人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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西ブース

リッカ「ここが西ブースかぁ〜…!」

グドーシ「どうやらここは人理とは異なる方々、つまりコラボレーションした皆様が力を入れているブースのようですなリッカ殿」

リッカ「うん!あ!見てみて!」

『ウルトラウーマンフィリアバルーン』

リッカ「フィリアがいる〜〜!」

グドーシ「これは素晴らしい守護者ですなぁ。おや」

『セイレムゴジラ写真』

リッカ「あ!ゴジラのやつだー!」

グドーシ「これは美しい。素晴らしい1枚ですなリッカ殿」

リッカ「うん!ワクワクしてきた…!色々行ってみようよグドーシ!」

グドーシ「えぇ、勿論にてございますなぁ」


最高最善の玉座撮影ブース

【む、やって来たか。よくぞ来た、今を駆け抜ける若人達よ】

 

西ブース。Fateとは少し違う来歴を持つ者たちが、その特異性を活かして出展した不思議かつ愉快で素敵なブース。

 

リッカとグドーシが歩み、最初に顔を出したのは【逢魔ブース】と記された場所。そこには平成を背負いしかつての墓守、オーマジオウこと常磐ソウゴとその臣下たるウォズが待っていた。

 

「ソウゴお爺ちゃんだ!おはようございまーす!」

 

「リッカ君、それにグドーシ君。よくぞ来てくれたね。我々仮面ライダー、逢魔ブースへようこそ」

 

「逢魔ブース……成る程。平成の生き字引ことオーマジオウ殿が出展なさったのは…」

 

グドーシが見やる場所にあったそれは、まさに『玉座』。

 

黄金に輝く煌びやかな意匠の、圧倒的なまでの威圧感を放つ玉座が、厳かに示されていた。

 

【我々もこの催しにて、何かしてやれる事はないかと思い至り…しかし私の持っているものはこの玉座しか無いと至ってな】

 

(そんな事無いと思うけどなぁ!?)

 

【という訳で、私はこの玉座を一般開放する事にした。写真撮影にて、己だけの王座を永遠のものとするがよい】

 

「成る程。流石は最高最善の魔王殿。太っ腹さが群を抜いておりますなぁ」

 

最高最善の魔王のみが到れる王座にして玉座。それを、イベントとはいえ腰掛けあまつさえ写真撮影すらも可能とする。

 

その本気度合いには流石のグドーシも感服ざるを得ない。王ならではの感覚が飛んだ催しなれど、彼は魔王として本気であった。

 

【とは言ったものの、気後れしているのか始まった直後故か…中々座ろうとするものがいなくてな】

 

(そりゃそうだよね畏れ多いよねという顔)

 

【せっかく訪れたのだ。是非とも座ってみるがよい。写真撮影のみ料金が発生する】

「売り上げは全て、運営に寄付すると我が魔王は仰せだ」

 

「そっかぁ!じゃあ早速私が座ってみようかな…!」

 

ごくり、とリッカが最高最善の魔王の玉座に相対する。

 

「おぉお…」

 

黄金の、選ばれし王者のみが座ることを許される玉座。それが今目の前にある。

 

絶対的な威厳と威風、風格をその場にあるだけで醸し出し、資格なきものは決して触れず平伏すのみのその座が、リッカを真正面から見据える。

 

「ごくり…」

 

催しとは思えぬその重圧。その圧倒的プレッシャーを感じながら一歩一歩進み近づいていく。

 

ギルガメッシュら王のみが座れるその珠玉の玉座に近づき、そして…そっと腰掛ける。

 

「おおぉ……!」

 

その威厳に反し、ふわりと柔らかく身体が沈み込むような座り心地。

 

そこに座しただけで、天地森羅万象を掌握したかのような全能感。

 

平成を始めとした時代の全てを手中にしたかのような、圧倒的なまでの高揚感。

 

それらが全て一気にリッカを満たし、その眼差しをキラキラと輝かせる。

 

「これが…!王様の見る景色…!」

 

そこはサバフェスのブースでありながら、リッカの目には遥か天空からの景色に見えるほどの透徹した視点を齎す。

 

王のみが見られる素晴らしくも誇り高き景色。これを垣間見えるものは人間において歴史においても一握り。

 

それを今、リッカは体感していた。いくら成長しようと、彼女の心は驕りや自惚れとは無縁だ。

 

絶対王者の景色に、あくまで等身大の一般人としてただただ圧倒されるばかりであった。

 

「祝え!!!」

 

「!」

 

その時、玉座において傍に侍っていたウォズが高らかに声を上げる。

 

「時空を超え、人理を救うため過去と未来を奔走する救世のマスター!その名も藤丸龍華!まさに戴冠の瞬間である!!」

 

「おぉ〜〜〜〜!!」

 

まさかの高らかなウォズの祝辞コール。徹底的なファンサービスにリッカのテンションは頂点へと達する。

 

「徹底しておりますなぁ、オーマジオウ殿」

 

【私と言えば、ウォズの祝辞。ヤツに頼んだところ二つ返事であった。フフ、よき忠臣を持ったものだ】

 

「写真撮影も勿論承っている。さぁ、五代雄介のような素晴らしい笑顔を見せておくれ」

 

「うん!サムズアップも一緒に付けさせてね!」

 

そのままリッカは写真を撮り、ほくほくとした様子でグドーシの下へと戻る。

 

「見てみてー!王様になっちゃった私ー!」

「おやおや、意外にも座り方が可愛らしいですなぁリッカ殿」

 

「さ、流石にまだまだ気後れしちゃったの!だって玉座!ソウゴお爺ちゃんの玉座だよ!?」

 

【フハハハハハ……。うたうやディーヴァにアイデアを募った甲斐があったというものだ】

 

「発案あの二人なんだ!?」

 

「私は畏れ多いと思いはしたのだがね。我が魔王の寛大さは我らの想像の遥か上だったという事さ」

 

うたうちゃんらもまた仮面ライダー。となればここは、仮面ライダーブースの極致たる場所と言っていい場所であろう。

 

【そして当然物販も取り揃えている。夏草のショップサバフェス出張店舗だ】

 

そこには仮面ライダー各種グッズが取り揃えられており、大人向け玩具を含めたライダーグッズが各自完璧に取り揃えられていた。

 

「CSМアークルとかもあるー!!」

「これはこれは…本当に子供の笑顔を護る素敵な出店でございますな御二方」

 

【ヒーローへの愛や想いは、まさに時空と世代を越えて受け継がれる。私が平成という概念を護り、次なる代へと語り継いだように】

 

「この出展を経て、人理に少しでも仮面ライダーの豊潤な歴史を知ってもらえたならと我々は考えているよ」

 

【浮世英寿の考案した、願いを聞き届ける絵馬飾りや御神体も取り揃えている。良ければそちらも、巡って見るが良い】

 

「わぁーい!お爺ちゃん太っ腹ー!!」

 

ライダーファンには至れり尽くせりなその様子に、リッカは心からの笑顔と感動を浮かべる。

 

【フフ…どうやらこの催しは大成功だったようだな】

 

「はい。本当にありがとうございます、我等が魔王…仮面ライダーオーマジオウ殿」

 

仮面ライダー。そう呼ばれ、少年の姿を取ったソウゴは笑みを浮かべる。

 

【礼には及ばぬ。いや…礼を言わねばならぬはこちらのほうだ】

 

「おや、と申されますと?」

 

【この墓守にして老骨を、仮面ライダーとまた呼んだ。最低最悪の魔王と呼ばれたこの私を、今もお前たちは慕ってくれている。それが、どんなにも…】

 

どんなにも嬉しく、喜ばしい事か。オーマジオウ……

 

否、常磐ソウゴは静かにその胸中を語る。

 

「……我等にとって、仮面ライダーとは永遠のヒーローです」

 

そしてグドーシもまた、その想いを尊び労る。

 

「人類の自由と平和を護る仮面の誇り高き戦士。その誇り高き在り方に敬意を示す事に、なんの躊躇いがありましょうか」

 

彼は知っている。

 

かつてリッカと共にあった時、彼女の心に正しい道徳観や義勇の心を理解するために選んだ教材。

 

その一つがまさに『仮面ライダー』たち。

 

「あくまでこれは、我々一般市民としてのお言葉でございます。どうか受け取ってくださるよう」

 

グドーシはソウゴとウォズに、恭しく頭を下げる。

 

「いつも我々無辜なる民を守るために戦ってくださり、感謝と光栄の至にてございます。仮面ライダーオーマジオウ殿、仮面ライダーウォズ殿」

 

【──────】

 

「どうかこれからも応援させてくださいませ。貴方様方の孤高にして誇り高き戦い。仮面ライダー達の栄光の道筋を」

 

護るべき民たちからの応援と声援は、ヒーローを誰よりも強くする。

 

【───無論だとも。仮面ライダーは日夜、戦い続けるであろう】

 

そして恐らく、仮面ライダーやヒーローにとって最も喜ばしい贈り物とは。

 

【健やかにあるがよい。我等仮面ライダーは、お前達の自由と平和を護り続ける。それこそが…】

 

「えぇ、我が魔王」

 

【それこそが。我等の使命であり…喜びであるのだから】

 

守り抜いた民たちが平和を享受し、笑顔を浮かべること。

 

そう、ソウゴは確信するのであった。

 




リッカ「ばいばーい!二人ともー!!」

グドーシ(一礼)

ソウゴ【うむ……】

英寿「大好評みたいじゃないか、爺さん」

ソウゴ【うむ】

英寿「………泣いてるのか?」

ソウゴ【……此度は、めでたい祭りの日だ】

【涙の一つ、許されよう】

英寿「……そうだな」

「大切なもの、受け取れて良かったな。爺さん」

【────うむ】
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