勇者一行の斥候役   作:斥候役

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~とても分かりやすいあらすじをする魔法~
①勇者パーティーに斥候役として仲間になる。
②魔王を倒す。
③弟子をフリーレンに託して老衰。
④転生する。


斥候0 プロローグ

 

 「ネットは親切だね」

 

 「······は?」

 

 勇者一行との冒険の道中、街や村まで距離があるため野宿をすることになり、俺ことネットはせっせと野営の準備を急ぐ。

 そんな中だった。パーティーメンバーの一人であるエルフの女性、フリーレンが『親切だね』なんて言ってきたのは。

 

 「役割分担だ。今日の魔物討伐は俺はあんまり活躍してないし、その分みんなに働かせたんだから俺がやらねーと」 

 

 そう、これは親切でもなんでもないただの役割分担だ。

 勇者ヒンメルは素早さを活かして敵の懐に入ってトドメを刺したし、戦士アイゼンは頑丈さと力強さを活かして囮と前衛を務めた。僧侶ハイターは女神の魔法でみんなを癒し、目の前の魔導士フリーレンは強力な魔法で爆撃していた。     

 斥候ネットは邪魔にならないよう隠れていただけ。ほらな、なにもしてない。

 

 「ふーん」

 

 「いや、ふーんて」

 

 聞いておいてなんだその反応。

 この無表情エルフとは長い付き合いにあるが、未だ考えていることが分からない。判明しているのは趣味が魔法集めで宝に情熱的なことと、宝箱に擬態した魔物(ミミック)に突っ込む無謀さを兼ね備えている。それと朝起きるのと玉ねぎが苦手なことぐらい。

 ······あれ?充分じゃね?

 

 「ネット、君は役目を果たしてる」

 

 「なんだよヒンメル。聞いてたのか?」

 

 水色の髪に端正な顔つきの人間にして選ばれし勇者のヒンメル。ハイター達と薪と水を取りに川辺付近に行ったから、もう少し掛かると思ってた。

 いやそれより俺は何の役目を果たしたんだ。

 

 「作戦を決めたのは君じゃないか」

 

 「作戦······と、呼べるか?あれ」

 

 罠を張った場所に魔物を誘導し、転倒したところを突くというシンプルな案だが。

 

 「罠なんかなくても倒せたろ」

 

 「そうだね」

 

 「即答かよ」

 

 「でも簡単じゃなかった」

 

 「!」

 

 「僕ら四人に大型の罠を設置する発想も技術もないし、それぞれの得意分野を活かす戦術もない。ネット。君がいたからできたんだ」

 

 か、買い被り過ぎじゃね?

 いつの間にか隣に座り、付けた火に薪を投げ込んだアイゼンは口を開く。

 

 「ネット。お前、いつも敵相手に何か投げるだろ」

 

 「おう」

 

 魔物にせよ魔族相手にせよ、石ころ一つでも牽制にはなるからな。戦闘力がない斥候だとしても、目潰しくらいしないと。

 正々堂々!なイメージがある戦士職的には不味かったか?

 

 「助かってる。お前にとって小石ぶつけることを牽制程度、と言うんだろうが、前で戦う者からすれば大きな隙だ」

 

 「いいのか」

 

 「いい。戦いやすいに越したことはない」

 

 グツグツと音を立てる鍋の中に、食材を入れる。街で出るような豪華なものじゃないが、栄養バランスがいい山菜とキノコの鍋。匂いからして食欲がそそる。

 

 「ヒンメルやアイゼンの言う通りだよ。魔道具買う時値下げ交渉してくれるでしょ?役目を果たしてる。立派だよ」

 

 「私の酒も安く買ってくれますねぇ~」

 

 「······」

 

 コイツらほんと。

 

 「ネット。君が卑屈な性格をしているのは知ってる」

  

 「そこは謙虚と言え謙虚と。俺は卑屈じゃねぇ」

 

 「「じゃあ無愛想」」

 

 「それお前らな?」

 

 「酒好きなんてのは──」

 

 「お前だよ生臭坊主」

 

 このぐだぐだ感どうにかなんねぇのか。感謝し神聖視までされている勇者一行がこんなだと知られたら、どういう顔されるのか。

 

 「君は勇者一行の斥候役。幾度となく窮地を脱し、機転を利かせて強敵から人々を救い、そして遂には魔王討伐に貢献した偉大なる男」

 

 「は?なんだ急に」

 

 「未来(これから)の話さ」

 

 「???」

 

 ヒンメルの言葉に、アイゼンとハイターは微笑んだ。俺は疑問符しか浮かばなかった。

 

 「お腹空いた」

 

 フリーレンはフリーレンだった。

 

 

 

 

 下層。中層における最初の死線(ファーストライン)を超える第二の死線(セカンドライン)と称される階層域。モンスターの出現頻度や強さもそうだが、水源、密林、砂漠などこれまで経験した階層の環境がガラリと変わる。適正攻略レベルは3とギルドにより定められている。

 

 「······すまねぇ、助かった」

 

 「おう、下層はレベルも装備も整えてもヤバいところだからな。次は知識を蓄えろ。ギルドに行けば教えてもらえる」

 

 「ああ。座学は嫌いだが、そうさせてもらうぜ」

 

 ならず者の街(ローグタウン)ことリヴィラの街へ向かう彼らは中層に出現する階層主(ゴライアス)を(他派閥と)討伐し、同派閥のメンバーが軒並みLv.3となったことで下層へ進攻(アタック)したパーティー。

 適正レベルをクリアし、久方ぶりの冒険ということもあり装備を奮発して挑んだ結果がまさかの敗走。陸地から迫るモンスターに対処しながら、川を泳ぐ水棲モンスターに対処するのは難しかったらしい。

 他派閥とよく組んでは結果を残し、財産と呼ぶべき知識を(若手なら尚更)惜しみ無く披露することで有名な冒険者が、()()来なかったら全滅していたことだろう。

 

 「折れてないなら強くなるな」

 

 彼らに足りなかったのは知識と経験。知識を蓄え、下層の雰囲気を知った彼らなら順当に攻略できるようになるだろう。

 

 『なんでテメェは同業者を助ける。感謝されるだけで、何一つとして利点が無いだろ』

 

 『······確かにな』

 

 二つ名【這いよる陰(クリーカー)】。迷宮内において同業者を無償で助けては助言を残し、暗黒期においては闇派閥に関する情報を誰よりも収集し死傷者の数を抑えるよう立ち回ったことで(本人希望により(本人が頑なに認めないため))歴史に名が残らない一部の間では【陰の英雄】と称賛される冒険者。

  

 『敢えて答えるなら──』

 

 男──ネットは冒険者の成長に期待している。どこかの凹凸マイペースパーティーが世界を救ったように、いつかこの世界における魔王(黒竜)を討伐する英雄が現れることを願っている。

 まあ、そんなこと決して口に出さないが。だから勇者一行なら誰でも使える【正しいことの理由付けをする魔法】で答えるのだ。

 

 『勇者(ヒンメル)ならそうする』

 

 『誰だよヒンメル』

 

 

 

 

 

 

 

 ネット Lv.4

 力:C611

 耐久:D535    

 器用:B788

 敏捷:B719

 魔力:C692

 

 発展アビリティ

 作成G

 投擲H  

 耐異常H

 

 魔法 

 【シャテン】

 ・陰魔法

 ・陰を纏い操り同化する

 詠唱式【陰よ、我が身に這い寄れ】

 

 スキル

 【勇者一行】

 ・救出行動時、器用及び敏捷に高補正

 ・戦闘行動時、全アビリティに高補正

 ・不利的状況なほど効果向上

 

 【斥候担当】

 ・気配消失

 ・投影地図

 ・応急手当

 

 

 パーティー時には支援行動(サポート)に従事し、ソロでは安全策を取って堅実に探索を進める慎重派。知識を蓄えることと準備を整えることに余念がない。討伐の多くが背後からの奇襲になることから斥候より暗殺者っぽいことを密かに気にしている。

 




ネット。
支援行動を得意とする斥候。斥候に必要な技術に加え、投擲、罠作成と設置、味方を活かす戦い方が得意。旅の道中にフリーレンとハイターからちょっとした魔法の手解きを受けている。育てた弟子をフリーレンに託して老衰。
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