暖かい目で見てほしいです。
気分が乗れば続き書きます。
事の始まりは、中国・軽慶市。
「発光する赤ん坊が生まれた」――そんなニュースだったらしい。
教科書にも載ってる、有名な“個性の起源”だ。
あれから、世界は変わった。
“超常”が“日常”になって、今では世界人口の八割が、なんらかの「特異体質」を持って生きている。
そしてその力は、いつしかこう呼ばれるようになった――「個性」と。
でもな……俺の個性は、その中でも、ちょっと……いや、かなり変わってる。
俺が初めて自分の個性を使った日のことは、今でも鮮明に覚えてる。
あれは、年長の冬だった。冷たい風が吹きすさぶ中、公園のブランコの鎖がキィキィ鳴っていた。
俺はマフラーをぐるぐる巻きにして、母さんと一緒に散歩してたんだ。
そのときだった。道路の向こう側から、男がカバンを抱えて走ってきた。どこか焦っているような様子だった。大変そうだな、なんて思いながら見ていると直後、「誰かーっ!! その人、ひったくりなんです!!」と女性の叫び声が響いた。
女性の声が聞こえたあと、母さんはすぐに前に出て、俺をかばうように立ちふさがった。
母さんは「プレッシャー」っていう個性を持ってる。特定の範囲内ならば、睨んだ相手に威圧感を与えて、動きを鈍らせることが出来る。恐らく、俺に危険が及ばないようにするために個性を使用する選択をしたのだ。
母さんは男を睨んだ。だけど、その男は母さんに向かって遠くから刃のようなものを伸ばしてきた。男の個性であろう。
母さんの個性が届く前に、刺されるかもしれないそんな状況だった。
……このままじゃ、母さんが殺される。
そう思った瞬間だった。
俺の身体がビクンと震えた。胸の奥から、何かが爆発しそうな熱を放ち始めた。頭が真っ白になる。けど、心の奥底では、確かに何かが叫んでいた。
「(母さんを……! 俺が守らなきゃ……!)」
胸の奥が熱くなる。心臓が一回、ドクンと脈打った。
視界の端が揺れて、耳の奥に、機械のような駆動音が鳴り響いた。
ギィイイイィィンッ……!
まばゆい光が全身を包み込む。皮膚の内側から、鋼のようなフレームがせり上がってくる感覚。骨が軋み、筋肉が引き締まり、肌が金属装甲へと変わっていく!!
「な、なにこれ……!」
混乱する俺をよそに、身体は勝手に動いていた。右足をガシャッと踏み出すと、鉄のような重厚な音が響く。左腕には、白く大きな装甲が形成されていた。
赤・白・青・黄色――俺の身体は、まるで戦闘用のロボットみたいに色分けされ、頭には二本の角のようなセンサー。
視界には緑色のHUDが浮かび、各部の情報が流れてくる。
「な、なんだこれ……ロボット? いや、これ……俺自身か!?」
思考が追いつかないまま、俺の足が地面を蹴った。
次の瞬間――俺は母さんと男の間に、割って入っていた。
ゴォンッ!という衝撃と共に、男の刃を装甲で受け止める。
「お前……なにモンだッ!」
男が叫ぶ。でも、こっちも言いたかった。
「貴様に名乗る名などないっ!!!!」
反射的に左腕で刃を払い、右拳を渾身の力で叩き込む!
さらに続けて、もう一発。拳を引いて――
……その瞬間だった。
俺の右腕が、光り始めた。
「(……え? なんだ、この熱……!?)」
装甲の表面が、まるで炎をまとうように熱を帯びる。
手のひらから緑の光があふれ、指、腕、肩へと迸っていく。
そのとき――
胸の奥で、誰かの声が響いた。
「これが、お前の怒りか。お前の意志か。ならば――その拳に込めてみろっ!!」
……誰の声かなんてわからない。でも、確かにこの拳が叫んでる。
俺は右腕を前に突き出し、力を集中させた。
右手がさらに光を増し、緑の輝きが地面と空気を震わせる。
「や、やばい……っ!」
男が逃げようとする――でも、俺はもう動いていた。
「俺のこの手が光って唸る――!」
拳が、男の胸を貫くように命中する。
「お前を倒せと輝き叫ぶ!!」
「必殺ッ!! シャイニングフィンガァァァアアア!!!」
眩い光が炸裂し、男の個性の刃が霧のように崩れ去る。
拳のエネルギーが男を包み、地面に叩きつける!
ドカァァァンッッ!!!
轟音と爆発――そして、静寂。ひったくり犯の男は完全に動かなくなっていた。
拳の光が消え、装甲が徐々に溶けて、元の手が露出していく。俺の呼吸は荒く、膝が震えて、立っていられなかった。
「今の…………、何?」
遠くで、母さんの声が聞こえる。
でも俺は、ただ自分の手のひらを見つめていた。
そこにはまだ、ほんのりと温もりが残っていた。
そして――俺は、その場に崩れ落ちた。
これが、俺――努紋 師伝(どもん しでん)が、
初めて“個性”に目覚めた瞬間だった。
彼の個性。その名は、「機動戦士」……!
やっぱ書くのたのしい。でも不定期なるかも。
感想とかもらえると嬉しいです。