ありふれない傭兵は火を点ける   作:白2野1威

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前話のステータスプレートの数値ってかなり鬼門のように思えてきた。

ちゃんとアレで良かったかな〜?と思っていたり。

投稿しているのに、後で編集し直しまくって、もう自分のせっかちさん!!。

と思う今日このごろ・・・。

今話もよろしくお願いいたします。


Chapter1−3 おとぎ話

レイの強さとハジメの弱さで下らないバカ騒ぎをした日から2週間が経った。

 

現在、レイとハジメは訓練の休憩時間中に魔物図鑑だったり世界地図、その他の歴史を知るために王立図書館に来ていた。

 

ハジメが図書館に通ってる理由は、この2週間の訓練でステータスが成長するどころか全く成長しないという現実を叩きつけられてしまったので、戦闘で役に立てないから知識でカバーしようと訓練の合間に勉強をしていたのである。

 

しかもハジメは魔法適性も無いことも判明し、クラスメイトのほとんどから無能のレッテルを心の中で密かに貼っている。

 

何故、心の中で密かに貼っているのかそれは・・・。

 

それはレイの近くでハジメを無能と言うと、

皆の中でステータスが一番のレイに何かされるのでは・・・、

 

レイの深紅(・・)の瞳に睨まれるのを恐いから・・・、

 

ハジメの学校にも伝わっている、多くの伝説じみた活躍で様々な異名と噂を持っているレイを敵に回すのが恐ろしいから口では言えないのである。

 

この2週間の間で、レイや他のクラスメイト達は順調にステータスが上がるのに対し、ハジメのステータスの上がる数値がオール2とあまりにも成長できないため、レイがメルドに、

「この国の錬成師の所で錬成の技能を訓練させてやれない?」と直談判しに行ったのである。

 

そういう理由もあって、現在ハジメはこの国の錬成師の所で訓練しながら図書館に通っている。

 

レイが図書館に通ってる理由は、イシュタルの爺が言った話をあまり信用していなかったからである。

召喚された時に説明された内容の中に嘘を織り交ぜているのでは?と疑い、この図書館の本を片っ端から読んでいたのである。

 

しかしレイはこの図書館の様々な本を読んでもあまり良い成果は出ていなかった。

今まで魔物図鑑や世界地図以外、読んできた本はどれもやれエヒトがいかに素晴らしいか、やれエヒトがいかに偉大かと、どれもこれもエヒト自慢の様な内容ばかりで流石のレイでも頭を抱えた。

 

(ったく、この2週間で色々読んだけど、他所の国以外の情報が、どれもこれも、本当かどうかわからんエヒトの自慢話みたいなのばかりでいらん情報ばかりだ・・・。エヒト関連を読みすぎてエヒトの文字がゲシュタルト崩壊してきた・・・はあ・・・)

 

『この2週間の情報収集で、この国とは違う人族の国と亜人族の国があること以外、結果があまり良くないですね・・・はあ・・・』

とレイとエアが内心ため息をついた。

 

「姉さん、僕はもうすぐ錬成の訓練だから先に行くね」

 

「そうか、じゃあ私も早いけど途中まで一緒に行くわ」

 

「いいよ、一人で行くから。姉さんは訓練で疲れてると思うから、ゆっくり休んでて」

 

「別にたいして疲れてない。それにあの三下共が、私が見ていない間に、何をしでかすかわかったもんじゃない」

そう、あのイジメを見たレイは、それぞれの訓練するための場所に移動する時は、いつも一緒に行動をするようにしたのである。

 

過保護とか、甘やかしていると言われても仕方ないが、もし檜山達(三下共)に恩人の息子が、取り返しのつかない何か(・・)が起こるかわからないから心配なのである。

 

「大丈夫だよ、訓練の休憩時間がズレているから、檜山達に鉢合わせる事は無いよ」

 

「そういう油断をしている時に限って、最悪の事が起こるのよ・・・」

 

「心配しすぎだよ、檜山は姉さんのステータスを直に見たんだから下手に手出しはしないよ」

とハジメはレイに言う。

 

「姉さんもいつも休憩時間中に図書館で時間を使いまくってるから、今日ぐらいはゆっくりしていって。それじゃあ」

とハジメは足早に図書館から出る。

 

しかしこのハジメの判断が、その後とんでもない事が起こるなど知る由もない・・・。

 

 

 

 

 

 

「おい待っ・・・。全く下手に気を使って・・・」

 

『ハジメは貴女と同じように、レイヴンのことを大事に思っているのですよ』

 

(知らないとはいえ、戦争(ルビコン)帰りの私にそんな心配は必要ないのに・・・)

と不満に思うレイ。

 

(それにしてもこの世界に来た当初は帰れないと知ってパニックになっていたのに、2週前のステータスプレートを見てから、クラスメイト達が浮き足立っている。戦争をするかも知れないってのに緊張感が無さすぎる・・・)

 

『2週間前と言えば、あの時のイジメで、クラスのリーダー的存在の天之河 光輝は、ハジメのイジメを止めようとしませんでしたね・・・』

 

(ああ・・・、そう言えば、技能にアレ(コーラル)が載っていたショックとハジメのイジメを目の当たりして気にしてなかったけど、アイツは何で止めなかった・・・? 私の記憶が正しければ、正義感だけはかなり気にして、「悪い事は絶対に許さない!」って性格だと記憶していたのに、何であの時のイジメを止めようとしなかったんだ・・・)

 

何故、レイが、天之河は正義感"だけ"はあると思ったのか。

それはレイが八重樫流に行った時、師範の鷲三を返り討ちにしたあと、その直後の光景を見た天之河が、竹刀を持って鷲三を助けようと、レイに立ち向かったのだが、レイは年下の天之河を軽くあしらったのである。

 

ちなみにレイはその時、鷲三を守ろうとする天之河の姿に感心して、天之河が振るった竹刀を片手で掴んだあと、必死に引き剥がそうとしている天之河の頭を、空いてるもう片方の手で頭を撫でていたのである(子供の頃のレイは、両親に褒められる事をすると、頭を撫でて貰ったことがあったから思わずやった)。

 

その後、レイの噂を聞きつけて、天之河がその度にレイを正そうとしまくっていたから、正義感"だけ"はある奴と印象に残っていたのである。

 

だが、エアが趣味のハッキングをして、インターネットやSNSで天之河の周辺を調べてみると、彼自身のあまり良くない噂を見て、実際に調べてみたら、彼の正義感が暴走をして、しょうもない事から、割と洒落にならない事とかを起こしていることが発覚し、以降、レイは極力関わらないようにしていたのである。

 

そんなことを思い出しながら新たに読む本を捜そうとすると、ある本が目に入る。

 

「何コレ? タイトルは・・・、【黒い鳥】?」

そうして本を取って読み始める。

 

 

 


 

 

 

【黒い鳥】

 

 

 

これは遥か昔にあった、おとぎ話。

 

 

それは、神代の少し後、その時代のトータスに、

 【黒い鳥】と呼ばれる、災禍の獣が顕れた。

 

 

【黒い鳥】は、人族も魔人族も亜人族も、

「災禍の力」で生きとし生きる生命の
全てを焼き尽くした・・・。

 

 

世界の全てを・・・真っ黒に・・・。

 

 

その【黒い鳥】の所業に心を痛めたエヒト神は、

三日三晩、【黒い鳥】を、自らの神通力によって

遂に、【黒い鳥】をエヒト神の御力で誅伐したのである。

 

 

しかし【黒い鳥】を誅伐されて尚、

焼き尽くした大地は、

轟々と燃え上がっていた。

 

 

エヒト神の御力によって、

燃え上がった大地は生命を吹き返したのである。

 

 

しかし、一度世界を焼き尽くした【黒い鳥】。

 

 

【黒い鳥】の「災禍の力」を、

未来永劫、消さなければならない・・・。

 

 

未来永劫、【黒い鳥】に裁きあれ・・・。

未来永劫、【黒い鳥】に滅びあれ・・・。

 

 

エヒト神の御力で平穏のあらんことを・・・。

エヒト神の御力で平穏のあらんことを・・・。

 

 

 


 

 

 

「・・・・・」

結局、エヒト神とやらの素晴らしさで締めくくられた本だったが、不思議とこのおとぎ話にある【黒い鳥】とやらが気になった・・・。

 

『どうしましたか?、レイヴン』

 

「何故か・・・、わからないけど不思議と【黒い鳥】という物に興味が湧いてね・・・」

そうこの本の感想を言っていると。

 

「レイさん!! 良かった、居た!!」

 

「お前は確か、園部 優花・・・だったっけ?」

園部が何か、慌てている様子でレイに声をかけてきた。

 

「レイさん、一緒に来てください! レイさんの弟が檜山達にリンチされてるかもしれない!!」

 

「・・・、何だと・・・」

レイは静かに・・・、そして確実に怒りの炎が、心の中で燃え広がっていた。




ここまで読んでいただきありがとうございます。

おとぎ話ってこんな感じで良いのか?、と自問自答しながらやりました。

不定期投稿って言ったのに、不思議とやりたくなっちゃうのは何故なのか?。

次回はちょっとレイが暴れます。

次回もよろしくお願いいたします。
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