新・日本神話(仮称)   作:アサシン・零

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第1節「光の揺らぎ」

遥か天の川の彼方、星々が無数の光を織りなす天界の中心に、天照星命の宮殿が浮かんでいた。その輝く鏡の間に座す天照星命は、星々の調和を司る神として、永遠の光を放っていた。だが、その夜、星々の輝きが僅かに揺らいだ。まるで、遠くの闇が光を飲み込もうとするかのように。「何かしら、この不穏な波動は…」

天照星命は、鏡に映る地上の世界を見つめた。そこには、人間たちの欲望が大地を蝕み、森が泣き、海が怒り、星々の光が届かぬ場所が増えていた。彼女の心に、初めての不安が宿った。「我が子らよ、聞け。」

天照星命は、宮殿の中央に立つ二柱の神を呼び寄せた。月詠光命と陽織姫命――彼女の光から生まれた、夢と創造の神々である。月詠光命は銀の三日月冠をまとい、静かな眼差しで母神を見上げた。陽織姫命は黄金の梭を手に、燃えるような瞳で応えた。「地上の調和が乱れている。星々の光が弱まり、世界の均衡が崩れつつある。そなたたちに、この乱れを正す使命を与える。」

天照星命の声は、優しくも威厳に満ちていた。だが、陽織姫命は一歩進み出た。

「母上!この乱れ、わたくし一人で正してみせます!光と炎で、地上を再び輝かせましょう!」

彼女の声は熱を帯び、梭から小さな火花が散った。 月詠光命は静かに首を振った。

「姉上、焦りは禁物だ。地上の乱れは、人の心の迷いから生じている。夢を通じてその心を導くのが、まず我々の務めでは?」

彼の水晶の珠が、淡い光を放ちながら揺れた。 二柱の意見は、早くも対立の兆しを見せていた。天照星命は微笑みつつも、内心でその危うさを感じ取った。

「そなたたちの力は、互いを補い合うもの。だが、この試練は一人では成し得ぬ。地上へ降り、黒潮荒神と森幽命の力をも借りなさい。」 その名を聞き、陽織姫命の眉がピクリと動いた。「あの嵐の荒々しい神と、森の気難しい神に頼れと?母上、それは…」

「黙して従え、陽織姫。」天照星命の声が、静かに響いた。「そなたたちの光は、私から生まれたもの。だが、世界を正すには、異なる力が必要だ。」 かくして、月詠光命と陽織姫命は、地上へと降りることを決めた。月詠光命は、夢の川を辿り、人々の心に潜む真実を探ることを誓った。陽織姫命は、黄金の糸で新たな創造を紡ぎ、地上を再び輝かせることを胸に刻んだ。 だが、彼らが天界を離れたその瞬間、鏡の奥に映る闇が、僅かに蠢いた。それは、星々の光を喰らう「影の囁き」と呼ばれる存在だった――。

 

 

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