第百三十二話 ワールドヒーローズミッション Ⅰ
ーthird personー
とある組織の所有する講堂にて、男が語った。
「昔、超常的異能、即ち“個性”が人類にもたらされたのは何故か?」
男が言うと、組織の者達は一斉に槍を光る赤子の像に突きつける。
すると男が再び話し始める。
「初めの異能者、光る赤子が生まれたのはなぜか? 全ては悲劇である。“個性”は人類にとっての福音ではなく終末への始まりだったのだ。この“個性”終末論に記されている。世代を経るにつれ“個性”は混ざり、進化し、やがて誰にもその力をコントロールできなくなる。人類の8割が“個性”という病に侵された時代、残された2割の純粋な人類も、“個性”保持者と交わりその数を減らしていく。絶滅は目の前に迫っているのだ。我々『ヒューマライズ』は、今こそ立ち上がらなければならない! たとえ大地を血に染めてでも、人類の救済を」
ヒューマライズの指導者、『フレクトターン』が“個性”終末論の本をまるで聖書のように掲げながら言うと、信者達も一斉に復唱する。
「「「「「人類の救済を!! 人類の救済を!! 人類の救済を!!」」」」」
信者達が復唱する中、信者の一人が講堂から抜け出しマスクを取った。
右眼に眼帯をつけた男は、切羽詰まった様子で逃げ出す。
その頃講堂では、フレクトターンが剣を振り上げていた。
「では、始めよう」
フレクトターンがそう呟いた瞬間、剣からは不気味な光が放たれ、講堂内にあった謎の巨大な装置も怪しげな光を放つ。
するとその直後装置から緑色の煙が放たれ、煙は驚異的な速度で地下を伝っていき、やがてマンホールを突き破って外へと噴き出す。
それを見た外の住民は、パニックを起こして悲鳴を上げながら一斉に逃げていた。
だがそうしている間にも、街全体が緑色の煙に覆われていく。
煙に覆われた一般人達は、次々と“個性”が暴走して苦しみ出す。
そしてそれはヒーローや敵も例外ではなく、“個性”が暴走した者達が次々と街を破壊し甚大な被害を生み出していく。
街中が血煙を上げながら火の海と化していく様は、もはや地獄絵図だった。
「…!」
そんな中、煙の影響を受けなかった“無個性”の男性は頭を抱えて怯えていた。
すると、後ろから女性信者が声をかける。
「あなたは、“個性”を持っていないのですね。おめでとうございます。あなたは救われたのです」
女性信者がマスクを外しながら微笑みかけると、男性は目を見開いて怯える。
一方、オセオン国上空では、4機のジェット機が飛行していた。
その内の2機の中にはエンデヴァーをはじめとしたヒーロー達、轟、爆豪、緑谷が乗っていた。
そして残る2機の中には『Gold Eagle』指揮官としての桜花とラインハルト、
そして『Emperor's Star Team』の『
桜花は装備を確認しつつ言った
「オセオン担当チーム、油断せず確実に潰すぞ」
日本の高速道路上を走る輸送車にはファットガムをはじめとしたヒーロー達と天喰、そして切島と鉄哲が乗っており、別の車両にはギャングオルカをはじめとしたヒーロー達、そして耳郎と障子が乗っていた。
その上空を飛ぶジェット機には『attack team』の『
エジプトの上空を飛行するジェット機には、チームラーカーズをはじめとしたヒーロー達、そして上鳴、瀬呂、峰田、塩崎が乗っており、
その横を並んで飛ぶジェット機には『attack team』の『
フランスな道路を走る輸送車には、リューキュウをはじめとしたヒーロー達や波動、そして蛙吹と麗日が乗っていた。
その上空を飛ぶジェット機には『attack team』の『
シンガポール・マレーシアには、マジェスティックをはじめとしたヒーロー達や八百万と取蔭がいた。
シンガポールの上空を飛ぶジェット機には『attack team』の『
マレーシアの上空を飛ぶジェット機には『attack team』の『
そしてアメリカの高速道路には輸送車とその上空を飛行するジェット機が同時に目的地へ向かっており、常闇とホークスが“個性”で上空を飛んでいた。
ジェット機には『attack team』の『
彼らは車内または機内のモニターで映像を見ていた
『先日の無差別テロの犯行声明を出したのは、『ヒューマライズ』、人類救済を標榜する指導者、フレクトターンによって設立された思想団体である。テロに使用された装置は、“個性”因子誘発物質、『イディオトリガー』を強化したものだと推測される。以後、この装置を『トリガーボム』と呼称する。我々選抜ヒーローチームの任務は、世界二十五ヶ所にあるヒューマライズの施設を一斉捜索。団員達を拘束したのち、一刻も早く保管されているトリガーボムを確実に回収する事である。施設では、団員の抵抗が予想される。また、トリガーボムを使用する危険も高く、各国の警察への協力要請は自粛せざるを得ない』
そしてアメリカ・ニューヨークの統括司令部では。
「火急かつ速やかに任務を実行してほしい。オールマイト」
司令部長官が後ろにいたオールマイトに声をかけると、オールマイトが前に出て話し始める。
「ヒーロー諸君。今作戦は明星警備との合同作戦だ。
明星警備の人員と協力して作戦に当たってくれ。
この作戦の成否は君達の双肩にかかっている。テロの恐怖に怯える人々の、笑顔を取り戻そう!」
続いてその隣のエルヴィンが話し始めた
「明星警備隊員各員。現在現場におられる指揮官にかわって命を伝える。
この作戦に全力を尽くせ。
この一戦を以て、不穏分子を叩き潰すのだ
Kämpfe hart!!」
『各ヒーローチーム…スタートミッション!!』
司令部長官の掛け声を合図に、ヒーロー達は一斉にジェット機から飛び降りた。
するとエンデヴァーが他のヒーロー達に声をかける。
「Aチーム! トリガーボムを爆破される前に確実に回収するぞ!!」
「「「「了解!!」」」」
一方、緑谷達はというと。
「あれが、ヒューマライズのオセオン本部…!」
「俺達Bチームの任務は、施設の制圧とボスのフレクトって奴の確保だ! 油断するな!」
「誰に物言ってんだ!? ああ!?」
『Alle Truppen, Beginnen Sie die Operation. 』
エルヴィンの開始の号令を合図に明星警備の部隊が降下を開始する
「さぁ戦を始めよう
Finde Freude im Kampf! Sei stolz auf dich! Kämpfe hart!!」
『Wie Sie möchten!!』
ヒューマライズとヒーロー達の戦いの火蓋が切って落とされた