実験に利用された挙句捨てられた少年   作:明星桜花

126 / 137
第百二十四話 ヒーローズ:ライジング Ⅴ

ーthird personー

障子は分断の成功を確認し、報告した

「分断、成功!」

 

 

 

「よし!」

 

 

 

「予定ポイントに誘い込めてるよ!」

 

 

 

耳郎は、音で索敵して作戦の成功を報告する。

一方、ナインだけはA組の罠に巻き込まれずに城へと直進していた。

すると瀬呂が駆けつけ攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「『テープショットトライデント』!!」

 

瀬呂は、テープを貼り付けた大量の瓦礫をナインに投げつける。

すると影に隠れていた麗日が“個性”を解除する。

 

 

 

「解除!」

 

 

 

その直後、瓦礫が重力に従ってナインに降り注ぐ。

だがナインは、五指から放たれるビームで瓦礫を撃ち落とす。

 

 

 

「麗日!」

 

 

 

瀬呂が麗日に合図を出した直後、瀬呂に気付いたナインが瀬呂にビームを放つ。

瀬呂は、テープを使って間一髪ビームから逃れ、さらにテープを伸ばす。

 

 

 

「瀬呂くん!!」

 

 

 

麗日は、岩に対して“個性”を発動させていき、瀬呂は軽くなった岩にテープを巻き付けていく。

瀬呂は、麗日が浮かせた瓦礫を次々と投げつけた。

 

 

 


 

そしてその頃、スライスは地下の洞窟に落ちていた。

 

 

 

「分断したところで…」

 

 

 

スライスが笑ったその直後、芦戸が飛ばした酸で鍾乳石が溶けて落ちてくる。

スライスは、間一髪横に跳んで鍾乳石を避けた。

芦戸に気付いたスライスは、針のように尖らせた髪を飛ばして芦戸を攻撃する。

 

 

 

「しくった!」

 

 

スライスが攻撃を飛ばしてくると、芦戸は物陰に隠れて回避する。

するとその直後、常闇が黒影でスライスに攻撃を仕掛ける。

だがスライスは、指先の刃物で黒影を退けた。

 

 

 

「惜しい!!」

 

「芦戸。あとは任せろ。ここは俺の世界だ」

 

 

 

黒影を纏った常闇は、クロウを構えながら言った。

するとスライスは、舌舐めずりをしながら髪を全て刃物に変えた。

 

 

 

「小癪ね…!」

 

 


 

 

そしてその頃、キメラは滝の前にいた。

 

 

 

「チッ…体よく分断されたか」

 

 

 

キメラがそう言った直後、キメラは右足を蛙吹の舌で絡め取られる。

そしてキメラは、そのまま川の中へ引き摺り込まれた。

するとその直後、川が一気に凍っていく。

轟が川を凍らせると、切島と飯田が合流する。

 

 

 

「よし!」

 

 

 

「作戦通り!」

 

 

 

「いや…」

 

 

 

轟が川を警戒すると、凍らせた川の表面に亀裂が入る。

そして川の氷が割れ、中からキメラが出てくる。

 

「冷てえじゃねえかよおい」

 

 

 

キメラが出てくると、轟が声をかける。

 

 

 

「また会ったな」

 

 

 

「フン、やめとけ。今日の俺は…」

 

 

 

そう言ってキメラは葉巻を取り出して咥え、自分の炎の息で火をつける。

 

 

 

「本気だぜ」

 

 

 

キメラが4人を睨みつけると、切島は拳を硬化させて打つ。

 

 

 

「俺らだって違う!」

 

 

 

「島民が避難した今、全力で!」

 

 

 

「お前を止める」

 

 

 

飯田は、エンジンを暴走させてスタートダッシュの体勢を取った。

 

 

 

「『レシプロターボ』!! 15分でケリをつけるぞ!!」

 

 

 

「「おう!」」

 

 

 

「ケロ!」

 

 

 

飯田が言うと、他の三人が頷く。

するとキメラは、両腕から翼を生やす。

 

 

 

「上等だ!」

 

 

 


 

 

一方瀬呂と麗日は、ナイン相手に苦戦していた。

 

 

 

「クソッ…! 足止めすらできねえ!」

 

 

 

「くっ…これなら!」

 

 

 

そう言って麗日は“個性”を解除し、ナインに大量の岩の雨を降らせる。

麗日は、“個性”を酷使した事で顔色が悪くなり吐き気を催していた。

するとその直後、土煙の中からビームが噴き出し土煙を薙ぎ払っていく。

麗日と瀬呂が飛ばした瓦礫も、ナインのバリアで防がれ逆に押し出される。

すると瓦礫が二人に当たり、二人はヘルメットが外れて吹き飛ばされる。

ナインが次々とビームを放ってくると、瀬呂は麗日を回収してテープを使って撤退する。

 

 

 

「もうすぐ本命だ!」

 

 

 

「うん…!」

 

 

するとその時、上から声が聞こえてくる。

 

 

 

「瀬呂! 麗日!」

 

 

 

「峰田!」

 

 

 

瀬呂が振り向くと、大量の岩の前に峰田が立っていた。

 

 

 

「準備できてるぜ!」

 

 

 

「麗日頼む!」

 

 

 

峰田と瀬呂が言うと、麗日は大量の岩を堰き止めていた丸太の柵に“個性”を使う。

“個性”を酷使した麗日は、顔色を悪くしながらも力を振り絞る。

 

 

 

「う゛う゛う゛う゛う゛…!!」

 

 

 

ナインは、お構いなしにビームを放って瀬呂の攻撃を打ち落としていく。

するとその時だった。

 

「プルス…ウルトラぁああああ!!!」

 

 

麗日は、全ての柵を浮かせて叫んだ。

すると大量の岩が転がって雪崩が起き、ナインの方へ転がっていく。

“個性”を酷使して動けなくなった麗日は、瀬呂がテープで回収した。

ナインは、ビームで岩を砕こうとするがあまりの多さに間に合わず、バリアを張っても大量の岩に巻き込まれて埋もれた。

すると瀬呂が峰田に声をかける。

 

 

 

「行けえ!! 峰田!!」

 

 

 

「『スーパーグレープラッシュ』!!」

 

 

瀬呂のテープで持ち上げられた峰田は、次々とボールをもいで下の雪崩に投げつけていく。

大量の岩は、峰田のボールでくっついて固定された。

 

「これが本命だ!!」

 

 

 

「よっしゃあ!!」

 

 

 

「やった…」

 

 

 

ナインを閉じ込めた三人は喜ぶが、麗日は吐き気を催して嘔吐した。

すると瀬呂が心配する。

 

 

 

「大丈夫か!?」

 

 

 

一方、峰田もボールのもぎりすぎでフラフラになっていた。

 

 

 

「ざまあみろ…閉じ込めてやった…」

 

 

峰田は、フラフラになりながらも作戦の成功を喜ぶ。

だがその直後、大量の岩の隙間から強い光が放たれる。

そして次の瞬間岩のドームが大爆発を起こし、三人が吹き飛ばされた。

それを見ていた障子は、緑谷に報告する。

 

 

 

「くっ、本命が防がれた!」

 

 

 

「くっ…!!」

 

 

 

すると、音で索敵していた耳郎も報告する。

 

 

 

「敵、麗日達に接近!!」

 

 

 

耳郎が言うと、緑谷の表情に焦りが現れ始め、心配する活真を真幌が安心させた。

ナインは、ボロボロになった三人にゆっくりと接近していていく。

だが麗日と瀬呂は、これ以上は行かせまいと立ちはだかった。

 

 

 

「ならば…」

 

 

ナインは三人をビームで攻撃しようとしたが、すぐにバリアに切り替え後ろに張った。

するとその直後、ナインの背後から黒い炎が押し寄せ

それと同時に八百万を抱えた桜花が飛んで三人を回収した

 

その間にも炎骸による波状攻撃がナインを襲っていた

桜花は四人を上まで抱えて飛び、四人を預けて

 

「緑谷との戦闘で奴が奪える“個性”には限りがあることが分かった

ならば俺は“個性”を奪われない

俺が正面戦闘を担う

爆豪、緑谷、来たければ来ると良い

『骸炎大刀』!!

 

と言って大刀を片手に急速にナインに接近した

 

緑谷達も

 

「ったりめぇだろ」

 

「もちろん!」

 

と言って降りていった

 

 


 

一方その頃、常闇はスライスに苦戦を強いられていた。

スライスは、高笑いしながら次々と常闇に斬撃を放つ。

 

 

 

「何が『俺の世界』よ!! 威勢のいい事言って、この程度!?」

 

 

 

スライスは、そう言って髪から放たれる斬撃で常闇を追い詰めていく。

常闇は、クロウでスライスの攻撃を凌いでいく。

 

 

 

「哀れね!!」

 

 

 

スライスがそう言って髪を伸ばすと、常闇はクロウでスライスの攻撃をいなしていく。

 

 

 

「『深淵暗躯』『夜宴(サバト)』!!」

 

 

 

常闇は、クロウでスライスの指先の刃物を砕いた。

スライスは、常闇に押されて力負けし吹き飛ばされる。

 

 

 

 


 

 

そしてその頃、飯田達4人は、キメラの炎の息から逃げていた。

火の息で周囲を焼け野原にしていくキメラを見て、切島と蛙吹は目を見開いていた。

 

 

 

「何てパワーだ…!」

 

 

 

「近づく事すらできないわ…!」

 

 

 

すると轟は、何かを思いついて飯田に指示を出す。

 

 

 

「突破口を開いてくれ。俺を奴の懐に」

 

 

 

「その後は?」

 

 

 

「考えがある」

 

 

 

切島が尋ねると、轟が答える。

 

 

 

「よし…! これが最後のアタックだ!」

 

 

飯田がエンジンを作動させると、切島と蛙吹が顔を見合わせて頷いた。

キメラが口から炎を放って暴れていると、飯田がキメラの前に現れ爆速で駆け抜けていく。

するとキメラが口から炎を放ち、飯田はキメラの炎から逃げ続けて最大限気を引きつけた。

そしてその頃切島と轟は、轟の氷で滑走していた。

 

 

 

「この感じ…! 神野を思い出すな」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

「何が来たって耐えてやる。必ず懐に飛び込め!」

 

 

 

「おう!」

 

 

 

切島の言葉に轟が頷くと、切島は全身を最大限硬化させた。

 

 

 

「『安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)』!!」

 

 

 

キメラが炎を放つと、切島は硬化した身体でキメラの炎を受けて耐えてみせた。

 

 

 

「切島!!」

 

 

キメラの炎を防ぎ切った切島は、その場に倒れて轟に託す。

 

 

 

「行げ…!」

 

 

 

切島に託された轟は、氷結で橋を作って飛び出し、キメラの顔に飛び乗って氷結でキメラを冷やそうとする。

するとキメラが轟を攻撃しようとしてきたので、蛙吹が舌で絡め取って止めた。

今度はキメラは尾で轟に攻撃を仕掛け、それを飯田が蹴りで防いだ。

飯田は、キメラの尾を蹴り飛ばして押さえつけると、轟に声をかけた。

 

 

 

「轟くん!!」

 

 

 

飯田が叫ぶと、轟は炎を放とうと大口を開けたキメラの口の中に右手を突っ込み、急激に冷やしていく。

するとキメラの炎が弱まっていくが、キメラのあまりのパワーに蛙吹と飯田が持ち上げられ、空中で叩きつけられた。

轟は、それでもキメラの身体を限界まで冷やしていく。

 

 

 

「凍て尽くせ!!」

 

 

 

轟が限界まで冷却していくと、とうとうキメラの身体が凍りついて巨大な氷柱が何本も生えた。

すると轟は、体温が下がりすぎて地面に倒れ込む。

 

 

 

「しばらく…冬眠してろ…責務…果たしたからな……緑谷…爆豪…」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。