生暖かい目で今話もよろしくお願いいたします。
「・・・この
「仕事を続けるぞ」
朝になりレイが目を覚ます。
「またあの人の夢を見るなんて・・・。何センチメントな気分になってるんだか・・・私は」
そしてレイが
『おはようございますレイヴン』
「おはようエア」
「「あ・・・」」
雫とレイが鉢合わせた。
「おはようございます、レイさん」
「おはようさん、八重樫」
互いに挨拶をする。
「ちゃんと夜、寝れた?」
「ええ、なんとか・・・」
何処かぎこちなく返す。
挨拶のあと、二人の沈黙でこの場が苦しい・・・。
(私、何か八重樫に嫌われている・・・、と言うよりは何か避けられている気がする・・・)
『無理もありませんよ、八重樫さんの実家の道場に、道場破りモドキみたいな事をレイヴンがしたのですから・・・』
(剣道とやらを実際に学びたかっただけよ。師範の鷲三とやらに話しかけたら、いきなり襲いかかって来るとは思わなくて)
バツが悪そうに思うレイ。
そう、レイがまだ中学2年生の頃に一度、八重樫流に剣道を実際に知るために行ったのだが何故か襲われた為、レイが返り討ちにしてしまったのである。
『おおかた・・・、レイヴンが殺気の様な物を発したからではないのですか・・・?』
『あともう一つ、
実はあと一つ、雫がレイの事を苦手に思っているものがあるのだがそれはまた別の機会で。
(あれこそ仕方ないでしょう、祭りの日ハジメの奴がその事を黙っていて、隠されていた私の気持ちにもなってよ・・・。
まあその件の不良共に会えたのは私個人としてはお返しが出来て運が良かったけど・・・)
『・・・あの時、貴女の不良達にした脅かし方のせいでまた一つ不名誉な異名がつきましたよ・・・全く・・・』
と呆れ果てているエア。
ちなみに、地球にいた時、地元でのレイは様々な異名があるのだが今は関係ない。
「あの・・・レイさん、考え事ですか?」
不思議そうに雫が尋ねる。
「・・・まあね、今日は訓練と座学があるから」
嘘である。この
その後・・・。
今日の訓練に、この国の騎士団長メルド・ロギンスが担当してくれるらしい。
わざわざこのご時世に、騎士団長自ら来て良いのか?と思ったが、「むしろ面倒な雑事を副長に押し付ける理由ができて助かった!」と豪快に笑っていた。
その面倒な雑事を押し付けられた副長とやらに"多少"同情する・・・。
この騎士団長・・・、何処か熱血で真っ直ぐそうな感じが、レイはある男を思い出す。
「
「俺としては、お前は独立傭兵にしておくには惜しいと思っている」
「正式に入隊すればもっと上のナンバーを目指せるだろう」
「以上だ、これからも使い倒してやるから覚悟をしておけ」
あの粗暴で言動がチンピラ同然の
かつて、あの
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所持者が登録される。"ステータスオープン"と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだ。ああ、原理とか聞くなよ? そんなもん俺も知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト?」
アーティファクトという単語は南雲家の英才教育のお陰で何となく想像はつくが、念の為にレイは聞いておく。
メルドが言うには、現代では再現できない強力な力を持った魔法道具という。
そんでこのステータスプレートは複製するアーティファクトと一緒に、昔からこの世界に普及している唯一のアーティファクトだそうだ。
身分証としても使えるから今なお、重宝しているらしい。
私は早速、試しにステータスプレートを使って確認してみたが・・・。
C4-621
南雲レイ 20歳 女 レベル:1
天職:傭兵
筋力:842
体力:919
耐性:110
敏捷:350
魔力:300
魔耐:109
技能:コーラル炉心[+コーラル生成 +コーラル放出]・コーラル耐性・スキャン・アクセス・危険感知・コア拡張機能[+アサルトアーマー +パルスアーマー +パルスプロテクション]・戦術眼・武芸百般・言語理解
「ッ!?」
『レイヴン!これは!?』
レイとエアはこの世界で高いかわからないステータスの数値よりも、自身の今の名前の上に薄っすらとある、
「姉さん、どうだった?ステータス」
「・・・ッ!ステータスの数値は高いかも知れないけど、レベルのところがノイズみたいに揺れていたり、技能の方が何かおかしいかも知れない・・・」
ハジメにステータスを尋ねられたがレイは軽く誤魔化した。
「姉さん大丈夫? 顔色悪い気がするよ」
「大丈夫、私は昔から頑丈な方だから。そう言うハジメの方はどうだった?」
とハジメに聞き返したが・・・。
「僕の方はその・・・、見ても笑わないでね・・・」
とステータスプレートを渡されてレイは見てみると・・・。
南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
「・・・・・」
レイは思わず無言になった。
「何か低いよね・・・」
と申し訳ない感じでハジメは言うが、レイはというと。
(何だこの数値・・・、確かにハジメは運動とかはやってはいないインドア派の人間だが、オール10って露骨に感じる数値ね・・・)
『何か・・・悪意の様なものを感じる気がするのですが気の所為でしょうか・・・』
(けどそうと決めるのは早計ね、一回メルドにこの世界の基本的な数値を・・・)
と思案していた中メルドが。
「後は各ステータスは見たままだ。レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
(・・・・・)
『どうやら、残念ながらハジメの数値が低いことが証明されてしまいましたね・・・』
そうエアに言われてレイがハジメの方を見ると、気の毒なくらい落ち込んでいた。
そんな中メルド団長の呼び掛けに、早速、光輝がステータスの報告をしに前へ出ていた。
『レイヴン!
(そうね、任せたエア。できなかった場合は私がなんとか誤魔化す)
技能に載っている
こうして、どんどんクラスメイトがメルドにステータスプレートを見せていた中・・・。
『レイヴン、上手く行きました。あの技能の部分をぼかしを入れて読めない状態にしました』
(ナイスだエア、不安だったがなんとかなって良かった。それに怪我の功名だけど、どうやら私が触れていればエアの十八番、ハッキングができることがわかったのも良い)
そう心の中でレイはほっと胸をなで下ろしている。
そしてハジメの番が来て。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか・・・」
何とも歯切れの悪いことをメルドが言った。
(鍛冶職か・・・、上手くいけば最低でも銃はできるようになるかもしれない・・・)
落ち込んでいるハジメをよそにレイは考えていると。
「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か?鍛治職でどうやって戦うんだよ?メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」
「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」
とこの男、檜山大介がハジメを嘲り始めた。その様子はさながら水を得た魚の如く。
(何だこのガキ・・・。私を前にして恩人の息子をバカにしてくれやがって・・・)
と内心レイはキレていた。
「そんなの・・・、やってもないとわからないだろ・・・」
「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」
何故この三下極まったことを檜山はしているのかというと、彼は白崎 香織に惚れていたからである。
だがこの様なことをやればやるほど。白崎の心が離れることを檜山はわからないのである。
そしてハジメは投げやり気味にプレートを渡すと檜山はステータスを見て爆笑する。
檜山が自身の取り巻き達に投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく。
「ぶっはははっ~、なんだこれ!完全に一般人じゃねぇか!」
「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」
「ヒァハハハ~、無理無理!直ぐ死ぬってコイツ!肉壁にもならねぇよ!」
何たる卑劣非道!もはや言葉にできぬほどの凄い失礼である!!。
その光景を見ていた白崎 香織と教師の畑山 愛子が堪らず前に出ようとしたその時。
パシッ!
取り巻き達からハジメのプレートをレイが取り返したのである。
「全く・・・、何下らないことをしてるんだか・・・」
ハジメに取り返したプレートを渡した。
「私達はこれから戦争をしないといけないかもって時に、仲間割れを誘発しかねないことをするとかアホにも程がある・・・」
とレイは呆れた口調で言う。
「んだよ、部外者の癖して。何だアホって、俺達をバカにしてんのか?」
「良かったわ、私の言葉をちゃんと理解する教養があって。わからなかったらどうしようかと思った・・・」
と檜山に挑発するレイ。
「このクソアマ!このキモオタの姉の癖にテメェも本当は非戦系で弱いんだろ!」
「だったら見てみる? ほら、ステータスプレート見せてあげるから」
とレイがプレートを差し出し、ひったくるように檜山はプレートを取る。
そのあとレイのステータスを見て檜山の顔が青くなる。
「何だよこのデタラメな数値!お前何かズルしたんじゃねえのか!?」
それを聞いて檜山からレイのプレートをメルドが見る。
「凄いな、天職は普通の傭兵だが、全てのステータス数値が光輝よりも高いぞ!」
それを聞いたクラスメイト達が分かりやすく反応する
「今日初めてやった私に、数値の改竄とかできるわけ無いでしょう。メルド団長に質問だけど数値の変動はレベルを上げる以外にできるものなの?」
「いや、そんなことはできない・・・。ただお前さんの技能のところが一部読めないのだがコレは?」
「読めない技能はメルド団長でも分からないか・・・。高ステータスの弊害かもね」
「さて下らないバカ騒ぎもそろそろお開きね・・・」
そしてハジメの手を引いて出て私達は一回休憩することにしたのである。
「姉さんごめん、僕が弱いせいで檜山達に因縁付けられるような事に」
「あんな三下共の言う事を気にしない。ステータスが低くても鍛冶職の天職なんでしょう。色々できることがあるかもしれないし」
「でも錬成しか無いのにどうやって・・・」
「一つだけなら、その一つを極めれば良い。私なんてアンタのプレートと違って何かプレートがバグった感じで不安になってるから」
「姉さんも不安になる事とかあるの?」
「あるに決まってるでしょう。こんな訳のわからない事に巻き込まれていて不安にならない方がおかしいわ」
「そうなんだ・・・。姉さんはいつも何処かで戦ってるから最強の姉さんでも不安があったんだ・・・」
何か感慨深い様に思うハジメ。
「最強ね・・・、私が最強だ!なんて思った事は一度も無いわ・・・。それに何とか話し合いで解決しようとして、最終的に力で解決しちゃうのを結構気にしてるんだから」
とぶっちゃけるレイ。
「っぷ! 嘘だ〜(笑)、姉さんが力以外で解決した所なんて見たこと無いよ」
「っな!?違うわよ!私が話し合いをしようとしても、いつも相手が問答無用で襲ってくるから結果的に返り討ちをしてしまうだけだから!」
と少し顔を赤くなりながら弁明するレイ。
何故その様な事になるかというと、レイが話し合いをしようとする時、どうしても獰猛な笑みを向けながら話すため、その顔に怯えた相手が自分の身を守ろうと襲って来てしまうからである。
「本当、美人なのに勿体無い」
「余計なお世話よ・・・。これからはお互い自分に出来ることで強くなっていくわよ!。ハジメが錬成とやらで色々な物を作れるようになってあの三下共と見て見ぬふりをしていたクラスの連中にギャフンと言わせてやれ!」
こうして姉弟はそれぞれの方法で強くなることを誓ったのである。
ただハジメはまだ知らない・・・、レイ自身が持つ、あってはならない技能を・・・。
この世界を容易く滅ぼしかねない
C4-621
南雲レイ 20歳 女 レベル:1
天職:傭兵
筋力:842
体力:919
耐性:110
敏捷:350
魔力:300
魔耐:109
技能:コーラル炉心[+コーラル生成 +コーラル放出]・コーラル耐性・スキャン・アクセス・危険感知・コア拡張機能[+アサルトアーマー +パルスアーマー +パルスプロテクション]・戦術眼・武芸百般・言語理解
余談だがハジメ達を追って畑山先生が自身のプレートを見せてハジメを励まそうとしたが、見事!ハジメにトドメをさしたのである。
ナムサン!!
南雲 ハジメ
皆さんご存知ありふれの主人公。
自分の所のは血は繋がっていないけど賢い上に強すぎる姉を持って少なからずコンプレックスを抱えている。
皆さん今話はどうでしたか?。
気づかないうちに矛盾していたり、ここおかしくね?な部分が出来てしまうかもですが今後ともよろしくお願いいたします。
それにしてもWEB版を読み返すとあの小悪党どもクッソ腹立つな・・・。