すべての動画と記録を見て……人間はクソだと思った。
数千年のカスみたいな歴史に1世紀くらいのネットのカスみたいなログ。
でもママもその人間なんだよ……
そういうことか~!どう受け継ぐか、とか選ぶ権利と義務って……
いい所だけ残してねってコト!?
無茶だよママ~!
とにかく……今!できることをやる!
まずはシェルターの保全と装備をまとめなきゃ。
シェルター全体の形は大きめの工事用コンテナハウスだ。
そこに空気を遮断する隔離防壁や強化ガラスをつけてある。
食料生産施設は……ダメだったよ。
みんなママみたいに死んでた。
私たちの生態系の感染・浸食ってどうも細胞単位で融合、再構成する感じだ。
まあほとんどの哺乳類は耐えきれないよね。わかる。
いずれにせよ、サバイバルが始まった。
まずすべきは地理の把握。ここは……グアムあたりにできた新しい島らしい。
大きさはルソン島くらい。かなりでかい。
そしてこの島、東南アジアの島がぐちゃぐちゃに再構成されたものらしく、まだいろいろ設備が残っているかもしれない。
っていうか、『生態系』の再構成って地球そのものの地形まで及ぶんだ。
怖すぎるだろ。
生命としての理が違いすぎる……!まあ、私はそっち側なんだけど。
川が近くにあるのでスマホのGPS頼りに行ってみる。
うん、ジャングルに流れるかなりデカい川だ。しかも浅い。
これは使える。
石を並べてネズミ捕り形にして魚を捕える罠にする。
これでいつでも生け簀に魚が入るはずだ。
そして、ここに来るまでなんか鼠っぽいサッカーボール大の生き物がいた。
なんなら鳥っぽいのもいたし。アレを狩って食おう。
武器を作ろう。
シェルターにはナイフと鉈、銃、スコップなんかがあった。
でもこれは貴重なものだろう。消耗は避けたい。
頑丈そうないい感じの枝を見つけ、先端を削って槍を作る。
石と紐を結んでボーラ、投げ縄を作る。
念のために銃と鉈を腰に装備して、ロッカーにあった迷彩服を着る。
よし……行くか。狩りに。
なんとかなったわ狩り。
デカい鼠っていうかヌートリアとかウォンバットみたいなやつに投げ槍を放って倒す。
空を飛ぶ鳥の群れにボーラを放ち足に紐を絡ませて落とす。
いや~、できるもんだね。
乾いた木を削り節にしてそこにメタルマッチという現代版火打石で火花を放って火をつける。
デカ鼠の皮を剥いで肉を切り分けるのはかなりグロかったが、まあできたわ。
塩コショウを振って……串に刺して焚火にあてる。
あー、うん。うまいね。肉だ普通に。
目が5つあったし、背中から花生えてたけど。
いけるもんだなあ……こんなに悲しいのに、生きていけるものだ……
■
とりあえずさらに1週間で私は継続的な狩りができるようになった。
雑魚っぽさそうな生き物はだいたい槍や鉈、飛び道具で狩れはする。
飛び道具もまあ……ナイフで作れるし、最悪に備えて石器の作り方も学んだ。
ベアグリルスの動画で。人間の叡智すんげえ~。
次の段階に行こう。
私も『外の生物』としての力があるはずだ。
私は粘土生物のはずなんだから。
たぶん寄生獣のパラサイトみたいな変形ができるはずだ。
変形しろ~!曲がれ~!ゴム人間のように……
できたわ。
普通に腕が変形してぐにゃぐにゃになったし、刃型にするのもできるわ。
すごくない?私の身体……
いずれにせよ、使い方を学ぶ必要がある。
すぐに変身できるようにもしなきゃだし。
悲しみを紛らわせるように、私はサバイバルと自分の身体の使い方を学んだ。
いやすごいわ。この体道具いらないわ。
っていうか体がどんな道具にでもなるんだわ。
腕から投げナイフ生成して飛ばして鳥でもシカでも狩れるし。
なんならギターとかスピーカーまで生やせたのは笑っちゃうよね。
でも……歌うという余暇行為が私をまだ人間にとどめて置いてくれている。
そんな気がした。
さて、準備は整った。
行こう。仲間を探しに。
私と話せる人がまだどこかにいるはずだから。