人理を照らす、開闢の星・破章〜almighty,grail,war〜   作:札切 龍哦

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ボルシャック『レイドって言うなら、ちゃんと報酬は考えてあるんだろうな』

ボルバルザーク『無論だ。この娘の力を借りる!』

初華『ちわー』

ボルシャック『お前この娘はガチすぎだろ』

ボルバルザーク『ぐははははははは!報酬がまずいレイドなどヌルい炭酸よ!こやつは他者の最も欲するものを思案し用意してくれる!うってつけだ!』

『さぁ憂いはない!始めようか!!』



オメガモン『なんと巨大な力だ…!』
デュークモン『これは小手調べはいるまい』
アルフォースブイドラモン『全力でやろう!』
マグナモン『えぇ、初手にて!』

オメガモン(それが、力を測る意味にもなろう…!カルデアに我等は足るものか、試させてもらう!)


殿堂王と欠けた円卓

『さぁ!!オレ様は逃げも隠れもせん!来るがいい!!異世界の騎士どもよ!!』

 

クリーチャーブースにて始まった、究極のレイドバトル。ボルバルザーク主催の殿堂レイドバトルの中心、ボルバルザークそのものが天を貫く威容にて猛り狂う。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!」

 

初戦の邂逅にも関わらず、必殺の気合を以て放たれる攻撃。その口火を切ったのは最後の聖騎士、オメガモン。右腕の大砲『ガルルキャノン』より、その名の通りの大火力が火を吹き荒れる。

 

『ぐぅおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおぉおッ!!!!』

 

無数に放たれしその砲撃の威力は、一発一発が戦略破壊兵器に相当するもの。出鼻を紅蓮の炎にて包まれ、ボルバルザークの巨体がよろめき…──否。それで終わりではない。

 

「はぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあッッッッ!!!」

 

左腕の、グレイソードが万物を薙ぐ。デジモンの言葉で『オールデリート』と刻まれたそれは、刃に留まらぬ成果を叩き出した。

 

『ぐぬぅうぅぅァァァァァァッッッ!!』

 

ボルバルザークが展開した世界ごと叩き斬る、対界宝具にも匹敵する一撃。究極の火力と最強の斬撃の両立が、初撃にてボルバルザークを叩きのめした。

 

その時、ボルバルザークより無数の『それ』が散らばる。レイドバトルにおける、最大の醍醐味。オメガモンが見据える、光り輝ける至高の金属。

 

『これは…デジゾイドメタル…!!』

 

正式名称「Chrondigizoit Hybrid Organism(クロンデジゾイト ハイブリッド オーガニズム)合金」、通称 「クロンデジゾイド」。採掘して入手できる「クロンデジゾイトメタル」と生物データを配合して出来た合金であり、超高度の硬さと生物の滑らかさを併せ持つ至高の金属。デジタルワールドにおける最高峰の金属における希少品の中の希少品が、金脈につるはしを打ち立てた如く湧き出ずる。

 

(おかしい…カルデアはデジモンとの交流は浅いはず。これ程のデジタルワールドの希少品を配布できるほど溜め込んでいたとは思えん…)

 

オメガモンの困惑を更に助長するものが、彼に届けられる。それは、生成された『わざマシン』。

 

『じゃれつく…!?イーブイに教えさせるつもりだったフェアリータイプの技…!』

 

自身らがイーブイを捕まえたのは先程。それを知り、報酬を用意する時間などこの大竜には無かった筈。

 

するとオメガモンの視線がとある存在を見抜く。ボルバルザークのよろめく頭部にて、輝く娘の姿。

 

『─────』

 

『あれは、上位者なのか…?』

 

藤丸初華。根源の下に現れし魔法使いの化身をオメガモンを見やり、そして報酬を与えたのだ。オメガモンはそれを見やり、隔絶した奇跡を見る。

 

『いや、これは願望機の有り様…。私の願いと、普遍的な価値の希少品を同時に思案し用意したのか…!』

 

(意思持つ、他者に寄り添う願望機…。カルデアはなんというものを擁しているのか…!)

 

細やかな願い、普遍的な願いを同時に叶える手腕を垣間見たオメガモンは驚愕を顕にするが、レイドバトルは始まったばかり。

 

『わぁ!さっすがレイドバトルっ!なら僕もデジゾイドメタル掘りまくるぞーっ!!』

 

アルフォースブイドラモンがやる気を漲らせ、何者にも追いつけぬ高速の蒼き軌跡にて刃を踊らせる。

 

『アルフォースVセイバーッ!!それそれそれそれそれそれッ!!!』

 

一瞬に十、いや百を容易に超える斬撃が全く同時にボルバルザークを切り刻む。あまりに早く、斬撃が重なる程の超高速が身体中に刻まれていく。

 

『ぐぬぁ─────』

『まだまだぁっ!!』

 

よろけ、絶叫を上げる間もなく。アルフォースブイドラモンはボルバルザークの懐に潜り胸のV部分にエネルギーを凝縮させる。

 

『シャイニング!!Vフォォォオォオォオスッ!!!』

 

そして放たれる掃射光線。ボルバルザークの身体をV字に焼き尽くすその一撃が、余すことなく叩き付けられる。

 

『続くぞ、アルフォースブイドラモン!』

 

そして赤き騎士、デュークモンが手にせし魔槍グラムを輝かせ、負けじとエネルギーを凝縮させ1点集中させ放つ。

 

『ロイヤル!セーバーッ!!』

 

アルフォースブイドラモンのシャイニングVフォースと挟み込むように放たれた聖なる一撃が、ボルバルザークを焼き尽くす。

 

『ぐぅうぉおぉおぉおぉおッ…!!!』

 

『レイドバトルである以上、間断なき波状攻撃は必然!』

 

そして空中上部に飛来せしマグナモンが、締めとばかりに全身にエネルギーを凝縮集中。眩く輝く黄金の輝きが、全霊を以て放たれる。

 

『覚悟!シャイニングゴールド!ソーラーストーーーーーーーーームッ!!』

 

辺りを焼き尽くし、吹き飛ばし尽くす黄金の煌めきが、ボルバルザークを包み込む。並の存在どころか、あらゆる者が飲み込まれ消え去るに値する一撃。

 

『────────!!』

 

ボルバルザークは至高の一撃の痛烈な連撃に初手から晒され、厳かな爆炎を上げる。それらは洗礼と言うにはあまりにも激しい必殺の羅列。

 

彼らにとって、ボルバルザークの存在はデジタルワールドの危機を引き起こした存在と同じ力の胎動を感じさせた。それ故、自身らの全身全霊をぶつけるに値すると判断したが故の、遊びを念頭から置いた必殺かつ気迫の一撃たち。

 

『凄いね、カルデアって!イベントでこんな圧倒的なボスを用意できるんだ!』

『ロイヤルナイツとして、手加減など出来ようもはずのない力を感じたが故の必殺でしたが…』

『報酬と共に、これで終わりなどと楽観はできんな』

 

アルフォースブイドラモン、マグナモン、デュークモンが油断なく爆炎と気炎を睨む。

 

『──その様だ、来るぞ!』

 

オメガモンが号令をかけると同時。巨大な竜影がゆらりと揺らめく。

 

『────ぐははははははははははははァ!!見事見事!!よもや初手からこれ程の鬼気迫る一撃を叩き付けられるとは思っても見なかったぞ!!』

 

立ち上がる、ボルバルザーク。効かなかった訳では無い。オメガモン達の一撃はどれもが救世の一撃に足りたもの。

 

現にボルバルザークの胴体はちぎれかけ、角はへし折れ、腕は潰れ、目は抉れ、身体は焼き尽くされている。死んでいないほうが不思議…いや、死んでなくばおかしい程の負傷。

 

『嘘!あれで立てるの!?』

『全てまともに受けたはず…!』

 

『なんという生命力だ…!』

 

それでも何事も無かったかのように立ち上がるボルバルザークに、ロイヤルナイツと言えど衝撃を隠せない。礼節と共に放った一撃、手抜かりは無かったのだから。

 

『貴様らは強い!今の一撃、過去に類する強敵どもと比類するほどの至高の一撃であった!』

 

『過去に類する…』

 

『そうだ、気付いたかオメガモンとやら!貴様らの一撃は確かに至高の一撃ではあったが───』

 

ボルバルザークは、気炎を吐き出し奮い立ち。

 

『デーモン・コマンド!ライトブリンガー!サイバーロード!!貴様らのような強敵なんぞ、種族総出で戦い屠ってきたわァァァッッッ!!』

 

聖霊王アルカディアス。悪魔神バロ厶。サイバーロードのエンペラー達。文明間が起こした最終戦争を、ボルバルザーク達は撲滅してきた。

 

そう。デジタルワールドにおいて彼等は世界の守護者だ。

 

しかし、ボルバルザークは四つの『世界』と、それらの『守護者』を屠りし殿堂王。

 

彼にとって、比類なき強敵など当たり前の前提。

 

彼にとって、最強の一撃など日常茶飯事。

 

ロイヤルナイツ達の、半数を下回る一撃の束では届かなかったのだ。

 

猛り狂う、殿堂王ボルバルザークの心をへし折るには。

 

 

 




ボルバルザーク『とはいえ、貴様らの一撃は世界最後の戦いを思わせるものであった!実に良い一撃であったぞ!』

オメガモン『!!』

ボルバルザーク『雷槌程でないが、いい一撃を刻んでくれた返礼に見せてやろう!!世界を滅ぼす火の息吹を!!』

そしてボルバルザークが、能力を発動する。

アルフォースブイドラモン『えっ、なっ──!?』

それらは、絶対的に他者を喰らい尽くす超搾取、超回復。辺りの全てを奪う闘争の徴税。

デュークモン『これ、は…!』
マグナモン『力が…!』

それは、デジモン達には最悪の相性となり現れる。

アグモン『わぁっ!?』
ガブモン『合体が…!』

なんと、ロイヤルナイツの変身が解除され、究極体から成長期に一気に退化させられてしまう。

ギルモン『戻っちゃった…』
ブイモン『データ吸収!?嘘でしょ!?』

そして、そのデータを得てボルバルザークは再起動する。

ブイモン『傷が、全快していく…!』

ボルバルザーク『ぐはははははははははははははァ!!誇れ、そして悔やめ!あと九騎が揃えばオレ様は滅びていたものをなァ!!』

完全回復を果たすボルバルザーク。それこそが、彼の能力。他者を供物として、無限に戦い続ける闘神たる殿堂王。

ボルバルザーク『お前達一人一人は最強なのだろう!だが!最も強い者などカルデアには珍しくもない!貴様ら如き最強など当たり前の様に在籍しているのだ!!』

ブイモン『それ最強の意味から外れない…!?』

ボルバルザーク『また一つ学びを得たなデジモン共よ!授業料代わりだ!欠けた円卓を我に見せた失策を悔やみながら死ぬがいい!!』

ボルバルザークは高々と武器をふるい上げ──

『カルデアにおいて!!孤高の強さを有すは二人と要らぬわァァァッッッ─────!!!』

弱体化したロイヤルナイツに、振り下ろされる─!。
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