恋愛短編シナリオ集   作:崖の上のジェントルメン

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吃音症の高身長バレー部ちゃんを痴漢から助けたらめちゃくちゃ懐かれる話

 

 

 

タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……(電車が走る音)

 

 

……あ。

 

あ、あの。

 

や、止めて、止めてくださ……。

 

 

パシッ!(痴漢の手を叩く音)

 

 

え?

 

 

 

タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……(電車が走る音)

 

 

……あ、あの、た、助けてくれて、あり、ありがとう。

 

え?ち、痴漢に逃げられちゃって、ご、ごめんって?

 

う、ううん、そ、そんなことない。た、助けてもらって、う、嬉し、かった。

 

……………。

 

え、えと、確か君、同じクラスの人……だよね?

 

ご、ごめんなさい、わ、私、まだクラスのみんなの名前、お、覚え、きれてなくて……。

 

で、でも、もう大丈夫。君のは、ぜ、絶対、覚えたから。

 

あ、あの、言葉、おかしくて、ご、ごめんなさい。わ、私、生まれつき吃りが酷くて……。

 

ひ、人と話すの、得意じゃないし、あ、ああいう風に嫌なことされても、ちゃ、ちゃんと嫌って、言えなくて……。

 

バレー部の先輩とかも、最近……お、怒らせること増えちゃってて。わ、私ってほんと……身長がおっきいだけの、で、木偶の坊なんだ。

 

き、聞き取り辛くて、ご、ごめんね。イライラ、しちゃうよね。ひ、筆談にしようか?そ、それなら、き、君も、話しやすいだろうし。

 

……え?き、気にしなくて、いい?

 

ゆっくりでも、話して、くれて、いい?

 

……あ、ありが、と。

 

そんな風に、言ってもらえたの、は、初めて。

 

き、君って……あの。

 

や、優しい……ね。

 

………………。

 

……あ、あの!

 

えっと、その、これは、何て言うか……い、嫌じゃなかったらでいいんだけど……。

 

わ、私と、おと、お友だちに、なって……くれ、ませんか?

 

いや、あの、私……まだ高校でお友だちできてなくて。そ、それで、もしよかったら……その、お友だちになってくれたら、いいなって。

 

ほ、ほんと?あり、ありがと。

 

そ、それじゃ、あの、こ、これから、どうぞ、よろしく……ね。

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン(学校のチャイムの音)

 

 

あ、あの。

 

お昼のお弁当って、だ、誰かと、約束、してる?

 

よ、よかったら今日も……一緒に、食べたい、な。

 

ほ、ほんと?あ、ありがと。

 

つ、机、くっつけても、いい?

 

 

ガタガタ、ガタンッ(机を移動させる音)

 

 

え、えへへ。こ、高校で、お友だちとご飯。や、やっぱり、う、嬉しいな。

 

え?き、君、今日もお弁当、パン二つ、だけ?そ、それだけで本当に足りるの?

 

わ、私のおにぎり、少しあげるよ。だ、大丈夫、私、おにぎり10個持ってきてるから。

 

は、ははは、身体おっきいから、ご飯、たくさん食べるんだよね。いつも、部活の後に食べるんだ。

 

は、はい、どうぞ、二つあげる。

 

う、ううん。気にしないで。だ、だって……えへへ、お、お友だち、だもん。

 

そうだ、君って、部活はどこに入ってるの?入ってない?そ、そっか、帰宅部なんだ。

 

じゃあ、わ、私も、バレー辞めちゃおっかな。え?だ、だって、一緒に帰りたいし。

 

だ、だめ……かな?

 

ほ、ほんと?よかった、嬉しい。

 

うん?少し、待ってて欲しい?いいけど、ど、どうかしたの?

 

人に呼ばれてる?そ、そっか、じゃあ下駄箱で、待ってるね。

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン(チャイムの音)

 

 

あ。お、おっす!なんて、ね。えへへ。

 

ず、ずいぶん遅かったね。大丈夫だったの?

 

あ、ううん。怒ってるわけじゃなくて、し、心配だっただけで。

 

と、とりあえず、帰ろっか。

 

 

……と、ところで、その、さっきはだ、誰から、呼ばれてたの?

 

お、女の子?へ、へえ、そうなんだ。

 

……その子は、えっと、何の用で……呼んだの?

 

…………。

 

……え?

 

こ、こくは、く?

 

告白、されたの?

 

……そ、そっか。凄いね、さすが私の、お、お友だち、だね。

 

う、ううん、そんなことない。凄いよ、君は。

 

だ、だって、私みたいな人とも、お、お友だちで、いて、くれるんだもん。

 

君のこと、好きになる人がいるのは、あ、当たり前……だよ。

 

………………。

 

……あの。

 

じゃ、じゃあ……もうその子と、つ、付き合う……の?

 

え?こ、告白は断った?好きな人が、いるから?

 

そ、そっか。

 

……そう、なんだね。

 

………………。

 

え?わ、私?

 

私に、好きな人がいるのかって?

 

……う、うん。好きな人、いる。

 

ど、どんな人かって?

 

……そ、その人は、ね。

 

…………ち、痴漢から、助けてくれて。

 

私が吃音なこと、笑わないで、いてくれて。

 

わ、私なんかと……。

 

お友だちで、いて、くれる……人。

 

………………。

 

うん、そ、そうなの。

 

と、友だちになりたいって言ったのは、ほ、本当は、口実で。

 

た、助けてもらった時から、わ、私……ずっと、君のこと……。

 

…………。

 

ご、ごめん、ね。

 

め、迷惑、だったよね。

 

私なんかと、お、お昼休み、無理やり付き合わせちゃって、ごめん、ね。

 

わ、私、も、もう……君には声を、かけないように……。

 

え?き、君の好きな人の話?

 

え、えっと、あ、あんまり、き、聞きたくないかも……。

 

う、うう、分かった。ど、どんな人……なの?

 

……言葉が吃ってるけど、や、優しくて?

 

し、身長が高いのを気にしてて、可愛くて?

 

バレー部で、頑張ってる人で?

 

……い、今、め、めめ、目の前に……いる、人?

 

…………。

 

あ、あの。

 

あのあのあの。

 

そ、それ、あの、えっと、あの……。

 

そんな、私……ゆ、夢みたい。

 

や、やだ、顔見ないで。は、はは、恥ずかしい……から。

 

……う、うう。

 

す、すす。

 

 

す、き。

 

 

好き、だよ。

 

わ、私も、君のこと、好き……。だ、だい、す、き。

 

う、うん。

 

じゃ、じゃあ、友だちなのは、も、もう、おしまい、だね。

 

これからは、こ、恋人として……一緒に、いよう、ね。

 

あ、あの、お、お手々、繋ぎたい、な。

 

え、えへへ、う、嬉しい。

 

そ、それじゃ、あの、こ、これから、どうぞ……

 

 

よろしく……ね。

 

 

 

 

 

 

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