ようやくゴルドアを出発します。
だいたい一泊ニ日滞在したということで。
ランキング入りありがとうございます!これからも精進して参ります!!
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「アイクよ、抜かりは無いな?食料や水、物資は充分用意させたつもりだが…」
「ああ、充分過ぎるほどだ。ありがとうデギン」
「わしとそなたの仲ではないか、礼には及ばぬ」
そう和やかに言葉を交わす俺とデギン、背後では乗って来た船にゴルドア兵達が荷を運び込みグレイル傭兵団やクリミア組も乗り込んでいる。
クルトナーガはそんな光景をキラキラした目で眺めており、時折ゴートに諌められている。
俺たちは再び親愛の抱擁を交わすと離れ、俺も船に乗り込む………デギンとクルトナーガは船の帆が風を受けて進み見えなくなるまで見送ってくれた。
なお、ナーシルは船の様子を見ると言ってずっと船底の隅に隠れていた、後でなんか美味いものを差し入れてやらないと………
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「お姉ちゃん、私…よくわからなくなっちゃった」
「………そうだな」
「………私も」
「どウした、みンな」
「みなさま元気が無いようですが…」
俺とエリンシアがゴルドアから貰った櫛でモウディのブラッシングを行なっていると(レテは人前ではモフモフさせてくれない)ミストと所在無さげにしたジル、ネフェニーが話しかけて来た、その顔には翳りと悩みが見える。
「私たちはクリミアの王女様のために戦っていて、そのためにガリアのラグズたちが協力してくれて、クリミアに戻って捕虜の人たちを助けたら皆エリンシア様のことを認めてくれたのにトハの人たちは石を投げて来てライさんにも酷いことしたよね?」
「ああ、そうだなミスト」
「そしたら海の上ではカラスのラグズが襲いかかって来て………でもゴルドアの竜鱗族の人たちはお姉ちゃんの友達で皆良い人だったね」
「そうだ、デギンは俺の自慢の友だしゴルドアも良い国だ」
「私、誰が悪い人で誰が良い人なのかわからないよ…クリミアの兵士さんやガリアやゴルドアのラグズたちは良いヒトで、デインやトハの人たちやカラスや鷹のラグズたちは悪いヒトなの?お姉ちゃんは始祖オルティナ様だから昔はみんなが国民だったんだよね?」
なるほど…ミスト達は原作においてアイクとエリンシアが直面した悩みを抱いてしまったようだ、俺は櫛をひとまず置いてミストに歩み寄るとそっと抱きしめた。
「ベオクに善人と悪人がいるようにラグズもそれぞれなんだ、ミスト。そもそもの話、善悪なんて、人の主観によるところが多い。なにしろ、相手、場所、おかれている状況―――それによって判断が変わるもの、きっちりと分類することなんて不可能だ」
「お姉ちゃん…」
「ラグズもベオクもヒトとは変化し続ける生き物だ、そこが良いところでもあり悪いところでもあるんだがな」
「うん………」
「案外、カラスや鷹の民にも良い奴はいるかもしれないし、デイン人にも戦争に反対する者はいるかもしれない、これからそういう奴に出会えるかもしれないぞ?少なくとも俺が国を治めていた頃はたくさんいた」
「そうだったら素敵だね…」
ミストの翠色の瞳は不安に揺れていたが、ひとまず納得したようだ。
実際、鷹王ティバーンは良い奴だし(ヒラコー先生にはボロクソに言われていたが)、鴉王ネサラもどこか憎めない人間臭さがある(暁の女神エンディング後は裏切った贖罪も兼ねてティバーンにこき使われてるらしい)。
臣下の連中も原作通りに進めばこれから味方になってくれることもあるだろう、まずはベグニオンに無事に到着する事が第一なんだが。
ミストからそっと身体を離すと今度はおずおずとジルが不安気に声を掛けて来た。
「始祖オルティナ殿…「今はアイクだ」…アイク殿、貴女はどうして半じゅ…ラグズとそこまで仲良く出来るんだ?貴女に恐怖や偏見は無いのか?」
「俺からすればデインが何でそこまでラグズを憎めるのかの方が疑問なんだが………俺にとっては女神がラグズとベオクが争うのを嘆いたから悲劇が始まったのを知っているし、共に戦ったソーンもデギンもラグズだった。それに俺はこのテリウスで最初にラグズと結婚して子を産んだベオクだぞ?」
「そうだった………」
「母は強し………?」
「少なくとも、この傭兵団にいる限り半獣呼びは禁止な、あんたは自分の目で見たものを信じるべきだ。あと一応聞いておきたいがアシュナードは兵士に何を言ってクリミア侵略を命じた?」
「そ、それは…クリミアが、邪悪なる半獣どもと手を組んだことへの制裁としてだって…」
ジルの言葉を聞いた途端にエリンシアの表情が普段と変わり険しいものとなり、ネフェニーも「あんた達のせいで…クリミアは…!」と憎悪に塗れた声をあげた、ブラッシング中は化身していたモウディも半獣呼びされて唸り声を上げて戦闘態勢に入ろうとしたので俺は首に手を回して止める。
ジルもその事に気づいたのかしおしおと萎れてバツの悪そうな顔になる………うん、父親や国王から洗脳まがいの教育を受けてたんだ、これくらいやらないと一度培った価値観は崩れないだろう。
「制裁であれば、まず宗主国であるベグニオンに訴え出るべきだろう。ベグニオンに協力と理解を乞い、それを得た上で宣戦布告するのが筋というものだ」
「そうなの?お姉ちゃん」
ベグニオンの元老院は腐り切っている上に親をラグズに殺されたのか?ってくらいラグズ差別が酷いからな…………まぁ、かつてラグズに虐げられた憎しみが根底にあるのだろう…………、デインが訴えれば直ぐに許可をくれただろうな。今の神使(サナキ)は奴らにとってお飾りのお人形でしかない、セフェランには悪いが一度火がついて燃え上がってしまったものを止めるのは難しいんだよ…
ゼルギウスも戦場では無双出来ても政争ではクソザコナメクジだしな(元妻にして主君の情け容赦の無い評価)………セフェランを人質にとればいくらでも言うこと聞かせられる。
まぁ、そうなったらクリミアを攻めた責任や罪悪の所在は全てデインのせいにしてクリミアを再び吸収併合、次はデインを攻めるための足掛かりにするだろう。
ベグニオンの連中にとってはクリミアもデインも未だに属国でしかない、暁の女神を見れば明らかだ、領土が楽して手に入るならばと虎視眈々だ。
「この手順を無視すれば、文明社会の秩序を乱す輩として…後に、他国につけ入る隙を与えてしまうな。実際にエリンシア王女はこうしてベグニオンに向かっている。それに…アシュナードはあえて『奇襲』という誰から見てもどちらが悪いか分かる最悪の形をとった」
「流石はオルティナ様………私は己の無知を恥いるばかりです」
しゅんとしてしまったエリンシアに「これから勉強して行けば良い、あんたはベストを尽くせている」と言ってそっと手を握る。
エリンシアはきちんと勉強をして、やれば出来る姫なのだ、今はまだ俺やユリシーズが必要なだけで。
第一に勉強もろくすっぽして無い者にいきなり「結果を出せ!やれば出来る!!」というのを強いるのはただのエゴだ、強いる奴の方が悪い。
ブリテン時代の俺だって選定の剣を抜く前はケイの兄貴とマーリン塾に通ってたんだぞ………
「その時点でアシュナードの目的は初めからクリミアの領土や富………などでは無く、このテリウス大陸を巻き込んで戦乱を起こす事にある。実際、ガリアは今攻められていて危うい、他のラグズの国家もガリアにつく。そうすればベオク至上主義のベグニオンはデインにつかざるを得なくなる…………そうすれば、ホラ、ラグズ対ベオクの血を吐き続けるだけの悲しい全面戦争からの覚醒したアスタルテによる神罰だ」
「「「「「……………」」」」」
一同は俺の語った未来を想像してしまったようだ、一気に表情が暗くなった。
俺も説明しといてなんだが、エルランとゼルギウスはそのうち殴ろう!
他のFE小説みたいにゲーム性能風とか考えたいのですが………作者は謎丸並によくわからないまま雰囲気でFEをやってるので………
謎エクラ「久しぶりにヒーローズ復帰したけどスキルの説明欄が長過ぎてわからないよ〜!!!」
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