人外娘トロピカルアイランド開拓記   作:照喜名 是空

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幼女20人の世話

 と、とりあえず話は分かる状態だったので、一つ一つ説明していく。

 

「とりあえず……とりあえずしばらくはママやるわ。実際わたしが君たちのママか私もわからねえんだけど」

「ママ……?」

 

 白塗りとはいえ幼女たちの首をかしげて不安そうにする姿を見たらやせ我慢せざるを得ないよね。

 

「ママです。まあそれは置いておこう。とっ、とりあえず……とりあえずみんなしてご飯食べようね!ロゴス、保存食使おう。今こそ使うべき時だろ」

「そうだね、持ってくるよ。そのあいだの間を持たせてくれ」

「わかった」

 

 姿かたちは幼女だけど、精神構造は比較的私たちよりらしい。

 おとなしく私の言葉を待ってる。

 

「とりあえず……とりあえず君たちが自分で選べるようになるまで私たちは君たちを守るよ。教えられる限りを教えようと思う。とりあえず食べ物をさがせるようになろうね」

「は~い!」

「ママ~!」

 

 うおっ、集まってきてもみくちゃにされる。

 でもあったかくてぷにぷにでかわいいなあ。

 

「あ~よしよしよしよし」

「持ってきたよ保存食!いま火にかける!」

「私はお皿を用意するわ!」

「え、えっと私はこの子たちの相手をします……オルテアは少し休んでていいですよ」

「たすかるわ……」

 

 たくさんの大ビンに入れた塩漬け肉を水を張った鍋に瓶を入れて加熱する。

 いい匂いがしてきた。

 

「ママ~!おなかすいた!」

「えへへ、これ、きれい……あつ~い!」

「火に触るなって!そうなるから!はいはい水!これを熱いところにこう……浸して……よーし痛かったな。よくわからないものにはいきなり触れたらこうなるからな。気を付けるんだぞ~」

「あいい……」

 

 保母さんってこんな感じかなあ!?とにかくワチャワチャしながらも肉を複数の大皿にもってみんなで囲んだ。

 

「スプーン持ったな?はいそこかじらない!いきなり口に入れたらあぶないからね。こうやってもって……こう使う。じゃあたべようね!いただきま~す!」

「……?いただきます?」

「食べていいよ!はいレッツイート!ゴー!」

「あい!」

 

 20人からが飯食うから大変だよ。

 これから先が思いやられるよ。

 

「あ!あ!ママ!くちがうれしい!」

「それは『おいしい』っていう感じだぞ~。おいしいな~」

「おいしい!」

 

 まあ、保存肉が食える味で良かった。とりあえず成功だ。

 とはいえ、このままでは早晩飢える。

 狩りと採集に子供たちをつれていくしかない。

 

 

「はい!じゃあ食べ物取りにいくわよ~!私が見本を見せるから、同じものをとるのよ!よくわからないものには~?」

「さわらな~い!」

「よくできました~!いい子ね!」

 

 とりあえず私とアルマで10人づつ採集に連れていく。

 果物や木の実を取らせるのだ。大量にな。

 

「よし……だいたい取れたな!じゃー袋にこう詰めて……よーしいいぞ!」

 

 ブルーシートを縫った超デカい袋に採集した実を集め、図書館まで運ぶ。

 これを魚や小型の生き物の狩りでもやっていく。

 まあ、案外いう事を素直に聞くからそこまで大変ではなかった。

 私たちを模倣して指数関数的に賢くなっていくしね。

 

「じゃあねずみさんに感謝して、お肉をいただこうね!見た目はキツイけど、これも大事なことだから……」

「ねずみさん、死んじゃった?」

「私が殺した。食うためにね。でも悪い事をしたと思うし、食べられてくれてありがとうとも思ってるよ」

「ふ~ん……」

 

 小型の獣の肉や魚を継続的に狩っていき、木の実も採取してとりあえず今日の飯に困ることはない状況まではもっていった。

 けどこれ……早晩取りつくしてしまうな。

 そうなれば、さらに食べ物を集めに遠出するか、逆に拠点を移していく必要があるだろう。

 ……しっかりしなければ。私が王だ。ここが正念場だぞ。

 

 

 その日の内で余った食材は油漬け、塩漬け、酢漬け(ピクルス)、シロップ漬けにして保存していく。

 それもロゴスとグラフィがちゃんと記録とってくれてるから助かるわ……

 この忙しい中でな。

 

 そして私はといえば、子供たちにとにかく集団生活ルールを教えていく。

 

「はい、復習だぞ~!守れない人は死にます。わかるな?」

「はい!」

「1番、まず勝手に群れからはぐれない!私たちから遠くに一人で行かない!」

「はーい!はぐれない!とおくにいかない!」

「2番!よくわからない動物には手を出さない!嚙まれるから!」

「手を出さない!」

「3番!体が痛くなったり、獣に襲われたりしたらすぐ大人に言う!」

「すぐに大人に言う!」

「わかるな~。これは君たちが死なないためのルールだから気をつけろよ~」

「は~い」

 

 意外と素直だしちゃんという事理解してるわ……

 いやすごくない私たちの種族。

 まあそのくらいのアドがないとたぶんそうとうひどいことになると思う。

 まだ脱落者0だぜ!?

 

 とはいえ、ちょくちょく小さいケガはあった。

 でもそのおかげで治療法の知識が発達した。

 いやすごいんだよ私たちの身体。

 なんと粘土化させた私たちの肉で相手のけがをふさげる。

 私たち自身が外科的な傷に対して絶対的な「治療薬」になる。

 これはデカいぜ……

 

 とにかく……子供たちはだんだん落ち着いてきたし、食べ物をバクバク食べてスクスク大きくなっていった。

 今小6くらいの感じかな?

 

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