前世オルティナ、今世TSアイク   作:久保サカナ

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どうやったら「美味しいご飯」の描写が出来るか悩みに悩みました

ディナー後タイムに来たから空いていた…という事にしといてください


お気に入り190件突破&ランキング入りありがとうございます!精進して行きます!!




番外編 グレイル傭兵団と異世界食堂

 

 

 

ようやく古城で一息ついたグレイル傭兵団、しかし、アイクが「新しい仲間が入って大所帯になったことを祝いにテリウスでは女神ですら食べられない美味い食事を食べさせてやる」と言うのだ。

 

これに噛み付くのはシノンである、「半獣の国にそんな飯屋があるわけねぇだろ、もっとマシな嘘をつけ」と疑いを吐いた。

 

キルロイも「アイクが嘘をつかないのは知ってるけれど女神ですら食べられない美食がこの世にあるのかい?」と疑問を呈した。

 

しかし、アルは「そういや今日ってドヨウの日だったなぁ!楽しみだぜ〜!!」とまるで行ったことがあるかのように喜ぶ………

 

イレースは美味い食事と聞いて既にお腹を鳴らしている、フードファイターは落ち着け。

 

 

 

「百聞は一見に如かずだな、マーリン!!」

 

「はいよっと、アヴァロンの扉!オープン!!」

 

 

 

グレイルとエルナとセネリオ以外は知らない女が急に現れたと思うとグレイル傭兵団と輸送隊一同は何処までも続く青空と花畑の中に立っていたのだった、セネリオの幻覚か!?と慌てふためく一同を他所にアイクは「ねこやの扉はこっちだ」と先導し出すのだった。

 

「ここ何処!?」という最もなツッコミをスルーして一同を先導して行くアイク、しばらく花畑の中を進むとポツンと黒い樫で出来た扉が立っていた、扉の表面には三毛猫の看板がかけられていて転生者であるアイクとアルでしか読めない文字で「洋食のねこや」と書かれている。

 

 

 

「すまない店主、予約していたグレイル傭兵団一行だが!」

 

「おお、いらっしゃいオルティナさん「今はアイクだ」…アイクさん、ちょうどディナーがひと段落ついたところだから閉店までゆっくりして行ってくださいよ」

 

 

 

アイクが躊躇いなく、宙に浮かぶ扉を開くと来店を知らせるベルが鳴る、アルもさっさと中に入ろうとして動かないグレイル傭兵団一行を見て「どうしたんだ?さっさと入れよ、ここは安全だぜ?」と声をかける。

 

その言葉に混乱していた一同は「ここまで来たら行けるだけ行ってみるか…アイクやアルが無事なら大丈夫だろう」と思いつつ扉の中に入る。

 

そうして中に入ったグレイル傭兵団一行を出迎えたのはおそらく魔法の力で照らされたどこか暖かみのある店内、並べられたテーブルと椅子はよく手入れがされておりつややかな光沢を放っている、どうやら大人数が来るのを見越してくっつけて置いてあるようだ。

 

テーブルの上にはテリウスでは高価である透き通ったガラス瓶と陶磁器、いったいこの店で飲み食いするにはいくらになるか…グレイルが頭を悩ませていると頭に角の生えた少女と耳の長い黒髪の少女が「いらっしゃいませ!お席にどうぞ!!」と一同を席に案内した。

 

2人とも明らかに人間ではない…ラグズであろうか、いやあそこに立っている店主はベオクのようだし…と一同が悩んでいる内に氷の浮いた冷たい水が全員分配られた、店主は魔道士なのだろうか?とますます悩む一行。

 

 

 

「今日はパーティーメニューとのことなのでミックスフライ・シーザーサラダ・ナポリタンスパゲティ・ミネストローネ・締めにアイスクリーム盛り合わせ…パンとスープ…ミネストローネはお代わり自由なっております」

 

「パンとスープがお代わり自由…!?」

 

 

 

思わず声を上げてしまうのはイレースである…アイクはそんな彼女に「もちろんあるだけだからな?落ち着け」と声をかける。

 

グレイルはこの異常事態にあまりにも慣れたアイクとアルに「良い加減説明をしろ!」と言うと店主の方から「ここは異世界と七日間の内、1日だけ時空を曲げて繋がる食堂、常連からは異世界食堂って呼ばれています」と答えるのだった。

 

 

 

「異世界だと…!?」

 

「妖精郷アヴァロンにも扉が出るんだ、俺も前世からの常連でな?生まれ変わってからいつか親父や母さんやミストや傭兵団のみんなを連れて来たいってずっと思ってたんだ、やっと夢が叶ったな」

 

 

 

アイクはそこで一旦言葉を区切ると「それにな、エリンシア王女にもご馳走したい。元気を出してくれ…と俺に言われても嬉しくないかもしれないが美味い食事はベオクもラグズも幸せにするのは間違いない」と言うのだ。

 

 

 

「俺はアヴァロンに世話になってからの常連だな!」

 

「ちょっと待て飲み込めない」

 

 

 

怒涛の情報量に混乱する一同だったがボーレは「要はアイクとアルさんがメシを奢ってくれるってことだろ?楽しみじゃねえか!」とあっけらかんと言い兄オスカーも「異世界の食事っていうのは興味深いね」と話を引き継ぐ。

 

 

 

「そうよ、アイクや店主さんからは悪いものを感じない…むしろ一生の良い思い出になるというイメージが見えるわ」

 

「俺はミカヤがこう言うのを信じる」

 

「うわぁ…神使様よりも贅沢かも!」

 

「女神様でも食べられない美食とか楽しみ過ぎて腹減って来たっす!」

 

「へっ一丁前に奢りかよ!」

 

「楽しみだねシノンさん!」

 

「さっきオルティナって聞こえたけれど…」

 

「キルロイ、今は気にしない方が良いわ」

 

「アイクも大きくなったわね…母さん嬉しいわ」

 

「僕はマーリンとよく来てましたが何か?」

 

「セネリオ!ズルイよ!」

 

「お代わり自由…(じゅるり)」

 

「いやぁ〜!次期大将に着いて来てよかった!!」

 

「わしらが仲間になったのをこうして祝って貰えるとは嬉しいのう!」

 

「アンタ達とは退屈しないですみそうだ!」

 

「楽しみだねジョージ!」

 

「うふふ、お姉さん貴女のことを気に入ったわ」

 

「アイクなりの親孝行という事か………全く驚かせおって…!」

 

「アイク様…!ありがとうございます」

 

 

そうした一同の前に給仕の少女…アレッタとクロが次々と料理と成人のための酒類、未成年のためのジュースを並べて行く、グレイル傭兵団一行は始祖オルティナ式の祈り…「いただきます」と言って待ちきれないとばかりに料理に手を伸ばすのだった。

 

 

そうして一同は「ご馳走様でした」という始祖オルティナ式の祈りで食後を迎えたのだった。

 

 

 

そもそも、テリウスと現代日本では「食」にかける情熱が違う。

 

かつてこの店を訪れた女神アスタルテも「人間とはここまで極められる生物なのか…!これこそ平和の生んだ味………!!」と戦慄し感動し泣いたように、トマトや芋の一個、果物の味、小麦の一粒に至るまで品種改良の限りを尽くされている。

 

調味料に調理用品、技術も洗練されているのだ。

 

 

 

ミックスフライはテリウスでは贅沢品の新鮮な油でサックサクに揚げられた旨味たっぷりでエビ、タラ、ホタテ、そして旬の牡蠣、蟹クリーム、どれも冷蔵・冷凍技術が進歩していないと味わえないこれまた贅沢品である、それこそ神使サナキですら食べた事は無いだろう。

 

フライの後に白ワインを飲んだシノンとガトリーとティアマトが「なんだコレ…!」という驚愕の表情をしている、シーフードと白は合う(確信)

 

もちろんホックホクの塩気の効いたポテトフライも忘れてはいけない、これが変態国家日本の品種改良の成果だ、グレイルはビールを口にしてたまらなくなった、ジャパニーズおビール様を崇めよ。

 

シーザーサラダもシャキシャキのレタスをトロッとした温泉玉子、カリカリクルトン、貴重品の胡椒とチーズの効いたクリーミーなドレッシングが渾然一体となって野菜があんまり好きじゃない子供組もたまらず口にする。

 

イレースはナポリタンをおかずにパンをひたすらお代わりしている…………ケチャップと炭水化物の暴力にひれ伏せ。

 

もちろんミネストローネも忘れちゃいけない、飲み会のミネストローネの具沢山っぷりは全てを許すのだ、これにはみんな「ほう…」と一息つく。

 

そして、バニラ・ストロベリー・チョコレートの三色が美しいデザートのアイスクリーム、エリンシアにミストやミカヤ…女扱いされるとキレるワユですらうっとりしている。

 

伊達に「御伽噺の王子も王女も食べられない、食べると喉を音楽隊が通る」と歌われてはいないのだ、エリンシアはアイスクリームを食べた最初の王女になるだろう。

 

まぁ、「女王」ならばオルティナがとっくに食べているが。

 

 

 

そしてお会計の時間であるが………アイクの前世の貯蓄、オルティナ時代のへそくりから支払ったのだが味と比例しないリーズナブルさにグレイルやエルナ、ティアマトは目をむいた。

 

店主曰く「ウチは値引きもぼったくりもしないのがモットーなんで」とのことだ、それに今日は肉類じゃないので割と控えめである。

 

なお、店主とアレッタは内心でイレースの見た目を裏切るフードファイターっぷりに戦々恐々していた、頼むからランチタイムに来ないでくれ…!とすら思った(多めに用意しておいたパンもスープもすっからかん!)

 

 

 

そして、いざ帰ろうかという時、店内を圧倒的なプレッシャーが満たした、皆が思わず武器を手にする。

 

 

 

「ふむ、ビーフシチューを受け取りに来たが…混ざり物の子トカゲではないか、今日は群れておるのか?」

 

「うわぁ、そういやそろそろアンタが来る時間だったな…」

 

 

 

そうアルに対して差別的暴言とも取れる発言をしたのは真紅のドレスの人外の美女………ビーフシチュー大好きで知られる10万年生きた神と呼ばれる竜・赤の女王である。

 

アカネイア出身で後にファイアーエムブレムシリーズの根幹に深く関わる神竜王ナーガですら5000年で大往生した事を考えると彼女は圧倒的上位存在であるし二十数年しか生きてない上に混血のアルなど「混ざり物の子トカゲ」であろう。

 

昨日アルの恐ろしさを見たばかりのアイクを除いたグレイル傭兵団はサイレスをくらったように声が出せずフリーズをくらったように動けない。

 

赤の女王は慣れた様子で厨房に入るといつも通りすん銅鍋いっぱいのビーフシチューを持って帰って行った。

 

 

 

「アイク…アレは一体…?」

 

「ただのこの店の客だ、この店では揉め事を持ち込むのも起こすのも身分を詮索するのももちろんだが食い逃げもルール違反だ」

 

「ちなみに破ると出禁にされて2度とこの店の料理が食えなくなるからな〜」

 

「それは…恐ろしいです…」

 

 

 

そして、ハプニングこそあったもののグレイル傭兵団一行はアヴァロンを通り古城に帰還するのであった。

 

 

 





飯ウマ描写が難しい………上手く書ける人は全員評価10モノですね!

というかテリウスの食文化がどこまで進んでるのがわからない…初めて料理システムが実装されたif以前のFEの食文化ってどの程度か判明してないんですよね…



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