「人外魔境新宿決戦にて」五条・宿儺「「ーーー極の番」」虎杖「ーーっ!?」 作:ワーテル・Θ・
五条「(ーーーとでも考えてるんだろうな)」
宿儺が「肆行御膳」を発動する
数秒前、五条は宿儺の思考をある程度想定していた。
宿儺の推察は概ね的中している。「烈火」の術式効果、
「時間停止」の有効時間は約二秒。
五条の視点では
自身以外の全てが静止しているように見えている。
静止中は自分以外の呪力を帯びたものに
触ることができず術式順反転、領域、反転術式なども
使用できない。
超加速の果てに至る術式の最奥
領域と似て非なる静止空間で発生するエネルギーは
もはや五条の手に負える規模ではないため
そのほとんどを無限の果てに追いやることで
制御している。
その状態で呪力に接触した場合
どんな反応が起こるかは分からないため接触した瞬間
強制終了する仕様となっている。
「二秒間」は五条にとっても長くはない。
用途としては近接戦闘の最中に回り込む
距離を取るなどの動作を差し込む形で使用する。
この術式の真価は超加速中に得たエネルギーの一部を
呪力に変換して瞬間的に身体を強化する
「藍引(あいびき)」にある。
先の極の番同時発動の際
宿儺の胴を破壊した技がこれである。
通常の数十倍の呪力出力による攻撃を防ぎ得る手段は
現状宿儺に存在しない。
クールタイムは、八秒間。
五条「(なんにせよ、
この状況ならーーー先手必勝だ)」
精神を奮起させ全身に呪力を漲らせる。
宿儺も応じるように構えた。
気を研ぎ澄ませるように腕を払う。
宿儺の術式が時間を巻き戻す、
あるいはスキップするのであれば発動前に
行動不能にしなくてはならない。
現状六眼による残穢観測で「術式が発動した」ことは
知覚できるが「飛んだ今」が「過去」なのか「未来」
なのかは判断できない。連発はおそらく術式の規模、
性能から考えてある程度時間をおく必要があるはず
なので可能性は低い。
だが「時間反復」で契機をずらされ続ければ
向こうに必殺を当てる好機を与えてしまう。
先刻手刀を切る動作をしていたためそれが
発動条件の一部とみていいだろう
五条「(両腕を破壊すれば
おそらく「肆行御膳」は発動できないーーー)」
八秒経過ーーー「群青烈火」発動。
五条の視界に映るモノが瞬く間に
後方に引き延ばされ暗黒に変わる。
五条「(宿儺はおそらく時間を「戻した」。
負傷が治ってるし…時間にして二秒ってところか?
残穢を見るに本質は遡行ではなく
入れ替え…いや、上書きか?
であれば逆…スキップも可能と見るべき。
なら僕が狙うのはーーー)」
やがて開けた視界には静止空間が広がっていた。
これより体感で二秒間、静止空間で活動可能となる。
だができることはそれほど多くはない。
この間術式の順反転、領域など使用できないので
単純な呪力強化のみで疾走し宿儺との距離を詰める。
空間に身体が接触する毎に五条に呪力が充満していく。
「藍引」ーーー本来発生する運動エネルギーの一部を
呪力に変換する副次効果である。
五条「(どのみち両手を壊せば発動不可…
時間再始動時点で回避不可能な位置をとって
攻撃を仕掛けるーーー)」
五条が右脚に「藍引」の呪力を込めようとした
その時ーーー
ーーー静止空間の宿儺の目が五条を見た。
五条「(なっーーー)」
静止(今この)空間内では自分以外行動不可能なはず
ーーーじわり…と周囲に何かが滲み出る。これはーーー
五条「(宿儺の残穢ーーー
既に発動しているーーーッ!)」
To Be Continued . . .