実験に利用された挙句捨てられた少年   作:明星桜花

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第百六話 壊理ちゃんと治崎の影(and Joint meeting of CEOs from various companies)

ー明星桜花sideー

文化祭の出し物が決定した次の日、俺は緑谷、通形先輩、イレイザーの三人と共にとある病院に来ていた

死穢八斎會掃討作戦の後、俺達が搬送された病院だ、なぜこの病院に来たのかというと....

 

 

「あ...」

 

「久しぶりだね、壊理ちゃん」

 

壊理ちゃんに会うためだ

昨日、イレイザーから壊理ちゃんが目覚めたと知らせを受けた

そしてどうやら、壊理ちゃんが俺達に会いたがっているとの事

そんなわけで、イレイザーの引率の元、四人でエリちゃんに会いに来たというわけだ

まぁ間の悪いことに俺は今日は2時間後に日本の傘下企業の代表取締役社長を集めての会議の予定があるからあまり長くは居れないんだが

 

 

「大丈夫ですかね?事件を思い起こさせるモノは遠ざけた方が良いという判断でしたが....」

 

「暴走を懸念していた、しかし、少なくとも今は心配いらんだろう、今あの子に暴走するほどのエネルギーはない」

 

 

部屋の外からそんな会話が聞こえてくる、なら取り敢えずは安心か...壊理ちゃんの方も落ち着いてるみたいだし、これなら少しは話ができそうだ

 

 

「俺はあまり居れんが少し話そう」

 

「元気になって良かったよ」

 

「フルーツの盛り合わせ!よかったら食べて!好きなフルーツある!?俺当てていい!?ももでしょ!?ピーチっぽいもんね!」

 

「リンゴ」

 

「だと思ったよね!!」

 

「....ずっとね、熱出てたときもね、考えていたの、救けてくれた時のこと...でもお名前がわからなかったの、ルミリオンさんしかわからなくて....知りたかったの」

 

 

 

その言葉にショックを受けたような表情をする緑谷、確かにあの時は必死だったし、名前は呼んでたけど聞く余裕は無かったもんな....最初に名乗りをあげて保護した先輩はともかく、まともに接触してない緑谷や俺は名前を知らなくても仕方ないか....

 

 

 

「緑谷出久だよ!ヒーロー名はデク!えっと...デクの方が短くて覚えやすいかな...デクで!デクです!」

 

「ひーろーめい?」

 

「アダ名みたいな物だよ」

 

「デクさん」

 

「俺は明星桜花、ヒーロー名は長いから覚えなくて良いよ

桜花って呼んでくれ」 

 

「オウカさん」

 

どうやら覚えてくれたみたいだ、それから少しして、壊理ちゃんが暗い表情で話し始めた

 

 

「ルミリオンさん、デクさん、オウカさん......私のせいでひどいケガを....私のせいで苦しい思いさせてごめんなさい....」

 

なんとそんなことを気にしてたのか

 

「大丈夫だよ、俺はどんなに酷い怪我をしても死なないし

俺が怪我して誰かが笑えるなら嬉しいんだ

だから気にせず笑っててくれると嬉しいな」

俺の言葉に続いて通形先輩が

「苦しい思いしたなんて思ってないさ、皆『エリちゃんが無事で良かった』って思ってる

そして君の笑顔が見たくて戦ったんだよ

泣いてちゃ可愛い顔が台無しだ」

優しく微笑みながらそう話す

 

少ししてエリちゃんが口角を無理矢理吊り上げるような顔をする、時には手で口角を引っ張ってみたり...無理矢理笑顔を作ろうとしているのがわかる

 

「.....ごめんなさい.....笑顔ってどうやればいいのか...」

 

やっぱりこの子はまだちゃんと救われてない

この子の心の隅には治崎の影が残ってる

どうしたものかな

すると緑谷がハッとしたような表情を浮かべて相澤先生に話しかけに行った

 

 

「相澤先生、エリちゃん一日だけでも外出できないですか...?」

 

「無理では無いハズだが、というかこの子の引取先を今...「じゃあ!」

 

「文化祭!!エリちゃんも来れませんか....!?」

 

「.....なるほど」

 

「その手があったか」

 

 

灯台下暗し、あるじゃないか、楽しむ為のイベントが

医者の話じゃ個性の放出口になってる角は縮んでるらしい、てことは暴走する可能性も極めて低い、加えて、今回の文化祭は一部を除いて外部からの接触を受ける可能性もほぼ無い....

 

「ぶんかさい...?」

 

「エリちゃん!!これは名案だよ!!文化祭っていうのはね!!」

 

 

「俺たちの通う学校で行うお祭りのことだよ、学校中の人が学校中の人たちに楽しんでもらえるよう出し物をしたり、食べ物を出したりする、もしかしたらリンゴ飴とか出るかもね」

 

「リンゴあめ...?」

 

「リンゴをさらに甘くしたお菓子だよ」

 

「さらに....」

 

「セリフを取られたんだよね!!」

 

 

すんません先輩...

まぁそれは良いとして

やっぱりこん()も年相応の女の子なんだな

リンゴ飴その事を聞いてから口からよだれ出てきたしね

 

「校長に掛け合ってみよう」

 

「....それじゃあ...!」

 

「どうかな?エリちゃん」

 

「.....私、考えてたの」

 

 

 

通形先輩と緑谷が壊理ちゃんに話しかけると、俯きながらも小さく声を出した

 

 

 

「救けてくれた時の...救けてくれた人のこと...ルミリオンさんたちのこと...もっと知りたいなって思ったの」

 

 

 

...どうやら返事はイエスの様だ、わずかに幅を赤らめ、心なしか少しワクワクしたような表情を浮かべる壊理ちゃんを見て、俺たちも思わず頬を緩めてしまう、そんな表情されたらもっと気合い入っちゃうじゃ無いか

 

 

 

「嫌ってほど教えるよ!!」

 

「校長先生から良い返事がもらえるよう俺たちも動こう

俺はこれから予定があるからまずはそっちで頼むよ、緑谷」

 

「うん!エリちゃん!楽しみにしててね!」

 

 

その後は少し話した後、面会終了の時間となり、緑谷達は病院を出て学校に戻って行った

俺はエルヴィンの運転で会議の会場へ向かった

 

 

 

 

Five hours and thirty minutes later

 

 

会議終了後、俺は寮へとエルヴィンの運転で帰っていた

今回の会議では日本の傘下企業全体での方針、目標と各社の方針、目標の設定

そして各社の労働者の労働条件について

最後に各社の経営状態についてを議論した

文化祭に関しては俺はセキュリティの向上のための資金を提供する

その代わりに許可を求める

その場で貰えなくとも判断材料にして貰えれば良いだろう

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