前世オルティナ、今世TSアイク   作:久保サカナ

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エルラン、デギンハンザーに全部ぶち撒けるの巻。


ランキング入りありがとうございます!これからも精進して参ります!!

アイクシャドウズ実装おめでとう!!くまさんかわいいよ!!!


番外編 ゴルドアの夜 懺悔

 

 

そして、セネリオが去った後。

 

「デギンハンザー、話があります」と言ってエルランが尋ねて来たのだ…その表情は絞首台に向かう罪人のソレである、ようやくデギンに全てを告げる決心がついたようだ。

 

これにはデギンも困惑というよりもエルランの纏う気配が並々ならぬものであると気づき、「聞こう」と痛む頬から手を離し居住まいを正した。

 

 

 

「私は貴方にとって………オルティナが再び私の目の前に現れて止めようとして来るようなことを考え、既にしてしまいました。どれだけ謝ろうと許されないでしょう…」

 

「とにかく聞かせてくれ、我が友よ。許す許されない以前にまず聞かせてくれねば何もわからん」

 

 

 

それからエルランはかつて俺に対して優しく愛を語り、戦場で高らかにガルドルを謳い上げた時とは真逆の声音で………まさしくテリウスを滅ぼそうとした大罪人のソレで話を始めた。

 

 

 

己の子孫、ミサハが元老院に暗殺されて鷺の民がその冤罪を着せられて滅んだ時に、テリウスの人類に絶望して女神の裁きを以て全てを終わらせようと考えてしまったこと。

 

その第一歩として、デイン国王アシュナードの野望という火種に油を注ぐような真似をしてしまったこと。

 

鎖国体制に飽きていたアムリタ王女を唆してアシュナードと引き合わせて印付きの子をわざと産ませたこと。

 

ラグズの力を失ったアムリタ王女と産まれて来た印付きの子…セネリオを人質に取り、捜索に出たラジャイオン王子と兵士達をなりそこないに変えたこと。

 

全てはデギンハンザーとゴルドアの民を挑発して、怒らせ戦争に駆り立てデインを中心とした大陸規模の戦乱をわざと起こし、メダリオンの封印を解こうと考えていたこと。

 

女神アスタルテには「人は約束を守れなかった」と告げて彼女の裁きによってテリウスに住まう人類を終わらせようと思っていたこと。

 

そんな自分の前に生まれ変わったオルティナが現れて説得して来たため思い止まったこと。

 

今は戦乱を止めようと思っていること。

 

 

 

を一通り語ったのだった、語るにつれてデギンの顔からは表情が失せて行き、今にも化身しそうな…いや、化身せずとも怒りで人が殺せるならばエルランはミンチ肉になっていただろうという怒気が発せられているが。

 

ただ、デギンの顔や圧からは困惑…誰よりも優しかったエルランが本当にそのような真似をしたのか?という感情や自分は友がそこまで思い詰めていたのに何故気づけなかった?という深い悔恨も感じる。

 

俺だってマーリンの告げ口や原作知識が無かったならばエルランがそのような真似をするなんて夢にも思わず、今も天国でのうのうと過ごしていただろう。

 

それだけ、俺の愛したエルランは優しかったのだ………というか「普段、穏やかな者こそ怒ると怖い」の似たようなケースである、まさか自分の旦那がそうだとは青天の霹靂だが。

 

デギンは無表情になり俺に視線を向けるとと「オルティナよ「今世の名はアイクだ」…アイクよ、エルランの言い分は真であるか?」と尋ねて来たため、「ああ、エルランは既にやらかした。俺が説得しなければ絶望したままだっただろうし、事実、デインはクリミアを滅ぼし、ガリアを攻めようとしている。戦火は広がりつつある」と答えた。

 

デギンは額に手をやり、自分の受けた衝撃を伝えるように語り出すのだった…

 

 

 

「ラジャイオン………わしには勿体無い程に出来た息子であった………アイツはお前の歌声が何よりも好きで幼き頃より子守唄をせがんでいたな」

 

「はい…良き王子でした………」

 

「アムリタは………わしは窮屈な思いをさせていたのだな、亡き妻に似てお転婆な子であった………」

 

「はい………そんな彼女の恋心を私は利用してしまった………」

 

「エルランよ、わしは確かにそなたより見れば力を持ちながら動かない愚か者だったかもしれん。だが、わしの子供達と民はそのような目に遭うような罪があったのか?」

 

「……………いいえ、全ては私の心の穢らわしさが招いた事です、少なくとも700年以上匿ってくれた親友とその子供にする仕打ちではありません………」

 

 

 

……………暁の女神のストーリーには幾つか大きな欠点があるがその一つが「何でエルランは生き残るんですか?ゼルギウスやデギンハンザーは死んだのに!!」というのがある。

 

聖戦の系譜であればアルヴィス…いや、黒幕だからマンフロイだな、アルヴィスポジションは主人公の親の仇だからゼルギウスだ………が生き残って無罪放免になった挙句女神アスタテューヌと再会して良い空気を吸う、ヒラコー先生でなくともゲームディスクを叩き割るレベルのご都合主義ストーリーである。

 

デギンはむしろ実の子供が尊厳陵辱されて殺されても残り220年の希望を信じて動かなかった、導きの塔での戦いもエルランに半ば騙されてだ、何故そんなデギンが死にテリウスのマンフロイたるエルランが生き残ってしまうのか、ファイアーエムブレム屈指の理不尽の一つである。

 

デギンは最期まで750年もの間匿ってやり信用も信頼もしていたエルランに裏切られたという事実を知らずに死んだのである、こんなのってあるか。

 

まぁ、理由をこじつけるならばラグズに対する差別に「たとえクソの役にも立たずとも行動に起こせた………働き者の無能」は生き残り、「賢こく力があったから動かなかった………優秀な怠け者」は死んだ、とも言えるかもしれない。

 

俺としてはそんなクソのような未来を変えるべく生まれ変わったのだが。

 

 

 

俺は頃合いだな、と思い俺はエルランの横に立ちエルランの後頭部に手を添えるとそのまま一気に地面に叩きつける…!エルランの頭は鈍い破砕音を立てて宮殿の床にめり込んだ、強制土下座である。

 

そして自分も素早く正座になり頭を宮殿の床につける、エルランの所業は原作を知っていながら「そんな未来は来ないだろう」とお前を独りにした俺の罪でもあるからな、一緒に謝るしか今は出来ない………

 

デギンの表情は見えないがプレッシャーに揺らぎを感じた、そして深いため息をついたと思うと「もう良い、顔を上げよ」と声を掛けて来たためエルランの後頭部から手を離し俺も顔を上げる。

 

 

 

「オルティナ…いやアイク、そなたがこうして生まれ変わり我が孫セネリオと共に現れたことには意味があるのだろう?」

 

「もちろんだ、『親友が苦境の時はいついかなる時でも助けに行く』その誓いを忘れてはいない。俺はラジャイオンもアムリタも助けたいと思っている………かなり分の悪い賭けにはなるがな」

 

「ならば、わしからの頼みだ。我が子達と再び会わせてくれ、そうしてそなた達も再び無事な顔をセネリオと共に見せてくれ。それを以て赦しとしよう」

 

「デギン………」

 

 

 

針の穴を通す様な確率だったとしても、再び生まれ変わったこの生を賭けて臨まないといけない命題が出来た。

 

もう全ては進むしかない、やれるかじゃない、やるしかないんだ………!!

 

 

 

 

 

 





セネリオ「マーリンは夢魔とのハーフ…相手に望んだ夢を見せられるんですよね?」

マーリン「そうだよ、むしろそっちの方が得意」

セネリオ「あの忌々しいエルランとゼルギウスに『僕とアイクの結婚式の引き出物のバームクーヘンを泣きながら独り寂しく食う夢』とか見せられませんか?」

マーリン「(大爆笑)、良いね〜!やってみよう!!」



マーリン「ありゃりゃ、女神の加護で弾かれるねぇ」

セネリオ「僕は諦めませんよ、現実でも夢でもアイツらに勝って見せます」


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