おじさん、ファンタジーはもうこりごりなんだけど   作:ピンク髪大好きニキ

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新しく投稿した作品の勢いが良すぎて笑っちゃうんですよね

やはりおじさんよりぴちぴちのJKの方がみんな見たくなるんやなって


8話「暑いの嫌なんだよなぁ、と思うおじさん」

 

 

 

ある日のキヴォトス。 最近は各学校の治安も安定してきてえがった……なんて思っている俺。 店の中でダラダラとアイスを食っていた時、それは現れた。

 

 

「ごめんくださーい!! あの、ここにカナタくんっていますか?」

 

「俺の自意識過剰じゃないんなら俺がカナタですけどー」

 

「あっ、カナタくん!! お久しぶり!!」

 

「おぉ……おう……あー、そう、アレだ。 巨乳ちゃん」

 

「ユメです!! 梔子ユメですそろそろ名前覚えてください!!」

 

 

店にやって来たのはユメ……そう、あの日砂漠で干物寸前になってた巨乳ちゃんだ。 あの髪って何色って言えばいいんだろうな?

 

彼女は確かアビドスの子だったはず。 今はもう卒業済みで俺の斡旋した仕事をこなしつつ、入ってくるお金でアビドスの借金を返済している。 ……健気だよな、もう卒業したのにまだ関わり続けるんだから。

 

まぁ、それが彼女のいい所と言うべきなのだろう。

 

 

「ここに来るなんて初めてだよな? というか仕事の方は良いのか?」

 

「大丈夫だよ! 立場的にも休みはある程度自由にとれるようになったし」

 

「そう言えばそうだったな……そんで、今日は何か用事でも?」

 

「あ、そうですそうです。 カナタくんってシャーレって所に所属してるんだよね?」

 

「んお? そうだけど……ユメも入るのか?」

 

「うん! 私にも出来る事があると思って……」

 

「健気や……おじさん、そういうのに弱いんだよ」

 

「えっえっ……その、揉みます?」

 

 

何をかな? 急に刺してきたね。 キミそういうキャラだった?

 

いや、気持ちは嬉しいんだよ。 眼で見なくても好意を向けてくれてるの知ってるし、自室に『気になるあの人に振り向いてもらう100の行動』『男は女のこう言う所に弱い! この夏の女の磨き方』なんて本を持ってるってことを伝書鳩されてるんだよ。

 

何で手を出さないのかって? うるせぇよヘタレで悪かったな。

 

 

「話は分かった」

 

「あの……」

 

「揉まないから、ユメのはそんな安売りしていいモノじゃない」

 

「ひぃん……そうなの?」

 

「そうなの。 入部するならシャーレに行こう、必要書類はあそこにあるからな」

 

「分かった! じゃあ早速行こっか!」

 

「おおう行動が早い、アグレッシブだね」

 

 

自然に腕を絡めるなんてやるじゃない……俺じゃなきゃコロッと落ちちゃうね。

 

そんなユメのユメが詰まった二つの夢の……いや寒いな。 こう言う所におっさん臭くなったって事をしみじみ思わせる……なんてくだらないことを考えている間に目的のシャーレオフィスに辿り着いたのだが。

 

 

「……暗いな、留守か?」

 

「先生って人はいないのかな?」

 

「みたいだな。 合鍵は持ってるから良いんだけども」

 

 

予め渡されていた合鍵で中へと入る。 季節故か中はじっとりとした暑さをしており、少なくとも数日は帰ってきていないようだ。

 

先生のデスクへと向かうと、そこには一つの書置きが置かれていた。

 

 

「『カナタへ、緊急の手紙が届いたから少し留守にするね』……か。 何故モモトークで連絡しないのか」

 

「先生留守なんだね、どうするの?」

 

「書類の場所は知ってる、ユメはとりあえず記入してもらっていいかな」

 

「あ、うん!」

 

 

ユメが記入している間、俺は先生がどこへ向かったのかを突き止めるべく頭を働かせていた。

 

三大校は……絶対にない、とは言わないけど可能性としては薄いだろう。 大体あそこは自分達だけで解決できる。 外部の介入を頼む時点で噂になっていなければおかしいが、少なくとも俺の耳に入ってない時点でないのだろう。

 

ではヴァルキューレか? 先日カンナと会って話をしたばかりだし直近でデカい案件が入ったなんて話はしていなかった。 まああそこはそれ以前の問題があるのだが。

 

レッドウィンターと山海径もだ。 赤冬はクーデターが日常茶飯事だから何とも言えないが、山海径に関してはキサキが不祥事を見逃すはずがない。 毎回俺を獲物を狙うような目で見てくるのはやめてほしい、流石に事案になる。

 

 

「となると……アビドス、か?」

 

「アビドスがどうかしたの?」

 

「先生が緊急の要件で向かう場所の候補」

 

「あ、そういえば……」

 

「何か心当たりが?」

 

「昨日寝る前にノノミちゃんからモモトークが来てたの。 弾薬が心許ないって」

 

「十中八九それじゃねぇか、ホシノは何で連絡しないんだ?」

 

 

アビドスなら有り得る。 先生はまだ知らない可能性が高いが……あそこには莫大な借金があるからな。 俺がユメに斡旋した仕事があるとはいえ、それでもなお膨大と言えるような額だ。

 

前ならホシノが連絡してくれたんだが……いや、違うな。 ホシノの事だ、ああ見えて責任感が強いし色々と考えて行動している。 どうせこれ以上迷惑をかけるのは~とか思ってるんだろうなぁ。

 

迷惑なんてなんぼでもかけてええんやで、それが子供の特権だぞ。 そしてそれをどうにかするのが大人の責務と言う奴でもある。

 

 

「なら話が早い。 弾薬なら俺が持ってるしアビドスに行こう」

 

「そうだね……あっ、それならカナタくん! アレで行こうよ!」

 

「アレって……転移か?」

 

「うん! 私一回体験してみたかったんだぁ」

 

「そう言えばユメって転移で移動したことなかったな……いいぞ、なら転移で行くか」

 

「わぁ……初体験だね!」

 

「あのね、それはやめようね、誤解を招く言い方だから」

 

「?」

 

 

くそっ……コイツ、天然で言ってやがる。 俺じゃなきゃ押し倒してるぞ。

 

いかんいかん、彼女のペースに載せられていたら何時まで経っても行動に移せない。 気を取り直して動くとしようか。

 

 

「座標指定:【アビドス廃校対策委員会】……ユメ、もうちょい近寄ってくれ」

 

「こうかな?」

 

「おっけー、それじゃ……アビドスへ一名様ご案内、っと」

 

 

床が眩く光り、一瞬で視界がシャーレオフィスから見覚えのあるアビドスの一室へと変わる。

 

……それと同時に目の前に広がった、見知らぬ少女の後ろ姿に関してはマジで知らん。 何だこの子、新入生か?

 

 

「えっあ、えっ……誰ですか!?」

 

『ッ!? アヤネちゃん!? 何があったの!?』

 

「おーおー、派手にドンパチやってるねぇ」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないよぉ!! 今まさに襲撃されてるから!!」

 

『えっ……その声、カナタさん? それにユメ先輩?』

 

「水臭いな、ホシノ。 俺を頼ってくれないなんておじさん泣いちゃうぞ?」

 

『いや、その……ごめんなさい』

 

「まあいいや、説教は終わってからにしようか。 ユメ、ライフルは使えるよな?」

 

「えっと、それなりには?」

 

「十分だ、これを預けるから援護射撃は頼むな」

 

 

俺はアイテムボックスからスナイパーライフルを取り出し、ユメへと手渡す。 それと同時に【レミニセンス】を構え、俺は窓から身を投げ出した。

 

 

「まずはひとぉつ!!!!」

 

「ぐぺっ!????」

 

 

ヘルメット団の一人を足蹴にした後、下敷きになったその頭部に3発叩き込む。 それだけでヘイローが消えたので、俺はレミニセンスを肩に抱えつつホシノの方に向き直った。

 

 

「元気そうで何よりだね、ホシノ」

 

「あ、う……」

 

「あんまり来なかった俺も悪いけど、新入生が二人も入ったみたいじゃないか」

 

「そ、ソウデスネ」

 

(ね、ねぇ……あの人誰? ホシノ先輩すごいタジタジになってるけど)

 

(ん、ホシノ先輩の思い人)

 

(嘘ぉ!!?)

 

(ホシノ先輩はカナタさんが気になってますからね♧)

 

 

おいそこ、小声で話してても聞こえてるからな。 ほら見ろホシノの顔が真っ赤になっていってるぞ。

 

「イヤソノ、ベツニソウイウンジャナクテ」ってブツブツ呟いて……あーあー、指までモジモジさせ始めたぞ。 乙女かお前は。 いや乙女か。

 

 

”カナタ……よくここが分かったね”

 

「分かったっていうより、ここかな? って言う状態の時にユメがノノミから連絡貰ってたって聞いてね。 どの道行かないといけないと思ったから転移で来たけど……」

 

 

まだ健在なヘルメット団を一瞥しつつ、虚空から弾薬をドサドサと出していく。

 

 

「ま、判断が間違ってなかっただけ良かったってことで。 先生も持ってきてるだろうけど追加の弾薬置いておくぞ」

 

「……これ、今どこから出したの?」

 

「魔法です」

 

「いやいやいや、魔法なんて冗談……冗談じゃないの?」

 

「種も仕掛けもない、カナタの魔法」

 

「いつ見ても不思議ですよね~」

 

 

アビドスの……そう、ノノミとシロコが弾薬を補給する。 その後からそそくさとホシノが補給した後に、猫耳ちゃんがこちらをキッと睨みつけながら近づいてくる。

 

反抗的な、いや怪しいものを見るような目と言うべきか。 うーん……俺が何かした、にしてはやけに刺々しいな。

 

 

「猫耳ちゃん」

 

「猫耳ちゃんなんて呼ばないで! ちゃんと名前があるんだから!」

 

「その名前を知らないからこう呼ぶしかないんだけど???? それに校舎にいた眼鏡ちゃんも」

 

『わ、私は奥空アヤネです……それとそちらが同級生の黒見セリカちゃん。 貴方が、先輩方がよく話していたカナタさんですね?』

 

「自意識過剰じゃなければね。 物部カナタだ、こう見えて三十路近いぞ」

 

『えっ』

 

「はぁ?」

 

「うーん新鮮。 最近この反応を見ることがなかったからな」

 

 

フレーメン反応みたいになったセリカを放っておき、盾を構えてヘルメット団を牽制していたホシノの隣に並び立つ。 ホシノは少しだけ驚いたような顔をした後──ニヤリ、と笑みを零した。

 

 

「こうして肩を並べるのも久しぶりだね、腕は鈍ってないかな?」

 

「言うねぇ。 そっちこそ腑抜けたりしてないよな?」

 

「とーぜん……背中は任せたよ、カナタ」

 

「任された。 好きに動きな、完璧に合わせてやるから」

 

 

銃を構え、姿勢を低くする。 ここからは合図なんていらない、そんなものがなくても俺とホシノは一切の遅れなくお互いをカバーできる程度には一緒に戦って来たからな。

 

 

(……と、カッコよく言いきれれば良かったんだが)

 

 

ホシノ。 一体何がお前をそんな風に駆り立ててるんだ? 何時ものような精彩な動きじゃないじゃないか。 それでもなおヘルメット団程度なら蹂躙できるのは凄いとは思うんだけどな。

 

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