ー明星桜花sideー
インターン開始から一週間、その日のパトロールが終わり俺達はとある家へ向かっていた
俺達が連れて来られたのは、轟家の新居だった。
すると爆豪がキレ散らかす。
「何でだ!!!」
「お母さんと姉さんが飯食べに来いって」
「何でだ!!」
「友達を紹介して欲しいって」
「今からでも言ってこい、やっぱ友達じゃなかったってよ!!」
「かっちゃん…!」
轟に対して爆豪が逆ギレしていると、緑谷が慌てて止めようとする。
「轟…家族は大事にしろよ」
俺がそう言うと轟は
「あぁ、勿論だ」
と応えた
轟の家族の新居は、小高い場所にある日本家屋で、前の家よりは小さい家ではあったものの上品な佇まいの家だった。
家族の希望をできるだけ叶える形で建てられた一軒家は、エンデヴァーが建材にも拘ったのか、家に上がると檜の香りがした。
俺達が家に上がると、轟の姉がエプロン姿で笑顔を浮かべながら出迎えてくれた。
「忙しい中お越し下さってありがとうございます。初めまして、焦凍がお世話になっております。姉の冬美です! 突然ごめんねぇ、今日は私のわがまま聞いてもらっちゃって」
「何でだ…」
「嬉しいです! 友達の家に呼ばれるなんてレアですから!」
「いえ、家族は大事にすべきです
友の家族の願いと言うならば何ら問題ありません」
爆豪が不機嫌そうにする中、緑谷は素直に喜び
俺も問題ないと伝える
轟は、家に上がるなり久々に姉と会話をしていた。
「姉さん。そっちは大丈夫か?」
「え? 何が?」
「ほら、あんな事があった後だから、変な奴に嗅ぎ回られたりとかしてないかと思って」
轟は、エンデヴァーの過去の行いが世間に知られた事で家族が悪質なマスコミに嗅ぎ回られたり下卑た好奇心に晒されたりしているのではないかと心配していた。
すると冬美は、少しはにかみながら答える。
「ああ、その事ね。心配しないで。あれからお父さんね、私達を守る為に家の警備を強化してくれたの。近くに警察署もあるし、私の職場や夏の大学にもお願いしてセキュリティを強化してもらったから大丈夫だよ。ここまでしてもらっちゃって、逆にちょっと申し訳ないかなァ」
「そうか…」
冬美が言うと、轟は肩の力を抜く。
今まで家族を顧みなかった父親が家族を守る為に手を尽くしていると知って、安心したのだ。
まぁこれに関してはうちも関わっているshelaの一部を周囲に配置している
shelaからは今のところ不審者はいないと報告が上がっている
問題はないだろう
するとその時、台所から轟の母親が出てくる。
「おかえりなさい。焦凍、あなた」
「…ああ。ただいま」
「お母さん…体調大丈夫なのか」
「ええ。せっかく焦凍がお友達を呼んでくれたんですもの。私も久しぶりに台所に立ってみたの。夏も奥で手伝ってくれてるわ」
轟の母親が轟とエンデヴァーに声をかけると、エンデヴァーが若干気まずそうに返事をし、轟が冷の体調を心配する。
彼女が笑顔を見せながら答えると、轟は安堵の表情を見せる。
轟に続いて俺達も歩いてくると、彼女は俺達三人に挨拶をした。
「はじめまして。焦凍のお友達ね。来てくれてありがとう。焦凍の母の冷です」
「はじめまして…! みっ、緑谷出久といいます!」
「お友達じゃっ「はじめまして、私は明星桜花と申します
こちらは爆豪勝己、級友です」
冷が三人に挨拶すると、緑谷は緊張気味に答え、爆豪が悪態をつこうとしたので俺が右腕で肩を掴みながら挨拶をした。
その後、俺達は轟一家と食事をすることとなった
食卓には餃子や麻婆豆腐、竜田揚げなどの料理が並んでおり、俺達は話しつつ食べ進めていた
「食べられない物あったら無理しないでね」
「どれもめちゃくちゃ美味しいです! この竜田揚げ味がしっかり染み込んでるのに衣はザクザクで仕込みの丁寧さに舌が「飯まで分析すんな! てめーの喋りで麻婆の味が落ちる」
緑谷がいつものブツブツで冬美の手料理を褒めちぎっていると、爆豪がやめさせた。
するとそんな中、夏雄が口を開く。
「正直、親父の事は許せない。許せる時なんて来ないよ。けどさ、全力で焦凍とぶつかってくれる友達がいなきゃ、親父のこれからを見届ける事すら一生できないままだったと思う」
「夏雄…」
「今はそれで良いんじゃないですか
あるきっかけでエンデヴァーではなく轟炎司と言う一人の男を見る、見ようと考えられる機会を得た
後はエンデヴァーさんの行動次第でしょう
ただひとつ言えるのは家族は大事にすべきと言うこと
何を言ってもどんなに嫌っても
血縁と言う糸は切っても切れないものです
それを確りと見るか見ないかはその人次第ですが
それでも家族がいると言うのはこの上なく有難いことです
家族についてゆっくりと考えてみる良い機会でしょう」
そんな夏雄に俺はそう話した
そして続けて
「エンデヴァーさん、この後時間ありますか
話したいことがあるんですけど」
と言った
するとエンデヴァーさんは
「あぁ、後で俺の部屋に来てくれ
場所は誰かに聞けば良い」
と答えた
俺はそれに
「分かりました」
と返す
すると夏雄が思い出したと言わんばかりに
「そうだ、焦凍。学校の話聞かせてよ」
と言い
それに続くように
「あ、そうそう! 学校の話聞こうと思ってたの! ね、お母さん」
「ええ。私も聞きたいわ。せっかく来てもらったし、皆からも聞かせてもらえる?」
と冬美と冷が言った
それに緑谷は
「…! もちろんです!」
と返し
俺は
「ええ、勿論です」
と返した
その後、俺は部屋の場所を聞いてエンデヴァーさんの部屋に来ていた
部屋に入るとエンデヴァーさんが
「来たか、で?話と言うのはなんだ」
と聞いてきたので
「ホークスからもらった本のことです」
と答えた
するとエンデヴァーさんは
「貴様も気付いたか」
と言った
俺はそれに
「ええ、それで今のうちに話しておこうと」
と答えた
それにエンデヴァーさんは
「そうだな、面倒なことになったが
やることは変わらん
叩き潰すだけだ
敵を甘く見てはならん
総力を挙げて叩く
そのために少しずつ動く」
と言った
俺はそれに
「ええ、分かりました
いつでも動けるようにしておきます」
と答えた
そして続けて
「最後に家族は守ってくださいよ
俺にはできませんでした
俺にできなかったこと貴方に託します」
と言った
するとエンデヴァーさんは
「あぁ、このエンデヴァーに任せておけ」
と答えた
その後、俺達はエンデヴァーさんの車で雄英へ向かっていた
すると
「貴様らには早く力をつけてもらう。今後は週末に加え…コマをずらせるなら平日最低2日は働いてもらう」
と助手席に座っていたエンデヴァーが、俺達に言った
一方で爆豪は、いきなり不安そうに頭を抱え出した緑谷を怪訝そうな表情で見る。
「おいデク。何クソみてえなツラしてんだ」
「今、危機感知が鳴ったんだ。どんどん強くなってる…!」
「は?」
緑谷が言うと、緑谷の“個性”を知っている爆豪が目を見開く。
するとその時だった。
「ん?」
運転していたハイヤーは、前方にポツンと人が立っているのに気がつく。
俺も視認したその為一番外側に乗っていた俺はドアを開けて外に出て、炎の噴射で飛び上がる
そしてエンデヴァーも、勢いよく車のドアを開けると全身に炎を纏って飛び上がった。
するとその直後、車が白線塗料で拘束される。
「!?」
エンデヴァーは、目の前の男に対して叫ぶ。
「彼を離せ!」
すると男は、夏雄を盾にして叫ぶ。
「俺を覚えているかエンデヴァー!!」
「…………7年前…! 暴行犯で取り押さえた…! 敵ヴィラン名を自称していた。名は…」
「そう! そうだすごい! 覚えているのか嬉しい!! そうだ俺だよ! 『エンディング』」
エンディングが名乗った直後、エンデヴァーが勢いよく飛び出す。
「すまないエンデヴァー、でもわかってくれ。俺がひっくり返っても手に入らないものをあんたは沢山持っていた。憧れだったんだ! 俺は何も守るものなんてない!」
エンディングは、夏雄をさらに強く拘束すると矢印型の白線塗料を夏雄の顔に突きつける。
「この男を殺すから、頼むよエンデヴァー! 今度は間違えないでくれ! 俺を、殺してくれ。ヒーローは余程の事でも殺しは選択しねェ! でもよ! あんた脳無を殺したろ!? 俺もあの人形と同じさ、生きてんのか死んでんのか曖昧な人生! だから安心して! その眩い炎で俺を!」
そんなことを言っているが俺はそれを無視して
「すまんがそんな戯言を聞いてやるほど善人ではない」
と言って白色塗料を焼き切って解放し、そのまま殴り飛ばした
その間に緑谷が黒鞭で夏雄を回収している
そして殴り飛ばした敵を爆豪がこちらに投げ飛ばし
轟が氷で確保した
エンデヴァーは、自分が駆けつける前に瞬く間にエンディングを倒し夏雄を助けてしまった4人を見て、呆然としていた。
だがすぐに我に返ると、エンデヴァーは夏雄に駆け寄って抱きつく。
「怪我は」
「熱い…」
エンデヴァーが抱き締めると夏雄は暑がる。
そんなエンデヴァーに爆豪が
「何だっけなァNo.1!! 『この冬』!? 『一回でも』!? 『俺より速く』!? 敵ヴィランを退治してみせろ!?」
と言う
するとエンデヴァーは、夏雄を抱き締めながら
「ああ…!! 見事だった…!! 俺のミスを、最速でカバーしてくれた…!」
と言った
そして続けて
「夏雄…! すまない…! お前達を守ると言っておきながら、この体たらくだ…!! 俺のせいで怖い目に遭わせて、すまなかった…!」
夏雄を抱きしめながら自分の失態を謝罪している
ここはshelaの監視範囲外
気付けないのも仕方のないこと
さて、帰ったら人員を増やして範囲を拡大すべきだな
その後は到着した警察に引き渡して帰宅した