々。
「拙者太ってたから益々大変でしたなぁ!」
「力尽きて倒れたりねー!」
『むむ、BBちゃんのありがたーいお話はちゃんと聞いてくださーい!いいですか?猛者の方には馴染みがあるかもしれませんが、大きく分けてサバフェスは三つのエリアに分かれています!』
三つのエリア。企業ブースや一般ブースの振り分け。其処にサバフェスの本懐はある。
『東ブースに当たる場所は『サーヴァントエリア』!沢山のサーヴァントの皆さんがサークルとして参加し、この日のために命を削って脱稿、或いは制作した作品が物販扱いで取り揃えられています!英霊が作り出したものが普通であるはずがなく!ぜひとも参加してみてくださいねー!』
「やっぱあるよね即売会だもんね!メイヴもこっちなのかなぁ」
『そして対する西ブース!こちらはなんと『コラボレーションエリア』!本来私達と交わる筈の無かった方々がこぞって腕を振るい、参加して下さった力作の数々がこちらに取り揃えられています!夏草の方にも協力を受け、プラモデルバトル筐体や最高最善の王様の玉座撮影ブースまで!やーん、気になりますー!』
「オーマジオウ殿や榊原先生もノリノリとは。祭りに相応しいでござるなぁ」
『そしてコミックマー…こほん、サバフェスといえば『コスプレブース』!憧れのキャラに大変身が醍醐味ですがサバフェスは一味違いますよー?なんと!ギル君が監修した『クラスカード・コスプレエリア』となっているんです』
「クラスカード」
「コスプレエリア…?」
『どういう事かと言いますと……あ、来てからのお楽しみ?ちぇー、そうですかそうですか。残念ですがギルガメッシュさんは大切なスポンサーなので、威光に逆らわない賢いBBちゃんなのでした♪』
やはり資本主義は強い。ギル君の一声に引き下がったBBちゃんは更に説明の角度を切り替える。
『このサバフェスはバカンス終了日まで続き、最終的に一番輝き売上と支持を得たサークルが今年のNo.1サバフェスチャンピオンに選ばれます。その選ばれた方には健闘と栄誉を称え〜!』
じゃん、とBBは高々にそれを掲げる。
『霊基強化用聖杯をレア度に見合った分プレゼントしちゃいまーす!聖杯強化はグランドクラスの第一歩!クラスの頂点に至るため、絶対に見逃せませんね!』
「成る程、これは確かにサバフェスに相応しい栄光ですな」
「特異点作るのじゃなくてよかったぁ…」
『殿堂入り兼辞退された『TYPE-MOON・ROYALS』の後を継ぐ2代目のチャンピオンの栄冠は誰の手に!?皆さん?欲望と熱量を叩きつけながら、じゃんじゃん散財し経済を回してくださいね♪私は管理AIとして、そんな皆さんの右往左往七転八倒を心からサポートしちゃいまーす♪これから数日間、ぜひともよろしくお願いしますね♪』
そして、高らかに花火が巻き起こる。それは祭典、始まりの合図。
『それでは!ただいまからサバフェス、開始でーす!素敵な夏の思い出を、あなたたちに!勝者の表彰台に立つのはどのサークルか!またお会いしましょーう!』
沸き起こる歓声。それにより実感する、真の祭りの始まり。
「コミックマーケットと似ているところはあれど、どうやらあちらほど過酷ではなく気楽な祭りの催し。とあれば…」
「うん!思いっきり楽しんで、最高の思い出を作っていくしかないよね!」
見れば様々なサーヴァントが現地入りし、そしてサークルの展開を行っている。
見通しも良く、心地よい風も吹いている。
そして隣には、今生では会えぬと思っていた大切な親友。
「さぁ、参りましょうぞリッカ殿」
グドーシが柔らかに、手を差し出す。
「これからは、楽しいばかりの時間。苦のなき素晴らしき一時始まりです!」
「うんっ!」
リッカは頷き、グドーシの手を握り返す。
「カーマも何か出したりしてるのかなぁ〜?」
「ふふ、実はサークルの場所は教えてもらっておりますれば」
「えっ!?ホントに!?」
「必ず顔を出してあげましょう。コミックマーケットと違い、ごった返しもしておりませぬ故気楽に気楽に、ですな」
「うんうん!マイペースで会場を歩ける日が来るなんて思わなかったなぁ〜!」
「ふふ、まさしく。拙者はどこにいても嫌がられました故、新鮮ですなぁ」
「あの時は太かったし、大きかったし、臭かったもんね〜!」
手を繋ぎながら、二人はサバフェスの喧騒へ歩み出す。
かつてしていた一時、もう出来ないと諦めていた一時。
それが今、リッカの手に繋ぎ叶っている。
「えっへへへ…」
「おやおや、最早辛抱たまりませんかな?」
「うんっ!さぁ行こ!まずはサーヴァントエリアだよ!」
彼女の笑顔は、昇る日よりも眩く。
突き抜ける空よりも明るく、爽やかなものであった。
ニャル【という事があったのだが】
バアル『我々の軍勢においては、皆サバフェススタッフにボランティアで参加している。その際、夜において点呼抜けがあったのは事実だ』
ニャル【つまり、洗脳と?】
バアル『いや、本人達は朝方帰ってきていたのだ。自覚は存在していなかったが…白昼夢からの夢遊病の如くだ』
『そして、先に確保された聖痕を刻まれた個体…それらは、全くパーソナリティが同じだったのだ』
ニャル【クローニングか…。しかし何故そんな回りくどい真似を…】
バアル『わからん。だが…』
『我等はカルデアと同盟を組んでいる。そんな者達に仮にも悪魔を冠し混乱を招かんとした』
ニャル【!】
バアル『そちらの仕事、手伝おう』
『というより…ルシファー様の名誉を毀損した者への怒りと、汚名を雪がんと気炎を吐くものがいる』
ニャル【それって…】
バアル『あぁ。』
『────アスモデウス。並びに悪魔の軍勢が夜間警備に加わろう』