人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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テリアモン助手「コンバッチグー!デジモンブースエリアにようこそ!ボクはテリアモン助手!テリ助って呼んでね!」


クトゥーラ『デジモン…ポケモンとは、違うのだな』

テリアモン「いやもうホントにポケモンさんとは二大モンスターコンテンツというかあちらが強すぎると言うか…モニョモニョ…」

ナイア「デジタルモンスターと呼ばれる、電子生命体の事を言うのですよ。クトゥーラさん」

テリアモン「まだまだカルデアさんにいるデジモンは少ないけど、布教も兼ねて色々資料やアトラクションも用意したよ!楽しんでね〜!」

ナイア「デジモンの生態はポケモンとも大きく異なるのです。さぁ、行ってみましょう!クトゥーラ!」

クトゥーラ『う、うむ…!』


新しい自分に出会いに行くための

デジモンブースエリア。カルデアとは別世界からこの催しへと参加しているデジモン達が思い思いに過ごしている場所。そこにナイアとクトゥーラは脚を運んでいた。

 

「ポケモンブースエリアも多彩だったが…このデジモンとやらはさらにその上を行く多彩ぶりだな…」

 

様々な種類、種族、姿形を変えたデジモン達。人形、ぬいぐるみ、四足歩行、二足歩行、怪獣、竜人、機械といったテーマのデジモン達は、見るだけでクトゥーラを感嘆、圧倒させている。

 

「お父さんも言っていたんです。デジモンはポケモンとは別方向で刺激やインスピレーションが大きい種族であり、幼年期、成長期、成熟期、完全体や究極体といった進化がデジモン一人一人にあるのだとか」

 

『おぉ…。それはまさに電子であれれっきとした生命体、なのだな…』

 

クトゥーラの反応はまさに未知に触れたもの、未知を見た少女そのもの。空や路上を埋めるデジモンが全て初見ならば無理からぬ話ではあるが。

 

『私は父に、次代の統治者とならんが為に教育と手ほどきを受けてきた。それはつまり、デジタルモンスターやポケットモンスター達も統治、支配するという事に他ならない』

 

「そうでしょうか…?」

 

『そこには、愚かな生命体を正しく、力強く導くという大義名分があった。だが…』

 

自身の目で見ているモンスターはあまりに多様。電子にも、物質にも、これ程の多様で多彩な生命体がいる。

 

『これほどの多様を、果たして一人の裁量で正しく導く事など可能なのであろうか?こうして、一人の友を見出すことすら難しかったというに…』

 

「クトゥーラさん…」

 

『あ、あぁいやすまん。これはあくまで感じた所感であり弱音などではない!ただ、そう思い感じた事が口から出ただけなのだ』

 

気にするな。そう言うクトゥーラに、ナイアはふむと思案する。

 

「クトゥーラさん、そのお悩みは…」

 

彼女に声をかけようとした、その時だった。

 

【はーい、そこの可愛い娘さん方?今ちょっと面白いイベントやるつもりなんだけど、見ていかない?】

 

2人に、とあるデジモンが声をかける。それは、小さい悪魔のような見た目をしたデジモン…インプモンだ。

 

『お、面白いイベントだと?藪から棒だな…』

 

【ランダムエンカウントなんて基本物騒だけど、アタシのは別。デジモンのナマ進化ショー…どう?】

 

「な、ナマ進化ショー!?デジモン進化の瞬間を見れるのは貴重です!是非、是非見に行きましょう!」

 

反転してハイテンションとなるナイアに圧され、クトゥーラは頷く。

 

『よ、よく分からんから任せよう。ナマ進化、見せてくれ』

 

【はーい。それじゃあごあんなーい♪】

 

インプモンは蠱惑的な笑みを浮かべ、二人を自身のブースへと招くのであった。

 

 

【じゃあ、お二人様限定!インプモンちゃんのナマ進化ショー!張り切っていきましょっか!】

 

ナイアとクトゥーラは、デジモンブースの一角たる場所へと招かれインプモンとステージを隔て向かい合っていた。今から始まるは、インプモンのショータイム。

 

【デジモン…デジタルモンスターには色々進化があるのは知ってる?ポケモンと響きは同じだけど、あっちより細かくて変化先も節操が無いのよねー。生物学とデータの違い?みたいな?】

 

『??』

 

【ま、見せた方が早いわね。驚くわよ〜?】

 

そして、インプモンがふわりと浮かび上がり光を放つ。

 

【インプモン!進化───!】

 

瞬間、インプモンの小さい悪魔のような身体から、一瞬で魔女のような姿のデジモンへと変化…いや、進化する。

 

 

『おぉ、おぉ…!?』

 

【はい、ウィッチモン!これが成熟期っていう進化先よ】

 

ウィッチモンって呼んでね♪インプモンだったその存在の、まさに面影すらない進化に目が白黒するクトゥーラ。

 

『ど、どういう事か!?インプモンの面影がどこにも無いではないか!』

 

【ポケモンさんたちとの進化の違いはそこよねー。もういきなりぐわっと変わるんだから。いい反応ありがとー♪】

 

これは気合入っちゃうわねー♪ウィッチモンは楽しげに、再び宙へと舞う。

 

【成熟期の先の完全体ってやつが、大抵のデジモンの打ち止め先。ここまで来れるのはまぁまぁ強いデジモンだけ。じゃあ今から見せてあげるわね】

 

光り輝き、進化を始めるウィッチモン。先程よりも更に強い輝きに、クトゥーラとナイアは目を覆わねばならないほどだ。

 

【ウィッチモン!超進化───!!】

 

ウィッチモンの魔女然とした姿から、更に変化…否、進化する。

 

むしろ進化前先のインプモンの系譜のような、黒い刺激的なスーツを纏ったかのような女性型。ギラつく赤い眼と白い肌、黒い衣装の完全体…堕天使型デジモン。

 

【レディーデビモン!!はい、これがアタシの完全体。特別に大出血サービスよ♪】

 

だが、その性格は一貫してインプモンの蠱惑的な物言いである。それはつまり、ずっと彼女が姿を変えた同一人物である事を示しているのだ。

 

「こ、こんなにも変化がおきるものか!最早別人めいているではないか!」

 

【デジモンの進化はそーいうのものなのよ、クトゥーラちゃん。まぁでも…それはあなたやナイアちゃんにも通ずる事かもじゃない?】

 

レディーデビモンは、二人を指して言葉を送る。

 

【あなたたち神や人は、そりゃポケモンさんやデジモンみたいに姿はぐんと変わったりはしないかもだけど…その分、心や精神、取り巻く環境を変えられるでしょ?】

 

『!』

 

【片や、お父さんの後を継ぐ箱入り娘。片や、お父さんの愛をたっぷり受けた狩人さん。そんな二人が今友達としてここにいる。それも、アタシたちの言う進化の賜物だとアタシは思うわよ?】

 

『進化の…』

「賜物…」

 

二人の言葉に、レディーデビモンは頷く。

 

【今の自分に閉塞感を感じたり、迷ったり悩んだ時は…勇気を心に宿して思いっきり変わってみなさい。今の自分を越えて、新しい自分に出会いに行くの。それが、あなたたち人の進化ってやつよ】

 

ちゃんとできるでしょ?あなたたちならさ。悪魔や堕天使に似使わない気遣いと優しさが、ナイアとクトゥーラに向けられる。

 

『私は…父の教えを受け、そして父も知らない自分に進化できるという事か!?』

 

【うん、できるできる!】

 

「私も全世界の人達とお友達の輪を広げることができるでしょうか!」

 

【う、うん!できるできる!いつかはわからないけど!】

 

『そうか…!私というインプモンが、完全体のレディーデビモンになる日がきっと来ると!そういうことなのだな…!』

 

【ま、まぁ?別に進化先は今見せたのだけじゃないからどうなりたいかはあなたたち次第よ。下手したら変な方に進化したりするかもだけど…】

 

それもまた進化の道。デジモンの進化に闇黒はあれど、過ちの進化はないように。

 

【二人も素敵な進化をしてちょうだいね。レディーデビモンとの約束よ♪】

 

「はい!」

『うむ!』

 

二人はレディーデビモンから学びを得た。今より立派な自分に、更に素晴らしい自分に進化をすれば道は開けると。

 

『ナイア!私はデジモンに大層興味が出てきた!先程のテリアモン助手とやらに話をもっと聞いてみよう!』

「はいっ!ではレディーデビモンさん、素敵な進化をありがとうございました!」

 

【はいはーい♪また何処かで会いましょうね〜♪】

 

二人は手を引き合いながら、イベント会場を後とする二人。

 

【…邪神の娘たち。あの神の目の敵の弱点になりうる者たち、か】

 

レディーデビモンは静かに二人の背中を見つめ…

 

【一先ず前向きになってもらわなくちゃね。…今回の敵は、平気で狙ってくるだろうし】

 

安心したように、息を吐くのであった。




ニャル【ありがとう、レディーデビモン。いや…】

レディーデビモン【ホント、過保護と言うかなんというか…】

そしてレディーデビモンはもう一段階進化する。

ベルスターモン【ま、アタシを置いてくれるカルデアへのアフターサービスくらいは喜んでやらせていただくわ。間違いなく…】

ニャル【…】

ベルスターモン【あの二人、敵が増えちゃうだろうしね】

究極進化。

究極体たるベルスターモンが、憂いの目線を二人の娘に投げかけるのであった。
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