実験に利用された挙句捨てられた少年   作:明星桜花

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第百七話 文化祭(preparation)

ー明星桜花sideー

時は過ぎ行き休日

土曜日の昼下がり。今週は爆豪達の仮免補講も無しとのことで、昼から各々の部隊で練習を開始した俺達

俺はバンド部隊だが基本的には問題ない

なのでバンドの練習をしつつ全体を見て回る

 

 

てなわけで、まずはバンド部隊

 

「で、俺はギター兼ボーカルな訳だが...正直練習するところがない」

俺がそう言うと響香が

「まぁそうだよね…桜花は最近やってた練習でほとんど完璧に弾けるようになってたし

歌に関しては端から結構上手かったし

そうだな…取り敢えずギターの2人に教えてて」

と言う

それに俺は

「了解、ある程度教えたら他見に行くよ」

と言って常闇らの下へ向かった

 

 

One hour later

 

 

続いてダンス部隊

 

 

 

「緑谷違ーう!!もっとこうムキッと!!ロックダンスのロックはLOCKのロックだよ!」

 

「飯田ァ!!動きが固い!!もう少し柔らかく!!」

 

 

 

寮の外で、俺と芦戸の指導の下ダンスの練習を開始した俺達*1

 

優秀な人が多いからなのか、思いの外振り付けを覚えるのは早かった。

 

が...やはりダンスというものに慣れていないのか、所々もたついたり、動きが不自然だったり...幸い、身体能力の高い奴らが集まっているおかげで多少無理な振り付けでもこなす事はできるが....

 

 

 

「これを1ヶ月で仕上げるとなると...相当骨が折れそうだ」

 

「だいじょぶだいじょぶ!!まだ始めたばっかだし、なんとかなるでしょ!!」

 

 

 

舌を出し、ニコッと笑いながらそう言う芦戸。

 

まぁ確かに、皆覚えるのは早いから何とかなりそうではある。

 

で、そこからより良いものにする為には....

 

「俺達の頑張り次第って訳だ」

 

「そう言う事ー!!」

 

 

 

芦戸が俺の言葉にステップを踏みながら持ち場に戻る。それを追いかけるように俺も歩き始めた。

 

 

 

「皆ー!次の振り付けいくよー!次はね....うわっ!?」

 

 

 

振り付けを教えようと動き始めた芦戸だったが、ステップを踏みながら動こうとしたからなのか、脚をもつれさせてバランスを崩した。

俺は白鎖でささっとバランスを取り、芦戸に

「教える側の人間が怪我してどうする

そこは十二分に気を付けろ」

と言ってこの場を離れた

 

 

a few minutes later

 

最後は演出部隊

まぁある程度演出は決まっているようなので問題はないだろう

俺の登場の仕方について共有してからバンド部隊に戻った

 

 

 

そうしてバンド部隊で練習を再開して数時間が経った頃。

区切りもいいので一旦休むことになった俺達バンド部隊。

 

バンド部隊が休憩になったので俺は外のダンス部隊の下へ向かう

すると通形先輩の後ろに隠れてしまっている壊理ちゃんを見つけた

 

「あ...」

 

「やぁ、壊理ちゃん。元気だったか」

 

俺の姿を見た壊理ちゃんが、顔をぱぁっと輝かせて俺の下へ小走りで向かってきた。可愛い

子供がいたらこんな感じなのかな

壊理ちゃんの頭を撫でながら顔を上げると、通形先輩と目が合った

 

「やぁ桜花くん」

 

「通形先輩、ご無沙汰してます」

 

 

 

立ち上がって先輩に挨拶すると、とても眩しい笑顔を見せながら俺に話をしてきた。

 

 

 

「これから緑谷くんと一緒に雄英を見て回るんだけど、桜花くんもどうかな?」

 

「もちろん、喜んで」

 

 

 

俺がそう答えると、通形先輩と壊理ちゃんが嬉しそうな表情を浮かべた。

意外と似てるなこの二人。

 

てなわけで、休憩もかねて四人で雄英の敷地内を見て回ることに。

一応クラスメイト達からも了承を貰い、俺達四人は寮を後にした。

 

寮を出てしばらく歩くと、雄英高校校舎の正面出入り口に到着した。

 

そこでは、休日だというのに忙しなく動き回る人が無数におり、屋台の組み立てやチラシの貼り付け、打ち合わせなどをしていた。

 

 

「休日ですけど...やっぱ人多いですね」

 

「寮制になったこともあるだろうね、みんな朝から夕方まで動き回ってるよ」

 

先輩からの説明を受けながら敷地内を歩いていく。

その間も壊理ちゃんは俺達から離れないように動いていた

辺りを興味ありげに見回しつつも逸れないようにしている。

 

 

 

「通形じゃん!」

 

「子供!?隠し子か!?」

 

 

 

しばらく歩いていると、三年生の経営科の生徒と出会った。どうやら先輩の知り合いらしい。

先輩の質問に対する通形先輩の回答は....なんとも言えない表情でニコッと笑う事だった。

 

 

「いや何か言えよガチっぽいな!」

 

「冗談は置いといて、今年のI組はすげぇからおめーも絶対来いよ!!君達も!」

 

やはりどのクラスも気合いの入り方が違う。まだ一ヶ月前だというのにどこもかしこも慌ただしく動いているのがいい証拠だ。

 

そんなふうに思いながら辺りを見渡していると....

 

 

「うわぁ!?」

 

 

突如緑谷が声を上げた。何事かと緑谷の方を見ると、竜の頭の模型?のような物を持ったB組の男子、鉄哲、泡瀬、そして物間が居た

 

「すンません...って、A組の緑谷と明星じゃねェか!!」

そう鉄哲が言うと

物間が何か言おうとしたが声には出さなかった

まぁ懸命な判断だな

「そう言えば一佳は?」

俺がそう言うと

泡瀬が

「今回は別!あいつは『ミスコン』出るのよ、無理矢理エントリーさせられて」

と言った

それに俺は

「へぇ?一佳も出るのか」

と答えた

ねじれが出るのは知ってたけど

今年はどうなるかな?

イレイザーはミスコンの事なんも言ってなかったが...

必要ないと判断したのかね。

 

「ミスコンといえばそうだ!!あの人も今年は気合い入ってるよ!」

 

「あの人?」

 

 

先輩の発言に疑問を呈する緑谷。

それを聞いた先輩は「着いてきて」とだけ伝えて歩き始めた。まぁねじれの事だろうな

俺たちはその後をついていく

たどり着いたのは備品室。

先輩が入る前に俺は

「すいません、先輩

俺は外で待ってますね」

と言う

すると先輩は

「あれ?見ないのかい?

君の彼女だろ?」

と聞いてくる

それに俺は

「ええ、だからこそ本番の一番可愛いねじれを見るつもりなんです

まぁいつも可愛いんですけどね

それでも一番良い姿を一番良い場所で見たいんです」

と答えた

すると先輩は

「それも1つの愛の形だよね!」

と言って2人を連れて部屋に入った

 

 

3人が出てきてから俺も合流する

次に来たのは.....

 

 

 

「サポート科!彼らは全学年一律で技術展示会を開くんだ!」

 

「これ知ってます!毎年注目されてますよね!」

 

「去年見に来たけど、確かに凄かったもんな」

 

 

 

去年はアーマーなんかが多かったな、今年もそんな感じなのかな。

 

そう考えながら辺りを見渡していると、突如背後から声をかけられた

 

 

 

「そう!文化祭こそサポート科の晴れ舞台なんですよ!」

 

「発目さ...ってうおおお!?」

 

 

 

声に驚き振り返ると、そこには俺達より二回りほど大きなロボのような物が鎮座していた、発目曰く「ドッカワベイビー第202子です!」とのこと。

 

それにしても...

 

 

 

「...だいぶ汚れてるぞ。風呂入ってんのか?」

 

「お風呂に入る時間ももったいないので!」

 

 

 

えぇ....せめてシャワーぐらいは浴びろよ...

なんて、声には出さないものの、頭の中で思う

 

その説明を受けていたが専門用語だらけで3人は分かっていなかったようだが俺はある程度は分かる

まぁそんなに詰め込んだら火を吹きそうだが

 

「すごいな...ていうか短時間でこれを作ったのか...」

 

「どんどんアイディアが湧いてきて楽しくてですね!」

 

 

 

曰く、体育祭ではヒーロー科が主役だったため、副次的なアピールの場だったが、今回の文化祭の主役は俺たちヒーロー科以外、自分の発明品を思う存分見てもらえる場である、という事だ。故に...

 

 

 

「恥ずかしくない子に育て上げなくては!」

 

 

 

発目の信念という奴だろうか、そこには発明家らしい思いと心意気が感じ取られた。

その願い、叶うといいな。

 

 

 

「それよりお二人の装備はその後どうでしょう!?また何かあればすぐ言ってください!!」

 

「おう、ありが...って、火!火でてるぞ!!」

 

 

俺の言葉に慌てて振り返る発目、そこには爆発して頭部に当たる部分から火を吹き出している発明品が...

まぁ予想通りではあったが当たらないでほしかったね

 

 

「ベイビー!?」

 

「わー!?発目またかよ!?」

 

「水!水!」

 

「俺の“個性”じゃ協力できん!すまんな発目」

 

最後に発目に軽く挨拶だけして、俺たちは慌ててその場を走り去った。

 

 

 

 

あの後もしばらく色んな所を歩き回り、休憩もかねて食堂へとやってきた俺達。壊理ちゃんを囲むように座り、ジュースを飲む壊理ちゃんを見守りながら、先程まで見回ってどうだったかを聞いた。

 

 

 

「今日少し回ってみてどうだったかな?壊理ちゃん」

 

「...よく...わからない」

 

 

 

まぁそうだよな。いきなり連れてこられて、色んなもの見せられて...新鮮だった事は間違いないだろうが...慣れたかと聞かれれば...まぁうんって感じだろうな...

 

 

 

「けど...たくさん、いろんな人ががんばってるから、どんなふうになるのかなって....」

 

 

 

ふむ…思ったより好印象だな

チラッと緑谷と先輩の方に視線を向けると、二人して笑顔で顔を見合わせていた。わかりやすいなこの二人。

なんにせよ、少しでも興味を持ってもらえたのなら幸いだ。そう思いながら、壊理ちゃんの方に視線を戻すと...

 

 

 

「それを人はワクワクさんと呼ぶのさ!」

 

「「「!!?」」」

 

 

突如、先輩の隣から聞こえてきた高い声に驚き、そちらに視線を向ける。するとそこには、高速でチーズを齧る校長の姿があった。隣にはミッドナイト先生も居る

 

 

「文化祭、私もワクワクするのさ!多くの生徒が最高の催しになるよう励み、楽しみ...楽しませようとしている!」

 

「ケーサツからも色々ありましたからねぇ」

 

「ちょっと香山くん

まぁその点に関しては感謝しているよ、明星くん」

 

 

どうやら我が社の協力と資金は役に立ったようで何よりだ

 

「当日も存分に協力させていただきますよ」 

俺のその言葉に対して

 

「うん、よろしく頼むね

じゃ!私は先に行ってるよ。君達!文化祭存分に楽しんでくれたまえ」

 

 

 

そう言ってその場を去っていった校長、姿が見えなくなった頃、ミッドナイト先生が色々と話してくれた。

 

 

 

「...詳しくは言わないけど...校長頑張ったみたいよ」

 

 

 

上との一悶着の後、結果としてセキュリティの更なる強化に加え、万が一警報がなった場合、それが誤報であっても、文化祭の即刻中止と避難を行う事が開催条件になったのだと。

まぁ我が社でも警備員を派遣するし

我が家の執事は総動員する問題にはなるまい

ライブが始まるまでは俺も警備に参加するしな*2

 

 

「もちろんそうならない為にこちらも警備はしっかりするわ!学校近辺にハウンドドッグを放つし」

 

「放つ...!」

 

放つって...まぁある意味では番犬とも言えるか…

ともかくだ、文化祭の開催をもぎ取ってくれた校長のためにも、今回の出し物を絶対に成功させなくちゃならないな。そうでなきゃ校長に顔向けできないからな

俺も協力したとは言え、それを納得させたのは根津校長だからな

 

「そうそう!A組の出し物、職員室でも話題になってたよ!青春頑張ってね」

 

「「はい!!」」

 

...っと...そろそろ時間だな。休憩も十分できたし、練習に戻ろう。

 

 

 

「緑谷、そろそろ休憩時間の終わりだ。先輩、そろそろ失礼します」

 

「え!?本当だ!すみません先輩!失礼します!」

 

「あぁ!言っとくけど俺も楽しみにしてっからね!」

 

 

 

最後に先輩と壊理ちゃんに挨拶し、食堂を出て寮に走る。

練習は始まったばかりとはいえ、のんびりしている暇はない。これからもっと忙しくなるぞ。気合い入れて頑張っていこう。

*1
あまりダンスは得意ではないのだがまぁできないこともない

進捗を見に来たら指導に参加させられた

*2
その関係でライブには途中参加

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