三日三晩ウェイな催しは続いた。
なんで休憩時間とレクリエーションのビーチバレータイムまで設定されてるんだよ!?
まあやったけど……さすがに子供たちは2日目の昼辺りで休ませたわ。
子供たちの世話ってことでロゴスとグラフィは避難させた。
アルマは元々どちらかといえば陽の者なのであんまりこたえてなかったし。
さすがに三日連続は死ぬって言いまくってなんとか宴を終わらせたよ……
「つ、疲れた……」
「ご苦労様だったね。まあ、接待を受けるのも王の仕事だろうさ」
「そう思うから三日も耐えたんだよ。まあ……あいつらの気持ちはわかった。わかったけど休むわ。付き合いきれねえって」
「それがいいよ。ゆっくり休みたまえ」
私達はビーチの木陰にビーチソファを出してもらってゆっくり海を見ている。
トロピカルジュースだって川で冷やした虹色のフルーツジュースも置いてくれた。
海はどこまでも透明で私たちの肌みたいに白い砂浜に波が引いては返している。
リゾートだ……心が無になるね。
「オルテア?寝てしまったのかい……?」
「寝かせてくれ……暑くなりすぎたら起こして」
「ああ、お疲れ様……」
波の音が安心する~……意識がおちていく……
「……オルテア、寝たまま沖の方を見てほしい。そっとね」
「ええ……?何……?」
2時間くらい寝たと思う。たぶん。まだそんなに暑くないのに起こされた。
なんだよもう……
あっ、沖の空になんかいるわ。飛行機……?無人機みたいなやつだ。
「気づかない……フリをするんだ。今はね」
「下手に刺激しないほうがいいよなあ……何だろうな?」
「わからない。あとでラジオか無線でコンタクトしてみよう。あとでね……」
「そうだね……」
とりあえず今はどうしようもないので私は……また寝た。
それから数日、飛行機は現れた。時間はまちまちだが、現れたらすぐに家の方に向かって無線やラジオを試した。
言語もアラビア語や中国語、ヒンズー語に英語あたりの話者が多い言語を探ってみる。
「もしもーし?海で飛行機飛ばしてる人聞こえますー?あなたの目の前の島にいる白い人間っぽい奴でーす。こちらに敵意はありませーん、聞こえるなら応答お願いしまーす」
いや、最初はちゃんと礼儀正しく交信しようとしてたんだよ。
何時間も応答ないからいいかげん飽きたんだ。
飛行機が間近にいないうちはもう通常のラジオ放送流したりしたからね。
そしたら何十回目かのチャレンジでいきなりラジオが鳴り出した。
「ザザッ……ザー……もしもし、聞こえるか?海を飛んでいる無人機から放送している……返答がおくれてすまない……ザー……聞こえるか?」
「もしもし?えー、聞こえます。聞こえます。私はオルテア。あなたは?」
「……私はウォレス。レスター・ウォレスという……人間だ。まだ、おそらくはな……」
「あー、こっちはホモサピエンスじゃないです。隕石の影響で生まれたなんかわかんない生き物です。……でも、心は人間でありたいと思います」
少しの沈黙と、ため息が聞こえた。
まあ、どの口が言ってるんだよとか、色々思う所はあると思う……
「フー……そうか。とりあえず、そちらが会話が通じる相手でよかった……」
どうも、招かれざる客だけどそう悪い人じゃなさそうな気がする。
というか、今まさに敵に回すか味方につけるか交渉してるんだな。
「そう言ってくれてこっちもホッとしました。それで、そちらはどういう用事でこちらの周りを飛んでいたんですか?」
「……しいていえば、死を待つばかりの老人の暇つぶしだ……ただ、観光がてら見ていただけという事になる」
「あっ、そうなんすか……」
アレッ?思ったよりややこしくなさそうな状況だぞ?
ただの通りすがりだこの人!
なら、もう一歩踏み込むか。
「……よければ、ドローンとか飛ばしてもう少しお話しませんか?人間社会の情況も知りたいですし」
「……かまわない。先ほどの無人飛行機をそちらに向かわせよう……この出会いが、君たちに実り多いものであることを願う」
「よかった。じゃあよろしくお願いします」
ヨシッ!交渉成立だ……と思って後ろを振り返ったらヴァンガードのみんながめっちゃ笑顔でサムズアップしてた。
「さすがだ母様!さーもうひと頑張りお出迎えしなければな!お前たちお客様だぞ!」
「あー、いや。どう転ぶかわからないからまず私たちだけの少人数で話させてくれる?」
さすがにホモサピで初対面の客人にあのウェイ祭りは見せられないわ。
私だったらキレるわ。
「それは私も入ってるのかい?」
ロゴスが苦笑してた。まあ勝手だよなごめんね。
「勝手にゴメンとは思うけどさ、こういう「外」の人との交渉もまあ王の仕事だし……」
「わかっているさ。今のところは不穏な感じではないしね。できるだけ穏便に帰ってもらおう」
「そうだね」
ゆっくりと無人飛行機のかすかなエンジン音が聞こえてきた。
さあ、今度は「外交」だな……実際外の情況気になるしね。