俺の2度目の人生が、ふざけたエイリアンに侵食されまくってる件   作:イカピーが救済(したい)

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漫画見てアニメ見て、二次創作漁ったのにマージでほとんど書かかれていないので書きました。

気に食わなくなったら消してまた作り直す可能性あります、ご了承ください。


【急募】宇宙人を小学生が手なづける方法

 

 

 

吾輩は転生者である。

名前は「結城 優介(ゆうき ゆうすけ)

転生してはや数年。憧れ焦がれた前世の記憶持ちチートだと赤子時代に大興奮の産声を上げてよろこんだのもいい思い出。

 

…もっとも、俺の今生の絶頂はたぶんそこだったという点を踏まえるといい思い出も少し悲しくなってくる。

 

異能を寄越せだの、天賦の才をよこせだの図々しいことを天に強請ったことはない。ただ、もう少し。もう少しだけ。

前の世界とは風変わりした…あれだ。

ファンでタジーな世界だったり。

サイバーな先進的世界だったり、さぁ。

 

一見ただの近代世界だとしてもさ。裏の世界ではでは魔法やら超常現象が蔓延るような少年少女心をくすぐるそーんな世界に行ってみたかったとか、そんなことを、思っちゃっていた時期が俺にもあったのだ。

 

結果を端的に言うと、転生先はただの近代日本。魔法も異能もありはしない。

前世は平凡な工場勤務しか行っていなかったため現代社会で学歴やら知識チートなども望めない。はい終わり、閉廷。

 

最初はそう不貞腐れていたのだが、腐っても前世の記憶持ちなスーパーニューゲーム。楽しもうと思って数年生きてきた。

自由に。されど思いやりは忘れずになるべくストレスフリーな生活をおくられるように頑張ってきた。その甲斐あってか前世では女の子友達が1人もいなかったが今回はついに1人作ることできたのだ!たった1かもしれないが、0と1では雲泥の差だろう。

 

少し訳ありな子だが、俺は今世では完璧なムーブを行ってきた。見た目は子供頭脳は大人、を存分に俺は活かしてきた。

紆余曲折こそあったものの、俺は少女の心を包み込み、なんとほぼ毎日遊ぶような関係を築くことに成功したのだ!

 

俺は今後も元大人でスマートな子供を演じ、薔薇色の青春を謳歌するとしよう……

 

 

 

…と、思っていたのだが……なぁ

 

 

 

 

「ゆうすけ君!一緒にお絵描きして遊ぼっピ〜!この土星うさぎの鳴き声がするボールペンでどっちが上手くしずかちゃんたちを…ピ!?捨てようとしないで欲しいっピ!!」

 

「ゆうすけ君!一緒に『パタパタつばさ』で空を飛んであそぼうっピ!たくさんつければにんげんでも空を少し食べることがわかったんだっピ!だから一緒に飛んで…なんで逃げるっピ!?」

 

 

「ゆうすけ君〜!みんなで『ハッピーカメラ』を使ってお花見の写真を撮ろうっピ〜!みんなもう待ってるっピよ〜!!」

 

 

…俺の人生、エイリアンに侵食されまくりな件。

 

 

 

 

 

 

きゃっきゃっと騒ぐ声を聞きながら、土管の上にドカンと座り、ずずりと水筒のお茶を飲んで、空を見上げる。

面白い形の雲を見ては何かに連想できないかと首をひねり、クラスメイトの誰かに似てることを発見できた時はカラカラと1人で笑う。実に小学生らしい遊びだ。

 

「…お。あれしずかちゃんに似てる」

 

「…どれ?」

 

「あれ。田中雲と佐藤雲の間にいるやつ」

 

「……どれ?」

 

隣からぽすんと軽い音が聞こえ、一緒にやってくれることを律儀に思いながら音の主ちらりと横目で確認して、ぷっと笑う。

遅れてしまったと思い、隣を見やると無表情ながらも不満そうに眉を顰めさせる不機嫌な少女の姿。吹き出して笑ったりはしないのに、負の感情を示す表情筋さんはご健在のようで何よりです。

 

「…なに」

 

とりあえず笑って返す。

少し睨まれたので頭を掻きながらそれっぽい説明をして、なんとか場を濁らせようと今度は試みる。

 今度は無言で圧をかけられた。

ほんと、能面みたいな表情筋しといて意外と意思表示できるなこの子。生意気な小学生め。俺も小学生だったわ今は。

 

「しずかちゃん、意外と付き合い良いところあるよなーって思っただけだよ」

 

「付き合い、良い?」

 

「こんな暇を極めたガキか老人しかやらないようなことにしわ寄せて集中してまでしてやってくれるんだから、良いでしょ」

 

ずずりとお茶を飲む。子供に戻った舌では少し苦く感じるが、それが少し懐かしくもあり良いものなのだ。

苦々しいブラックコーヒーをただの気付け薬のような感覚で無感情に飲み干していた昔に比べると、苦みや甘味に敏感に反応している今はしっかりと生きている、という感覚になる。

 

現実に帰り、しずかちゃんの反応を伺うと、いまいち自分が言われた感覚に要領を得ていないご様子。

性格が悪いのを承知で考えるが、おそらく僕以外の人とまともに親交を深めていないから言われた経験がないのだろう。

 

「初めて言われた」

 

「しずかちゃん、僕以外に友達いないもんね〜。僕も女の子友達はしずかちゃんしかいないけど〜」

 

「そう、だね。優介君と私。お揃いだね」

 

「やなお揃いー」

 

余談だが転生して保育園といった集団組織に放り込まれる際、密かに懸念していたことがあった。

最近のガキの物差しに三十路に片足を突っ込みそうだった人間がついていけるのか…と。流行を抑えるのが前世苦手だったため特に不安だったのだが、男子に生まれた時点でその心配は杞憂だった。

 

下ネタやらゲームやらでなんとか話題を持ち出し、簡単なグループに属することに成功したのだ。今世のムーブとしては具体的に言うと、コンプラに規制されまくる前の嵐を呼ぶ5歳児を小学生が感化されたようなものだ。男って単純よね。

 

一部の男子には少し敬遠されているが、おおかたの男子とはもう良好な関係を築けていると自負している。女子?知らん。

そして僕こと優介。近代日本から近代日本に転生して、かれこれ数年。しみじみと感じてることがある。

 

最近のガキはまぁほんとに口言葉が悪い。うちの小学校だけかもしれないが…いや、むしろそうで合って欲しいが。

書くか?普通。ランドセルとかノートに「アバズレ」だの「寄生虫」だのを。俺の世代だと「う⚪︎こ」や「バカ」「ゴミ」、「死ね」…よくて「ムシケラ」だ。ほんとにここらへんが暴言語彙力の限界値だったぞ。

 

ほんと、おじさん感心しちゃうよ。

いじめという行為は到底見過ごせないが、それ以外の能力のパラメータが高くて最近の子はすごいと感じる。

しかし、倫理観も同時に培われて欲しかったなというのは無理な話なのだろうか。

〜ちゃんがいじめてるから私も、みたいなのは今も昔も同じらしい。

 

「しずかちゃん。ランドセル貸して。消せるだけ消しちゃうから」

 

「え?別にいいのに」

 

「いいからいいから…っと、おもっ…!」

 

横着してついつい片手で受け取ってしまった僕は、ついついランドセルを土管の側に落としてしまった。

土が少しついてしまい、ますます汚れが落としにくくなったのと、少しでも汚してしまったことに負い目を感じて。

ランドセルに手を伸ばした時。

 

にゅるり、と。ランドセルの持ち手に赤色の何かが巻き付く。糸にしては分厚く。綱にしてはやや細い。

まるで、たこの足のような。赤く細長いナニカ。

 

錆びたブリキのように体をギギギと動かす。見るのは触手が伸びて来た先。土管の中だ。

なるべく慎重に音を立てず吸い込まれていくランドセルを追って行った僕が見たものとは。

 

 

「……ピ?」

 

 

「……おいおい。死んだわ僕たち」

 

 

 

 


 

 

「……で、本当に宇宙人なんだ…」

 

「ありがとうっぴ…おいしいっぴー…!」

 

僕はハッピー星人!

故郷ハッピー星に別れを告げ、今日この緑と青の惑星に降り立ったっピが…捕獲されそうになったり食べ物もなかったりでとっても大変だったっピ。

 

でも、そんなときに。

目の前のしずかちゃんが助けてくれたんだっピ!

 

しずかちゃんは見ず知らずの僕に、なんと「パン」をくれたんだっピ!

丁寧に食べ物とその食べ方を説明までしてくれて、本当に親切でうれしかったっピ…。

 

でも…

 

「……僕たちよりパンの方がおいしいっぴよー…た、食べないでねー…」

 

「食べないっピよ!?」

 

「…多分、タコピーはそんな凶暴じゃないと思うよ。優介君」

 

しずかちゃんには受け入れて貰ったけど、もう1人の男の子には全然受け入れられてないっピ!

最初に隠れていた僕を見つけてくれた男の子は目を合わせたそれっきり、目どころかしずかちゃんを挟まないと顔すら合わせてくれないっピ!

 

でも、見ず知らずの僕に優しくしてくれるしずかちゃんが特別優しかっただけで、男の子の反応の方が正常なのかもだっピ…。

僕も、初めて話すハッピー星人とは少し緊張しちゃって上手く話せないことがあるっピ。

だから、男の子の気持ちは良くわかるっぴ!

 

ここはあのハッピー道具の出番だっピ!

 

「じゃーん!ハッピーカードだっピ!」

 

「…ハッピーカード?」

 

「ピ!ハッピーカードはハッピー星で流行したとってもハッピーなゲームだっピ!これで男の子も僕と遊ぶっピ!」

 

ハッピーカードはルールもとっても簡単で、楽しい遊びだっピ!僕も少しケンカしちゃって仲直りしたいお友達とはよく一緒に遊んでハッピーな気持ちになってたっピ!

ハッピーカードは友達がいっぱいいても遊べるっピ。しずかちゃんがいれば男の子の緊張もきっとほぐれるっピ!

これでみんなで遊べばきっと男の子とも仲良くなれるっピ!

 

「遊び…?ひいっ…そのカードで地球人に対してどんな恐ろしいことをする予定なんだ…っ」

 

「ハッピーな遊びだっピよ!?怖いことなんてしないっピ!」

 

「嘘だッ!お前のようなファンシーな見た目をしてる人外キャラが出る漫画は大体グロくて怖いって相場が決まってんだよ!…殺さないでくれぇ…」

 

「…優介君、近くで叫ばないで。うるさい」

 

おかしいっピ…すっかり怖がられてるっピ…

ルールを説明しようとしても、今の男の子のルールを覚える余裕なんてなさそうだっピ…。

ところどころによくわからない地球の言葉がたくさんあって良くわからないけど、怖がれてるのはよくわかるっピ…

 

でも、男の子…ゆうすけ?君が最後に本当に小さい、声で言ってた言葉。地球の言語だっピ…よね?

 

「タコピー」

 

どこかで聞いたことが…あったような?

 

 

「タコピーってば」

 

「ピ…?」

 

考え事をしていたらしずかちゃんにずっと呼ばれていたみたいだっピ。何度も呼んでくれたみたいで申し訳ないっピ…。

 

「タコピーの本当の名前ってなんて言うの?」

 

「ピ!僕の名前は、んうえいぬkfだっピ!」

 

「…え?」

 

んうえいぬkf

 

「……」

 

「タ、タコピーでいいっピ!でも、なんで僕はタコピーなんだっピか?」

 

「タコっていう生き物に似てるから…ほら、これ」

 

しずかちゃんが「タコ」を見せてくれたっピ。

……僕にはよくわからないピけど…しずかちゃんが似てるっていうなら似てるんだっピか…?

 

「…絵に描いたような宇宙人だよね。見た目タコで、名前もんうえいぬkfって」

 

「…この星の宇宙人のイメージはそうなんだっピ…!?…お、男の子も僕とお話してくれる気になったっピ?」

 

僕が読んでいた図鑑を取り上げて、男の子が僕を見下ろす。

しずかちゃんの後ろに隠れていてよくわからなかったっピけど…しずかちゃんよりも大きくて…ちょ、ちょっと怖いっピ。

少し体を震わせていると、男の子は図鑑をしずかちゃんに僕の代わりに返すと。僕を下から抱えるように持ち上げる。

 

「…意外と軽い。それに少しぬちゃってるけど、本物のタコほどじゃないな。臭いもなんもしないし…うーん…」

 

「ピっ…」

 

す、少しくすぐったいぴ。

それに臭いまで嗅がれちゃって、恥ずかしくなってきたっピ…でも、男の子が僕に興味を持ってくれている今。仲良くなるチャンスだっピ!

 

「ハッピーカー「言っとくけど」…ピ?」

 

「僕はそう簡単には絆されないからね。人間を舐めるなよ宇宙人…」

 

な、なめる?「にんげん」は他のにんげんをなめることがあるっピか?…難しい文化だっピ。

 

「宇宙人でもとりあえず仲良くなっておくこと損はないだろうし。よろしく、んうえいぬkf。もといタコピー。地球征服する時は僕たち見逃してね」

 

僕が男の子…ゆうすけ君の言葉に頭を捻っていると、なんと!優介君から笑顔を浮かべてそう挨拶してくれたっピ!

あんなに怖がっていたのにハッピーな笑顔を浮かべて僕とハッピー握手までしてくれるなんて…やっぱりゆうすけ君もとっても優しくていい子だったっピ!

 

「ピー!ゆうすけ君!こちらこそよろしくだっピー!!」

 

「よろしくお願いしますぴー。略してよろぴー」

 

「言葉を縮めるなんて…にんげんは面白いことをするんだっピね…よろピーだっピー!」

 

 

ハッピー星より着陸、きねんすべき1日目。

太陽系第三惑星「地球」

知的生命体「人間」の『しずかちゃん』と『ゆうすけくん』と仲良くなれたっピ!

 

ご飯と仲良くなったお礼に僕のハッピー道具のひとつ。「ハッピーつばさ」を2人に使ってもらったけど、あまり反応は良くなかったっピ…。僕とにんげんじゃ重さが違ってちょこっとしか浮かなくて残念だったっピ…。

 

今回はうまくハッピー道具を活かせなかったピけど、今度はもっと上手く道具を使ってみせるっピ!

しずかちゃんとゆうすけ君に、いろんなハッピーをお裾分けして、もっともっと仲良くなるんだっピ〜!

 

 

「急にタコピーと話すね優介君」

 

「ふところに潜った方が安全と判断しました。仲良くなったフリをして、情に訴える作戦を遂行します」

 

「…そういえばなんでゆうすけ君タコピーの名前言えるの」

 

「んー…早口言葉得意だから、かな?」

 

「そうなんだ…」

 

「2人とも!僕が必ずもっともーっとハッピーにさせてみせるっピー!」

 

 

 


 

 

タコピーと別れた後、いつも通りの帰り道を優介君と一緒に歩く。

私も、優介君も。帰ってる時はあまり喋らない。静かに、ただ2人で横に並んで重いランドセル背負って歩く。

それが私には心地よくて、丁度よくて。

 

「しずかちゃん」

 

呼ばれて横を見る。

優しい二重の瞳。少し焼けているけど、白い肌。少しぼさっとしているけど、綺麗な黒髪。

前を向いていて、全部は見えないけど。横顔から優しくうっすら笑っているのがわかる。昔、私と遊んでいたお父さんがよく浮かべていたような、優しい笑顔。

 

「平和で、良い日だね。今日は」

 

「…うん。下敷きも教科書も、無事だったからね」

 

「そかそか、よかったね」

 

お母さんはもう、まともに私と話してくれない。

お父さんだって、遠くに行っちゃって、もう会えない。

私には、お父さんが残してくれたチャッピーしかいないと思ってた。それでも、いいかなって思ってた。

 

 

お父さんがいなくなって

お母さんが、まりなちゃんのお父さんと仲良くなって

まりなちゃんが私をいじめるようになって、から

 

 

来たよね、ゆうすけ。

 

 

『僕、ゆうすけ!ゆうちゃんって呼んでいいよ!』

 

『靴箱きったな!こんなんじゃGが湧き出てくるよ…掃除しよ掃除!なにその目…靴の匂いかいだりしないから安心して!』

 

『まーた給食残すの?勿体無い〜。食いしん坊の僕が食べてしんぜよう〜。なにその目…やっぱ食べたくなった?はいあーん』

 

『チャッピー思ったよりでかくてウケる。おーよしよし、寂しんぼで可哀想なしずかちゃんのお世話ご苦労様〜…何その目。あながち間違ってないでしょうよー』

 

 

 

「ふふっ」

 

「…?」

 

 

心地よい沈黙を感じながら歩いていたら、気付くと家に着いていた。

また明日と手を振って帰ろうとするゆうすけ君を引き留めて、家へと上げる。いつもすぐに帰ろうとするけど、家に誘えば絶対断らない。意外と暇なのかな、優介君。

 

「…今失礼なこと考えてなかった?」

 

チャッピーと遊んでいた優介君がジトっとした目でこちらを見てきた。顔にでちゃってたかな。

首を横に振って、チャッピーの毛をワシャワシャと掻き回していたところに私も混ざる。

チャッピーの尻尾の揺れが先ほどよりも大きくなり、もう取れちゃいそうなぐらいブンブン振られていて。私たちは顔を見合わせて、思わずクスリと笑った。

 

 

チャッピーと遊び疲れて、2人で飲み物を飲んでぼーっとする。何かをする訳でもなく、ただただ空を眺める。

横目でちらりと見ると、甘いジュースを口元に添えながら面白味もない雲が浮いただけの空を見上げる優介君がいる。

…また、雲を誰かに見間違えてるのかな。いつもやってるし。私もやってみよう。

 

その後も時々どの雲が誰かに似てるだとか、タコピーが今はどんなことを考えているかとかを話したりして。

時間が経って、眩しかった日差しがおさまってきて、私も優介君も口数が減ってきて。

 

空が暗くなってきた

 

…暗く、なってきた

 

「しずかちゃん」

 

「…なに」

 

「そろそろ帰るね」

 

いつも通りの言葉。

優介君はチャッピーとは違う。

家族じゃなくて、彼はただの友達。帰る時間だって当然来る。

 

わかってる、わかってるよ

でも、

 

 

ごちそうさまと、飲み終わった飲み物を横に置いて縁側から優介君が立ち上がる。

ろくに返事もしないで、ゆったりとした動作で帰る準備をしているところをぼーっと眺める。チャッピーに別れの挨拶をして、いよいよ本当に帰ろうとして。

 

「優介君、もう少し…」

 

ふと、思いついたように彼は振り返ってとニカリと笑った。

 

 

「また明日っぴ!しずかちゃ〜ん!」

 

リズムよく遠ざかっていく足音。

見えなくなっていく、私よりも大きな背中。

それらの余韻が完全に消えるまで。私は控えめに手を振っていた。

その時の私は多分、少し笑っていた。

 

 

夜は1人だ。チャッピーはいるけど、彼はいない。

それでも朝がくれば、彼とまた会える。

学校だって。いじわるはされても、彼がいる。

 

 

だから、もう私は寂しくない。

 

 

 

 

『2人とも!僕が必ずもっとハッピーにしてみせるっピー!』

 

 

 

タコピー。ごめんね。

 

私、もう十分ハッピーなんだ

 

 

 

『おーよしよし。僕なんかに泣きついちゃってどうしたのしずかちゃん』

 

私、わかんなくて。

どうすればよかったんだろうって。

私が私をどうすれば幸せにできたんだろうって。

考えて。悩んで。苦しんで……なのに、何もわかんなくて。変わんなくて。

 

痛いよ。辛いよ。パパ。ママ。

誰も私を見てくれないの。ずっと1人なの。寂しいよ。

 

ねぇ、ねぇ。ゆうすけくん。

 

わたしよりかしこいでしょ、ゆうすけくん。

 

ゆうすけ、くん

 

 

 

わたし……どうすればよかったのかな

 

 

 

『…ごめんね。わかんないや』

 

『僕は大人じゃないから。まだ、体もしずかちゃんより少し背が高いぐらいで大きくないし、力も頭も大人の人達よりは全然すごくないし、頼りにならないかもだけど』

 

 

『そばにいるよ。僕が…まぁ、24時間とはいかないしきもいから無理だけど、そばにいて君を見ててあげるぜ』

 

『お互いもう少し年をとって、さ。賢くなってから答えをだそうよ。子供の今なんかよりよっぽどできることが増えてるし…えーっと…き、きっと、解決できるよ!できます!』

 

 

 

…なに、それ

パパもママも、もうかえってきてないのに。

2人とも、もうきっと私のことなんか好きじゃないのに。

今ですらもう遅いのに。大人になってなんて、なってからなんて。

 

全部、全部。遅すぎるのに。

 

 

私でもわかることを、わからないなんて。

話さなければよかった。期待しなければよかった。

バカ。アホ。マヌケ。

 

ほんと、、ほんと……

 

 

 

『…よしよし。頑張ってるよしずかちゃんは…えらい、えらい…』

 

 

 

「ありが…と…う…」

 

 

 

日も暮れて、辺りが暗くて見えなくなってきたころ。

人がいる気配を感じさせないほど静かになった市街地で。

 

暗くも月明かりが入った部屋でただ1人、少女は時たま寝言をぼやきながら、静かに、安らかな寝息をたてていた。

 

 






書いててわかったむずさ。二次が少ないのも納得。
転生者の説明やっぱ長くなっちゃうし…なのに薄いし。むずかしいですねぇ。

キャラ違、誤字、言葉の誤用、アドバイスなどなどあったら気軽におっしゃってください。不定期で更新します。
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