ありふれない傭兵は火を点ける   作:白2野1威

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告白ってこんな感じかなと書いてみたけど、どうかな〜。

前書きは短めですが今話もどうぞよろしくお願いします。


Chapter1−6 月下の告白と警告

レイが外の空気を吸ってくると部屋を出た後、部屋に残されたハジメと香織はお互い静かにしていた。

 

(姉さん! どうして急に外に出ちゃうの〜!? あんな格好をした白崎さんと一緒に待てって、何を考えているんだよ〜!?)

 

ハジメは突然、傍から見ればかなりヤバい状況に置かれて、心の中で混乱していた。

 

しかし、混乱していたのはハジメだけではなく、明日は嫌な予感がするから訓練の参加をやめて欲しいと伝えに来た、香織もレイの思わぬ後押しに混乱していた。

 

(明日は訓練の参加をやめて欲しいって伝えに来ただけなのに、とんでもない事になっちゃったよ〜!?)

 

香織の胸中は驚きでいっぱいになっていたが、レイの恋の後押しを無駄にするわけにはいかない。

 

(でも、レイさんが作ってくれたチャンスを無駄にするわけにはいかない・・・。勇気を持って伝えるんだ・・・ハジメ君に私の思いを!!)

 

そして白崎 香織は一世一代の告白を決心する。

 

「ハジメ君!」

 

「は、はいっ!」

 

「私・・・、今、ハジメ君に伝えたい事があります!」

 

「つ、伝えたい事・・・!?」

 

香織は一度、深呼吸をして、言葉を紡ぐ。

 

「ハジメ君、私がハジメ君のことを知った時のことを覚えていますか?」

 

「うん、覚えているよ。 僕が不良に絡まれてた子供とお婆さんを庇って土下座した場面を見たって。 はは・・・我ながら恥ずかしい所見られちゃったけどね・・・」

 

ハジメは軽く穴があったら入りたい気分になった。厨二病を患っていた時の黒歴史とタメを張るくらい最悪の場面を見られていたのだから。もう、乾いた笑みしか出てこない。隠しておいたエロ同人誌をレイが綺麗に整理して本棚に並べ直していたうえにメモ書きに「隠すならもう少しマシな工夫をしろ」と書かれていた。その時と同じくらい乾いた笑みだ。

 

 しかし、香織は優しげな眼差しをしており、その表情には侮蔑も嘲笑もなかった。

 

「ううん。恥ずかしくなんてないよ。むしろ、私はあれを見てハジメくんのこと凄く強くて優しい人だって思ったもの」

 

「・・・えっ?」

 

ハジメは耳を疑った。そんな場面を見て抱く感想ではない。もしや、白崎さんには特殊な性癖が!?とレイが知ったら、一発ツッコミを入れるくらい、かなり失礼なことを想像するハジメ。

 

「ど・・・どうしてそう思ったの・・・。僕は姉さんに比べて力とか全然強くないのに・・・」

 

「力が強いとかじゃないよ。力が強い人だったらきっと暴力で解決すると思う。光輝くんとかよくトラブルに飛び込んでいって相手の人を倒してるし・・・でも、弱くても立ち向かえる人や他人のために頭を下げられたり、強そうな人を前にして咄嗟に前に出る人はそんなにいないと思う」

 

「白崎さん・・・」

 

「だから、私の中で一番強い男の人はハジメ君なんだ。あの日あの駅でハジメ君を見つけたときは嬉しかった。・・・ハジメ君みたいになりたくて、もっと知りたくてレイさんに聞いたり、ハジメ君に色々話し掛けたりしてたんだよ。直ぐに寝ちゃうけど・・・」

 

「あはは、その・・・ごめんなさい」

 

ハジメは、香織の予想外の高評価に恥ずかしいやら照れくさいやらで苦笑いする。

 

「だからねハジメ君、私は君の誰かの為に前に出る、強くて優しい姿を見て私は・・・私は・・・」

 

「・・・白崎さん?」

 

そして、白崎 香織はハジメに告げる。

 

「そんなハジメ君の事を・・・私は好きになりました・・・!」

 

「白崎・・・さん・・・」

 

香織に告白されたハジメは・・・。

 

(ええええええええええ!?!? 何これ!? 僕いつの間にか寝て夢でも見てるの!? クラスのマドンナの白崎さんに告白されるなんて!?)

 

南雲 ハジメは当然の如く、心の中で混乱の極みに陥っていた。だが無理もない、オタクと呼ばれバカにされている自分が学校の2大女神と呼ばれている女子に告白される日が来るなど夢にも思わなかったのだから。

 

「ハジメ君! こんな私だけどもし君が良ければ付き合ってください!!」

 

「・・・!? 白崎さん・・・!」

 

そしてハジメの答えは・・・。

 

 


 

 

一方その頃、レイと檜山は。

 

「今日は月が綺麗ね・・・ここが異世界じゃなかったら素直に喜べたんだけどねぇ・・・」

 

「・・・・・」

 

「さっきから何黙っているのよ。気の利いた一言も言えないわけ?」

 

「何なんだよ話って。俺とお前に話すことなんて無いだろうが・・・」

 

(クッソ! 一体何企んでいるんだこの女・・・!)

 

「一応アンタのこの先を左右する、重要な事を話そうと思っているのよ」

 

「俺に重要な事だと・・・?」

 

レイの言い方に不気味さを覚えながらその先を聞く。

 

「それを話す前にアンタ、白崎 香織の跡をつけていたわね・・・?」

 

「・・・!? 何を言いやがる!俺がそんな事するわけ!」

 

「私が気づかないと思ったか? まああんな格好で出歩く白崎も危機感が無さすぎるのも悪いけどね・・・」

 

檜山を牽制しつつ、白崎のあの姿で出歩いていた事を呆れながら言うレイ。当の檜山は跡をつけていたのがバレていた事に内心焦りまくっていた。

 

(何なんだこの化け物女! 何で俺が香織の跡をつけているのがバレて・・・って待てよ?今この女が目の前に居るって事は香織はアイツと・・・!?)

 

「その感じだと気づいた? 今、白崎は私の弟と二人で、部屋で待っているわ」

 

「っ・・・!?」

 

「安心なさい、白崎には私が居ない間にハメ外す様な事をするなと忠告しているから」

 

レイの衝撃の一言で絶句する檜山。そんな彼をよそにレイは話を続ける。

 

「これから話すのは私からの警告よ・・・」

 

「け・・・警告・・・?」

 

「そっ、大事な警告。もしアンタがハジメの命を脅かす様な事が起こった時、或いはアンタが白崎 香織の身に取り返しのつかない何かが起きたその時は・・・」

 

「そ、その時は、何なんだよ・・・?」

 

レイは檜山に近づきながら告げる。

 

「その時は・・・お前を殺す

 

「・・・!?」

 

レイからあまりにも恐ろしい一言を告げられ、檜山は思わず尻もちをつく。

 

「安心なさい、二人に何もしなければ、私はアンタに何もしない」

 

「な、何だと・・・」

 

「どれだけ性根が腐っているアンタにも家族がいるでしょ? その家族から奪うような真似はなるべく避けたいと私は思っている・・・これは本心よ・・・」

 

そう言いながらレイは歩き始める。

 

「話は終わりよ、今日はもう寝なさい。おっと檜山、最後に一言、言わせてもらうわ」

 

「な、何なんだよ!」

 

「明日の訓練、お互い頑張りましょうね。それじゃ・・・」

 

そう言われて檜山は起き上がり、そそくさとその場を後にしたのを見てレイも自分の部屋に戻る。

 

『警告するだけで良かったのですか?レイヴン』

 

(今は警告だけで良いのよ。もし奴に身に何かが起これば天之河に真っ先に疑われる。下手な事は出来ない。明日の訓練、私が全力で警戒するわ)

 

そうエアに言ってレイは部屋に戻っていった。

 

 


 

 

レイは部屋の前まで戻って入る。

 

「ただいま、二人共、ちゃんと待ってた?」

 

「おかえりなさいレイさん」

 

「待ってたって、姉さん僕たち子供じゃないんだから」

 

「私に言わせればまだまだ子供よ。さてと、白崎も自分の部屋に戻りなさい。私が部屋まで送ってあげるから」

 

「レイさん、そこまでしなくても大丈夫ですよ!」

 

「変に気を使わなくて良い、一緒に部屋まで戻るわよ」

 

「わかりました。おやすみなさい、ハジメ君。明日の訓練頑張ろうね」

 

「おやすみなさい、白崎さん」

 

「良し、じゃあ行くわよ。それとハジメ、私が戻るまで鍵かけておきなさい、良いわね?」

 

「わかった」

 

そしてハジメを部屋に待たせ、レイは香織を部屋まで送ることになった。

 

その道中、レイは香織と話す。

 

「白崎、ちゃんとハジメに伝えられた? アンタの気持ち」

 

「はい、レイさんのおかげでハジメ君に私の思いを伝えられました・・・」

 

「そう、良かったわ・・・」

 

「今日はありがとうございましたレイさん。今日見た夢の不安が少し無くなりました」

 

「良いのよ別に。さてとそろそろ着くわ」

 

香織の部屋までたどり着き香織はドアを開ける。

 

「雫ちゃん、ただいま!」

 

「やっと戻ってきたわね香織・・・! レイさん!?どうしてここに・・・?」

 

「別に、こんな格好した白崎を勝手に心配した私が部屋まで送り届けに来ただけだから、気にしなくていいわよ」

 

「そうですか・・・レイさんこの前は、光輝がごめんなさい。その・・・光輝に悪気があったわけじゃ・・・」

 

「・・・まだそんな事をしてるの八重樫。私はアンタ(・・・)からの謝罪は要らないと毎回言ってるはずよ」

 

「でも・・・」

 

「私は八重樫から余計な謝罪を聞く為にここに来たんじゃない。白崎が心配だからここまで送り届けに来ただけよ・・・」

 

「「・・・・・」」

 

二人から険悪な空気が流れる。それを見かねた香織が声をかける。

 

「あのレイさん、雫ちゃん、その・・・落ち着いて」

 

「ごめんなさい二人共、少し大人気ない事言ってしまったわ・・・。それじゃあ明日の訓練お互い頑張りましょうね、おやすみなさい」

 

「「おやすみなさい・・・」」

 

そしてレイは香織達の部屋を後にした。

 

「大丈夫だった香織。二人にはちゃんと伝えられた?」

 

「うん、ちゃんと伝えられたよ。それだけじゃなくてハジメ君に私の思いも告白できた・・・」

 

「そう、ちゃんと伝えて告白も・・・え?・・・告白したの!?」

 

「うん、そう! レイさんが後押しをしてくれたおかげで私、ハジメ君に告白できたよ!」

 

「そう・・・レイさんのおかげで・・・ね」

 

香織はハジメに告白できたことに興奮して気づかなかったが、告白できた理由がレイだと知って雫の胸中は複雑な思いになっていた。

 

香織が、私の親友がレイさんの影響で変わっていく姿に雫は誰にも、親友にも言えない、あの人に嫉妬(・・)を抱きながら夜の時間は流れていった。

 

 


 

 

「ハジメ、戻ってきたわ、鍵を開けてくれる」

 

「わかった、今開けるよ」

 

鍵が開き部屋に入るレイ。

 

「ふぅ~、やっと落ち着けるわ~」

 

「お疲れ様、姉さん」

 

「アンタもねハジメ。それで白崎に告白された感想でも聞こうかしら」

 

「告白されたって、まさか姉さんが白崎さんを焚き付けたの!?」

 

「そうよ、今更気づいたの? それでハジメはちゃんと答えたの?」

 

そしてレイはハジメに香織の告白にどう答えたのかを聞く。

 

「それはその〜・・・告白の答えは一旦保留にさせてもらいました・・・」

 

「そう、保留ね・・・、うん・・・? はぁ!?保留!?」

 

白崎の告白をハジメの答えがまさかの保留と聞いて、流石のレイでも驚愕した。

 

「ちょっと姉さん!声が大きい!」

 

「ハジメ!どういう事! アンタ、白崎の告白の答えを保留とはどう言う了見よ!」

 

「それは、もし今答えても、こんな異世界で戦争なんて危険な状況、吊り橋効果で答えるみたいで卑怯だと思ったから。だから元の世界に戻るまで答えを待ってほしいって伝えたから」

 

「アンタはねぇ〜・・・! アンタの答えはわかったわ、このヘタレめ! 今日はもう寝るわよ!おやすみ!」

 

「うん、おやすみなさい・・・」

 

こうして南雲姉弟の長い夜は終わったのである。

 

 

 

南雲姉弟は知る由もない。香織の嫌な予感が最悪な形で当たってしまう事を・・・・・。




今話も如何でしたか?

自分の中でハジメは告白されてもこんな状況だったら一回保留にするかもと思い一旦はこれで勘弁を。

もし告白の答えを言う時はあの再会の時になると思うので頑張って書いて行きたいです。

次回もよろしくお願いいたします。
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