おじさん、ファンタジーはもうこりごりなんだけど   作:ピンク髪大好きニキ

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リボーンとアイシールド、それにトリコにNARUTOとBLEACH……あの頃の連載マジで黄金期と言っても過言じゃなかったなと思う

あの頃に戻りてぇなぁ~~~~俺もな~~~~!!!!って思うけど、今は今で楽しいです


6話「大きな子供だっていいじゃない、と思うおじさん」

 

 

 

 

”うおぉぉぉぉぉ!! あのシーンの再現だ!! めっちゃカッコいい!!”

 

「前途有望な若者だなぁ」

 

 

こう言うネタで盛り上がれそうな彼とはいい酒が飲めそうだ。 問題は俺がそんなに鬼滅に詳しくないってところなんだが。 そもそも令和? 年号変わったの? 時代を感じさせておじさん戦慄してるよ。

 

おじさんの黄金期はリボーンとアイシールドなんだ、最近の若者に伝わるか分からないが、あの頃のジャンプ作品はマジでラインナップが豪華すぎたと思ってる。 いや今はそんなこと言ってる場合じゃないな。

 

 

「カナタさん! 遅いですよ!!」

 

「しかしねぇ……俺としては自分の店を守る方が重要であるのだが……」

 

「また変なこと言ってないで、こっちが困ってるのなんて見て分かるでしょう!?」

 

「分かった分かった、とりあえずそんなカッカするなって太腿ちゃん」

 

「ユーウーカー!! 早瀬ユウカです太腿ちゃんなんて言わないでください!」

 

 

ごめん、本当に名前忘れてたなんて言えない。 おじさんは人の名前を覚えるのが苦手なんだよ。 そういう人種なんだ。

 

何てくだらないことを考えるのはここまでにして、俺は俺のやるべきことをやるとしようか。

 

 

「さて……久しぶりだね、お面ちゃん」

 

「あ、え、う……」

 

「えーっと……そう、狐坂ワカモだったか。 矯正局から脱走なんて大胆なことするねぇ……誰の手助けを受けたかは、知らないけど」

 

「ふ、ふふ……ご無沙汰しております。 あなた様も、お変わりないようで」

 

「生憎年をとっても老けなくなっちゃってね、何時までも若いままなんだよね」

 

「私としては、毛ほども気にならない事ですわ」

 

「嬉しいこと言ってくれるねぇ、それで……そろそろいい?」

 

「……何が、でしょうか?」

 

「はは、分かってるでしょ?」

 

 

俺はそこで言葉を区切り、足に力を込める。 ついでにアイテムボックスからショットガンを取り出し、何時でもぶっ放せるように構えた。

 

 

──おいたが過ぎるんじゃないの、って言いたいんだよ俺は

 

「ッ!!!」

 

「ユウカ、残りの不良生徒はそっちに任せてもいいか?」

 

「ええ、狐坂ワカモさえいなければ残りは烏合の衆ですから」

 

「おっけ、それなら……場所を変えようか!!」

 

 

予め装填しておいた特注弾をワカモの足元に打ち込む。 逃げようとしたみたいだが残念、既に『影を縛って』いるから身動きが取れないだろう。 短時間しか効果がないが、その一瞬さえあれば十分である。

 

 

座標指定:【アビドス砂漠】

 

「こ、れは」

 

「キヴォトス弾丸ツアーに一名様ご案内、ってな」

 

 

俺とワカモの足元が眩く光る。 次の瞬間には、俺たちの姿は遠く離れた砂漠へと辿り着いていた。

 

 

「転移魔法は初めて……だったな、そう言えば」

 

「話には聞いていましたが……本当に、出鱈目ですね」

 

「褒めても何も出ないぞ、それよりも……」

 

「聞きたいことがおありで?」

 

「まあ、それなりには。 何でこんなことを? 何と言うか、ワカモにしては珍しいなと思ってな。 それほど今回の一件には理由があったのか?」

 

 

構えていた銃を降ろし、そう問いかける。 今までワカモとは何度かやり合ったが、そのどれもがワカモ主体のテロ行為だった。 誰かに頼まれて動くなんて珍しいとは思ったが、今の状況は明らかにおかしい。

 

それとあの見たことのない大人、先生と呼ばれていた彼の事も気になる。 連邦生徒会長の一言から繋がっているであろう今の惨事に、形容し難い感情が湧き上がる。

 

 

「簡単なことです。 私自身も気になったのですよ……連邦生徒会が大事にしているものが」

 

「それがあの場所にいた理由、ってことか」

 

「ええ。 それもありますが……一番大きな理由は」

 

 

そこでワカモの様子が変わる。 抜き身の刀身みたいな鋭さを醸し出していた姿から一変、妙に腰をくねらせて頬に手を当て始める。 この辺りから俺の表情も警戒からクソほどしょうもないものを見るような顔可哀そうなものを見る目になっていただろう、あーあまた始まったよ。

 

 

「──あなた様の御姿を、もう一度拝見したいと思いまして♡」

 

「あっそう、うん、ソウナンダネ」

 

「あなた様ったら毎回つれない態度を……私は、私は焦らされているようで……」

 

「いや、まあうんそうだね」

 

 

俺だって食指が動くんなら喰うんだよ、お前を。 でもお前は俺の想像以上にガツガツ来るから逆にドン引きしてるんだよ。 大量の餌を投入されて後退る猫ミーム状態なんだわ。

 

もうちょいさぁ……お淑やかさと言うものをだね……和服美人が台無しなんだよね……

 

 

「……ま、そこはいいや。 俺としては悪さしないんなら何するでもないし」

 

「あら? 何時ものように戦わないので?」

 

「悪いけど、俺の仕事としては既に達成してるんだよね。 シャーレから遠ざけてるんだし、今から行こうとしても間に合わないでしょ?」

 

「それは、そうですが……」

 

「それに今回脱走されたってことは、今叩き込んでもすぐに逃げられるでしょ? ただでさえ今のキヴォトスは治安が悪いんだし。 なら無駄になりそうなことは極力しないわ、他にやらなきゃいけないこといっぱいあるし」

 

「そうですか……残念です」

 

何でお前が残念そうな顔になるんだよ

 

 

これだよ、ワカモと対峙すると毎回俺の方が気疲れするんだよ。 彼女にはもう少し情緒と言うか、そういうのを学んで精神的に成長してほしいものである。

 

これ以上付き合うのも面倒と言うのが半分、これ以上何かしたところでまた俺のところに来るんだろうと諦め半分で、俺はこの場から離れることに決めた。

 

 

「ここからは自分の足で帰ってくれよな。 俺もやることいっぱいだし」

 

「非常に残念ですが、ここは大人しくしておいた方がいいのでしょうね」

 

「物分かりがよろしくておじさんは非常に嬉しいよ。 じゃあな」

 

 

そう言って店の三階へと転移で戻る。 外からは銃撃の音が聞こえないので、既にここ一帯は鎮圧済みなのだろう。

 

 

「被害なく鎮圧してくれたみたいだな、ありがとさん」

 

「あ、帰って来たのね! そっちは大丈夫だったの?」

 

「ああ、うん。 ワカモを隔離してきただけで済んだよ」

 

「え゛」

 

「しただけで済ませていい話じゃなさそうなんだけど」

 

「っぱ転移って最強だよな」

 

「あぁ、アレは……うん」

 

 

アルたちは転移経験者だもんな、その恐ろしさを身をもって知っているからこその重みを感じる。

 

店内で寛いでいた客にデザートを渡しつつ、俺はアルたちを呼んでテーブルを囲んだ。 ワカモから聞いた話と、何処で何があったのかを共有するためだな。

 

 

「──って感じの事があった」

 

「そんな事が……」

 

「でもその話を聞く感じ、この治安の悪さも解決しそうだね」

 

「多分な。 半分くらい心を覗いたから間違ってないと思う」

 

「心を覗いたって……出来るの?」

 

「出来るぞ? 例えばハルカは『雑草に与える水の量どうしよう』って今考えてる」

 

「ハルカ、合ってる?」

 

「あ、合ってます……」

 

 

おぉー、と言う便利屋68を他所に、俺は今後の身の振り方について考える。 ここまで事が大きく動いたわけだ、これから連邦生徒会長の言っていた「何か」が起きるに違いない。 今回の一件はただの始まり、ゲーム的に言えばプロローグの一幕でしかないだろう。

 

かいちょーちゃんから頼まれたんだ、勇者じゃないけどやるだけのことはやってあげないとな。

 

 

「それじゃ、本命の前に雑事を済ませるとしようかね」

 

「あれ、まだ何かやるのかしら?」

 

「キヴォトス全域の不良生徒を適当に減らす」

 

「へ?」

 

「ああいう烏合の衆ってのは、こっ酷くやられた個体を見ると途端に勢いを無くすからな……各学校でやった後、本命の用事を片付けることにするよ」

 

「もう既にやることが大きいけど……まあ、頑張って」

 

「あいあい。 アルたちも気を付けてな、変な依頼は受けないように」

 

「わ、分かってるわ!! 依頼は細心の注意を払って受けるんだから!」

 

(そう言って厄介な依頼を受けるんだよな)

 

 

威勢のいいアルを見て良い感じに気分がほぐれたので良しとしよう。 それじゃ、とりあえずゲヘナからやっていくことにしようかな。

 

 

────────

 

 

「や、先生、久しいね」

 

”傑……?”

 

「カナタです」

 

 

所変わってシャーレ、そのオフィスにて俺と先生は数時間ぶりの邂逅を果たしていた。

 

既に各地域で不良生徒の締め上げは済んでおり、そう時間もかからず鎮圧は済むことだろう。

 

 

「連邦捜査部ってのが発足したって聞いたんでね、ついお邪魔したって感じかな」

 

”そうなんだ……いや、そうなんですね……?”

 

「あぁ、いいよいいよ敬語は。 おじさんの方が年上なんだろうけど、そう堅苦しくされても困るし」

 

”じゃあ、お言葉に甘えて……”

 

 

眼で見たら25歳と出ていたので俺の方が年上だが、明らかに大人ですって外見の人から敬語を使われるとむず痒いのでため口を心がけてもらいたい。 それにキミと俺は同志だ、オタク仲間になるんだよこれから。

 

 

”えっと、さっきはありがとね。 助かったよ”

 

「お構いなくお構いなく、俺も約束があってね……何かあったら手助けするって決まってるんだ」

 

”そうなんだね。 あ、良かったらなんだけど”

 

「? 何かあった感じ?」

 

”これをね……ぜひ書いてほしいなって……”

 

 

そう言って先生が何やら紙を手渡してくる。 何だと思ってその紙を覗いてみると……

 

 

「入部届? ああ、シャーレの」

 

”そうなんだよね。 シャーレの事情は?”

 

「大体知ってる。 いや覗いたから大まかには知ってるって感じか?」

 

”なら話が早い。 発足したてで部員が少なくて……是非入ってくれたら嬉しいなって”

 

「ん、ええよ。 手伝えることがあるんなら手伝うさ」

 

”おお、有難い……”

 

「ふふ、若人の力になるのが大人の特権だからね」

 

”若人……”

 

「おじさんから見たら先生も立派な若人だよ」

 

 

まあ25歳と三十路手前じゃ若人と言われて困惑するだろうけどもさ。

 

シャーレにいれば連邦生徒会長の言ってた手助けも出来るだろうし、ここは乗らない理由がない。 すぐに必要事項を記入し終えて先生へと手渡す。

 

 

「基本あちこちに飛び回ってるけど、何か頼みごとがあったら連絡してくれ。 場所が場所なら転移で飛んでいけるし」

 

”おお……何か魔法使いっぽい”

 

「ぽい、と言うよりマジモンの魔法使いだからなぁ」

 

 

魔法と言う単語に目をキラキラさせる先生。 分かる、分かるよその感情。 俺も召喚当初は心躍らせてたから。

 

そのすぐ後に非勇者組が大量に死んで、綺麗な部分しか見てなかったんだなって理解したんだけども。

 

 

「兎も角、これからよろしくな」

 

”うん、こちらこそよろしくね”

 

 

願わくば、誰も欠けずに問題が解決してほしいもんだよ。

 




超巻き込まれ体質でリオとヒマリに激重感情を向けられるセミナー副会長ちゃんのお話、ようやっと書き始めたんで書き終わったときに逐次更新していこうと思います

多分、こっちの方が本命なきもしなくもないけどおじさんの方が忙しいからね、すまんね
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