ー明星桜花sideー
さて、エンデヴァー事務所へ戻ってから直ぐに
「burnreezer、Unbreakable、デク、Apex Howitzer。4人は俺が見る。俺がお前達を育ててやる。だがその前に、貴様ら3人の事を教えろ。知らん。今貴様らが抱えている“課題”、出来るようになりたい事を言え」
とエンデヴァーが尋ねると、緑谷が答える。
「力をコントロールして、最大のパフォーマンスで動けるようにしたいです」
「超パワー…だったな」
「はい! でも最近になって副次的な力が発現して…あ、その副次的な力っていうのは、鞭状のエネルギーを出す力と、自分を浮かす力と、危険を感知する力なんですけど、今は鞭と浮遊を使った立体的な機動とキックを中心にした戦闘スタイルを中心にしてます。でも新しく使えるようになった危機感知の力、これがまだ完全には使いこなせていない状態です。この力は危険を感知すると頭の中で警鐘が鳴るというものなんですが、自分でオンオフの切り替えができず、発動中はひどい頭痛がするんです。それで最近、反動を抑えつつ回避率の向上や不意打ちへの対策、予測の補強に使う訓練をしているんですが、そうすると今度は別の力のコントロールが鈍ってしまい…」
「長くて何言ってんのかわかんない!」
「自分の分析か」
「ああああウゼー!」
緑谷の自己分析を聞いたバーニンがツッコミを入れ、轟と爆豪もコメントする。
だが、エンデヴァーは緑谷の自己分析を聞いて自分で要約をしていた。
「つまり…活動中常に力の並行処理ができるようになりたいと」
「わかったんかいNo.1は伊達じゃない!」
エンデヴァーが緑谷の言いたい事を要約してみせると、バーニンがツッコミを入れた
「難儀な“個性”を抱えたな。君も、こちら側の人間だったか…」
エンデヴァーは、緑谷のやりたい事を聞くと次は爆豪に尋ねる。
「次、貴様は?」
「逆に何が出来ねーのか、俺は知りに来た」
爆豪が言うと、バーニンはドッと笑い出す。
「ナマ言ってらー!!」
「うるせーなさっきからてめー何でいンだよ」
「私今待機」
「本心だ、クソが。『爆破』は、やりてェと思った事何でもできる! 一つしか持ってなくても一番強くなれる。それにただ強ェだけじゃ強ェ奴にはなれねーって事も知った。No.1を超える為に、足りねーもん見つけにきた」
「良いだろう、最後、貴様はどうだ」
爆豪に続き、エンデヴァーは俺に聞いてきた
俺はそれに
「実力はあると自負してます
今俺に足りてないのは経験です
その場での迅速な判断
現場で即断即決して動くこと
今のままでは少し遅い
それを速くするには経験を積むしかない
No.1の下でしか積めない経験を積みに来ました」
俺がそう言うとエンデヴァーは
「そうだな、まさしくそれは経験でしか補えない
では早速…」
エンデヴァーが事務所を出ようとすると、轟が声をかける。
「俺もいいか」
「burnreezerは赫灼の習得だろう!!」
「ガキの頃お前に叩き込まれた“個性”の使い方を、右側で実践してきた。振り返ってみればしょうもねェ…お前への嫌がらせで頭がいっぱいだった。雄英に入って、こいつらと…皆と過ごして競う中で…目が覚めた。エンデヴァー、結局俺はお前の思い通りに動いてる。けど覚えとけ。俺が憧れたのは…お母さんと2人で観たテレビの中のあの人だ。俺はヒーローのヒヨっ子として、ヒーローに足る人間になる為に俺の意志でここに来た。俺がお前を利用しに来たんだ。都合良くてわりィなNo.1。友達の前でああいう親子面はやめてくれ」
「ああ。ヒーローとしてお前達を見る」
エンデヴァーが事務所を出ると、俺達はエンデヴァーについていく。
「救助、避難、そして撃退。ヒーローに求められる基本三項。通常“救助”か“撃退”、どちらかに基本方針を定め事務所を構える。俺はどちらでもなく、三項全てを熟す方針だ。管轄の街を知り尽くし、僅かな異音も逃さず、誰よりも早く現場へ駆けつけ、被害が拡大せぬよう市民がいれば熱で遠ざける。基礎中の基礎だ。並列思考、迅速に動く。それを常態化させる。何を積み重ねるかだ。雄英で『努力』を、そしてここでは『経験』を。山の如く積み上げろ。貴様ら3人の“課題”は経験で克服できる。この冬の間に一回でも、俺より速く敵を退治してみせろ
そしてUnbreakable、お前は兎に角俺に食らいつけ
先ほどの硝子敵の部下の拘束は素晴らしかった
あれよりもっと速く拘束できるようにしろ」
そう言ってエンデヴァーが事務所を出たため俺達もそれに続いた