人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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キラナ『おー!』

もんざえモン『また来てねー』
ピノッキモン『またねー!』

キラナ『たーのしー!』
セーヴァー【はしゃいじゃってまぁ…まぁ】

アジーカ【すげぇ】
ムゲンドラモン【そうだろぉ?】

セーヴァー【こっちも人の事ぁ、言えねぇか】

キラナ『デジモンもポケモンもだいすき!…ん?』

?『…見つけた。貴方様を探していました』

キラナ『あなたは?デジモン?』

?『はい。私は…テイルモン』

『テイルモン委員長とお呼びください。善なる選ばれしものよ』

キラナ『選ばれしもの???』

『こちらへ。仔細をご説明致します。選ばれしあなた』

キラナ『あ、セーヴァーにも…』

テイルモン『今は、内緒なお話として』

キラナ『う、うん』

セーヴァー【ん〜?】

(…なんだあいつ?)


善なる押し掛け猫

デジモンブースを、アジーカやセーヴァーと共に楽しんでいたキラナ。そんな最中、彼女はとあるデジモンに手を引かれ、デジモンカフェへと足を運ぶ。

 

『不躾なご招待、ご容赦ください。あなたの大切な友人と、私達は相性が悪くて…』

 

テイルモン。二足歩行の猫のようなデジモン…ホイッスルを提げた自称委員長が、キラナにお茶を用意しながら語りかける。

 

『カルデアの皆様の中にて、善神アフラ・マズダに選ばれし御方…キラナ・シャーンティ。こうして出会え、喜びと光栄の至りです』

 

成長期と見紛う姿でありながら、その風格と気品は見た目の愛くるしさと相反して極まっている。優雅なる振る舞いは、見るものを放心させんほどだ。

 

『テイルモン!委員長!私知ってる!』

 

『ふふっ、別個体はデジモンには珍しくありませんから。…そのような貴方様に、我等の願いを知っていただく前に…』

 

デジモンの住むデジタルワールドの勢力図、その動向をお伝えしたいと。テイルモンはキラナへと呼びかける。

 

『勢力図?』

 

『はい。今、平行世界や多次元における諍い、そして悪意に満ちた光…それらもまた、デジタルワールドに現れました』

 

彼女が言うに、デジタルワールドの神の領域『カーネル』を通じて、突如神の如き声が現れたのだという。

 

『隷属せよ、平伏せよ。汝らの崇める光は我である。汝らの有する愛は我である。…そういった類いの、しかし光に間違いなき神託が』

 

『それって…』

 

『はい。貴方たちカルデアが戦う『神』を騙る何者か…私はそう判断致しました』

 

テイルモンは、憂いを帯びた息を吐く。

 

『イリアス、イグドラシル、シャンバラ。大まかに分けられた三つのデジタルワールドに、同時に侵攻が起きたのもこの神託を受けての事です。この『神』たる何者かの声は、その神威にて数多の天使デジモンを支配下においてしまい…各種ワールドの主要戦力に戦いを仕掛けてしまったのです』

 

『そーなの!?今、ここにいるみんなは大丈夫なの!?』

 

『はい。オリンポス十二神、ロイヤルナイツ、天帝八部衆…各ワールドの最高戦力たちが個別に迎撃、なんとか戦火を広げずこれを退けました。しかし…』

 

天使デジモン達のデータは完全に掌握され、次の侵攻は恐らくデジタルワールド全域に及ぶものとされる。

 

『我が同胞、パタモンとロップモンはかの神にデータを掌握され、神の忠実な下僕と成り果ててしまいました。私は、二人が最後の意志で逃がしてくれたのです』

 

『そんな…』

 

『悲しんでくださるのですか?ありがとうございます。しかし、我等の顛末は問題ではありません。成すべきは偽りの神からデジタルワールドを護ること。それは私とパタモン、ロップモンが導き出した結論であり…』

 

その為に、カルデアへと協力する事だと。テイルモンとその仲間

達は決断したのだと言う。

 

『私は二人分のデータを託され、この地に力を保ったまま現れる事が出来ました。今なお、あの神たる何者かから同胞、並びにデジタルワールドの全てを護るために。キラナ様』

 

『!』

 

『どうか私をお使いください。善なる神アフラ・マズダに魅入られし者。善なる選ばれし子よ』

 

テイルモンは深々と、頭を下げる。キラナの年齢は一桁ギリギリ程度の年齢だ。子供、というに差し支えない。

 

『デジタルワールドの主要戦力は、それぞれのアプローチで神たるものに対抗しようとしています。例えば…』

 

デジタルワールド、イリアスに所属する『オリンポス十二神』は、自身らの拠点たるイリアスにて偽神を打ち払わんと意気と力を蓄えており。

 

デジタルワールド、イグドラシルに所属する『ロイヤルナイツ』はカルデアに協力しようとする派閥、カルデアの来歴を警戒し静観している派閥、カルデアこそが元凶と排除せんとする派閥に分裂中。

 

デジタルワールド、シャンバラに所属する『天帝八部衆』は事態を静観。デジタルワールドが立ち行かなくなった場合に、全てを破壊しリセットする事を狙っているとも。

 

 

『そして、懸念すべきはデジタルワールドの深淵に潜む【七大魔王】は、既にカルデアに何かしらの手を打っているとも言われています』

 

七大魔王。デジタルワールドにおける強大な七体の魔王デジモン。それらは、自身らの天敵だとテイルモンは言ってのける。

 

『偽りなる神の手に堕ちた我が同胞、セラフィモンとケルビモンの意志は、『カルデアの人々の善を信じよ』『きっと力を貸してくれる』。…私が受け取った、最後の意志でした』

 

『……』

 

『私はかつて、オファニモンと呼ばれる熾天使型デジモンでした。今は、その姿に戻る力は残されていません』

 

そして、テイルモンが進化の光を放ち進化する。

 

『エンジェウーモン。完全体迄の姿しか取れず、また本領とも言えない。それでも、私は護りたいのです』

 

大天使たるエンジェウーモンに進化し、キラナの傍にそっと膝を折る。

 

世界と、そこに生きる命。

 

全世界の命運を背負い戦うカルデアの人々達を。その為に、同胞達の力を受けこの平和な世界…命運を握る戦いに挑む為の力となる為に。

 

『藤丸龍華のお力になれればよかったのですが、その…私たちはあまりにも対極な属性すぎて、彼女の不敬を買わないか心配で…』

 

『なんで?リッカ、エンジェウーモンは最高だって言ってたよ?』

 

『えっ、ホント…?こほん。で、でしたらその、私を紹介していただきたく思います。そして今は、アフラ・マズダ様が選ばれし貴女のお側に』

 

善神アフラ・マズダ。リアルワールドにおいての善神を調べたエンジェウーモンは、キラナの来歴も知っている。

 

『貴女の第二の人生に、私をお伴にさせていただきたいのです。デジタルワールド、並びに人間たちの世界を護るために…あなたのパートナーにしていただけますでしょうか?』

 

カルデアの為に、そしてアフラ・マズダを知った際に把握した彼女の為に。

 

彼女は何のためらいもなく、その身をカルデアに捧げると誓った。

 

それは、彼女がカルデアの人々を信じようと願ったが故の行動。

 

『私、実はデータバンクでカルデアの皆様の旅路を拝見したのです』

 

『どうだった!?』

 

『はい、とても…素敵な旅路でした。…ほんとは、いけないことなのですが…』

 

自分自身も…

 

いや。同胞も含めた仲間達も、この物語にはカルデアの傍に参加したいと願ってしまったほどに。

 

『とても…善く、楽しそうな旅だと、思っちゃいました』

 

エンジェウーモンは照れながらも所感を告げ、キラナは笑う。

 

『うん!ならもう私達は仲間!』

 

キラナはエンジェウーモンの手を握る。

 

『一緒に生きていこう!全ての命と、全ての善を護るために!』

 

『キラナ様…』

 

『キラナ、でいいよ!よろしくね、エンジェウーモン!』

 

キラナの承認のもと、テイルモン…エンジェウーモンはカルデアに所属かつ、キラナのパートナーデジモンとなる。

 

『ありがとう…。よろしくね、キラナ』

 

『うん!セーヴァーにも挨拶しに行こ!』

 

『あっ、あの真っ黒な子?大丈夫かな…高慢ちきだって嫌われないようにしなきゃ』

 

『平気平気!ところで、なんで委員長なの?』

 

『テイルモンの時でも、善悪をきっちり判断するためなの。私達は、三大天使と呼ばれた存在でもあったから』

 

『なんかすごそう!これからもっと教えてね、エンジェウーモン!』

 

『こちらこそ。カルデアと、そこに生きるみんなの為に一生懸命頑張るから…勿論、キラナの為にもね』

 

デジモンブースにて現れた、三大天使の一角。

 

それらは侵食、堕天の心配なく…

 

善なる神の使徒、選ばれし子に庇護されたのだった。

 

 




キラナ『おーい!セーヴァー!』

セーヴァー【キラナ!お前どこに…】

テイルモン委員長『……』

セーヴァー【……なんだそいつ?】

キラナ『私のテイルモン!』

セーヴァー【ほーん?テイルモンか、センスいいなお前】
アジーカ【エンジェウーモンになる(ムフ)】

テイルモン『アジ・ダハーカ…アンリマユ…』

セーヴァー【よろしくなー。何を隠そうエンジェウーモンは最初のドスケベデジモ】
テイルモン『悪っ!』

セーヴァー【うぐぉ!】
アジーカ【ラベルっ】

アンリマユは悪のレッテル(物理)を貼られたのだった。

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